
自身が所有する戸建やマンションを早急に売りたい、またはすぐに現金化したいとお考えであれば、仲介業者を通さずに不動産を売ることができる「買取」という売却方法がおすすめです。
不動産売却の買取とは、不動産会社が物件の買い手になって直接物件の買取を行うという仕組みになります。不動産会社と直接取引を行うことで、早期に売却の手続きが可能というメリットもありますが、相場よりも安く買い取られてしまうというデメリットもあります。
この記事では、不動産売却の買取という方法のメリットやデメリットはもちろんのこと、自身の戸建やマンションを賢く売却する方法についても解説していきます。
目次
不動産買取のメリットは早く売却できることだけ?
不動産会社に買取を依頼するメリットは大きく分けて6つあります。下記では具体例を交えつつ、それぞれのメリットについて解説をします。
メリット1 早期に売却することができる(即現金化が可能)
まず1つ目のメリットは、自身の戸建やマンションを早期に売却することができる(即現金化が可能)ということです。不動産売却を仲介で依頼する場合、最初に物件の購入希望者を募集することから始まります。
また、実際に購入を検討している方が現れた時には、物件の特徴や雰囲気などを細かく伝えるため内覧の対応をしたり、価格交渉といった売却活動をしたりするための期間が設けられます。
そのため、不動産会社に物件の売却を依頼してから実際に手続きが完了するまでには、平均で3カ月ほど期間が掛かってしまうケースが多いです。
一方、不動産売却を買取で依頼する場合、不動産会社が物件の購入者となります。あらかじめ買主が決まっているので、上記のような売却のための活動期間を設ける必要がありません。
そのため、不動産会社に物件の売却を依頼してから実際に手続きが完了するまでには、平均で2週間ほどの時間しか掛からず、早期に物件の売却が可能です。

メリット2 資金計画が立てやすい
2つ目のメリットは、資金計画を立てやすいということです。
不動産売却を仲介で依頼する場合、すぐに物件の購入希望者が現れる保証はありません。長期間に渡り購入希望者が現れることなく、契約期間が満了となり流れてしまうというケースもあります。
また、たとえ買主になりたいという方が現れたとしても、価格交渉などで当初の査定価格よりも大きく下がってしまうということも十分に考えられます。
一方、不動産売却を買取で依頼する場合、不動産会社が買主となるので購入希望者が現れないという心配も、価格交渉で査定額が下がってしまうという恐れもありません。そのため、自身の戸建やマンションを売却し、新居の購入資金に充てるなどの資金計画が立てやすい方法となっております。
メリット3 余計な手数料が掛からない
3つ目のメリットは、不動産売却に余計な手数料が掛からないということです。
不動産売却を仲介で依頼する場合、契約が成立すると売却活動の報酬として仲介手数料を支払う必要があります。
この仲介手数料とは、不動産会社のホームページや実店舗に物件情報を掲載したり、広告としてチラシを制作し、ポスティングをしたり、内覧の募集や買主への対応をしたりする売却活動に対する手数料をいい、不動産仲介業者はこれが主な利益となっております。
また、仲介手数料は宅地建物取引業法で下記のように定められています。
- 200万円以下で売買された物件の場合は取引額の5%以内
- 200万円超〜400万円以下で売買された物件の場合は取引額の4%以内
- 400万円を超えて売買された物件の場合は取引額の3%以内
例えば、売買価格が400万円を超える物件は、以下のような計算式で手数料が決まります。
この計算式をもとに、売却価格が3,000万円の物件の仲介手数料を調べてみると、
このように、不動産売却を仲介業者に依頼し3,000万円で売却された場合、不動産会社に支払う仲介手数料は約105万6,000円となります。
また2018年からは、売主が支払う仲介手数料に限り、物件の売却価格が400万円以下の場合には一律18万円を上限とすることになりましたので注意が必要です。
一方、不動産会社に買取を依頼する場合、不動産会社が買主となるので売却活動が不要になり、仲介手数料も発生しません。そのため、手数料などの余計なコストを掛けずに不動産会社に物件を売却することができる方法となっております。

