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空き家の査定方法は?査定前の準備や注意点、業者の選び方も解説

空き家の査定方法は?査定前の準備や注意点、業者の選び方も解説

空き家は管理の手間や費用が発生するうえ、近隣トラブルのリスクなどがあるため、売却したいと考える人もいるでしょう。空き家の売却で最初のステップとなるのが査定です。

空き家の査定方法には「机上査定」「訪問査定」の2種類があります。

査定の種類 概要
机上査定 物件の基本情報をもとに、査定額を出す方法です。登記事項証明書などの書類は必要なく、手軽に査定ができます。ただし、物件を確認せずに査定額を出すため、訪問査定と比べると実際の売却価格と差が生じる可能性があります。
訪問査定 不動産会社が物件に足を運び、査定額を出す方法です。建物の状態や周辺状況を確認して査定するため、精度が高いといえます。物件の立ち合いがある分、手間や時間を要します。

複数社で査定してから依頼したい人、査定額を参考に売却を検討したい人は、机上査定が向いています。また、対象物件が遠方にある場合にもおすすめの査定方法です。

一方、購入の意思がほぼ固まっている人、精度の高い査定を受けたい人は、訪問査定が向いています。不動産会社の担当者と直接話したいといった場合にもおすすめです。

なお、空き家査定を依頼する場合は、下記のようなポイントを意識して不動産会社を選ぶと希望が叶いやすいでしょう。

  1. 実績豊富な不動産会社・買取業者を選ぶ
  2. 引渡し日の調整や不用品処分などのサービス面で選ぶ
  3. 査定額の根拠を示してくれる業者を選ぶ
  4. 複数社で比較して信頼できる不動産会社・買取業者を選ぶ

空き家査定の主な依頼先は、直接不動産を買い取る「不動産買取業者」、不動産の買い手を探して仲介する「不動産仲介会社」の2つです。

手間や時間をかけずに売却したいのであれば、不動産買取業者がおすすめです。なかでも、空き家などの訳あり物件を専門とする業者であれば、買い取り後の物件活用のノウハウや必要経費が把握できているため、適切な価格がつきやすいといえます。買取業者側のリスク回避で安く買い取られるといったミスマッチも起きにくいでしょう。

売却を急いでいない場合、なるべく高額で売却したい場合は不動産仲介会社を検討すると良いでしょう。

本記事では、空き家の査定方法や査定額の算出方法を解説します。査定前に準備すべきこと、把握しておくべき注意点、査定を依頼する業者の選び方にも触れていきます。

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空き家の査定方法には「机上査定」と「訪問査定」がある

空き家の査定方法には、物件の基本情報を伝えて簡易的に行う「机上査定」、不動産会社に足を運んでもらって物件を確認する「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は簡単に依頼ができ、短期間で査定額が出ます。複数社を比較して、おおよその売却価格を知りたい時に便利です。ただし、訪問査定と比較すると精度は劣ります。

一方、訪問査定は物件の状態などを実際に確認して査定額を出すため、精度が高いといえます。手間や時間を要しますが、不動産会社と直接顔を合わせるため、質問などもしやすいでしょう。

机上査定と訪問査定で迷う場合は、下記を参考に選ぶと良いでしょう。

机上査定が向いている人 訪問査定が向いている人
・複数社に依頼してから訪問査定する会社を決めたい人
・査定額を参考に売却するかどうかを決めたい人
・査定したい物件が遠方にある人
・売却の意思がほぼ固まっている人
・精度の高い査定を受けたい人
・売却の知識がなく、不動産会社と話しがしたい人

机上査定と訪問査定の特徴、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

机上査定(簡易査定)とは、物件を実際に確認せずに情報だけで査定する方法

机上査定とは、物件の種類や所在地、築年数、面積、間取りといった情報と、不動産会社がもっている周辺不動産の相場や販売実績を比較して査定額を出す方法です。物件を実際に確認せずに査定額を出すことから、簡易査定とも呼ばれます。

