マンション売却で汚い家はマイナス査定になる4つの理由
マンション売却で汚い家は、マイナス査定になります。例えば、クロスがボロボロ、建具に傷や汚れが多い、フローリングや畳にシミや汚れが多い、和室の襖が破れているなどです。
汚いマンションがマイナス査定となる理由は、下記の4つです。
- ①汚いマンションは誰も欲しがらない
- ②内見時の印象が悪すぎる
- ③多額のリフォーム費用が掛かってしまう
- ④売主の素性が疑われる
汚い家は内見者が受ける第一印象が悪すぎること、また同時に内見者が売主の素性に疑念を抱かざる得ないことなどから、まず商談・交渉に進むことはないでしょう。それぞれの理由について詳しく解説していきます。
①汚いマンションは誰も欲しがらない
一つ目は、汚いマンションを欲しがる人は誰もいないことです。
中古マンション市場で好まれるのは、築浅の綺麗なマンションになります。また、築年数が経過していてもリフォームしているなど綺麗なマンションは、売却がスムーズに進むケースが多くあります。
中古マンションを検討するユーザーの殆どは、直ぐに住めるようなクオリティのマンションを好みます。しかし、汚いマンションは真逆であり、総じて人気はありません。わざわざ数千万円程度を捻出し、汚いマンションを購入したいとはあまり思わないでしょう。
よって、総じて汚いマンションは欲しがる人がいないということになります。つまり、価格をかなりリーズナブルにして売却するしかないので、査定の評価を低くするしかありません。
②内見時の印象が悪すぎる
二つ目は、内見時の印象が悪すぎることです。
中古不動産売買では、内見時に与える印象により売買に進むか否かが決まります。汚い状態で良い印象を受けるということはないため、売買に進むことはまずありません。よって、査定時の評価がマイナス査定になってしまいます。
③多額のリフォーム費用が掛かってしまう
三つ目は、多額のリフォーム費用が掛かってしまうからです。
内装などが汚いマンションには、そのまま居住することはできません。購入後にリフォームやリノベーションなど、何かしら手を加える必要があります。つまり、これらの工事の手配が面倒であること、工事完了まで引っ越すことはできないことがあります。
さらに、工事に多額の費用が掛かることや入居までの住居費を余計に負担する必要があるため、総じて買主にとってマイナスな印象が強くなります。よって、査定時の評価がマイナス査定となってしまいます。
④売主の素性が疑われる
最後は、売主の素性が疑われるからです。
内見者は、前にどのような人が居住していたかも気にしています。例えば、前の居住者が綺麗に部屋を使っている人なら、安心してそのマンションを購入できるでしょう。
一方で、内装などが汚い部屋のマンションでは、現居住者の日常生活について不安を抱きます。また、管理が行き届いていないおそれもあり、居住後に不具合が見つかる可能性があるなど、この点でも不安があります。
よって、汚いマンションは売主の素性が疑われ、物件自体に瑕疵がある可能性が高いとみなされることから人気はありません。これにより、査定時の評価はマイナス査定になってしまいます。
汚い状態のマンション売却の方法
マンションの売却方法には、不動産会社に直接買取してもらう方法と仲介してもらって第三者に売却する方法の2通りあります。
「買取」「仲介」の違いは下記の通りです。
買取 |
仲介 |
不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。汚い状態のままマンション売却ができ、短時間で取引が完了します。ただし、売却価格は低くなる傾向にあります。 |
不動産会社に買主を見つけてもらって売却する方法です。買主が現れれば、買取よりも高値がつく可能性があります。ただし、汚い状態のままでは売却が難しいため、クリーニングなどの費用が発生する可能性があります。 |
「安くても良いから、手間なくすばやく売却したい」といった場合は「買取」がおすすめです。「時間や多少の費用をかけても良いから、高値で売却したい」といった場合は「仲介」を検討すると良いでしょう。
それぞれの売却方法について、より詳しく解説します。
不動産会社に買取してもらう
不動産会社の「買取」は、不動産会社を買主として売却する方法です。
買取後、不動産会社がマンションのクリーニングやリフォームなどを行って再販売するため、売却時にマンションを綺麗にする必要はありません。汚い状態のままマンションを売却できるため、余計な費用や時間をかけずに売却が完了します。
