入院中でも不動産を売却できる!状況別に売却方法を解説します

入院中 不動産 不動産売却

「入院中で病院から出れなくても、不動産を売却できるのか?」と悩む人も多いでしょう。

結論からいえば、所有者が入院していても不動産の売却は可能です。

所有者が意思疎通できる程度の入院であれば、不動産会社に病院まで来てもらう方法があります。ほかにも代理人を立てるケースや、認知症で意思疎通がむずかしいときは成年後見制度を使うことも可能です。

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所有者である自分が入院しているときに不動産を売却する方法

病気

所有者である自分が入院していても、比較的容易に不動産を売却することができます。

不動産業者や買主に病室まで来てもらえば売買契約を結べますし、自分で契約の手続きをできない場合は、代理人に任せるという方法もあります。

まずは、所有者自身が病気やケガで入院している場合の売却方法について、見ていきましょう。

不動産業者や買主に病院まで来てもらう

不動産の売却は原則、買主と売主が立ち会って契約を結ぶ必要があります。両者が売買契約の場に出席し、合意することではじめて売買契約が締結され、不動産の売買ができます。

また、不動産業者に不動産売買の仲介を依頼する場合も、売主が立ち会って契約を結ばなければいけません。

これらのことから「売主が入院していると病院から出られないので、売買契約の場に出席できない」と思う人もいるでしょう。

しかし、不動産売買の契約を結ぶ場所に決まりはありません。重要なのは、買主と売主が顔を合わせた場で契約をすることです。

つまり、自分が入院中で病院から出られない場合は、不動産業者や買主に病院まで来てもらうことで売買契約を締結することができます。

入院時の不動産売却はオンラインの一括無料査定が便利

不動産を売却するときは、複数の不動産業者に査定を依頼して価格や条件を比較するのが一般的です。

しかし、体調を崩しているときに不動産業者を1つ1つ調べて選ぶのは大変です。できるだけ簡潔に、手間をかけずによい不動産業者を選べればそれに越したことはありません。

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代理人に不動産売却を委任する

不動産の所有者本人が入院しているケースでは、不動産業者や買主に病院まで来てもらうことで、病院で売買契約を結ぶことができます。

しかし、容態によっては契約を結ぶための手続きも困難という人もいるでしょう。

その場合は、代理人に不動産売却を委任する方法がおすすめです。

代理人はだれに任せる?