机上査定のメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット デメリット
・物件での立ち合いがなく、手軽に査定できる
・短期間で査定が完了する
・おおよその売却価格を把握できる
・物件の状態を確認しないため、査定の精度が低い
・机上査定よりも低い価格で売却になる可能性がある
・契約のために、高い査定額を出す会社も存在する
・売却時には訪問査定が必要となるため、二度手間になる

机上査定は短期間で査定額が出るものの、実際の建物や周囲の状況を確認せずに査定する分、査定額の精度が低いとされます。実際に売却するとなった場合に、当初の査定額よりも低い価格になるといった可能性も考えられるでしょう。

机上査定を行うのに向いているのは下記のような人です。

  • 複数社に依頼してから訪問査定する会社を決めたい人
  • 査定額を参考に売却するかどうかを決めたい人
  • 査定したい物件が遠方にある人

不動産の売却が初めてで、いきなり訪問査定を依頼するのはハードルが高いと感じる人も、机上査定であれば気軽に依頼できます。どこの不動産会社に依頼するか迷う場合も、複数社に査定依頼することで、不動産会社選びがしやすくなるでしょう。遠方に物件がある場合も簡単に査定ができるため、査定額を参考に売却するかの判断がしやすくなります。

机上査定は書類がなくても依頼可能

机上査定は簡易的な査定であるため、物件の情報をある程度把握していれば依頼可能です。

物件に関する書類がなくても問題ありませんが、空き家の場合は物件情報もしっかりと把握できていない可能性があります。下記のような書類を用意しておくと、物件情報をより詳細に伝えられ、比較的精度の高い査定が受けられるでしょう。

書類 内容
登記事項証明書 不動産の所有者や土地の種類、面積などの情報をまとめた書類です。法務局で入手可できます。
土地の測量図 隣地との境界線が記録されている書類で、土地の面積も確認できます。法務局で入手可能です。
建物の図面 建物の間取りや面積を確認するのに役立つ書類です。法務局で入手できます。
公図 土地の形状や地番などが記載された図面で、不動産の所在地や境界を確認するのに役立ちます。法務局で入手可能です。
登記識別情報通知(登記識別情報) 不動産の権利についてまとめた書類です。購入時に入手する書類のため、空き家に保管されている可能性があります。紛失時は法務局に問い合わせましょう。
購入時の書類 売買契約書や建築確認申請書、検査済証などが該当します。購入時期や売買価格、不動産の権利関係を把握するのに役立ちます。購入時に入手する書類のため、空き家に保管されている可能性があります。

訪問査定とは、現地調査に基づいて価格を算出する方法

訪問査定とは、不動産会社が物件に足を運んで、建物や土地の状況を確認したうえで査定額を出す方法です。建物の状態や設備、眺望や日当たり、周辺状況などを把握して査定額を算出するため、机上査定よりも精度の高いことが期待できます。

訪問査定のメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット デメリット
・物件を確認するため、査定の精度が高い
・不動産会社と直接顔を合わせるため、疑問点などを質問しやすい
・信頼できる不動産会社であるか見極める機会にもなる
・物件の立ち合いがある分、時間や手間がある
・机上査定のように、複数社に一括査定の依頼ができない
・近隣に売却を検討していることがバレる可能性がある

訪問査定はより精度の高い査定が期待できますが、実際に物件に足を運ぶ必要があるため、手間や時間を要します。また、不動産会社の人と物件周辺を確認することで、周囲に売却の意向が伝わる可能性があります。近隣の人との関係性が悪く、売却の意向を悟られたくない場合は、デメリットに感じるかもしれません。

訪問査定を行うのに向いているのは下記のような人です。

  • 売却の意思がほぼ固まっている人
  • 精度の高い査定を受けたい人
  • 売却の知識がなく、不動産会社と話しがしたい人

不動産の売却がほぼ確定しているのであれば、正確な査定額を知る必要があるため、訪問査定が向いています。また、売却の流れや疑問点などを直接不動産会社と話したいといった場合も、訪問査定が向いているでしょう。

訪問査定は複数の証明書類や実印などが必要

訪問査定を行う場合は、正確な査定額を算出するために物件情報に関わる書類を準備する必要があります。売却時にも必要になる書類もあるため、訪問査定のタイミングで準備しておくことで、スムーズな売却にもつながるでしょう。

