貸している土地(底地)を売却する3つの方法!高値で売るコツも解説

貸している土地(底地)

「貸している土地を相続したけれど、管理が面倒」「所有しているけれど自由に使えない土地を処分したい」あなたもこのような理由で、貸している土地を売りたいと考えているのではないでしょうか。しかし、貸している土地は通常の土地のように簡単に買い手は見つかりません。また売却価格も期待したような金額にならないことがほとんどです。

そこでこの記事では、貸している土地の市場価格と相続税評価額の関係性、3つの売却方法と高値で売却するための4つのコツについて詳しく解説します。売却時の手続きの流れと税金についてもお伝えするので、これを読めばスムーズに、納得できる価格で貸している土地を売却するためのポイントが理解できるでしょう。

貸している土地(底地)の市場価格と相続税評価額の関係性

底地
貸している土地の市場価格と相続税評価額の関係性は売却先によって異なります売却先の候補となるのは、借地人と借地人以外の第三者です。

売却先が借地人であれば、市場価格と相続税評価額は一致あるいは、市場価格の方が高くなります。一方で、借地人以外の第三者へ売却する場合、市場価格は相続税評価額の1/4~1/2が相場です。相続税評価額の算出方法を解説したあと、第三者への売却、借地人への売却それぞれでの市場価格の算出方法をお伝えします。

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貸している土地(底地)の相続税評価額の算出方法

まずは貸している土地の相続税評価額の算出方法です。これは、国税庁のホームページでも公開されている相続税路線価図・評価倍率表をもとに算出します。路線価図は下図のように表記されています。数字が路線価(単位は千円/1平方メートル)で、アルファベットが借地権割合です。
路線価
参照:国税庁

たとえば、「275C」は、1平方メートルあたり275,000円借地権割合は70%を表しています。

貸している土地の相続税路線価額を算出する式は次のとおりです。

【貸している土地の相続税評価額 = 更地価格 – 更地価格 × 借地権割合】

宅地の借地権割合は60%~70%が一般的なので、貸している土地の相続税評価額は更地価格の30%~40%になります。

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貸している土地(底地)の市場価格の算出方法(借地人への売却)

貸している土地を借地人に売却する場合、相続税評価額のように決まった算出方法はありません。借地人が底地を買い取ると所有権の土地になるため、今まで借地であるという理由で地主の承諾が必要だった増改築や建て替え、第三者への譲渡が自由にできるメリットが生まれます。このように借地人が底地を買い取るメリットが大きいので、底地は相続税評価額~更地価格の50%が相場となっています。

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貸している土地(底地)の市場価格の算出方法(第三者への売却)

貸している土地を借地権者以外の第三者に売却するときの価格は、地代収益性が基準になります。固定資産税や都市計画税、管理費などの必要な費用を除いて、どのくらいの利回りで運用されているかです。

地代収益性に基づく底地価格は、厳密に計算しようとすると複雑になります。そのため、一般的な目安は更地価格の10%~15%になることを覚えておく程度で十分です。より明確に算出したい場合は、不動産鑑定士などの専門家に依頼してください。

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貸している土地を売却する3つの方法

それでは実際に貸している土地を売却する方法を解説します。

借地人に売却する

貸している土地の売却で一番おすすめの方法が借地人への売却です。なぜなら、売却価格が第三者、買取業者へ売却するよりもずっと高くなるからです。

底地は借地人が買い取ることで、土地を完全所有権にすることができます。そうすれば、権利関係が複雑な借地権から解放され、自由にリフォームなどもできるようになるので、大きなメリットがあります。そのため、貸している土地は借地人へ売却するときが、売却価格も高くなりやすいです。

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第三者に売却する

貸している土地を第三者に売却するとき、その相手はほとんどの場合で個人投資家になります。建物が建っている底地は、その土地を購入しても買主は自由に使えないからです。借地人を無理矢理立ち退かせることもできないので、底地は通常の土地のように個人の買い手はつきません。