不動産の所有者本人が、本人の意思で不動産の売却を委任する場合の代理人は、だれを代理人にしてもかまいません(未成年者など一部の例外はあります)。

具体的には、家族や親戚、弁護士や司法書士など法律の専門家、そのほか知人や友人にも代理人になってもらえます。

不動産の売買では大きなお金が動くため、確実に信頼できる人を代理人として選びましょう。

不動産問題に詳しい弁護士なら、代理人に不動産売却を委任するときの必要書類や手続きに関して、すべて適切にサポートできるのでおすすめです。

代理人の権限設定と委任状

代理人に不動産売却を任せるときに注意したいのが、代理人の権限です。

代理人に不動産売却のすべてを丸投げすると、売却価格や条件を好き勝手に決められてしまう恐れがあります。

代理人を委任する場合には「委任状」を作成しますが、委任状の中で代理人の権限を制限しておけば、自分の意図とは異なる売買取引を防げます。

委任状に、代理人に委任する行為や禁止事項などを細かく記載することで、トラブルを未然に防ぎましょう。委任状の作成方法については、次の関連記事も参考にしてください。

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代理人に売却を委任するときの必要書類

代理人に売却を委任するときは、下記の書類が必要になります。

  • 委任状(不動産所有者の直筆、所有者の実印の押印があるもの)
  • 不動産所有者の印鑑証明書
  • 代理人の身分証明書、実印、印鑑証明書

買主や不動産業者に対して「不動産の所有者から売却を委任された人」であることを証明するために上記の書類が必要です。

必要書類に不備や漏れがあると、売買契約が遅れるなどのトラブルが起きかねないため、注意が必要です。

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所有者である親が入院しているときに不動産を売却する方法

親入院

ここまでは、売主が自分である場合について見てきました。ここからは、売主である親が入院しているケースにおける売却方法について見ていきましょう。

親が子供に代理人を委任する方法のほか、不動産の名義を子供に移してから売却する方法もあります。

親が高齢の場合は相続問題が絡む場合もあるので、自分以外に相続人がいる場合は、売却前によく話し合っておくとよいでしょう。

子供が代理人として不動産を売却する

この方法は、子供を代理人にして、不動産売買の交渉などを行う方法です。親子関係にあるため、親も安心して不動産の売却をまかせることができるでしょう。

ただし、子供が代理人であったとしても、次の書類は必要です。

  • 委任状(不動産所有者の直筆、所有者の実印の押印があるもの)
  • 不動産所有者の印鑑証明書
  • 代理人の身分証明書、実印、印鑑証明書

名義を子供に変更し不動産を売却する

親から子に不動産の名義を変更し、そのあとで子供がその不動産を売却するという方法もあります。

このケースなら、売却までに時間がかかっても、売却に親が関わるのは子供への名義変更の時だけなので、親への負担は少なくなります。

名義を子供に変更する方法には、次の2つの方法があります。

  • 親の不動産を子供が買い取るケース
  • 親の不動産を無償で譲り受けるケース

親の不動産を子供が買い取るケース

これは、子供が不動産を親から買い取り、名義を変更するケースです。

親からすれば信頼できる相手に不動産を譲れるうえに、売却代金もすぐに得られます。

子供は自分のペースで不動産を売却できるので、売却時期や売却価格をじっくり検討できます。場合によっては自分で使用、もしくは賃貸物件として収益化が可能です。

デメリットとしては、子供がまとまった購入資金を用意しないといけない点です。

ちなみに、親子関係だからといって、市場価格より著しく低い価格で不動産を譲渡すると贈与とみなされる場合があります。市場価格と売却価格の差額に対して、贈与税が課されてしまうので注意しましょう。

参照:国税庁「著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」

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親の不動産を無償で譲り受けるケース

子供が不動産の購入のためのまとまった資金を用意できない場合は、贈与によって親の不動産を無償で譲り受ける方法もあります。

贈与税は、贈与を受けた人が納付しなければならないため、子供は贈与税の納税資金を用意する必要があります。

贈与税は、1年間に110万円を超えた部分に対して10%~55%の税率でかかります。

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無償で譲り受ける場合は相続時精算課税制度の利用を検討する

親の不動産を無償で譲り受けた場合は、贈与税がかかることを述べましたが、特例として贈与税がかからない制度があります。それが「相続時精算課税制度」です。

相続時精算課税制度とは、贈与時は税金を課さない代わりに、相続時に、すでに贈与した財産も含めた遺産に相続税を課すという制度です(贈与者や受贈者に一定の要件あり)。

贈与時は税金の支払いをしないで良いため、すぐに納税資金が用意できない場合は有効な方法です。ただし、贈与税がかからないのは、2,500万円までです。 

時価が2,500万円を超える場合は、超えた部分に一律20%の税率で税金が課されます。

相続時精算課税制度については、次の関連記事も参考にしてください。

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名義変更後に売却する場合はほかの相続人とも話しておこう

親から子供へ名義を変更して売却する場合、ほかの相続人への配慮もしておいた方がよいでしょう。

ほかの相続人からすれば、相続発生前に特別扱いで財産を譲渡しているように見えてしまう恐れがあります。

実際の事情は違っていても、勘違いからトラブルとなり、裁判に発展するケースもありえます。

名義変更して不動産を売却する必要性について、しっかりと説明して納得してもらいましょう。

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所有者が認知症で入院しているときに不動産を売却する方法

認知症

ここまで、所有者である自分が入院しているケースと、所有者である親が入院しているケースの不動産の売却方法を見てきました。

ここまで見てきたケースは、あくまで所有者本人の意思確認ができる場合です。

では、売主が認知症で入院していたり障害を持っていたりする場合など、判断能力が不十分な場合は、どのように不動産を売却すればよいのでしょうか。

この場合に用いる方法として「成年後見制度」があります。

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成年後見制度を利用する

成年後見制度とは、認知症などで判断能力や意思能力が不十分な人を法律により支援・保護することを目的とした制度です。

介護費用や介護サービスの契約、遺産相続、不動産の売買などに必要な判断能力が不十分であるときに、成年後見人がサポートします

家庭裁判所が成年後見人を選任し、不動産売却の契約などの権限を与えます。そのため、売主が認知症で入院しているケースであっても、法定後見制度を利用すれば、不動産の売却ができます。

成年後見人には特別な資格は不要で、家族や親族だけでなく、弁護士や司法書士など第三者も成年後見人になれます。ただし、申立人がそのまま成年後見人になるわけではなく、裁判所が適切だと判断した人が選任されます。

また、不動産を売買するには家庭裁判所の許可が必要です。あくまで本人のためにおこなう売買のみ許可されるので、成年後見人になったとからといって、自由に不動産を処分できるわけではないので注意しましょう。

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成年後見制度には2つの種類がある

成年後見制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つがあります。

法定後見制度 すでに認知症を発症し判断能力が不十分なとき、家族などが後見人の選任を家庭裁判所に申立てる。
任意後見制度 判断能力に問題がないときに、本人が将来に備えて後見人を選んで契約しておく。

