【孤独死物件の売却方法】売却前の後始末や価格の相場も詳しく解説

孤独死

高齢単身者が入居者として入っている物件を運営していると、物件内で不幸にして自然死や孤独死が発生してしまうことがあります。

孤独死が発生した物件を売却するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
また、どうすれば大幅な値下げをせずに相場に近い値段で売ることができるのでしょうか。

ここでは孤独死が発生した物件の運用と、売却などの処分の手順、不幸な事故に巻き込まれないための孤独死を防ぐ方法について、ここではお伝えします。

孤独死物件と事故物件の違い

孤独死
孤独死物件とは、熱中症、心不全などの病気が理由で、入居者が大きな事件性を伴わずに部屋で亡くなった物件のことを指します。

事故物件とよく比較されますが、事故物件とは、部屋や建物の中で火災などによって入居者が亡くなった、殺傷事件が発生して人が殺されたなど、事件性の高い出来事があった物件のことを指します。

いずれも、心理的瑕疵物件として、告知義務があることに変わりはありません

しかし、孤独死であっても、状況によっては大きなリスクにならなかったり、心理的瑕疵に当たらなかったりすることがあります。

そして、どのような場合でも事故物件は、心理的瑕疵の度合いが高いものになります。

発見が早ければ、孤独死物件は重い心理的瑕疵にはなりにくい

孤独死には様々なケースが挙げられますが、中には、突発的な心臓麻痺で亡くなってしまうこともあります。

例えば、近所に家族が生活していたり、知人が定期的に訪れたりしていれば、損傷がひどくない状態で遺体が発見されることもあります。

そのような場合、血液や体液が染み出して建物にダメージを与えることもなく、腐敗臭なども発生しません。

こういった発見が早かった孤独死物件は、それほど重大な心理的瑕疵に該当しないことが多いです。

一方で、孤独死物件でも、病気を患っていた人が自宅で亡くなり、周囲に友人や知人もいなかったため、遺体の発見が遅れることがあります。

発見が数週間、時には一カ月以上かかってしまうこともあるのです。

このようなケースでは遺体の腐敗も進み、遺体から発生する腐敗臭が屋内に充満するだけでなく、体液が物件内に染みだしてしまいます。

原状回復のために特殊清掃を入れる必要がありますし、人によっては大きな心理的瑕疵にもなりかねません。

発見された遺体の状態にもよりますが、孤独死自体は事件性がありません

そのため、「事故物件はご免だけど、孤独死物件だったら大丈夫だ」という人もいるのです。

事故物件は、多くの人にとって心理的瑕疵になる

一方で、物件の中で殺人事件が発生した事故物件の場合、ほとんどの人にとってその物件は心理的瑕疵に該当します。

自殺や他殺による殺傷事件などが起きれば、大抵の場合、血液が部屋中に飛散したり、体液が流れだしたりした状態になります。

血液からウイルス性の感染症につながる可能性もあります。

病気で亡くなった場合よりも殺人事件で亡くなった場合の方が、状況が想像されるので、怖がる人も多いでしょう。
お祓いをしたとしても、「ひょっとして心霊現象が発生するんじゃないか」と、敬遠する人もいるかもしれません。

もう一つ、事故が発生した物件には、防犯性に問題があると捉える人もいます。

不法侵入者が、外から簡単に侵入することができてしまう物件と思われることもあるでしょう。

その上、「もしかしたら、まだ他にも恨みを持っている人間がいて、自分が間違って狙われるのではないか」と考えてしまう人もいるのです。

事故物件には重大な心理的瑕疵があるため、オーナーは次の入居者に対して事故の事実を告知する義務があります。
また、貸し出すには家賃の値下げをしたり、処分するにも大幅に売却価格を下げたりしなければいけないことが多いのです。

一口に心理的瑕疵物件と言っても、受け取る人間によって、心理的瑕疵の重さや意味が違ってきます
体格のいい男性であれば、それほど防犯性や事故のリスクは気にしないかもしれません。

