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投資用マンション売却のマニュアル!売却タイミングの考え方から売却にかかる費用・税金まで徹底解説

投資用マンション売却のマニュアル!売却タイミングの考え方から売却にかかる費用・税金まで徹底解説

投資用マンションを所有している場合、「どのタイミングで売却するべきか」「どのくらいの金額で売却できるのか」「どんな流れで売却するのか」のように売却に関する疑問がある人もいることでしょう。

前提として、投資用マンションであれば、売却するタイミングが重要になり、「いつなら高値で売れるのか」「損切のためにはいつ売却するべきか」を考えるのが大切です。売り時を逃さないためにも、投資用マンションの売却はタイミングを見極めるようにするべきです。

投資用マンションの売却タイミングは、見誤ると安値で買われてしまったり、コストが増えて損失につながるなどの事態が発生しかねないので、物件の特徴や市場の動向に合わせて適切に判断するようにしましょう。

当記事では、「投資用マンション売却のマニュアル」をテーマとして、投資用マンションの売却タイミングや売却の流れ、売却価格を決める査定方法、売却にかかる費用などを網羅的に解説していきます。

投資用マンションの売却を検討している場合には参考にしてみてください。

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投資用マンションを売却するタイミングの考え方

マンション投資において、売り時の見極めはとても重要です。売り時を逃したり、逆に早まって売ってしまったりすると、トータルの運用収支がマイナスになってしまいます。

しかし、なにをもって「売り時」とするかは、投資の方針や市場の動向に左右されます。自身が投資で重視することを明確にしつつ、状況に応じて柔軟に売却することが大切です。

投資用マンションを売却するタイミングを大きく分類すると、下記の2つが挙げられます。

  • 投資用マンションが高値で売却できるタイミング
  • 損をせずに投資用マンションを売却できるタイミング

簡単にいえば、「とくに高値で売れるタイミング」「これ以上損をすることなく売れるタイミング」の2つです。ここからは、この2つを投資用マンションを売却するタイミングとして、具体例を踏まえて解説していきます。

投資用マンションに高値がつくタイミング

投資用マンションに高値がつくタイミングとしては、下記が挙げられます。

  • 投資用マンションが築10年〜12年前後になったとき
  • 近隣の不動産需要が高まったとき
  • 金利が低いとき

これらのタイミングを押さえれば、投資用マンションの価値を最大限保った価格で売ることもできるでしょう。ここからは、投資用マンションに高値がつくタイミングを解説していきます。

投資用マンションが築10年〜12年前後になったとき

不動産の価値は築年数に応じて変動し、一般的には築年数がかさめばかさむほど資産価値が下がります。投資用マンションも同様に築年数に応じて価格が変動するため、高値で売却するためには築年数が早いうちに売却するのも1つの手です。

なお、東日本不動産流通機構が公表しているデータには、首都圏の中古マンションの1㎡単価の成約状況がまとめられています。その数値を参考に、築年数に応じた首都圏中古マンションの1㎡単価の下落率を算出しましたので、参考にしてみてください。

築年数 1㎡単価(万円) 価格の下落率
0年〜5年 112.55
6年〜10年 100.54 約10%
11年〜15年 86.99 約23%
16年〜20年 78.15 約30%
21年〜25年 69.23 約38%
26年〜30年 51.48 約54%
31年〜35年 39.94 約65%
36年〜40年 50.49 約55%
41年〜 46.37 約59%

データ参照:REINS TOWER(公益財団法人東日本不動産流通機構)「築年数から見た
首都圏の不動産流通市場(2023年)」

上記の表をもとに考えると、5,000万円のマンションなら築10年が経ってもおよそ4,500万円程度で売れる計算です。しかし、築年数が経てば経つほど基本的には下落率が大きくなるため、そこまで価値が下がらない築10年程度で売るのが良いタイミングといえます。

なお、賃料が月20万円であれば、10年間で得られる収入は「20万円×12ヶ月×10年=2,400万円」なので、売却価格との合計は6,900万円となります。概算ではありますが、諸経費を考慮しても十分プラスになるでしょう。