訪問査定で必要な書類は下記のとおりです。

書類 内容
登記事項証明書 不動産の所有者や土地の種類、面積などの情報をまとめた書類です。法務局で入手可できます。
土地の測量図 隣地との境界線が記録されている書類で、土地の面積も確認できます。法務局で入手可能です。
建物の図面 建物の間取りや面積を確認するのに役立つ書類です。法務局で入手できます。
公図 土地の形状や地番などが記載された図面で、不動産の所在地や境界を確認するのに役立ちます。法務局で入手可能です。
所有者の身分証明書 運転免許証やマイナンバーカードなどの、本人確認書類を指します。
固定資産税の課税明細書 固定資産税の課税状況や不動産の現況を把握するための書類です。毎年4~6月頃に不動産の所有者宛てに送付されます。
登記識別情報通知(登記識別情報) 不動産の権利についてまとめた書類です。購入時に入手する書類のため、空き家に保管されている可能性があります。紛失時は法務局に問い合わせましょう。
購入時の書類 売買契約書や建築確認申請書、検査済証などが該当します。購入時期や売買価格、不動産の権利関係を把握するのに役立ちます。購入時に入手する書類のため、空き家に保管されている可能性があります。
住宅ローンの返済予定表・残高証明書 住宅ローンが残っている場合に必要な書類です。金融機関との相談、売却代金で完済可能かの判断をするのに役立ちます。金融機関に問い合わせることで取得可能です。
所有者の実印・印鑑証明 査定時は必要ありませんが、売却時に必要になるため、用意しておくと手続きがスムーズです。実印の登録や印鑑証明の発行は役所で行えます。

空き家の査定額の算出方法

空き家の査定額は主に「取引事例比較法」「原価法」によって算出されます。取引事例比較法は、加工の取引事例をもとに査定額を出す方法です。一方、原価法は、対象物件を再度建築した場合に必要な費用をもとに査定額を出します。なお、一般的には築年数が古いと査定額が低くなる傾向にあります。

また、不動産会社によって算出時に用いるデータは異なるため、机上査定、訪問査定のどちらも査定額に違いが出ることがあります。

空き家の査定で用いられる、取引事例比較法、原価法について詳しく解説していきます。

取引事例比較法│取引事例をベースに算出する方法

取引事例比較法とは、過去の取引事例をベースに物件価格を算出する方法です。対象となる物件の周辺地域にあった類似物件を参考にするのに加え、時代の変化による地価の変動、物件の状態も考慮して物件価格を算出します。

取引事例比較法を用いた算出例は下記のとおりです。

対象物件:築20年の空き家A
類似物件の取引事例:築25年の空き家B(売却価格1,500万円)、築15年の空き家C(売却価2,500万円)


<査定額>
類似物件と比較して、対象物件の価格を2,000万円と査定します。なお、類似物件売却時よりも土地の時価が1割上がっていた場合は、1割分を修正して2,200万円とすることが考えられます。

原価法│再建築時にかかる費用から価値低下分を差し引いて算出する方法

原価法とは、対象物件を再度建築した場合に必要な費用「再調達価格」を基準に算出する方法です。再調達価格を算出するのに加え、築年数による劣化などの減価調整をして査定額を出します。

原価法の計算式は下記のとおりです。

査定価格=再調達価格×(残存年数÷耐用年数)

計算に必要な再調達価格、残存年数は下記の計算式で算出できます。

再調達価格=土地の単価×総面積
残存年数=耐用年数‐築年数
※耐用年数は木造が22年、鉄筋コンクリート造が47年

原価法を用いた計算例は下記のとおりです。

対象物件:築11年の空き家、木造、総面積100平方メートル、土地の単価20万円


<再調達価格の計算式>
土地の単価20万円×土地の総面積100平方メートル=2,000万円

<残存年数の計算式>
木造の耐用年数22年-築11年=11

<査定額の計算式>
再調達価格2,000万円×(残存年数11年÷木造の耐用年数22年)=1,000万円


上記の計算により、対象物件の査定額は1,000万円となります。

なお、再調達価格を算出する際の土地の単価については、不動産会社によって数字が異なるため、査定額に差が生じる可能性があります。

また、一般的には築20~25年の建物の価値はゼロとされ、原価法の計算式に当てはめてもほぼ価値がつきません。しかし、建物の状態や立地など、さまざまな補正によって査定価格が加算されるケースも存在します。