しかし、入居者が高齢者や女性、若年層だと、心理的瑕疵の意味をより重く捉えてしまうこともあります。

心理的瑕疵物件の中で比較すると、孤独死物件は瑕疵が軽微なものと捉えられやすいですし、事故物件は注意すべき重大な心理的瑕疵となる傾向があります。

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孤独死物件の売却前に、『遺品整理』と『特殊清掃』が必要

特殊清掃
入居者だけではなく、オーナーである自分自身が、孤独死物件の運営をこれ以上行いたくないと思うことも少なくはありませんその場合は売却を検討しましょう。

売却を行うには、いくつかの準備があらかじめ必要です。

特殊清掃は必須

孤独死が発生した物件では、必ず、特殊清掃を行いましょう。

特殊清掃とは、一般的なクリーニングだけではなく、特殊な薬剤や薬品などを使った殺菌や消臭など、徹底的な清掃を行うことを指します。

一般のクリーニングでは使わない強力な薬剤、消臭剤などを散布し、部屋から発生する腐敗臭を完全に除去します。

そして、血痕や体液が染み付いた壁紙や床を張り替えるなどしてリフォームを行います。

遺体の発見が早ければ、孤独死の場合、建物にダメージはほとんどありません。
クリーニングと消臭程度で済むこともあります。

ただし、遺体の発見が数週間後になってしまうと、腐敗は進んでしまっています。

とてもではありませんが、このような特殊清掃を行わなければ、再び賃貸に出せる状態にはならないでしょう。

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遺品整理も必要

孤独死の場合、普通の生活を続けていて急に亡くなってしまったため、部屋の中には故人の遺品が多く残っています

故人の遺族と連絡が取れれば、まず、遺族に連絡して遺品をどのように処分すればよいのか尋ねましょう。

引き取ってもらえるのであれば、直接引き取ってもらうようにしますし、処分してもよいのであれば、遺族から処分費用を受け取って遺品整理業者に処分を依頼します。

血痕が染み付いた家具などはもう使い物にならないため、処分するしかありません。
本やコレクション、貴金属や家電などがあれば、売却できることもあります。金目のものは遺品整理業者に買い取ってもらいましょう。

それから、買い取り代金を遺品の処分費用や特殊清掃の費用に充てる、もしくは、遺族に返還するなどしましょう。

遺品が残っている状態では物件を売却できません
遺品の整理も考えながら、進めてください。

また、場合によっては僧侶を呼んでお祓いをし、亡くなった人の霊を鎮めることもあります。

孤独死物件を購入する人には、孤独死が発生したことを告知しなければいけません。

「きちんとお祓いをしていれば、亡くなった人の霊がその部屋に留まることもないだろう。きっと成仏してくれる」と、安心して購入する人もいるのです。

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孤独死物件の価格はどれくらい下がる?売却価格の相場について

孤独死物件の場合、売却の相場はどの程度変わってしまうのでしょうか。

発見された遺体の腐敗が進んでいなければ、大幅な値下げの必要はない

孤独死物件は心理的瑕疵物件になるため、次の所有者に対して告知する義務が発生します。

そのため、どうしても売却価格の値下げは避けられません
結局のところ、遺体が発見された状態によって変化します。

気温が低い冬場に亡くなっていれば、遺体の損傷が進まず、それほど値を下げる必要がないこともあります。
都心のマンションなどであれば、相場の10%まで下げる必要もなく、十分な価格で売ることができるでしょう。

腐敗した遺体が発見されたり、立地が悪い物件は2~3割の値下げが必要

夏に死亡し、腐敗の進んだ状態で遺体が室内で発見された物件は、かなりの値下げが必要です。

特殊清掃を行い、壁紙などを交換しても、物件そのものの値打ちが下がることに変わりはありません。

『大島てる』などの事故物件サイトをチェックしたときに、「腐乱死体が発見された物件」などの情報が世に出てしまうと、異臭が漂う不潔で危険な物件と判断されてしまい、くだんの物件の購入を敬遠する人も出てくるのです。

また、都心の物件であれば、需要は必ずといって良い程ありますが、地方では不動産余りの状況が続いているエリアもあります。

比較的売れやすい区分マンションだとしても、需要がなければなかなか売れないため、同等のスペックを持った周辺の物件よりも2~3割程度値下げしないと売れないこともあります。

たとえ自然死だとしても、孤独死が発生すること自体、不動産の運営において大きなリスクになってしまうのです。

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孤独死物件の売却方法

孤独死物件の売却は、基本的には通常の不動産の売却と変わりません

まず、査定を申し込み、見積もりを取って売却を請け負う不動産会社を探します。

そして、購入を希望する買い手に対し、十分な説明を行います。

査定や契約の際に孤独死があったことを必ず伝える

不動産を売却するには、不動産会社と以下のような契約を結んだ後に売却活動に入ってもらいます。

・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約

その前に、いくつかの不動産会社に物件を内覧してもらい、どれくらいで売れそうなのか判断してもらいます。

その上で売却のスケジュールや価格を尋ね、契約先の不動産会社を選びましょう。

たとえ孤独死で人が亡くなり、物件の損傷が進んでいなくても、孤独死があったことは必ず伝えてください

最近では、『大島てる』などのサイトによって、一般の人が簡単に事故物件に関する情報を入手できるようになっています。

心理的瑕疵の事実を隠蔽していたことが後々発覚すると、購入者から契約解除や損害賠償を請求されることもあるのです。
不動産会社にも心理的瑕疵の事実を伝え、その上で査定を受けましょう。