どちらの制度も後見人は裁判所が選任します。任意後見制度の場合も、裁判所の判断によっては本人が依頼した人以外を後見人とする場合があります。

成年後見制度を利用するために必要な書類

成年後見制度を利用するためには、家庭裁判所に申立てをする必要があります。この申立てにはさまざまな書類が必要です。一般的な必要書類は、次のとおりです。

  • 申立書、申立て手数料
  • 戸籍謄本
  • 後見登記事項証明書
  • 通信用切手
  • 登記手数料

必要書類以外に、売主本人の診断書や財産目録などが必要になることもあります。

事前に家庭裁判所や弁護士などに相談して、必要な書類を確認しておきましょう。弁護士に依頼すれば、書類取得を代行してもらうこともできます。

成年後見制度による後見人選定の流れ

成年後見制度による後見人選定の流れは、次のとおりです。

  1. 申立て
  2. 裁判所の審理
  3. 裁判所の審判

流れにそって、それぞれの段階を解説します。

申立て

成年後見制度開始の審判は、売主本人の住所地の家庭裁判所に申立てをします。ただし、誰でも申立てができるわけではありません。

後見開始の申立てをできるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官などです。売主の家族であれば、問題なく申立ては可能です。

裁判所の審理

申立書には、成年後見人の候補を記載する欄があります。配偶者や子供など成年後見人になろうと考えている人の名前を記載しますが、記載された人がそのまま選定されるわけではありません。

記載された人が、成年後見人としてふさわしいかどうかを、家庭裁判所で審理します。例えば、未成年者や破産者などは、原則、成年後見人にはなれません。

裁判所の審判

裁判所の審理が終われば、法定後見人の選定の審判が下ります。場合によっては、親族でなく、弁護士や司法書士等が選定されることもあります。

審判が終わると、裁判所から審判書謄本が送付されてきます。また、法定後見が開始されると、その旨が登記されます。

申立てから裁判所の審判までは、おおよそ1~2カ月程度の時間がかかります。不動産の希望売却時期がある場合は、事前に適切なスケジュールを立てるようにしましょう。

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不動産が共有名義の場合も売却方法は同じ

親子などの共有名義となっている不動産を売却する場合も、売却方法の基本的な考え方は変わりません。

共有不動産を丸ごと売るには、共有者全員の同意や立ち会いが必要です。しかし、ここまで紹介した方法を使えば、共有者が入院していても売却できます。

入院している共有者の代理人を立てたり、共有持分の名義を変更して「単独名義の不動産」にしてから売却するとよいでしょう。認知症を発症してれば、成年後見制度を利用します。

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共有持分だけの売却も可能

共有名義の場合、共有者はそれぞれ「共有持分」をもつことになります。

共有持分とは共有者それぞれの所有権の割合を指し、親子で半分ずつの所有権をもっているなら「1/2の共有持分をもっている」と表します。

自分の共有持分だけを売却することも可能なので、入院している共有者が売却に反対している場合などは、持分売却も検討してみるとよいでしょう。

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まとめ

病院に不動産の所有者が入院中であっても、売却をすることはできます。

しかし、ひとくちに入院中といっても状況はさまざまであり、それぞれで手続きや注意点が異なります。

また、個々の事情によっても必要な法的手続きや注意点が異なるため、適切に売却をすすめるためには専門的な知識を持った人への相談が必要不可欠となります。

入院中の不動産売却については、弁護士や不動産会社に相談することで適切なアドバイスがもらえます。

一括査定で複数の不動産会社をチェックすれば、親身に話を聞いてくれる不動産会社も見つかりやすいでしょう。

入院中の不動産売却でよくある質問

所有者が入院していても不動産を売却できますか?

はい、売却は可能です。所有者が入院していても、不動産業者や買主に病室まで来てもらえば売買契約を結べます。また、代理人に依頼して売却の手続きを代行してもらう方法もあります。

不動産売却の代理人は、どのように選べばよいですか?

未成年など一部例外を除いて、だれを代理人にしてもかまいません。一般的には家族や親戚、もしくは弁護士や司法書士に依頼します。

不動産の売却を代理人に依頼するとき、なにに注意すればよいですか?

売却価格や売却条件を勝手に決められないように、代理人の権限を制限することが重要です。代理人に委任する行為や禁止事項などを、委任状に細かく記載しましょう。

入院している親の不動産を売る場合は、どんな方法がありますか?

親の不動産を売却する場合は、代理人として売却活動をするほかに、不動産の名義を自分が引き受けてから売却する方法もあります。親子間で不動産を売買する方法や、贈与によって無償で引き受ける場合がありますが、いずれにしても税金がかかるので注意しましょう。

親が認知症になっている場合、不動産は売却できますか?

成年後見制度を利用すれば、認知症にかかった人の不動産も売却できます。成年後見制度とは、判断能力が低下した人のサポートをするための制度です。成年後見人に選任された人は、家庭裁判所の監督のもと、認知症にかかった人の不動産を売却できます。

最終更新日:
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