空き家の査定のために準備しておくべき5つのこと

空き家の査定を検討している場合は、下記のような準備をしておくとスムーズに査定を進められます。

  1. 空き家の名義を確認しておく
  2. 買取と仲介の違いを把握しておく
  3. 相場を事前に調べておく
  4. 物件の状態を把握しておく
  5. 出来る範囲で査定前に空き家に行き、清掃・整理を行う

それぞれの項目について詳しく解説していきます。

1.空き家の名義を確認しておく

査定の依頼は空き家の名義人でなくても可能ですが、売却は名義人でなければできません。査定後の売却まで見据えて、事前に空き家の名義人を確認しておきましょう。

親族から相続した空き家の場合、相続登記をしていないことも考えられます。すると、空き家の名義が被相続人のままになっており、売却ができません。

空き家の名義人は、法務局で取得する登記事項証明書で確認ができます。名義人が親族など自分以外である場合は、司法書士に依頼して名義変更の手続きをしましょう。なお、司法書士に依頼した場合の費用は3~5万円といわれています。

相続登記については、下記の記事を参考にしてみてください。

空き家が共有名義になっているかも確認する

空き家の名義確認の際、共有名義になっていないかの確認もしましょう。共有名義とは、1つの不動産に複数人の名義が入っている状態を指します。

共有名義の不動産は、他の共有者の同意がなければ自由に売却できません。不動産を貸し出す際にも共有者の過半数の同意が必要など、物件活用にも制限があります。さらに共有名義のまま放置すれば、後に相続が発生した際に共有者が増え、権利関係が複雑になるリスクもあります。

仮に空き家が共有名義だった場合は、共有者全員の同意のもと売却を進めることになります。同意を得られず、売却ができない場合は、自分の共有持分のみを売却するといった選択肢もあります。一般の買い手を募るのは難しいですが、共有持分を専門とする不動産買取業者であれば売却ができるでしょう。

株式会社クランピーリアルエステートでは、共有持分の買取も積極的に行っています。査定や売却がスピーディーなのはもちろん、全国の弁護士や税理士とのネットワークを活かして、共有名義不動産で起こりやすい法律や税金の問題にも対応できます。

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2.買取と仲介の違いを把握しておく

査定を依頼する不動産会社には主に、「不動産買取業者」「不動産仲介会社」の2つがあります。それぞれの特徴やメリット、デメリットを把握したうえで依頼先を決めると、納得して売却に進められるでしょう。

不動産買取業者 不動産仲介会社
特徴 不動産買取業者とは、直接物件の買い取りをする業者です。買い手を探す工程がない分、スピーディーな売却が叶います。 不動産仲介会社とは、不動産の売買や賃貸借において、売主と買主、貸主と借主を仲介する会社です。売却価格を相談して決められるので、高値がつく可能性があります。
メリット ・直接買い取りをしてもらうため、数日から1ヵ月程度で売却が叶う
・仲介と比較して、築古や状態の悪い空き家も売却しやすい
・仲介手数料が発生しない
・売却後のトラブルなどで売主が負う可能性がある「契約不適合責任」が免責されるケースが多い
・片づけやリフォームをせずにそのまま売却できるケースが多い
・買取業者よりも高値がつく可能性がある
・購入検討者の反応を見ながら、売却価格の調整ができる
デメリット ・仲介会社よりも売却額が安い傾向にある ・売却までの期間は3~6ヵ月が一般的だが、買い手が見つからない場合は1~2年の長い期間を要する場合がある
・仲介手数料が発生する

「手間や時間をかけずに空き家を手放したい」といった人は、買取業者に依頼するのが向いています。一方、「急いでいないので高値で売却したい」といった人は、仲介会社に依頼するのが良いでしょう。