ただし、売却価格は仲介で売却するよりも低くなる傾向にあります。
「買取」が向いているのは「手早く売りたい」「部屋の清掃などに手間をかけたくない」「プラスになれば売却価格は問わない」といった場合です。
汚い状態のマンションを含む、訳あり物件の買取業者については下記の記事を参考にしてみてください。
不動産会社の仲介で売却する
不動産会社の「仲介」は、不動産会社に買主を仲介してもらって売却する方法です。販売価格を自分で決めて、買主が見つかれば売却できます。
買主が見つかるまで時間を要しますが、買取よりも売却価格が高くなる可能性があります。
ただし、汚い状態のマンションの場合は、買主から敬遠されるおそれがあるため、なかなか売却できないことも考えられます。その場合、相場よりも価格を下げて販売したり、クリーニングやリフォームなどを行ったりする必要が生じます。価格を下げても、じっくり時間をかけることで買取よりも高値で売れる可能性があります。クリーニングやリフォームは費用が掛かりますが、買主がつきやすくなり、結果として高値で売れる場合もあるでしょう。
「仲介」が向いているのは「少しでも高値で売却したい」「売却を急いでいない」「売却前にリフォームなどの費用が掛かっても構わない」といった場合です。
不動産会社の仲介、売却の流れや仲介手数料については、下記の記事で詳しく紹介しています。
汚いマンションって具体的にどういう状態?マイナス査定になる要因7つ
ここでは、マイナス査定になる具体的な要因について解説します。マイナス査定になる要因は、以下の通りです。
- ①水回りが汚い
- ②クロスが剥がれている
- ③建具がシミだらけ
- ④バルコニーに物が散乱している
- ⑤リビングや各居室に物が散乱している
- ⑥ゴミ屋敷化している
- ⑦臭いがきつい
- ⑧エントランスやゴミ置き場など共用部分が汚い
①水回りが汚い
一つ目は、水回りが汚いことです。
水回りは、日常生活には欠かせない設備となります。特に浴室、洗面、トイレは直接肌が触れる部分でもあり、清潔さが求められます。また、キッチンについては食べ物を扱う箇所であるため、カビなどの汚れがあることは厳禁です。
よって、このような水回りに水垢やカビなどの汚れが酷い場合には、マイナス査定の要因となります。
②クロスが剥がれている
二つ目は、クロスが剥がれていることです。
壁に貼られているクロスは、長年居住することで徐々に劣化していきます。特に、日本の場合1年の中での寒暖差や湿度差があるため、クロスはその都度収縮を繰り返しています。しかし、クロス自体の性能が劣化してくると、収縮の際にクロスの破れや接合部分から剥がれが生じることがあります。
クロスは貼り直せば元通りに綺麗な状態になることが多いなかで、クロスが剥がれている状態の室内は印象が悪く、マイナス査定の要因となってしまいます。
③建具がシミだらけ
三つ目は、建具がシミだらけであることや和室の襖や障子が破れているなどです。
扉や引き戸、襖や障子など、日常生活でよく使用する部分にシミや汚れなどがあると、前居住者が掃除やメンテナンスを怠っていたことが分かります。また、他の見えない部分についても日常の掃除やメンテナンスを怠っているおそれが充分あり、居住後に不具合箇所が多く見つかる可能性があります。
内見者は新たな住居に快適な生活を求めているにも関わらず、建具などにシミや不具合があることで物件を検討するという意欲が下がり、購入に至るケースは極端に少なくおそれがあります。よって、このようなマンションの査定はマイナス評価になってしまいます。
④バルコニーに物が散乱している
四つ目は、バルコニーに物が散乱していることです。
使わなくなった家電や家具、日常生活から出たゴミなどがバルコニーに散乱していると、現在の状態を内見者が確認しにくくなります。物が置いてあること自体はマイナスにはなりませんが、物が散乱し汚い状態ではマイナス評価になってしまいます。
⑤リビングや各居室に物が散乱している
五つ目は、リビングや各居室に物が散乱していることです。
内見者を迎えるにあたり、最低限の綺麗さは必要となります。一方で物が散乱している状態では、以下の懸念点が考えられます。
- 前居住者の生活感が出過ぎてしまっている
- 足の踏み場もないような状態であれば満足な内見ができない
- そもそも物件自体の印象が悪くなってします
内見者を招く前には、物を整理しなるべく収納部分に納めるなどを行います。仮に査定時に物が散乱している状態であれば、査定時の評価はマイナス査定です。
⑥ゴミ屋敷化している