しかし、底地は自由に使えない代わりに地代収入を得られます。地代収入はアパート・マンション経営と比べて空室リスクがない分、安定性が高いです。利回りは少ないですが不動産投資の1つとして注目されています。そのため、第三者の個人投資家も売却先の一つになります。

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買取業者に売却する

最後に紹介する売却方法は、買取業者への売却です。先ほどお伝えしたとおり、第三者への売却も可能です。しかし、投資物件としては底地以外にも選択肢があり、底地より条件がいい投資物件も多くあります。そのため、個人投資家は売却候補の1つではありますが、立地や条件によっては買主を見つけにくいことも事実です。

買取業者であれば、買主が見つからないような土地であっても買い取ってもらえる可能性があります。しかも、査定後すぐに売買契約を成立させることができます。買取業者は底地を即金で購入するだけの十分な資金力があるからです。

通常であれば時間のかかる買主探しや融資審査の期間を省略できるので、売却を短い期間で完了させられます。そのため、「できるだけ早く現金化したい」と考えているときにはおすすめの売却方法です。ただし、売却価格は第三者への売却に比べて低くなる傾向があるので注意してください。

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貸している土地を高値で売る4つのコツ

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貸している土地は、なんとなくで売ってしまうと非常に低い価格で売り渡すことになります。もちろん、通常の更地の土地に比べて安くなるのは仕方がありません。しかし、それでもできる限り高く売るコツはあります。

(1)底地・借地権の取り扱い実績が豊富な会社に依頼する

貸している土地を借地人、第三者、買取業者、どこに売却するとしても共通するコツが、底地・借地権の取り扱い実績が豊富な会社に依頼することです。貸している土地は権利関係が複雑になっていることが多いです。そのため、売却時の交渉も手間がかかります。このとき、あまり底地・借地権の取り扱い実績がない不動産会社に仲介を依頼すると、あなたに不利な条件で話をまとめられるかもしれません。

逆に実績が豊富な不動産会社であれば、貸している土地の売却の交渉や買取後の活用方法についても質の高いノウハウを持っている可能性が高いです。その結果、「貸している土地」という売却するモノは同じであっても、他の不動産会社に依頼するより高値でも売却が成立しやすくなります

底地・借地権の取り扱い実績が豊富かどうかは、その会社のホームページや運営しているWEBサイトで発信されている情報などから判断します。ただし、土地の売買は個人情報と直結する取引になるので、具体的な内容はホームページ上で掲載されていないことがほとんどです。そのため、「この会社が良いのでは?」と思ったときには、直接電話や訪問で相談することをおすすめします。

(2)底地を購入するメリットを伝える(借地人に売却する場合)

次は、借地人に売却する場合のコツです。それは、底地を購入するメリットを適切に、丁寧に伝えることになります。

借地人に突然、底地の購入を打診してもすぐには了承してもらえないでしょう。更地価格に底地権割合(1-借地権割合)を掛けた金額よりも高値で買い取ってほしい場合にはなおさらです。その金額は1,000万円を超えることも珍しくありません。そして借地人も買い取るのであれば、できるなら安く抑えたいと考えます。

そこで、提示する金額でも借地人にメリットがあることを丁寧に伝えます借地人が底地を購入して得られるメリットは、以下のものがあります。

・地代を支払わなくてよくなる
・増改築、建て替えが自由になる
・第三者への譲渡も承諾が不要になる
・借地権の更新料が不要になる
・売却時には実勢価格に近い価格で売却できる
・権利関係が簡単になって相続時の遺産分割協議も簡単になる

これらを伝えることで、「更地価格の50%でもメリットがある」と理解してもらいます。このとき、第三者的な立場の不動産会社に説明を依頼することがおすすめです。地主と借地人は利害関係にあるので、話を信用してもらえない可能性があるからです。

(3)地代を適正な額まで引き上げておく(第三者に売却する場合)