不動産の「買取」「仲介」については、下記の記事でも詳しく解説しています。

3.相場を事前に調べておく

査定依頼をする前に、物件の相場を把握しておくことも重要です。相場を把握しておけば、査定額が安いか、高いかの判断がしやすくなります。

物件の相場の調べ方は下記のとおりです。

なお、放置していた空き家の場合は建物の老朽化が進みやすく、類似物件よりも査定額が下がる可能性もあります。長らく放置していた空き家の場合は、類似物件の売却価格の3~5割程度安くなることも考えておきましょう。

4.物件の状態を把握しておく

空き家の状態を把握しておくことも重要です。査定額に影響するセールスポイント、瑕疵などのマイナスポイントをしっかり確認して伝えることで、より正確な査定額を出してもらえます。

セールスポイントについては、下記を参考に確認してみてください。

証明書 セールスポイント
建物状況調査の報告書 住宅に劣化や不具合がないことを証明できます。
建設住宅性能評価書 良質な住宅であることをアピールできます。
耐震診断結果報告書 耐震性を備えた住宅であることを証明できます。
瑕疵保険の保険付保証明書 住宅の瑕疵を保障する保険に加入していることを示せます。
建築士法第20条第2項に規定する証明書 建築士が建物の安全性を確認していることを証明できます。
耐震基準適合証明書 建築基準法が基準とする耐震性を備えていることを証明できます。
住宅耐震改修証明書 耐震工事を行った物件であることをアピールできます。
固定資産税減額証明書 耐震改修を行っていることを証明できます。
増改築等工事証明書 住宅の増改築を行っていることを証明する書類で、住宅ローン控除や住宅特定改修特別税額控除、固定資産税の軽減などを受けるのに役立ちます。

雨漏りやシロアリ発生などの物件の欠陥、再建築不可物件といった瑕疵については、「3.物件の欠陥や問題点は正直に伝える」で詳しく解説します。

5.出来る範囲で査定前に空き家に行き、清掃・整理を行う

訪問査定を行う場合は、事前に空き家の清掃・整理を行っておきましょう。ゴミが溜まっていたり、雑草が生い茂ったりしている空き家は「管理されていない」とみなされ、査定額に影響する可能性があるためです。

具体的には、下記のような清掃・整理を心がけると良いでしょう。

  • 雑草の除去など、庭を整える
  • 水回りや床、壁をきれいにする
  • 不用品は捨てて、室内を整理する
  • カビが生えやすい床下や天井裏を清掃する など

「清掃などの手間をかけたくない」「売却価格にこだわらず、早く手放したい」といった場合は、買取業者への依頼を検討するのも良いでしょう。物件の状態に関係なく買い取ってもらえるため、清掃の手間が省けます。

空き家査定に関する注意すべき5つのポイント

空き家査定には、注意すべきポイントもあります。具体的には下記のとおりです。

  1. 査定価格より売却価格が下がる可能性がある
  2. 必ず売却できるとは限らない
  3. 物件の欠陥や問題点は正直に伝える
  4. リフォーム等の費用がかかることをすべきかは慎重に判断する
  5. 査定前に解体して更地にしない

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

1.査定価格より売却価格が下がる可能性がある

買取業者が直接買い取る場合を除き、査定額はあくまでも担当者が考える「売れるであろう価格」です。

そのため、実際に売却活動を始めて売れる気配がなければ、値下げが必要となる場合もあるでしょう。結果的に、査定額より大幅に低い価格で売却する可能性も考えられます。「査定価格=売却価格」ではないことを念頭に置いておきましょう。

2.必ず売却できるとは限らない

空き家を査定した結果、売却しづらい・できないと判断されるケースも考えられます。売却しづらい・できないとされる空き家の特徴は下記のとおりです。

  • 立地条件が悪く、買い手からの需要が低い
  • 建物が老朽化していて、買い手からの印象が悪い
  • 再建築不可物件で建て替えができない
  • 境界線が不明瞭で隣地とのトラブルが起こるおそれがある

