【違反建築物の売却方法】注意点や少しでも高く売る3つのポイント

違法建築物

自宅の状態によっては建築基準法などの法律に違反した、いわゆる違反建築物とみなされてしまうことがあります。築年数の古い物件の場合、自宅を売却しようと査定してもらったときに、予想に反して違反建築物だったことが発覚することもあるのです。

この記事では、違反建築物とはどのような物件なのか、その物件を売却するにはどのようにしていけばよいかをお伝えしていきます。

違反建築物とは

違法建築物
まず違反建築物とはどのような建築物が該当するのか、法律に照らし合わせて確認してみましょう。

違反建築物の概要

「違反建築物」とは、建築基準法をはじめとする法令や条例に違反して建てられた建物を指します。違反建築物については、建物を建築した建築主、所有者、施工者に対して取り壊し、改築、修繕、使用禁止などの是正措置命令を出すことができます(建築基準法第9条)。

また、その違反事実を公表することも認められています。また、建築工事の途中の場合には、工事の停止を求めることができるとされています。建築基準法をはじめとする法令は、その居住者や周辺住民の安全や適切な生活環境、都市の効率性を確保するために定められたものです。したがって、違反建築物は居住者自身の安全や地域社会、周辺住民に多大な迷惑や危険を及ぼす可能性があるのです。

既存不適格物件とは

「違反建築物」に類似するものとして、「既存不適格物件」というものがあります。これは建物を建築した時点では合法であったが、その後の法令改正などの事情の変化によって、現在の法令には適合しない状態になった建物を言います。

これらの既存不適格物件は、現時点の法令等に適合していないという点では違反建築物と共通する部分はありますが、当初建築された時点では合法であり、その後にみずからの行為等とは無関係な事情によって違法状態となったものですので、違反建築物のように是正命令等が下されることはありません。ただ、これらの既存不適格物件を建て替えたり、増改築を行ったりする場合、現在の法令等に適合する形に対応する必要が生じます。

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違反建築住宅の種類

違反建築物の形態としては、以下のものがよく見られます。

建ぺい率または容積率による制限を超えた物件

都市計画区域においては、土地上に建築できる建物の建ぺい率や容積率が定められています。したがって、土地上に建物を建築するには、建ぺい率、容積率の範囲内で建物を建築する必要があり、この上限を超える建物を建てた場合には違反建築物となります。

斜線規制に違反している物件

斜線規制としては、すべての土地に適用される道路斜線制限、第一種・第二種低層住居専用地域以外の建物に適用される隣地斜線制限、また、第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、田園住居地域のすべてに適用される北側斜線制限があり、建物の高さを制限しています。したがって、その制限を超える高さの建物を建築した場合には、斜線制限違反の違反建築物となります。

建築確認を経ていない物件

建物を建築する場合、事前に「建築確認申請」を提出し、役所の許可を得たうえで建築工事を行い、建物の完成後に完成検査を受けて「検査済証」を取得する流れになります。建築確認申請をそもそもしていない場合、また、建築確認申請をしたものの完成検査を受けていない場合は、違反建築物となります。完成検査を受けていない状況としては、二つの場合が考えられます。一つめは単に手続を怠った場合、二つめは建築確認と異なる建物を建築したため、それが発覚することを避けるために意図的に完成検査を受けていない場合です。いずれも違反建築物であることに変わりはありません。

材料や構造が法令等に定める基準を満たしていない物件

防火素材を使用しなければならないのに使用していなかった、必要な保安設備等を設置していなかった場合も違反建築物となります。

建物が用途地域に適合していない場合

都市計画区域内においては、建築できる建物の用途が限定されていることがあります。例えば、住居専用地域では一定規模以上の店舗や事務所などは建築できないとされ、遊戯施設の建築ができないなどの制限があります。したがって、これらの制限に違反する用途の建物や条件に抵触する規模の建物の建築は建築基準法に違反する建築物となります。

接道義務違反である物件

都市計画区域内に建物を建築する場合には、建築基準法により『建物を建てる敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない』とされています。したがって、この条件を満たさない土地に建物を建築することは、建築基準法に違反することになります。

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どういった住宅が違反建築物になるのか

違反建築となる具体的な事例を見てみましょう。

建ぺい率・容積率の違反となる事例

当初から建ぺい率や容積率の上限を超える建物を建築する場合のほか、以下のような形で建ぺい率・容積率の上限を超えた違反建築となってしまう場合があります。以下3点が違反の事例として考えられます。