第三者が底地を購入するとき、その土地の利回りが注目されます。つまり、賃貸契約であれば賃料にあたる地代の金額が重要です。

昔から貸している土地の場合、その地代は契約当時から変わっていないかもしれません。そうなれば、毎年支払っている固定資産税・都市計画税、また近隣の地代に比べて低い可能性が高いです。それでは地代収入による利回りは低くなるので、売却価格も低くなってしまいます。そして、地代が相場よりも低すぎる場合、土地の買主は地代を適正価格にまで引き上げる手間がかかります

そこで、売却前に地代を適正な額にまで引き上げる交渉を完了しておくことがポイントです。買主の手間を省き、期待利回りも高くすることができれば、売却価格が高くても買主を見つけられる可能性が上がります。

(4)借地人と協力して同時売却する

最後は、借地人も借地を売却したいと思っているときに有効な方法です。貸している土地を、その借主である借地人に買取を提案したとき、借地人も借地を手放したいと考えている場合があります。

このとき、それぞれが単独で売却するよりも、底地と借地権のセットで協力して売却するほうが高値で売却できます同時売却することで、買主は所有権の土地と建物を取得できるからです。そのため、所有権の中古住宅と同じように、市場価格で売却活動しても買主を見つけられる可能性が高くなります。

同時売却したときには、地主と借地人の配分は借地権割合に基づくことが一般的です。借地権割合が70%の土地であれば、地主が3割、借地人が7割となります。ただし、この配分も地主と借地人との交渉次第です。お互いに納得できる割合ということで、地主が売却価格の40%~50%を受け取るという条件になることもあります。

また、たとえ借地権割合どおりに配分するとなっても、貸している土地をそのまま単独で第三者・買取業者に売却するよりも多くの額を得られます。そのため、底地を売却するときには、借地人に買い取りを提案する前に、借地権を売却するつもりがないか確認したり、最初から同時売却を提案してみたりするとよいでしょう。

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貸している土地を売却するまでの流れ

貸している土地を売却するときは、6つの流れになります。

(1)不動産業者に相談

現在貸している土地を売却しようと思ったときには、まず不動産業者へ相談に行きます。先ほどの高値で売却するためのコツでもお伝えしましたが、このとき、底地・借地権の取り扱い実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。

(2)貸している土地の査定

不動産会社に相談したあとは、実際に貸している土地の査定です。このとき、借地人への売却であれば立地や形状、接道状況などから市場価格を出し、借地権割合などを参考に査定します。また投資物件としての第三者への売却となれば、地代と固定資産税や都市計画税、管理費用などから算出された利回りが査定の材料です。

土地の査定は不動産会社によっても異なるので、複数の不動産会社に査定を依頼した方が納得できる価格で売却できる可能性が高くなります。査定まで無料で対応してくれる不動産会社も多いです。ただし、買取業者であれば査定金額がそのまま売却価格になるのに対し、借地人・第三者への売却となれば、あくまで参考金額です。

最終的には借地人が合意した金額、第三者の買い手が見つかった金額が売却価格となるので、査定価格が高いからといって、その会社に依頼すれば必ず高値で売却できるわけではないということに注意してください。

(3)売却活動

仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結んだあと、第三者へ売却する場合のみ、売却活動が行われます。売却活動は基本的に不動産会社やチラシやインターネットで広告掲載したり、自社が持つ顧客に対して物件情報を伝えたりするので、地主が行うことは特にありません。

担当者から売却活動の報告を確認しながら、売値や売却条件の変更を考える必要はあるかもしれませんが、それ以外、買い手が見つかるまでは待機することになります。

(4)条件交渉

買い手が見つかれば、具体的な引き渡し条件や引き渡し時期などの条件交渉になります。借地人に売却する場合は、不動産会社に依頼したあとですぐに売却価格を含めた条件交渉です。

このとき、売り先が借地人であれば、今まで良好な関係だったからと自分で直接交渉しようと思われるかもしれません。しかし、おすすめは不動産業者を介して交渉を行うことです。売買交渉は金銭が絡む話で、地主と借地人では利害関係が一致しません。そのため、話が平行線をたどったり、関係が悪化したりして、売却が難しくなる可能性が高いからです。