売却活動が進まない場合は、下記のような対策を検討しましょう。

  • 売却価格を安く設定する
  • リフォームや修繕を検討する
  • 他の不動産仲介会社にも査定を依頼してみる
  • 更地にすることも検討する
  • 不動産買取業者に依頼する

詳しくは詳しくは後述しますが、リフォームや更地が売却につながるかはケースバイケースです。費用が無駄になってしまうおそれもあるため、慎重に検討する必要があります。

他の不動産仲介会社でも売却が難しいと判断された場合は、不動産買取業者に依頼することも検討しましょう。空き家や再建築不可物件といった訳あり物件を専門とする業者であれば、買い取ってもらえる可能性があります。

3.物件の欠陥や問題点は正直に伝える

物件の欠陥や問題点などの「瑕疵」については、査定担当者に正直に伝えましょう。意図的に瑕疵を隠した場合は、売却時にトラブルに発展するおそれがあります。

査定担当者に伝えるべき瑕疵は下記のとおりです。

  • 物理的瑕疵(雨漏り、シロアリ、建物の傾き、土地の土壌汚染など)
  • 法律的瑕疵(再建築不可物件、安全基準を満たしていないなど)
  • 心理的瑕疵(自殺や殺人、火災、事件など)
  • 環境的瑕疵(騒音、振動、異臭、日照障害、近隣の環境など)

なお、瑕疵を伝えずに売却した場合は契約不適合責任(瑕疵担保責任)に問われ、損害賠償請求や契約の解除を求められる可能性があります。

契約不適合責任については、下記の記事を参考にしてみてください。

4.リフォーム等の費用がかかることをすべきかは慎重に判断する

査定前にリフォームをするのは避けましょう。良かれと思って行ったリフォームも、購入者にとって需要がない場合は売却につながりません。中古物件の購入者は、購入後に自分の好みに合わせてリフォームしたいと考えていることも多く、リフォームされた物件よりも価格の安い物件に需要が集まることもあります。

売却活動がうまくいかない場合は、建物を解体することも考えられるため、リフォームについては不動産会社と相談しながら慎重に進めましょう。

5.査定前に解体して更地にしない

建物を解体して更地で売却するかは、査定後に決めるようにしましょう。更地にすると売却しやすくなる可能性はありますが、100~200万円ほどの解体費用が発生します。また、更地にすると「住宅用地の軽減措置」が受けられなくなるため、固定資産税も高くなります。

なお、再建築不可物件の場合は更地にすると建て替えができず、価値が低下してしまいます。

更地にするかどうかの判断は、不動産会社と相談しながら決めると良いでしょう。

解体費用の相場、再建築不可物件を更地にするメリット・デメリットについては下記の記事を参考にしてみてください。

空き家の査定・売却を依頼する業者の選び方

空き家の査定・売却価格、サービスなどは不動産会社によって異なります。どこに依頼するかを迷う場合は、下記のような選び方を意識すると良いでしょう。

  1. 実績豊富な不動産会社・買取業者を選ぶ
  2. 引渡し日の調整や不用品処分などのサービス面で選ぶ
  3. 査定額の根拠を示してくれる業者を選ぶ
  4. 複数社で比較して信頼できる不動産会社・買取業者を選ぶ

それぞれの選び方について、詳しく解説していきます。

1.実績豊富な不動産会社・買取業者を選ぶ

空き家の査定・売却を依頼するのであれば、物件のある地域で実績のある不動産会社を選びましょう。大手だからといって、物件のある地域での売却や買取実績のない会社であれば、思うような結果を得られない可能性があります。

例えば、地域相場を把握していない不動産会社であれば、査定価格を低く出されてしまい、結果として相場よりも安い価格で売却になるおそれもあります。

一方、物件のある地域で実績を積んだ不動産会社であれば、相場や買い手の需要を考慮した査定額をつけられるため、高値をつけて売却もしくは買い取ってくれる可能性が高まります。

2.引渡し日の調整や不用品処分などのサービス面で選ぶ

依頼者の希望を汲み、サービスの良い業者を選ぶのも良いでしょう。例えば、下記のような対応やサービスのある業者であれば、売却時の手間を軽減でき、ストレスなく売却の手続きを進められるでしょう。