一方、築年数が進むと売却価格に加えて賃料も下がりますし、入居者付けがむずかしくなって空き室の期間も増えていくので、トータルの収支は悪化していきます。

築10年〜12年なら高額で売れるうえ、賃貸運営も安定した状態のまま売り抜けられるので、投資マンションの「美味しいところ」だけを取ることができるのです。

近隣の不動産需要が高まったとき

近隣の不動産需要が上がると、マンションの価格も上がることがあります。具体的には、都市開発や大型商業施設の進出など、後から発生した要因によって不動産の需要が上がるケースが代表的です。

場合によっては新築時より高額になるマンションもあるため、積極的に売却を検討すべきタイミングといえるでしょう。

需要の指標としては、賃料相場や地価相場の上昇がポイントです。不動産ポータルサイトの価格相場や、国や都道府県が毎年発表する公示地価・基準地価をもとに、需要の高まりを調べることが可能です。

公示地価・基準地価は下記のWebサイトで閲覧できるので、不動産需要を調べる際の参考にしましょう。

国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」

金利が低いとき

不動産を購入する際には、住宅ローンを利用する人が多いことでしょう。そして、買主からすれば金利が低いほうがローンを組みやすく、多少価格が高くても成約しやすくなるため、高額売却に向いています。

日本では長年金融緩和が続いており、金利の水準は0%付近で推移していました。しかし、東洋経済オンラインの記事からもわかるように、2024年3月からは超金融緩和時代が大転換して利上げの傾向にあります。そのため、今後はさらに利上げへ向かう可能性もあります。

なるべく高く投資用マンションを売りたいのであれば、金利がこれ以上高くなる前に売却を検討することも大切といえるでしょう。

損をせずに投資用マンションを売却するタイミング

損をせずに投資用マンションを売却するタイミングとしては、下記が挙げられます。

  • 収支がマイナスに転じたとき
  • 投資用マンションの所有期間が5年を超えたとき
  • ローンの元金返済額より減価償却費用のほうが高くなったとき
  • 大規模修繕が視野に入る前

無駄なコストを抑え、トータルで損をしないためには、これらのタイミングが重要です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

収支がマイナスに転じたとき

投資用マンションの月々の収支がマイナスとなっている場合、損切のためにすぐ売却することも考えましょう。

先にも解説しましたが、不動産は古くなるほど家賃は下がり、修繕積立金などの出費も増えていきます。長期間所有していれば、いずれキャッシュフローがマイナスになるときがきます。

そのような状態で投資用マンションを持っていても赤字がかさむ一方になることも予測されるため、損切りのためにも早めに処分することも検討してみてください。

投資用マンションの所有期間が5年を超えたとき

投資用マンションを損せずに売却したい場合、所有期間が5年を超えてから売却するのも良いタイミングといえます。

マンションのような不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税を支払わなければなりません。譲渡所得税は売却によって得られた利益である「譲渡所得」に対して、一定の税率をかけた金額で算出されます。その税率は不動産の所有期間によって下記のように変動します。

所有期間 税率
5年以下(短期譲渡所得) 30%
5年超(長期譲渡所得) 15%

譲渡所得税の税率は所有期間が5年を超えるかどうかが変動するタイミングです。所有期間が5年を超えていれば、15%の税率になるため、その分投資用マンションの売却でかかる税金が抑えられます。

税金を抑えるためにも、投資用マンションの売却で利益が見込める場合には、所有期間が5年を超えたタイミングで検討するのも良いでしょう。

ローンの元金返済額より減価償却費用のほうが高くなったとき

減価償却とは、税務において「経年劣化による固定資産の価値減少」を反映し、課税対象を減らしていく手続きです。

建物の価額を資産の種類ごとに定められた耐用年数で按分し、経費として計上することで課税を軽減します(土地は減価償却の対象にならない)。

例えば、鉄筋コンクリート造の住居は耐用年数が47年なので、4,700万円のマンションなら単純計算だと「4,700万円÷47=100万円」を経費として計上するのが減価償却です。