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売却方針の決定や相談、内覧への対応を行う

売却活動を任せる不動産会社が決まれば、売主としてはそれほど作業が発生しません。

値下げをしなければ売れないような状態では、いくらで売るのか、どれくらいまで値下げをするのか、不動産会社とよく相談しましょう。

また、内覧者から、「どのような状態で遺体が発見されたのか」などの問い合わせがあれば、不動産会社経由で真摯に回答しましょう。

購入希望者が現れたとき、不動産会社が売買の仲介を行います。
購入が決まった後の売買契約の場で、売主である自分と買主、不動産会社の宅地建物取引士が同席の上で売買契約を締結します。

その場で孤独死物件であることを再度伝え、買主が納得すれば、売買契約が成立します。晴れて孤独死物件を手放せるのです。

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孤独死を防ぐためにできる対策

孤独死防止
孤独死が発生すると、たとえ状態がそれほどひどくなくても、売却価格を下げなければいけません。

また、手放すつもりがなかった物件を、手放さざるを得ない状況に追い込まれてしまうと、不動産の運営を行う上で大きなマイナス材料になります。

そこで、孤独死の発生に備えるには、どのような対策をとればよいのでしょうか。

孤独死保険に加入する

現在の日本では高齢者が増え、同時に高齢の単身者も増加しています。

そのため、自然死や孤独死のリスクが決して無視できるものではなくなっているのです。

そういった孤独死や自然死の発生に備え、不動産オーナーに向けた保険を用意している会社もあります。

こういった保険に加入しておけば、自然死や孤独死が発生したときに、特殊清掃などに充てる費用が補償され、オーナーの負担が軽くなります。

また、保険金が下りれば、売却価格が下がったとしても、そのぶんの収入減をカバーします。

火災保険等の加入だけではなく、こういった孤独死向けの保険も、大家として検討しておくべきです。

こまめに管理会社に訪れてもらう

比較的、容易に行える孤独死対策は、管理会社による定期的な訪問です。

高齢の方などはいつ、どこで体調を崩すかわからないこともあります。

入居者に健康状態を尋ね、通院や持病の有無などを確認しておきましょう。

管理会社は、定期的に持病がある人の自宅を訪ね、世間話のついでに現在の通院の状況や病気の具合などを把握しておきます。

そこで、もし孤独死のリスクが高そうな人がいたら、見守りアプリなどを導入して孤独死の防止に努めましょう

また、孤独死を実際に防いだ例として、以下のケースがあります。

「牛乳を取っていた高齢者がいたが、ある日のこと、何日も牛乳が回収されず、中身がそのままになっていた。配達人が怪しいと思って部屋を開けてみたら、高齢者の方が動けなくなっていた」配達人が定期的に自宅を訪ねる牛乳や新聞をとるように勧めるのも、一つの孤独死対策になるでしょう。

身寄りのない人を入居者にしない

孤独死になりがちなのは、当然ながら、肉親や知人との人間関係が疎遠になっている人です。

会社員として働いていない、家族もいない高齢者であるため、簡単に知人と連絡が取れないなど、亡くなる前から孤独な事情を持つ人は多いものです。

そういった方に住宅を提供したいと思うのは山々ですが、リスクを考えるのであれば、そういった身寄りがない人を入居者にしないのも対策の一つになります。

ホームセキュリティに加入する

単身で生活している老人向けの設備の一つとして、見守りアプリやホームセキュリティがあります。高齢者向け住宅の

一定の時間を経過しても明かりがつかない、電気をつけた様子がない場合などに、ホームセキュリティが家に駆けつけるサービスです。

また、ポットを使うと、インターネット経由で家族に連絡がいき、家族が「今は起きているな」と判断できる家電も出ています。

いつもの生活が何日も実行されないことで、「何かあって動けないのではないか」と、危険が家族に伝わるのです。

こういったサービスに加入しておけば、家族が異常を発見しやすくなり、孤独死を防ぐことができます

まとめ

高齢化社会が進行している現代の日本。
高齢者向け住宅の需要も出て、不動産の運営を行う上でも、高齢者は是非とも顧客にしたいところです。

しかし、同時に、高齢者には孤独死や自然死が発生しやすく、家賃や売却価格の値下げなど、大きなリスクを伴います。

孤独死が発生してしまった後の対策を知っておくことも重要ですが、まず、必要なのは孤独死が発生しないような対策を大家としてとることです。

そういった気持ちがあれば、思いやりが入居者にも伝わり、満室経営を続けていくことができるようになるでしょう。

それでも、もし孤独死が発生しまった場合、是非、事故物件専門の不動産会社であるクランピーリアルエステートにお問い合わせください。

事故物件や特殊な事情がある物件の売却を多く行ってきた実績があり、そういった物件を求める顧客を多く抱えています。

買取による迅速な現金化やできるだけ高く売りたいといったお客様の様々な要望に応えた売り方をご提案させていただきます。

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