道路と接している部分の間口が狭く、建物を建てられる部分が奥まったところにある旗竿地(はたざおち)。
その独特な形状のせいで、建築工事に必要な重機が通れないなど、使い勝手が悪い土地です。場合によっては、建物の新築・建て替えができない「再建築不可物件」となっているケースもあります。
そのため、旗竿地は需要が低く、売り出しても買主はなかなか付きません。
そこで、旗竿地を売却するときは複数の不動産会社を比較し、旗竿地でもスムーズに売却できるところを選びましょう。
売却にあたって不動産会社を探すときは、一括査定の利用がおすすめです。全国の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので、旗竿地を最短数日で買い取れる業者も見つけられます。
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旗竿地とは道路への間口部分が狭い土地のこと
旗竿地(はたざおち)とは、文字どおり竿に旗を立てたような形状の土地です。旗竿地以外にも「敷地延長(敷延)」や「専通」とも呼ばれています。
道路との間口部分が細い路地状になっており、通路部分を進んで行った先に建物のある敷地が広がっています。
独特な形状であることから、建築工事に必要な重機が通れないなど使い勝手が悪く、売れにくいのが一般的です。
しかし、すべての旗竿地が売れにくいわけではなく、物件の状況次第で「売れやすい」「売れにくい」は変わります。
旗竿地が売れないときは何が原因?
旗竿地のなかでも、以下のような状況に当てはまっている場合は、買主から避けられやすいでしょう。
- 新築・建て替えできない
- 工事車両が進入できない
これから旗竿地を売り出したい人は、物件が上記にあてはまらないか確認しておくことで、適切な売却プランを立てられます。
新築・建て替えができない
道路に接する旗竿地の間口が2m未満の場合、建築基準法の接道義務を満たしていないため「再建築不可物件」となってしまいます。
再建築不可物件とは、建物の新築・建て替えができない物件のことです。
建物のリフォームにも制限があるため、購入希望者は減ってしまいます。
工事車両が進入できない
出入口となる竿部分の幅が狭いと、工事車両が進入できないことも考えられます。
重機やトラック等が進入できない場合、建物の解体や資材の運搬などを手作業でおこなわなければいけません。
そのため、作業時間も人手も多く必要となり、通常の物件よりも人件費が高くなってしまうこともあります。
旗竿地を安く入手したとしても、リフォームやリノベーションで多額の費用がかかってしまうのです。
旗竿地でも高値で売れる物件の特徴
旗竿地であっても、接道義務を満たしており、工事車両の通行に十分なスペースがあれば、すぐに売れる場合もあります。
とくに、下記の2点に当てはまる場合、旗竿地でも早く売れやすいでしょう。
- 日当たりがよい
- 道路につながる間口が広い
日当たりや風通しがよい
旗竿地であっても、日当たりや風通しがよければ需要は上がります。
旗竿地は住宅の密集地にある場合が多く、日当たりの悪い家や風通しの悪い家が大半です。
しかし、周辺に高い建物がなく、土地全体で十分な広さを確保できていれば、旗竿地であっても日当たり・風通しは良くなります。
道路につながる間口が広い
家の出入り口となる竿部分に十分な広さがあれば、旗竿地でも売却に支障はありません。
国土交通省の指針によると、普通乗用車に必要な駐車場の広さは「幅2.5m×長さ6.0m」とされています。
竿部分に上記と同等以上の広さがあれば、一般的な車の駐車スペースとして問題なく使えます。
また、間口が広ければ庭やDIYの作業場などで活用できるでしょう。
旗竿地全般のメリットは固定資産税の安さ
旗竿地は、整形地(長方形や正方形の土地)と比べて物件の固定資産税評価額が低くなります。
固定資産税評価額が低いと税額が安くなるため、土地の面積が同じ場合、整形地より旗竿地の方が節税できます。
高級住宅地や住宅需要の高い地域は税額の差が大きくなるため、あえて旗竿地を探す人も少なくありません。
売れにくい旗竿地をスムーズに売却するコツ
売れにくい旗竿地であっても、売り方次第でスムーズな売却が可能です。
とくに重要な売却のコツは次のとおりなので、状況に合わせて検討・実施しましょう。
- 訳あり物件専門の買取業者へ売却する
- 隣地所有者へ売却する
1.訳あり物件専門の買取業者へ売却する
売り出してもなかなか買主がつかない旗竿地は、買取業者に売却することも検討してみましょう。買取業者は自社で直接物件を買い取るため、スムーズな現金化が可能です。
なかでも、訳あり物件専門の買取業者なら、旗竿地のように特殊な物件であっても最大限活用して収益化できる知識と資金力があるため、積極的な買取が可能です。
また、買取業者を探すときは、一括査定を利用するとよいでしょう。
一括査定なら複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので、旗竿地でも高く評価してくれる不動産会社がすぐにわかります。
当サイトでも一括査定を提供しており、全国から厳選された優良不動産会社にまとめて査定を依頼できるので、各社を比較して「最高条件の売却」を実現しましょう。
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2.隣地所有者へ売却する
自分の旗竿地と隣接している敷地の所有者へ売却することも検討しましょう。
敷地の所有者があなたの旗竿地を購入することで、土地の合筆(2つの土地を1つの土地にすること)をおこなえれば、一つの大きな敷地にできます。
隣地の不動産における資産価値も上がるため、隣地所有者にとっても嬉しい提案になるでしょう。
【どうしても売れない場合】売却以外に旗竿地を活用する方法
旗竿地の売却がうまくいかない場合、以下のような方法で旗竿地を活用するのもよいでしょう。
- 戸建て住宅として貸し出す
- 建物を取り壊して駐車場にする
- 隣地を買い取って一つの不動産にする
次の項目から、それぞれの活用方法について見ていきましょう。
賃貸住宅として貸し出す
旗竿地に誰も住んでいない戸建て住宅が建っているのであれば、賃貸住宅に転用することも選択肢の一つです。
戸建てあれば、ファミリー向けの賃貸物件として貸し出すことができるでしょう。
自宅のある場所から路地を通らないと道路に出られないデメリットが、子連れの家庭にとってはメリットとなりえるのです。
公道に直接面していないので、子どもが不注意で広い道路に飛びだすような状況にもなりにくく、敷地や路地内で安全に遊べるからです。子連れの家庭にとって、意外と使いやすいのが旗竿地にある戸建て物件なのです。
建物を取り壊して駐車場にする
空き家の維持には修繕費など、さまざまなコストがかかります。建物にも固定資産税が課税されますので、修繕費と税金の二重コストになります。
建て替えも面倒だし、賃貸物件としての需要もあまりないだろうと思うときは、建物を壊して別の活用法を考えましょう。
再建築可能な旗竿地であれば、一度建物を壊してもそれほど大きな負担につながりません。建物を建て直せばいいだけです。
ただし、空き地のままだと固定資産税がかかりますので、初期投資が低い駐車場やコインパーキングとして活用し、収益を得ることを考えましょう。
3メートルほどの間口の広さがある路地ならば、大型車でも出入りは可能です。
隣地を買い取って一つの不動産にする
隣地の住人が引っ越しなどの事情で、自分の家と土地を売ろうと考えている場合は、隣地を買い取れるかもしれません。
隣人が所有する敷地を購入すれば、旗竿地を一つの大きな整形地に変更できます。
再建築不可の旗竿地でも建築可能な土地に再生できるため、一つの土地として資産価値が大きく跳ね上がります。スムーズかつ、高額での売却が期待できるようになるでしょう。