六つ目は、居室内がゴミ屋敷化していることです。
リビングやバルコニーに物が散乱しているだけでなく、居室内全体的にゴミが散乱し、足の踏み場に困るような状態となります。このような状態では、まともに内見者を招くことはできず、売却活動前に大掛かりなゴミ処理が必要です。
居室内がゴミ屋敷化していると、仮にゴミを全て取り除いたとしてもフローリングや和室の畳にシミの跡があり、クロスにも汚れが付着している可能性があります。よって、このような汚い状態のマンションでは、査定はマイナス評価となります。
ゴミ屋敷の売却方法については、下記の記事で詳しく紹介しています。
⑦臭いがきつい
七つ目は、臭いがきついことです。
前居住者が日常生活で残した臭いが、クロスや建具に付着してしまっている状態になります。代表的なのは煙草の臭いではないでしょうか。煙草を室内で吸うことで、煙草の煙が室内に充満します。これらを日常的に繰り返すことでクロスに臭いが付着し、クロス自体も変色してしまいます。
快適な生活を送る上で、臭いがある環境は不快感を最も抱くポイントの一つです。実際人は臭いに敏感であり、前居住者の臭いが残るマンションには、不快感などによる悪い印象しか残りません。よって、このようなマンションを売却しようと査定に出すと、マイナス評価になってしまいます。
⑧エントランスやゴミ置き場など共用部分が汚い
最後は、共用部分が汚いことです。
マンションは専有部分だけでなく共用部分も汚いとマイナス評価になります。エントランス、集合ポスト、ゴミ置き場、自転車置き場などが汚いと、管理会社の管理体制に落ち度がある可能性が高いでしょう。
また、これら共用部の綺麗さは資産価値に直結する要素でもあるため、管理会社に連絡を行い、現管理体制の見直しするように提案してみましょう。
汚い状態のマンションを仲介で売却するためのポイント3つ
マンション売却を居室内などが汚い状態で行うことは、難しいです。不動産会社の仲介によってマンションを売却する場合は、売却しやすくなるように汚い状態を改善する必要があります。
下記の3つのポイントを実践することで、マンション売却を円滑に進められます。
- ①内覧前に掃除や片付けを行う
- ②リフォームを行う
- ③不用品買取業者を手配する
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
①内覧前に掃除や片付けを行う
一つ目は、内覧者を迎える前に掃除や片付けを行います。これらは、内覧を進める上ではベースになる部分です。綺麗な状態であれば、例え築年数が経過したマンションでも内覧者には良い印象を与えられます。
また、良い印象を与えることができれば、商談や交渉などに進む可能性が高まるでしょう。
内覧前に優先的に綺麗にすべき箇所
内覧前に優先的に綺麗にすべき箇所は、以下の通りです。
- キッチンや浴室などの水回り
- 玄関
- 窓ガラス
- バルコニー
内覧時に内覧者が部屋内を細かく見ることは、あまりありません。どちらかと言うと、内覧者が目につきやすい箇所を優先的に綺麗にしておくのがおすすめです。
このなかで玄関は、内覧者がはじめに目にする箇所であり、ここでマンションの第一印象が決まると言っても過言ではありません。次に、キッチンや浴室などの水回りです。水回りは、日常生活において使用頻度の高い箇所であり、肌が触れることもあることから清潔さが求められます。
続いて、窓ガラスは土埃がないような綺麗な状態に、バルコニーは物があれば整理整頓し、土埃や落ち葉などがあれば綺麗に取り除いておきましょう。これらを内覧前に実践しておくことで、売却活動がスムーズに進む可能性が高まります。
掃除が大変ならハウスクリーニング業者も検討
掃除が大変ならハウスクリーニング業者の利用も検討しましょう。
ハウスクリーニング業者を使うことで、床やクロスはシミがなくなり、水回りは購入当時のように綺麗に仕上がります。洗面や浴室の鏡は水垢で汚れやすい箇所になるので、ハウスクリーニングを入れることで綺麗に仕上がり、見た目の印象が格段に上がります。
ハウスクリーニング業者に依頼を検討している方は、便利屋お助けマスターをチェックしてみてください。
②リフォームを行う
二つ目は、リフォームを行うことです。
汚れの度合いによっては、清掃では落ち切らない場合もあります。例えば、長年付着していたフローリングのシミは、掃除しても綺麗に取れないことがあります。また、クロスの剥がれなどは張替え工事をするしかありません。
よって、総じてリフォーム工事を行い綺麗に仕上げることで、マンション売却がスムーズに進む可能性が高まります。