仮に年収が1,000万円だとしたら、購入した年に4,700万円を経費計上しても超過分は無効となりますが、減価償却をすれば47年間に渡って100万円の経費計上ができるため、トータルで税金を軽減できます。
※上記は「定額法」で減価償却をした場合の計算ですが、毎年の未償却残高に応じて計算する「定率法」を選択した場合、初期段階ほど償却費が多く、後になるほど少なくなります。

ここで重要なのは、減価償却の費用は、毎月のキャッシュフローのなかで実際に現金を支出することはないということです。一方、ローンの元金返済額は実際に現金を支出しますが、経費として形状できません。

つまり、月々のローンの元金返済額より減価償却費用のほうが高くなった場合、帳簿上は黒字になっているのに、現実のキャッシュフローでは赤字になるという事態が発生するのです。

この状態を「デッドクロス」といい、後になるほど返済額における元金割合が増える「元利均等返済」のローンでは発生する可能性があります。

デッドクロスを迎えると手元の資金繰りが悪化するため、売却して損失を避けることを検討しましょう。

大規模修繕が視野に入る前

マンションを所有している場合、一般的には10年〜15年程度の周期で大規模修繕を行います。マンションの築年数がかさむほど基本的に修繕が増えるため、その分修繕にかかる費用も高くなるのが一般的です。

マンションの購入希望者は、可能な限り費用の負担を抑えたいと考えるのが基本です。大規模修繕が行われれば積立金や一時金をオーナーが負担するケースもあるため、修繕が近年中に行われるようなマンションだと購入希望者が現れづらい傾向があります。

そのため、大規模修繕が行われる直前やすでに検討されているような投資用マンションだと購入希望者が現れない可能性があり、自身でその費用を負担して修繕が終了してから物件売却を再度検討しなければならないことも考えられます。

なるべく損をせずに投資用マンションを売却するのであれば、大規模修繕が視野に入るよりも前のタイミングで売却を検討するのもよいでしょう。

投資用マンションは売却できる?近年のマンション需要の傾向

投資用マンションの売却を検討している場合、売り時を見極めることも大切ですが、そもそも売れる見込みがあるかどうかを考えることも重要です。ここでは、近年のマンション需要の傾向から、投資用マンションが売れる見込みがあるかを解説していきます。

まずは、国土交通省が公表する不動産価格指数を紹介します。不動産価格指数とは、不動産価格の動向を示すために指数化された統計のデータのことです。

国土交通省が公表する不動産価格指数

引用元 国土交通省「不動産価格指数(2024-02-29)

全体的に不動産価格指数は上昇している傾向がありますが、マンションについてはひときわ大きく上昇している傾向があるとわかります。2010年と比較すれば、2023年には不動産価格指数が2倍近くも上昇しています。

要因としては、長く続く金融緩和や、インフレによる新築戸建の高騰などが考えられます。全国的にマンションの需要が高まっていると考えられるため、近年は投資用マンションの売り時ともいえます。

ただし、この状況がいつまで続くかはわかりません。金利の値上げや世界情勢の変化に伴い、今後はマンションの需要が下がることもありえます。

もしも投資用マンションを売るか迷っているのであれば、市場動向の面からは前向きに検討してもよいといえるでしょう。

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投資用マンションを売却するときの流れ

投資用マンションを売却する際の具体的な流れは、次のように進みます。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 不動産会社と媒介契約を締結させる
  3. 売却活動を開始して内覧にも対応する
  4. 買主が現れれば売買契約を締結させる
  5. 賃貸人の地位継承通知をマンション入居者に行う
  6. 買主に物件を引き渡す
  7. 投資用マンションの売却で利益が出た場合には確定申告をする

それぞれのステップで注意点や重要なポイントがあるので、流れに沿って詳しく解説していきます。

1. 不動産会社に査定を依頼する

投資用マンションを売却する場合、まずは査定を申し込み、価格相場の把握と不動産会社の選別をおこないましょう。ここで重要なのは、査定は複数の業者を比較することです。

不動産会社はそれぞれ培ってきたノウハウや顧客ルートが異なるため、査定額にも違いが生じます。同じ物件で数百万円の価格差がでることも珍しくありません。

そのため、1社の査定だけで判断せず、なるべく多くの査定を比べることが大切なのです。

具体的には、オンラインの一括査定を使って複数業者へまとめて依頼する方法がおすすめです。カンタンな入力で申し込めるので、手間なく誰でも査定を比較できます。

例えば、下記リンクから利用できる「イエウール」は2,000社以上の優良業者と提携しているため、どのような投資マンションでも高額売却が可能な不動産会社を見つけられるでしょう。

