再建築不可物件の固定資産税は安くなる?税金増大リスクや計算方法を詳しく説明!

再建築不可物件

再建築不可物件は一般的な不動産とは違いさまざまなリスクがあります。そのため、物件自体の評価も低くなる傾向があり売却も難しい物件です。

しかし、評価の低い再建築不可物件は固定資産税などが安いというメリットもあります。

この記事では、再建築不可物件は一般的な物件よりも固定資産税や都市計画税が安くなる理由や、固定資産税の計算方法や節税方法まで幅広く解説します。

再建築不可物件の固定資産税について

税金
再建築不可物件の固定資産税は、建物の状態や経過年数だけではなく、土地の形状や道路の接道状況などによっても税額が変わります。

無接道や不整形地といった物件が多い再建築不可物件の場合、土地や建物の評価に対して減価補正されることがあるため、固定資産税もその分安くなる傾向があります。

土地や建物の評価が低いとなぜ固定資産税が安くなる?

再建築不可物件の住宅や建物は、築40年や50年といった築古物件が多いです。

建物の評価は経年とともに下がっていくシステムになっており、固定資産税の負担額も不動産の評価が下がるにつれて減額されていきます。

もっと詳しく説明すると、不動産の評価には経過年数ごとに経年減価補正率というものが設定されており、築45年以上になると家屋の評価額は新築時の2割にまで下がります。(最低でも2割まで)

また、前の項目でも説明したとおり「無接道」、「不整形地で間口が狭小」などの特徴を持つ再建築不可物件は不動産評価が減価補正されます。

そのため、固定資産税の負担額も減価分だけ安くなるというわけです。

※固定資産税の算出方法は後に説明していますので、そちらをご確認ください。

固定資産税の負担が増えるリスクもある

再建築不可物件は不動産の評価が低いため、固定資産税が安くなるケースがほとんどです。

しかし、再建築不可物件を持ち続けると固定資産税が増えてしまうリスクもあります。主に次で説明する2つのことに注意しましょう。

更地になった場合

「再建築不可物件の土地を高く売るために建物を解体した」、「再建築不可物件の建物が地震で倒壊してしまった」などの理由で更地化してしまったというケースをよく聞きます。

元々、住宅が建っていた物件が更地になってしまうと、住宅用地における軽減措置(※住宅用地の特例)が解除され固定資産税の負担が最大6倍にまで膨れ上がってしまいます。

※「住宅用地の特例」は住宅が建設されている土地(宅地)の固定資産税を1/3~1/6にまで軽減する制度です。

住宅が失われた土地(更地)は宅地には該当しないので、住宅用地の特例を受けることができず以前よりも固定資産税の負担が増大、加えて、再建築不可物件のため新たに住宅を建てることができず、膨れ上がった固定資産税を物件を所有している限り、ずっと支払い続けることになります。

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特定空家等に該当される場合

「相続したけど使わない」、「中古物件が再建築不可だと知らずに購入してしまった」などで再建築不可物件をうまく活用できず、空き家になって放置しているといったケースもよく見かけます。

放置された空き家は劣化が激しくボロボロになるのも早いです。それによって、倒壊や火事の危険性、周辺地域における景観の悪化、不審人物や害獣の住処になるなど、さまざまな問題が浮かび上がります。

このような空き家物件は国によって「特定空家等」として扱われる可能性があります。

特定空家等は、国が定める「空家等対策特別措置法」の中で指定される物件のことで、以下のような説明がされています。

そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。出典:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=426AC1000000127、総務省「行政手続のオンライン利用の推進 空家等対策の推進に関する特別措置法」

特定空家に指定され、自治体からの勧告を受けると、土地にかかる固定資産税の軽減措置が解除され、更地と同様に負担額が最大6倍になります。

■空き家対策特別措置法の内容

空き家対策特別措置法は平成27年から施行されている政令です。

空き家対策特別措置法の主な目的は、そのまま放置していると危険を生み、周囲に被害を及ぼすような空家への対策を進めることです。具体的には以下のような3つの対策措置を定めています。