①建物の建築後に増改築を行った際に、建ぺい率や容積率が制限を超えてしまう場合
②リフォームをしてビルトイン・ガレージを居住用スペースに変更したことによって、車庫専用面積として床面積に算入されていなかった面積が居住用の延べ床面積に追加され、その結果、容積率が制限を超えた場合
③建物の建築後に敷地の一部を売却するなどした結果、敷地面積が減少してしまい、建ぺい率や容積率が上限を超えた場合

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斜線規制違反となる事例

斜線規制違反が生じる場合でも、当初から違反であることを自覚して建物を建築した場合のほか、建物の建築後の増改築等によって、斜線規制を超える高さとなってしまった場合などが考えられます。

材料や構造が法の要件を満たしていない事例

①問題視されている違法の貸しルーム
具体的には、事業者が複数の者を自ら管理する建築物に居住させる「貸しルーム」でありながら、複数人を居住させる場合に必要とされる防火関係規定などの建築基準法に違反していることが、最近では問題になっています。

②耐震強度の偽装や手抜き工事、粗悪品の使用
耐震強度の偽装や手抜き工事のほか、設計図等で品質を指定した材料よりも、質の悪いものを用いているなどの事例があります。

用途地域違反の事例

当初から違反を前提に建物を建築した場合のほか、以下の2点のような形で違反建築物になってしまう場合があります。

①増改築等によって床面積が増加したり、高さが上がったりするなど、用途地域による制限を超えてしまう場合
②建物の用途自体を変更することによって、用途地域における建物の使用目的に抵触してしまった場合

違反建築物を売却する際の注意点

告知義務
自分が所有する違反建築物を売却するときは、どのような点に注意しなければいけないのでしょうか。

重要事項説明で違反建築物であることを伝える

違反建築物である場合、事実に対しては告知義務があります。どのような部分が法律違反であるのか、そして、違反建築物であることによってどのような制限が加わるのか、きちんと買主に説明しなければいけません。不動産の売買契約で必ず行われる重要事項説明の場で、事実を伝えることは当然です。それだけではなく、売却の段階でも仲介に入る不動産会社にどのような点が違反建築物に当たるかをあらかじめ説明し、内覧などでも購入希望者に説明しておくようにしましょう。多くの違反建築物は法的瑕疵物件とみなされます。法的瑕疵物件であることを隠した場合、損害賠償を請求される可能性が高く、民法566条により瑕疵担保責任も発生するので、契約解除や損害賠償問題に発展する可能性もあります。後々の問題を避けるためにも、告知義務に違反しないようにしましょう

民法566条:売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。

参照:電子政府の総合窓口

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融資が受けにくい物件であることを伝える

金融機関は違反建築物に対して積極的に融資を行ってくれません。売れにくい物件とは、すなわち、担保価値が低い物件に該当し、物件の換金性に難があるとの評価を受けてしまいます。かならずしも融資が受けられないわけではありませんが、金利やローンの返済期間面で良い条件での融資が受けられなかったり、複数の金融機関に打診してようやく融資元が見つかったりすることが多くなります。

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再建築を行う場合、同じ大きさの建物が建てられないことを伝える

容積率をオーバーした物件の場合、建物を取り壊して建て直すには当然、現在の建築基準法に適合した建物を建てなければいけません。そのため、大幅に容積率や建ぺい率をオーバーした物件を購入すると、いざ新築するときに前の建物よりも小さい建物を建てなければいけないこともあります。

違反建築物を少しでも高く売る3つのポイント

違反建築物でも、もちろん売却して換金することは可能です。そのためにはどういったポイントを押さえてデメリットをカバーし、売却活動に入ることが重要でしょうか

広く使える物件であることをアピールする

違反建築物件は、容積率や建ぺい率をオーバーした物件であることが多いです。逆に考えれば、容積率や建ぺい率をオーバーした広めの家に住めることになります。容積率や建ぺい率を超えただけで、建物の取り壊しを命令(※要求?)されることは基本的にはありません。法律で定められた容積率と建ぺい率に従わなくてはいけないのは、あくまでも新築の家に建て替えるときです。中古住宅に抵抗のない人でしたら、むしろ広い家に住めるため、喜んで購入してくれる人もいるでしょう。