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2. 不動産会社と媒介契約を締結させる

投資用マンションの売却を依頼する不動産会社が決まった後は媒介契約を結びます。仲介の場合は下記3つの契約形態に分かれます。

媒介契約 メリット デメリット
一般媒介契約 ・同時に複数の不動産会社へ依頼できる
・自分で買主を見つけても良い
・不動産会社にレインズへの登録や状況報告の義務なし
専任媒介契約 ・不動産会社は7日以内にレインズへ登録する義務がある
・2週間に一度以上、必ず状況報告がある
・自分で買主を見つけても良い
・1社にしか仲介を依頼できない
専属専任媒介契約 ・不動産会社は5日以内にレインズへ登録する義務がある
・1週間に一度以上、必ず状況報告がある
・1社にしか仲介を依頼できない
・自分で買主を見つけるのは不可

投資用マンションの売却の目的や状況に合わせて、適切な契約を選びましょう。

3. 売却活動を開始して内覧にも対応する

投資用マンションを仲介で売る場合、買主を見つけるために売却活動をしなければいけません。ここでは、広告の出し方と内覧対応の2つが売却結果を左右します。

広告は売却したい投資用マンションに関する情報を買主が最初に見るものなので、わかりやすく印象に残ることが重要となります。きれいで見やすい画像を用意し、投資用マンションに関する情報などを丁寧に記載します。

売却活動に入ったら、不動産ポータルサイトなどで売却したい投資用マンションの情報を確認しましょう。不足している部分があれば、遠慮なく修正の相談をすることが大切です。

内覧対応は、基本的に不動産会社が対応しますが、場合によっては売主が立ち会うこともあります。好印象を持ってもらえるよう、事前に投資用マンションの魅力をまとめておきましょう。

4. 買主が現れれば売買契約を締結させる

投資用マンションの買主が見つかったら、条件をすり合わせて売買契約を締結します。不動産会社が売買契約書を作成するので、内容を確認したうえで署名・捺印しましょう。

契約書に書かれた条件が最終的なルールとなるので、認識に行き違いがないかしっかり確認することが大切です。

5. 賃貸人の地位継承通知をマンション入居者に行う

投資用マンションに入居者がいる場合、いわゆる「オーナーチェンジ」の売却となります。オーナーチェンジの場合は、売買契約書と合わせて「賃貸人変更通知書」を作成するのが一般的です。

この通知は「賃貸人の地位継承通知」とも呼ばれます。簡単にいえば、マンションの入居者に対してオーナーが変わったことを知らせるための通知です。

オーナーが変わることに対して入居者から同意を得る必要はなく、原則的には通知のみ行うことで問題ありません。売主と買主の連名で作成し、引き渡しの完了後に送付するのが一般的です。

6. 買主に物件を引き渡す

売買契約の締結後、買主のローン審査が終わるのを待って、投資用マンションの引き渡しに移ります。当事者や不動産会社、金融機関の担当者などが集まっておこなうのが一般的です。

買主が融資と同時に代金を支払ったら、売主は投資用マンションの鍵や権利証などを引き渡します。また、同日に所有権移転登記の申請もおこないます。

法務局で登記申請が認められれば、投資用マンションの売却手続きは終了です。

7. 投資用マンションの売却で利益が出た場合には確定申告をする

投資用マンションの売却で利益が出た場合は確定申告をおこない、譲渡所得税を納めなければいけません。

損失がでた場合も申告できますが、こちらは必須ではなく任意です。ただし、他の所得と損益通算することで節税できるので、基本的には申告したほうがよいでしょう。

なお、確定申告が必須なケースは、投資用マンションの売却によって譲渡所得税を支払ったケースです。譲渡所得税の算出については、譲渡所得税・住民税の見出しで解説していきます。