  1. 自治体から特定空家等と指定され、対策を取ることを求められているにもかかわらず所有者が対応しない場合には、自治体が強制的に空家を解体して所有者に費用を請求する
  2. 特定空家等を解体する場合に、国と自治体が補助金を交付して解体費用の一部を負担する
  3. 特定空家等に対して建物が建っている土地であっても固定資産税・都市計画税の減税措置を適用しない

再建築不可物件を更地にしたい場合、②の補助金を利用して建物を解体することを強くお勧めします。

なお、この補助金は1年間の予算が決まっていますから、年度の後半になると締め切っていることがあります。なるべく早めに申し込みをしましょう。

固定資産税・都市計画税とは

固定資産税
これまでにも不動産を所有していた方や事業を営まれていた方にはなじみがある固定資産税・都市計画税ですが、そうではない方々はあまりご存じない税目だと思います。まずは固定資産税・都市計画税について解説します。

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日の時点で土地や建物、償却資産(事業用の固定資産)を所有している方が市町村に納める税金です。東京の23区内の場合には都に納めます。

各市町村がそれぞれの土地建物の構造や条件などを基に計算した固定資産税評価額を、一定のルールに基づいて調整した固定資産税課税標準額に税率を乗じて1年分の固定資産税額を計算します。各市町村により異なりますが、一般的に税率は1.4%です。

固定資産税の計算方法

固定資産税評価額(課税標準額)× 標準税率(1.4%)
=固定資産税

固定資産税評価額(課税標準額)…簡単に説明すると土地、建物などの不動産における評価額です。不動産ごとに評価は異なり、訳あり物件や古い物件は減価されることがあります。

都市計画税

都市計画税も固定資産税と同じく、毎年1月1日の時点で都市計画区域の市街化区域内に土地や建物を所有している方が市町村に納める税金です。こちらも固定資産税と同様、東京の23区内の場合には都に納めます。

都市計画税も、固定資産税と同様に固定資産税評価額を、一定のルールに基づいて調整した固定資産税課税標準額に税率を乗じて1年分の税額を計算します。各市町村により異なりますが、一般的に税率は0.3%です。

固定資産税・都市計画税の納付方法

所得税や法人税と異なり、自分で固定資産税の申告をする必要はありません。毎年5月~6月頃までに各市町村から納付書が送られてきます。この納付書に税額や納期などが記載されていますので、納期までに納付書とお金を用意し、地方税の納税に対応している金融機関に持ち込んで納付します。

なお、納期は年4回あり、1年分を分割して支払うこととなっています。早く支払う分には問題ありませんから、資金に余裕がある場合には1年分を前払いしてしまってもいいでしょう。

なお、口座振替やATMでの納税、クレジットカード決済に対応している自治体もありますから、ご自身の都合の良い納税方法を利用しましょう。市役所に問い合わせても親切に教えてくれますし、わかりやすい解説書が納付書に同封されています。

固定資産税の金額はどこで確認できる?

固定資産税納付
自分が現在負担している固定資産税の金額は、固定資産税の納付書の控えなどを確認すればすぐにわかりますが、紛失してしまうこともあります。また、これから購入しようとしている不動産の固定資産税の金額をあらかじめ知りたいと思うこともあるでしょう。

自分が現在負担している固定資産税の金額はもちろん、他の方が所有している不動産の固定資産税の金額を知る方法や自分で計算する方法、不動産を購入したあとの注意事項まで解説します。

自分が所有・賃借している不動産の場合

上記のとおり、自分が負担している固定資産税は納付書の控えなどを確認すればすぐにわかります。また、不動産を共有しており、自分が代表者ではない場合であっても、不動産がある市町村から固定資産税に関する通知が来ますから、問い合わせなどの手続きを行わなくてもその通知で知ることができます。

万一それらの書類を紛失してしまった場合であっても、固定資産課税台帳の閲覧という制度があります

この制度は、自分が所有する不動産や借りている不動産の固定資産税に関するデータが記載されている固定資産課税台帳を市役所で確認することができる制度です。なお、固定資産課税台帳に関する証明書を発行してもらうこともできます。