メリット4 周囲の誰にも知られることなく売却ができる
4つ目のメリットは、誰にも知られることなく売却ができるということです。
不動産売却を仲介で依頼する場合、メリットの3でも触れたように全国から物件の購入希望者を探すための売却活動を行う必要があります。
この売却活動には様々な方法が存在しますが、基本的には不動産会社のホームページや実店舗などで売却する物件の情報を公開したり、お住まいの地域に広告としてチラシをポスティングしたりということが多いです。そのため、これらの売却活動を通して周囲の方々に物件の売却手続きを進めていることが知られてしまうという可能性があります。
一方、不動産売却を買取で依頼する場合、不動産会社が購入者となるので、上記のような売却活動が一切不要になります。そのため、周囲の方々はもちろんのこと、誰にも知られることなく安心して売却することができる方法となっております。
メリット5 現状のまま不動産会社に受け渡しができる
5つ目のメリットは、不動産会社に現状のまま受け渡すことができるということです。
不動産売却を仲介で依頼する場合、購入希望者のために内覧を実施することがほとんどです。実際に物件の購入を考えている希望者が自宅を訪問し、室内を見て回る内覧は、その後の購入に繋がる最も重要なイベントの一つです。
そのため、物件の購入希望者が内覧に訪れる前にハウスクリーニングなどで自宅を綺麗な状態にしておく必要があり、それに掛かる費用は不動産会社でなく売主の負担になります。
また、ある程度の築年数が経っている物件の場合だと壁紙やフローリングなどを張り替えたり、古くなった設備の取り替えなどでリフォームやリノベーションなどを行ったりする必要もあり、数百万円単位の費用が掛かる可能性もあります。
一方、不動産売却を買取で依頼する場合、不動産会社が買主になるため内覧がありません。そのため、リフォームやリノベーションはもちろんのこと、ハウスクリーニングでさえ不要になり、余計な手間や費用を掛けずに不動産会社に現状のまま引き渡すことが可能です。
メリット6 瑕疵担保責任を負う必要がない
6つ目のメリットは「瑕疵担保責任」を負う必要がなくなるということです。
瑕疵担保責任とは、不動産売買に関する契約において、売主が買主に対して負わなければいけない担保責任になります。この「瑕疵」とは、モノの価値を減少させる隠れた欠陥のことです。
例えば、不動産の売買契約を結んだ後に、内覧では知ることができなかった隠れた欠陥(雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなど)が見つかった場合、売主にはその欠陥を修繕する責任が発生します。
また、瑕疵担保責任は原則として買主が物件の瑕疵を知ってから1年以内に申し出る必要がありますが、物件に元々その瑕疵があったのか、それとも経年劣化なのかという判断が難しい場合が多いので、売買から数年が経ってから責任を負うことになったケースもあります。
しかも、この瑕疵担保責任は物件の状態によって期間が異なり、引き渡しから最大で10年間も責任を負う必要がある場合もあります。
一方、この瑕疵担保責任は買主が個人の場合のみに適用される担保責任になるので、不動産売却を買取で依頼するのであれば負う必要がありません。そのため、瑕疵を理由に面倒なトラブルに巻き込まれたり、瑕疵担保責任を負うリスクに悩まされたりすることなく売却ができる方法となっております。
不動産買取のデメリットは仲介より価格が安くなるけど…
ここまで不動産会社に買取を依頼するメリットについてご紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在します。ここからは不動産会社に買取を依頼するデメリットについて解説します。
デメリット 売却価格が相場よりも低い
不動産売却を買取で依頼するデメリットは、一部の物件を除き売却価格が相場よりも低くなってしまうということです。
不動産売却を買取で依頼する場合、先ほどのメリット部分で説明をしましたが、基本的には現状のまま引き渡すことになります。そのため、不動産会社は買い取った物件を販売するためにハウスクリーニングやリフォーム、リノベーションなどのコストが掛かります。
また、物件を販売するための活動費、タイミングが悪く、売れ残ってしまった場合の維持費なども考慮され、相場の7〜8割程度という価格で買い取られることになります。
例えば、不動産売却を仲介に依頼した場合、約3,000万円で売却することができる物件でも、買取では3,000万円の7〜8割程度の約2,100万〜2,400万円ほどの売却金額になってしまいます。これが、不動産売却を買取で依頼する場合の大きなデメリットとして挙げられます。
不動産買取と仲介を併用できる方法をご存知ですか?
上記で不動産会社に買取を依頼するメリットやデメリットについて解説してきましたが、実は買取と仲介のどちらも併用して不動産を賢く売却できる方法があるのをご存知でしょうか。
不動産を買取と仲介、そのどちらも併用できる方法とは「不動産買取保証」のある不動産会社に仲介を依頼することです。
例えば、不動産売却を仲介で依頼した場合、全国から物件の購入希望者を探すために物件情報を公開したり、チラシを制作しポスティングしたりする売却活動が行われます。ただ、どれだけ売却活動を行っても一定期間に購入希望者が現れず、契約期間満了となり結局売却することができないというケースも多くあります。
一方、不動産買取保証の制度がある仲介業者に依頼をした場合、売却活動を行う前に物件の買取保証額を提示されます。その後、一般的な売却活動を行いますが、一定期間に購入希望者が現れなかったとしても、あらかじめ提示のあった買取保証額で買取を行ってくれます。
上記の内容を簡単にまとめますと、不動産買取保証のある仲介業者を利用することで、物件の相場を下げることなく売却活動を行うことが可能になり、たとえ一定期間に契約が成立しなくても、確実に買い取ってもらえるというサービスになります。つまり、物件の相場を下げることなく売却できる仲介の良さ、確実に買い取ってもらえる買取の良さ、そのどちらも併せ持っているということです。
自身の物件を確実に売却したいと考えているけど、相場より安く売られるのは嫌だと悩んでいる方におすすめしたい、賢く不動産を売却できる方法になります。

まとめ
このように、不動産売却を買取で依頼することには多くのメリットやデメリットが存在します。
不動産売却を買取で依頼するメリットは、下記のようなものが挙げられます。
- 早急に物件を売却することができる(即現金化が可能)
- 確実に売却できるため資金計画が立てやすい
- 不動産売却に余計な手数料が掛からない
- 周囲の誰にも知られることなく売却できる
- 現状のまま不動産会社に受け渡しが可能
- 瑕疵担保責任を負う必要がない
確実に物件を売却したいけれど相場よりも安値では売りたくないと悩んでいる方には、買取と仲介の良さを併せ持った「不動産買取保証」のある仲介業者に依頼する方法もあります。
最後になりますが、不動産の売却を買取で依頼する場合にも一部の物件は高額で取引されることがあります。物件の立地や築年数によっても大きく左右される可能性がありますが、都市部やそれに近いマンションなどがその例です。
不動産の売却方法に関して悩んでいるという方は様々な選択肢があるので、まずは不動産業者に問い合わせて相談してみることが、満足のいく不動産売却ができるポイントになります。
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