投資用マンションの売却価格は一概に言えない!売却価格を決定する査定方法

前提として、マンションのような不動産の売却価格は、その物件の条件や需要などによって変動します。物件によって条件などは異なるため、「投資用マンションは〇〇円で売却できる」と断言することはできません。

とはいえ、投資用マンションの売却価格がどのように決まるのかは共通しており、不動産会社が行う査定によって決定されます。投資用マンションに限らず、賃貸物件を売買するときの査定は「収益還元法」を使います。

収益還元法とは、物件が将来生み出す利益を想定し、そこから現在の価値を算出する査定方法です。具体的な計算方法は「直接還元法」と「DCF法」の2つに分けられます。

収益還元法はマンションの収益力を把握できるので、売却時だけでなく購入時にも重要な計算方法です。それぞれの計算方式を簡単に解説するので、投資用マンションの売却を検討している場合には把握しておくと良いでしょう。

直接還元法による計算方法

直接還元法は1年間の純利益を還元利回りで割る方法で、計算式は次のようになります。

年間の純収益÷還元利回り

還元利回りは「1年間の純利益÷不動産価格×100」で求めますが、査定時は類似物件の事例を参考にしたり、不動産会社が独自に公表している地域別のデータを使うのが一般的です。

例えば、年間純利益が100万円、還元利回りが5%とした場合、査定額は「100万円÷5%=2,000万円」となります。

DCF法による計算方法

DCF法は、買主が購入した後に発生する純利益と、将来売却するときの予想価格を、現在価値に直して合算します。

計算は複雑ですが、空き室や家賃低下などのリスクを反映した価格を算出可能です。

現在価値を計算するときは「割引率」という仮想の数値を設定(3~5%とするのが一般的)し、「(1+割引率)^所有年数」という式を使います。

1年毎の純利益÷(1+割引率)^所有年数・・・+売却予想価格÷(1+割引率)^所有年数

例えば、年間純利益が100万円、割引率が5%で、3年後に2,000万円で売却すると仮定すると、次のような計算となります。

年間純利益
1年目:100万円÷(1+0.05)≒95万円
2年目:100万円÷(1+0.05)²≒90万円
3年目:100万円÷(1+0.05)³≒83万円
売却価格
2,000万円÷(1+0.05)³≒1,727万円
査定額
95万円+90万円+83万円+1,727万円=1,995万円

投資用マンションを高値で売却するためにできること

投資用マンションを高値で売却するためには、下記のような対策をとってみてください。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼しておく
  • 入居者がいる状態で売り出す
  • 管理会社と交渉をして管理料を下げてから売却する
  • 空き室があるなら内覧対策を徹底する
  • 外国人投資家への売却も検討してみる

これらの対策を講じておくことで、投資用マンションを高値かつ買主が現れやすくもなります。投資用マンションの売却を検討している場合、高値で売るための対策も確認してみてください。

複数の不動産会社に査定を依頼しておく

投資用マンションの売却価格は、不動産会社が行う査定によって決まります。

査定の方法や基準については不動産会社によって変わると考えられるため、複数の業者に査定を依頼することで、査定額にばらつきが出ることも予測されます。その場合、最も高い査定額を提示してもらえた不動産会社を見つけることも可能です。

査定額が最も高い不動産会社に依頼をすることで、投資用マンションの高値売却につながります。

査定のみであれば無料で行ってもらえるのが一般的であるため、投資用マンションを高値で売却したい場合、まずは複数の不動産会社に査定を依頼するのが良いでしょう。

入居者がいる状態で売り出す

投資用マンションの売却を検討している場合、物件に入居者がいるケースもあるでしょう。この場合で売却するのであれば、いわゆる「オーナーチェンジ物件」と扱われます。

オーナーチェンジ物件の場合、買主側が入居者付けにかかる労力を減らせる傾向があるので、成約しやすくなります。

また、入居者がいることから内覧もおこなわれないため、売主としても手間が省けてスムーズに売却活動を進めることができます。

空き室にもメリットはありますが、投資用マンションでもっとも重要なのは収益性です。入居者がいて賃料収入の見通しを立てやすい物件のほうが、買主にも好まれやすいでしょう。