(5)売買契約

条件に合意できれば、売買契約を結びます。このとき売買契約を結ぶと同時に手付金を受け取ります。これは売却先が借地人、第三者、買取業者、どこであっても共通です。

(6)代金決済・引き渡し

売買契約を結んだあと、契約で定めた日に代金決済と土地の引き渡しを行います。地主はその日までに所有権移転登記など引き渡し時に必要な書類を準備しておきます。所有権移転登記が完了したあと、手付金を差し引いた代金の入金が行われて、売却は完了です。

貸している土地を売却する際の税金・確定申告

確定申告
貸している土地を売却したとき、利益が出た場合は譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は給与などの他の所得とは区別して計算される分離課税です。ただし、確定申告は他の所得と一緒に行います。もちろん、売却したときに利益が出なければ税金はかからず、確定申告も不要です。

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課税譲渡所得額の計算方法

譲渡所得税は、売却価格ではなく、その金額から取得費と譲渡費用、特別控除額を差し引い金額(課税譲渡所得金額)に課税されます。取得費は、土地を取得したときの購入代金や仲介手数料が当てはまります。次に譲渡費用は、売却時に不動産会社へ支払った仲介手数料、底地の測量といった、貸している土地を売却するために支払った費用です。最後に特別控除額ですが、これは底地を売却した場合に適用される特例はほとんどありません。そのため、基本的には特別控除額は0円です。

まとめると、課税譲渡所得額は、以下の式で表されます。

【課税譲渡所得額 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額】

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譲渡所得税が課税される場合の税率

譲渡所得税の税率は、その土地を所有していた期間によって異なります貸している土地を売った年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得としての税率が、5年未満の場合は短期譲渡所得としての税率が課税されます。たとえば、令和1年に売却したとき、平成25年12月31日以前に取得していた場合は「長期譲渡所得」、平成26年1月1日以後に取得していた場合は「短期譲渡所得」になります。

それぞれの税率は下表のとおりです。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

長期譲渡所得と短期譲渡所得では、税率に2倍近い差があります。そのため、特別急ぐ理由がないのであれば、長期譲渡所得になる所有期間が5年を超えてから売却する方がおすすめです。相続によって貸している土地を取得したときには、被相続人(亡くなった方)の所有期間が引き継がれます。つまり、5年超所有されていた底地を相続した場合、相続後すぐに売却しても、長期譲渡所得となります。

確定申告は売却した年の翌年2月半ば~3月半ばまでに行う

確定申告の期限は、原則、売却した年の翌年の2月16日~3月15日までです。ただし、上記の日が土日祝と重なった場合は翌平日となります。2020年の確定申告の期日は2020年2月17日~3月16日までです。

期限までに納税しなかった場合、利息に相当する延滞税が課税されるので、遅れないよう十分に注意する必要があります。また、実際の納税額の計算や納税について不明点があれば、あなたの地域を管轄している税務署や専門家である税理士に相談するようにしてください。

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まとめ

以上、貸している土地を売却する場合の相続税評価額との関係性、売却方法、高値で売却するコツ、課税される税金について解説しました。

まとめ
・貸している土地を借地人へ売却したときの市場価格は、相続税評価額と一致、あるいは相続税評価額よりも高くなる
・貸している土地を第三者へ売却したときの市場価格は、相続税評価額の1/4~1/2
・貸している土地を高値で売却するコツは、底地・借地権の取り扱い実績が豊富な不動産会社に依頼すること
・借地人と協力して同時売却すれば、底地単独で売却するよりも高値で売却できる
・貸している土地を売却して利益が出たときは、譲渡所得税が課税され、確定申告をする必要がある

底地に関することは非常に難しいので、少しでも分からないところがあれば遠慮せずに、取引実績が豊富で底地に詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。

最終更新日:

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