後述する固定資産課税台帳の縦覧期間に確認する場合には無料ですが、それ以外の期間に確認する場合や、時期にかかわらず証明書を発行してもらう場合には300円ほどの費用がかかります。

他の方が所有する不動産の場合

他の方が所有している不動産の場合には、固定資産課税台帳の縦覧という制度を利用することができます。この制度は、自分が所有している不動産の固定資産税の金額を他の物件の固定資産税と比較するための制度です。

したがって、固定資産税を確認したい不動産と同一区内(市町村によって異なります)にご自身が不動産を所有していない場合には、この制度を利用することができません。また、同一区内に建物だけ、土地だけを所有している場合には、建物、土地の固定資産税課税台帳しか縦覧することができません。

さらに、固定資産課税台帳の縦覧は期間が決まっています。土日祝日の関係で毎年若干の前後はありますが、おおむね4月中だと考えておけばいいでしょう。

すでにお知らせしましたが、縦覧期間中であればご自身の不動産の固定資産課税台帳の閲覧にも費用がかかりませんので、確認を急がないのであれば縦覧期間中に閲覧するのも一案です。

これから購入する不動産の固定資産税を知りたい場合

これから購入する不動産と同一区内にご自身が不動産を所有していれば縦覧の制度を利用できます。しかし、必ずしも都合よく同一区内に不動産を所有していることは多くないでしょうし、縦覧の制度を利用できる期間は決まっています。

具体的に購入することを検討している不動産がある場合には、その不動産の売主に直接尋ねてしまうほうが早いでしょう。買い手が口頭での回答を求めているのであれば簡単に教えてくれるでしょうし、ご本人であれば市町村に証明書の発行をしてもらうことも可能です。

固定資産課税台帳の確認を忘れずに

再建築不可物件を購入する場合には、購入後に固定資産課税台帳を確認し、間口や土地の形、面積などを確認しましょう。

再建築不可物件は、当然ですが通常の物件と比較して間口や接道している道路が狭かったり、土地の形が綺麗な四角形ではなかったりと、他の物件と比較して住宅用地としての条件が悪いことが多いです。

また、接道義務を果たしていない物件ですから、どうしても路地奥や幅員の狭い道路に面しており、住宅用地として高い市場価格がつくとは考えにくいことや、建て替えができないことも考えると、土地の固定資産税評価額は相当低くなります

したがって、一般的には通常の不動産より固定資産税が低額になる傾向にあるのですが、固定資産課税台帳の記載内容に誤りがあり、高額の固定資産税を納税し続けているケースも多く見受けられます。

その場合には、誤っている点を市役所に伝えると担当者が再調査し、正確な内容に修正してくれます。費用はかかりませんので、少しでも気になる点があれば市役所に確認しましょう。

また、もし間違いがあった場合には、地方税法の規定により5年間さかのぼって還付してもらうことが可能ですが、より以前の分は時効となり、返してもらうことができません。

しかし、市町村に重大な錯誤があった場合には10年間さかのぼることとされていますし、実務上は20年間さかのぼって返還されることもあり、交渉次第というのが実情です。

また、固定資産税は納税者が申告するのではなく、行政側が一方的に金額を伝えてくるものです。行政側が金額を間違えたわけですから、そのミスが重大な場合には国家賠償請求訴訟を提起することで20年間さかのぼることも可能です。

国家賠償請求訴訟を提起するのは素人には難しいため、そのような事態となった場合には弁護士に相談しましょう。

まとめ

再建築不可物件は取得するときの費用が少なくて済むため、相対的にそれ以外の費用が収支に大きな影響を与えます。特に固定資産税・都市計画税は再建築不可物件を取得してから手放すまで、毎年納税しなければならない税金ですから、不動産を取得する前に金額をよく確認しておきましょう。

また、不動産を居住用にしているかどうか、建物を壊して更地にするかどうかで税法上の取扱が大幅に変わることが多いです。くれぐれも転居したり解体したりする前に税理士に相談しましょう。

最終更新日:

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