管理会社と交渉をして管理料を下げてから売却する

投資用マンションを所有している場合、管理会社に物件の管理を委託している人もいることでしょう。その場合、管理会社に管理料を支払っているはずですが、投資用マンションを売却する前には、管理料を下げてもらえないかを交渉しておくのも良いでしょう。

管理料を下げてもらえれば純収益が増えるため、購入希望者が現れやすくなります。さらに投資用マンションの売却価格が高まることも考えられます。

なお、管理料の相場は家賃収入の5%程度が目安といわれています。5%を超える場合には交渉によって管理料を下げてもらえる可能性もあるため、投資用マンションの売却を検討している場合には管理会社に相談をしてみるのも良いでしょう。

空き室があるなら内覧対策を徹底する

投資用マンションに空き室がある場合、内覧時に与える印象が重要となります。管理状態が良好であると思ってもらえれば、投資用マンションの成約率のアップを見込めるでしょう。

そのために大切なのは掃除の徹底で、水回りや窓ガラスなど目に付きやすい部分をきれいにすることが必須となります。

また、タバコやペットの臭い、壁紙の汚れなどが目立つようであれば、ハウスクリーニングや簡単なリフォームも検討しましょう。状態が悪いままだと、投資用マンションの価格の値下げも請求される恐れがあります。

さらにひと手間加えるなら、室内をモデルルームのように演出する「ホームステージング」というサービスもおすすめです。投資用マンションの魅力を引き出し、購買意欲を刺激するので、売却期間の短縮が期待できます。

外国人投資家への売却も検討してみる

投資用マンションの買主で近年増えているのが、中国などアジア系外国人の投資家です。世界的に見ると、日本のマンション市場は割安かつ高い利回りを期待できるので、外国人投資家の注目を集めています。

とくにアジア系の投資家は、自国の賃貸水準が日本より低いことから、求める利回りも日本人投資家より低くなります。

また、円安の時期に売り出せば外国人投資家にとってよりお買い得になるので、高額を提示しても購入してもらえる確率が高くなります。

より高く売りたいときは外国人投資家も売却先として視野に入れ、不動産会社へ相談してみましょう。

投資用マンションの売却活動が難航したときは買取業者にも相談してみる

近年はマンション需要が高まっていると解説しましたが、だからといって必ず物件売却が成功するとは限りません。場合によっては、投資用マンションを仲介に出しても買主がなかなか現れないことも考えられます。

とくに、「築年数が古い」「事故物件のような訳あり物件」といった場合には、売却活動が難航してしまうことも少なくありません。もしも、投資用マンションの売却活動が難航したときには、買取業者に相談することを検討してみてください。

不動産における買取とは、不動産を扱う業者に直接物件を買い取ってもらうことです。仲介と買取の概要をまとめたので参考にしてみてください。

不動産会社の種類 概要
仲介業者 ・売主と買主を仲介して手数料を取る業者
・相場価格で売れる可能性は高いが、買主が見つからない限り売却できない
買取業者 ・不動産を買い取り、再販することで利益を得る業者
・相場価格より安くなる傾向にあるが、早ければ数日で売却可能

仲介とは異なり買主を探す活動が不要になるため、仲介よりも早く売却できるのが一般的です。短期間で現金化したい場合や、売却がむずかしいような物件は、買取業者への依頼もおすすめです。

投資用マンションの売却前に必ず確認しておくべきこと

投資用マンションの売却を検討している場合、必ず下記を確認しておくようにしましょう。

  • 抵当権が付いている投資用マンションの場合は売却によってローン残債を完済できるか
  • 契約不適合責任に問われるような瑕疵はないか

場合によっては、投資用マンションの売却が認められなかったり、売買契約が解消されてしまったりするリスクもあります。ここからは、投資用マンションの売却前に必ず確認しておくべきことについて解説していきます。

抵当権が付いている投資用マンションの場合は売却によってローン残債を完済できるか

ローンを組んでいて投資用マンションに抵当権が付いている場合、売却時に残債をすべて支払わなければいけません。

完済しないまま金融機関に無断で売ると規約違反になるうえ、抵当権が抹消されない物件を買う人もいないため、売却時の完済は必須です。

返済方法は、売却益を充てたり、貯金などの自己資金から支払う方法、別のローンに借り換える方法などがあります。

また、もしも売却益や借り換えで返済できない場合、任意売却という方法もあります。新規借入ができなくなるなどデメリットはありますが、「ローンを残したまま売却」を可能にする方法です。