マンションのリフォームをした方が良いケースについては、下記の記事も参考にしてみてください。
③不用品買取業者を手配する
最後は、不用品買取業者を手配し、家の中に散乱する不用品を引き取ってもらうことです。
家の中の汚さは、物が多すぎることにも要因があります。使っていない家電や家具、生活用品があれば積極的に不用品として回収してもらいましょう。部屋内の物が少なくなるだけで、見違えるように綺麗になるケースもあります。
マンションを少しでも高く売却する方法5つ
ここまでマンション売却において汚い状態であると売却自体が難しくなること、汚いマンションを売却するための対処法などを紹介してきました。ここでは、マンションを少しでも高く売却する方法について解説します。以下、5つの方法となります。
- ①周辺の相場をあらかじめ調査する
- ②査定は複数社に依頼する
- ③繁忙期に売却活動する
- ④周辺に競合物件が少ない時に売却する
- ⑤綺麗な状態で内見者を招く
①周辺の相場をあらかじめ調査する
一つ目は、周辺の相場をあらかじめ調査しておくことです。
周辺の相場を調査することで、査定を受けたときの査定額の信憑性や極端に高い査定を出す会社を排除できます。これにより、健全な売却活動と損なく相場並みで売却できる可能性が高まります。また、価格決定時にも相場をあらかじめ把握していることで、適正価格を付けられます。なお、周辺の相場を調査する方法としては、以下3つの方法があります。
- レインズマーケットインフォメーションの活用
- 土地総合情報システムの活用
- 不動産ポータルサイトの活用
レインズマーケットインフォメーションと土地総合情報システムは、過去の売却事例を閲覧できるサイトです。また、不動産ポータルサイトでは、現在売却中の物件を見ることができます。よって、過去の売却事例と現在の売却価格を総合し、おおよその相場観を掴んでおきましょう。
②査定は複数社に依頼する
二つ目は、査定は複数社に依頼することです。
物件に対する査定では、不動産会社毎に多少見解の違いがあり、その違いが査定額に現れます。また、売却活動時に受けられるサービスや売却完了までの販売計画は、不動産会社毎に異なります。
よって、複数社に査定を出し見解やサービスの違いなどを比較することで、最良な不動産会社と出会える可能性が高まります。なお、査定は3社以上に依頼するのがおすすめです。
③繁忙期に売却活動する
三ツ目は、繁忙期に売却活動することです。
不動産の繁忙期とは、一般的に3月~4月上旬の春先と10月~11月の秋口になります。特に春先は、転勤などで人の異動が多い時期となり、春からの新生活に向けて不動産需要が高まります。
買主が多くなることで不動産の引き合いが強くなり、買主間で競争が起きやすいことから多少の高値でも売却できることがあります。よって、少しでも高く売却したいなら、繁忙期少し前の2月下旬から3月上旬に売却活動を始めるのが良いでしょう。
④周辺に競合物件が少ない時に売却する
四つ目は、周辺の競合物件が少ない時に売却することです。
マンション売却では、同一物件内で複数世帯が同時に売却活動しているケースがあります。このようなとき買主には物件を選ぶ権利があり、基本お得感の高い物件から売れていきます。よって、高値追及は難しい状況です。
つまり、同じマンション内に売却中の物件がないこと、また周辺でも売却物件が少ない時に売却活動することで、そのエリア内での希少性の高さを演出できます。よって、周辺に競合物件が少ない時に売却活動することで、高値売却を追求しやすくなります。
⑤綺麗な状態で内見者を招く
最後は、綺麗な状態で内見者を招くことです。
中古マンションは綺麗な状態であるほど、売りやすくなり高値売却を追求しやすくなります。マンション売却するときには、綺麗な状態で内見者を迎えられるようにしましょう。
まとめ
汚い状態でマンション売却を進めることは、大変難しいです。その理由は、市場のユーザーは汚いマンションを求めていないからになります。
「低価格でも良いから短期間で売却したい」のであれば不動産会社に買取してもらいましょう。「時間や手間、費用が掛かっても良いから高値で売却したい」のであれば、不動産会社に仲介してもらうことを検討してみてください。
仲介で売却するのであれば、あらかじめ綺麗に掃除やリフォーム、不用品は処分するなどを行い、少しでも綺麗な状態で内見者を迎えるようにしましょう。
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