  • 引き渡し日を指定できる
  • 相談に対して丁寧に対応してくれる
  • スピーディーに手続きを進めてくれる
  • 不用品などの残置物のある状態で売却できる
  • 弁護士や税理士などのサポートが受けられる

「売却によって隣人トラブルが発生した」「売却後の税金が心配」などの場合は、弁護士や税理士と連携しているような業者であれば対応してもらえるでしょう。

3.査定額の根拠を示してくれる業者を選ぶ

空き家の売却は大きな金額の取引であるため、後悔しないように、査定額に納得して売却できるかが重要です。そのため、査定額が高いだけでなく、査定額の根拠を説明してくれるような業者を選びましょう。

査定額が高くても、実際に売れなければ意味がありません。長期間売却につながらなければ機会損失となり、結果として相場よりも安い価格で売却となる可能性も考えられます。

相場や買い手のニーズなどの根拠を説明し、適切な査定額を出してくれる不動産会社であれば依頼者も納得でき、売却もスムーズに進むでしょう。

なお、不動産会社が出した査定額が、事前に調べた相場の80%前後であれば、妥当な金額といえます。1つの目安として考えておくと良いでしょう。

4.複数社で比較して信頼できる不動産会社・買取業者を選ぶ

不動産会社によって査定額に差が生じるため、複数社に依頼して比較する必要があります。査定額に加え、担当者の知識量が豊富か、適切な情報をアドバイスしてくれるかなども確認し、信頼できる業者に依頼すると後悔せずに済むでしょう。

また、査定や売却だけでなく、売却後の税金や手続きについてもサポートしてくれるような業者だと安心でしょう。

まとめ

空き家の査定方法は「机上査定」「訪問査定」の2通りあります。おおよその価格で相場を把握し、売却を検討したいといった場合は、机上査定を利用すると良いでしょう。売却の意思がほぼ固まっている場合は、精度の高い訪問査定を利用してみてください。

スムーズに査定・売却をするためには、空き家の名義人を確認したり、相場をリサーチしたりといった事前準備も重要です。また、納得のいく形で売却するには、査定後の業者選びもしっかりと行いましょう。

なお、「空き家の売却に手間や時間をかけたくない」といった場合は、空き家を積極的に買い取っている買取業者への依頼も検討してみてください。不動産を直接買い取るため、短期間で空き家を手放せるでしょう。

空き家の査定に関するよくある質問

自治体の空き家バンクは利用すべき?

空き家バンクでは、各自治体が運営しているホームページより、無料で買い手を募ることが可能です。購入者にリフォーム費用の補助金を交付している自治体もあり、買い手がつく可能性もあります。

ただし、不動産会社が仲介しないことで、トラブル対応が自分に振りかかるおそれがあります。また、売却まで時間や手間を要するため、空き家を早く手放したい人にはあまり向かない方法といえるでしょう。

査定をせず、空き家の個人売買はできる?

空き家の個人売買に、法律上の問題はありません。そのため、不動産会社に依頼しなくても売却は可能です。個人売買であれば不動産会社に支払う仲介手数料が発生せず、自由な売却活動ができます。

一方で、不動産知識のない素人同士による売買は、契約時効の記載漏れなども起こりやすく、トラブルに発展するおそれもあります。また、個人売買の場合、購入者の住宅ローン審査が通らない可能性もあり、最終的に売却が頓挫するといったケースも見られます。

トラブルやリスクを考慮すると、個人売買はあまりおすすめできない方法といえるでしょう。不動産の個人売買のリスクについては、下記の記事でも詳しく解説しています。

空き家が事故物件・訳あり物件でも査定してもらえる?

事故物件などの訳あり物件であっても査定依頼は可能です。ただし、相場よりも安い査定額を提示される可能性があります。訳あり物件の売却であれば、買取業者に依頼するのがおすすめです。事故物件などの訳あり物件を専門に買い取っている業者を選べば、買い取りはもちろん、査定額も高くつく可能性があるでしょう。

事故物件の売却については、下記の記事で詳しく解説しています。

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更新日 : 2025年04月15日
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