契約不適合責任に問われるような瑕疵はないか

投資用マンションの売却をする場合、物件に瑕疵がないかを確かめておくのも大切です。

瑕疵とは、欠点や欠陥のことです。不動産においては「物理的瑕疵」「心理的瑕疵」「環境的瑕疵」「法律的瑕疵」の種類があります。

種類 概要
物理的瑕疵 その物件自体が抱える物理的な欠損のこと

例)

・設備が壊れている

・壁にひび割れが起きている

・耐震強度が国の基準を満たしていない
心理的瑕疵 不動産の売買や賃借をする人が心理的な抵抗感を持つような欠陥のこと

・マンションの部屋で人の死があった

・共用部分で飛び降り自殺があった
環境的瑕疵 その物件の周辺環境が抱える瑕疵のこと

例)

・周囲に繁華街があり、騒音トラブルが頻繁に起きる

・周囲に暴力団の事務所がある

・周囲に悪臭を放つような建物がある
法律的瑕疵 その物件や土地が抱えている法的な問題のこと

例)

・火災報知機やスプリンクラーなどの防災設備が古い

・構造上の安全基準を満たしていない

・建ぺい率を違反している

これらの瑕疵は、契約で「どんな瑕疵があるか」などを明確にしておかないと、契約不適合責任に問われてしまいます。

契約不適合責任とは?
引き渡した物件が契約内容に適合しないときに売主が負う責任の範囲を定めたもの。損害賠償のほか、追完(補修もしくは不足数量の補完をすること)や、代金の減額、契約解除などを請求される可能性がある。

売主が瑕疵の存在を知らない場合も責任を問われる恐れがあるため、ホームインスペクション(専門家による住宅診断)で事前にしっかりチェックしたり、契約で免責特約を盛り込んでおくことが大切です。

投資用マンションの売却でかかる費用や税金

投資用マンションを売却する場合、さまざまな費用や税金がかかります。その例としては下記が挙げられます。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用
  • 譲渡所得税・住民税
  • 消費税

ここからは、投資用マンションの売却でかかる費用や税金について解説していきます。

仲介手数料

投資用マンションを仲介で売却する場合、不動産会社に仲介手数料を支払うのが一般的です。

不動産会社に仲介を依頼したときに支払う手数料は、売買価格を基準に上限額が決まっています。

仲介手数料の上限
不動産の売買価格 手数料の上限(速算式)
200万円以下 5%
200万円超~400万円以下 4%+2万円
400万円超 3%+6万円

上記に別途消費税もかかります。売買価格が3,000万円だとしたら、「3,000万円×3%+6万円+10%(消費税)=105.6万円」が仲介手数料の上限です。

参照:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額 (昭和四十五年十月二十三日建設省告示第千五百五十二号)」

あくまで上限額なので、不動産会社によっては上記より安く依頼できる場合もあります。詳しくは下記の記事も参考にしてください。

印紙税

印紙税とは、不動産を売却する際に売り手と買い手の間で交わす不動産売買契約書に対して課税される税金のことです。投資用マンションの売却価格に応じた印紙を貼る形で印紙税を納めます。

売却金額 本則税率 軽減税率
10万円を超える~50万円以下 400円 200円
50万円を超える~100万円以下 1千円 500円
100万円を超える~500万円以下 2千円 1千円
500万円を超える~1千万円以下 1万円 5千円
1千万円を超える~5千万円以下 2万円 1万円
5千万円を超える~1億円以下 6万円 3万円
1億円を超える~5億円以下 10万円 6万円
5億円を超える~10億円以下 20万円 16万円
10億円を超える~50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

たとえば、投資用マンションが5,000万円で売れた場合、通常収入印紙の金額が2万円となります。

なお、不動産売買の印紙税には軽減措置が設けられており、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成された売買契約書であれば、軽減率が適用されます。投資用マンションの売却金額が2,000万円で軽減措置がとられた場合、収入印紙の金額が2万円から1万円になります。