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土地を買取ることで接道要件を満たす

接道要件を満たしていないために、再建築不可になる違反建築物もあります。その場合、周辺の土地を買取って建築可能物件にすることを検討しましょう。奥まった路地にあるために再建築ができないとき、より道路に面した側に建つ家の土地の一部を買取ることで、2メートル以上の開口部を設けることが可能になることもあります。そうすれば再建築不可から再建築可能になります。その他にもセットバックをすることで、「幅4メートルの道路に接している」状態にすれば、建築可能物件になります。再建築不可から建築可能な物件に変更したことで資産価値が上がりますし、売却もさらに行いやすくなります

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リフォームやホームステージングで物件の内部を新しくする

違反建築物は中古住宅などの古いものが多いです。法律がそれほど厳格ではなかった時代に建てられた住宅も多いため、そのままの状態ではなかなか売れないことが多いのです。そこで考えたいのがリフォームやホームステージングです。リフォームは違反建築物であっても、特に禁止されていません。壁紙や床の交換、または、設備の刷新を行って内部を新築同様の状態に戻すことで、売却価格を上げることができます。最近では家に住む人により良い生活空間をイメージさせるような装飾を施して売却する、ホームステージングという手法が用いられています。こういった手法を用いることで物件の魅力が多くの人に伝わり、購入価格を上げることが可能になるのです。

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違反建築物を売却するまでの流れ

契約
では実際に違反建築物を売却するときは、どのような流れになるのでしょうか。

不動産会社で査定を受けて契約する

不動産物件を少しでも高く売りたい場合、専門の不動産会社で査定を受けることが重要です。不動産会社によって得意とする物件や抱えている顧客が違います。広めの戸建住宅を探している人を抱えている不動産会社であれば、容積率オーバーの違反建築物でも高く売れる可能性があります。まずは不動産会社による査定の後に現場でのチェックを受け、どの点が違反建築物であるかをしっかりと伝えます。そして、媒介契約を結びます。

違反建築物は売れにくいため、専任媒介契約を結んだほうが良いでしょう。一般媒介契約ではなかなか力を入れて売ってくれる不動産会社は見つかりません。同時に融資先を不動産会社に依頼して、あらかじめ銀行を始めとする金融機関を探しておきます。そうすれば購入希望者が現れたときに、買主に金融機関を斡旋できます。売主も住宅ローンの融資先を探す手間が省け、短期間での売買契約につなげることが可能になるのです。

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内覧の対応などを行う

不動産情報サイトなどに物件情報を掲載し、内覧希望者が現れたら内覧の対応を行います。自分で対応しても良いでしょうし、不動産会社の社員に手伝ってもらっても良いでしょう。後々の契約解除や瑕疵担保責任問題にならないように、内覧のさいにはどの部分が違反に当たるのか、どのような制限が発生しているのか、などのリスクをしっかりと伝えておきます。法律が関わる部分ですので、宅地建物取引士に説明してもらうと良いでしょう。

問題点を理解してもらった上で売買契約を結び、物件を引き渡す

買主が問題点を納得したうえで住宅購入の意思を表明するのであれば、売買契約を締結します。重要事項説明の場では売主である自分、買主、そして、不動産会社の宅地建物取引士同席のうえで、重要事項説明書を参照しながら、どこが違反建築であるかをしっかりと再確認します。それでも問題がなく、買主から購入したいとの申し出があれば、売買契約を結んで鍵の受け渡しを行います。そうすれば売却は完了です。

まとめ

違反建築物といっても、購入したらその建物を取り壊さなくてはいけないことはまずありません。そのため、違反建築物はそこまで売れにくいものではありません。ただし、古い建物が多かったり、金融機関からの融資が受けにくかったりすることもあるため、購入希望者が現れても融資が下りにくく、売却までに時間を要することがあるのです。そのときは普通の手段で売却するよりも、不動産専門会社に買取りを依頼するというのも一つの手です。

クランピーリアルエステートでは、違反建築物となっている物件の買取も行っています。なかなか自分でどう売ったらよいのかわからない、とにかく現金化をする方法を知りたいというときは、是非当社にお任せください。クレーム対応などもしっかりと行います。お客様が安心して違反建築物を売却できるよう、万全のサポートを行います

最終更新日:

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