登記費用

登記とは、不動産の権利関係を管理・公開するための制度のことです。投資用マンションの売却では、主に所有権移転登記や抵当権抹消登記が必要となります。

登記自体の費用は1,000円〜2,000円程度の登録免許税と、数百円程度の書類取得費用程度ですが、司法書士に手続きを依頼する場合は5万円程度かかります。

自分で申請することもできますが、法的な知識が必要になるため、基本的には司法書士へ依頼するのがおすすめです。

譲渡所得税・住民税

投資用マンションの売却益に対しては、譲渡所得税と住民税の2つが課されます。課税対象となる売却益は「譲渡所得」と呼ばれ、次のように計算します。

譲渡所得=売却価格-(取得費用+譲渡費用)

取得費用は投資用マンションを購入したときの購入費や仲介手数料、登記費用などが含まれます。譲渡費用は、売却時にかかった仲介手数料や登記費用などです。

なお、購入費に関してはそのまま差し引くのではなく、減価償却した現在の価値を差し引かなければいけません。

譲渡所得を算出したら課税額を算出しますが、保有期間によって税率は異なります。

譲渡所得税・住民税の税率
保有期間 譲渡所得税 住民税
5年以下(短期譲渡所得) 30% 9%
5年超(長期譲渡所得) 15% 5%

参照:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算」

参照:国税庁「不長期譲渡所得の税額の計算」

5年超の所有で税率が大幅に下がるので、基本的には長期で保有したほうが税金面でお得になります。

消費税

投資用マンションを売却した場合、人によっては消費税の納税義務が発生します。ポイントは「前々年の売上が1,000万円を超えるかどうか」です。

不動産投資の場合、例えば事業用物件を数軒売却し、売上が1,000万円を超えた場合、課税事業者とみなされます。

また、不動産投資以外に個人事業主として収入があり、投資用マンションの売却と合わせて1,000万円超の売上があった場合、同じように課税事業者とみなされます。

課税事業者にあてはまるかよくわからないときは、税務署や税理士に相談してみましょう。

まとめ

投資用マンションの売却は、ベストな売り時を見極め、スムーズに買主を見つけるための対策を講じることが大切です。

売却は投資の最終的な結果を出すものなので、最後で失敗してしまわないようにこの記事で解説したポイントをしっかり押さえておきましょう。

不動産会社などとも相談し、最新の市場動向も踏まえたうえで慎重に売却活動を進めることが大切です。

投資用マンションの売却についてよくある質問

投資用マンションの売り時はいつですか?

投資の目的などにもよりますが、高く売るなら築10~12年を迎えたあたりや、周辺の不動産需要が高いときに売るとよいでしょう。収益悪化を防ぐために売るのであれば、2回目以降の大規模修繕前や、ローンの元金返済額より減価償却費用のほうが高くなる「デッドクロス」に陥ったときが売り時です。

マンションの売却価格はどのようにして決まりますか?

「収益還元法」という、物件が将来生み出す利益から現在の価値を算出する方法を使います。収益還元法のなかにも、1年間の純利益を還元利回りで割る「直接還元法」と、将来発生する純利益と売却を現在価値に直す「DCF法」の2種類があります。

投資用マンションを売りやすくするためのコツはありますか?

入居者がすでにいる状態で売る「オーナーチェンジ」だと、すぐに収益が発生するので成約しやすくなります。空き室の場合は、清掃やホームステージングなどで内覧時の印象が良くなるようにしましょう。

ローンが残っていても売却できますか?

ローンが残っていても売却は可能ですが、売却益や自己資金、借り換えローンなどで完済する必要があります。

売却を依頼する不動産会社はどうやって探せば良いですか?

一括査定サイトで複数の不動産会社を比較し、築古マンションが得意な業者を見つけましょう。とくに、提携不動産会社数2,000件以上の一括査定サイト「イエウール」なら全国対応で、どのエリアでも査定に対応してもらえるのでおすすめです。→【オンラインで価格がすぐわかる!】イエウールの一括査定はこちら

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更新日 : 2025年01月22日
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