【家の売却にかかる費用】追加発生の可能性もある費用や戻ってくる費用も解説

家売却

一戸建てやマンションなどマイホームを売却する場合には様々な費用が発生します。このような費用は一度に発生するものではなく、通常は売却の各段階でかかってくるものです。

家の売却費用の中には必ず発生するものと売却時の条件などによって発生するものとに分かれます。また、後から戻ってくる費用もあります。

家の売却にあたっては、これらの諸費用についてしっかりとした基礎知識を習得しておかないと後で戸惑ったりする原因になります。この記事では、諸費用全般について解説していきますので是非参考にしてみてください。

家の売却時にかかる費用

リフォーム
家の売却にかかる費用には売却前や売却途中、売買契約成立後にかかるものがあります。さらに状況に応じて追加で発生する可能性のある費用もあります。それぞれの費用についてご紹介していきます。

一般的な売却時にかかる費用

まずは一般的な家の売却の際に通常発生する諸経費について解説していきます。このような諸経費には「売却を始める前に発生するもの」や「売買契約が成立する過程で発生する可能性があるもの」があります。例えば、次にご紹介するような建物の「リフォーム費用」や「ハウスクリーニング費用」があります。

リフォーム費用やハウスクリーニング費用は売却する物件の使い勝手や部屋の内装の印象を少しでも良くし、売れやすくするためにおこないます。例えば、クロスの壁紙や畳の張替え、ふすまの交換などは、比較的軽微なリフォームなので費用を抑えつつも全体の印象アップが狙えて効果的です。また、非常に古い物件の場合はトイレやキッチンなど費用のかかる水回りのリフォームから間取り変更などを伴う本格的なリフォームがおこなわれることもあります。

そのようなリフォームの例として、和室を洋室にリフォームしたり、3DKのマンションをDINKSなどの共働き世代を意識した2LDKなどに変更することがあります。これは古いマンションの施工時の価値観を今の時代にあわせて使い勝手を向上させた間取りに変更することで真新しい印象を潜在的な買主に与えることができるからです。ハウスクリーニングについては売主側ではおこなわず、現状のまま販売され買主側でおこなうことも多いものです。しかし、印象を良くして成約に結び付けるために多少の費用負担をおこなうことも売却のコツと言えるでしょう。

売買契約成立後にかかる費用

無事に買主が見つかって売却が成立すると売買契約に入ります。契約の段階で発生する費用として挙げられるのが売却の仲介をしてくれた不動産会社に支払う仲介手数料です。仲介手数料は売買が成立した場合のみ発生するものであり、買主が決まらないかぎりはかかりません。この手数料の上限額は「売買価格の3%+6万円」と「消費税」の合計と決められています。不動産会社はこの仲介手数料以上の金額を売主に請求できませんので、覚えておきましょう。

売却契約に関連して発生する費用は、他に「登記費用」と「印紙税」があります。一般的に不動産の売買が成立すると所有権移転、住宅ローンがある場合の抵当権抹消手続き、さらに住所変更といった流れで登記が必要になってきます。この一連の流れの中で売主が負担しなければならないものとしては、「抵当権の抹消費用」と「住所変更に関する費用」があります。これらは登記を代行する司法書士に支払う費用です。

マイホーム購入のケースにおいて、たいていは住宅ローンを組んで購入される場合がほとんどです。よって、ローン契約を結んでいた銀行などの金融機関が設定した抵当権を買主のために外す必要があります。抹消費用は売主が負担する費用となります。また、住所変更登記は売主が次の家に住み替えることで変わる住所を登記簿上も記録するためにおこなう手続きとなります。印紙税については契約書に貼り付けることが税法上義務となっており、印紙税の税額は売買金額によって決められています。

上記の住宅ローンですが、ローンの残債がある状態で売却するにはローンの繰上げ返済が必要です。したがって繰上げ返済手数料を銀行などの金融機関に支払わなければなりません。ここまでが売却開始前と売却が決まって売買契約の際に発生する費用になります。

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その他、追加発生することもある費用

その他にかかる可能性のある費用としては、売却の状況次第で売主負担で発生する広告費が挙げられます。広告費については、通常はすべて不動産会社負担という場合がほとんどです。しかし、場合によっては仲介している不動産会社から宣伝広告費を請求される場合があります。

これは何度か広告をうっても反響が全く無いような場合や売主が早期売却を希望する手前、特別に追加の新聞折り込みチラシやオープンハウスなどを開催してもらうと請求される場合があり、宣伝広告費の請求自体は違法ではありません。このような広告費について注意すべきなのは、不動産会社の担当者が「追加の広告をうちましょうか」と軽い感じで依頼を促してくる場合です。もし、依頼した場合にこれが特別な販促活動をおこなうケースに該当されると考えられて後から上記のような追加費用の負担を求められることがあるからです。従って、そのような打診があった場合には費用負担はどちら側になるのかについて必ず確認するようにしましょう。

広告費以外にも売却のタイミングによっては追加で費用が発生するものがあります。それは早目に売却が決まったものの、次の引っ越し先が決まっていない場合に発生する仮住まいのための費用です。その他にも大型家電や家具などを廃棄処分する場合には処分費用も発生するでしょう。

家の売却時にかかる税金

譲渡所得税
家を売却した際には売却益の有無によって発生する税金があります。この税金は所有期間によっても税率が異なりますので、注意してください。

譲渡所得税の概要

売却が完了しても売却時の状況によって後から発生する可能性のある費用として「譲渡所得税」があります。売却した不動産を購入した際に支払った取得費よりも高く売れて売却益が発生した場合にはこの譲渡所得税の課税対象になります。これは売却価格から購入金額と売却までに発生した付随費用、さらに両方の合計から特別控除額を差し引いても利益が残る場合にはその利益は「譲渡所得」とされます。

「譲渡所得金額=譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)-特別控除」

この譲渡所得に対して適用税率をかけた税額が譲渡所得税になり、税務上は譲渡所得が発生した年の翌年の期限内に確定申告をしてこの税金を納めなければなりません。

上記の計算式のうち、取得費の計算については不動産の購入時の取得費や購入に伴う費用から所有時点の減価償却費相当額を差し引いて計算します。取得費には建物建設時の建築費用、建物に取り付けたエアコンなどの設備費、土地購入の際の測量費や地盤調査費なども含まれます。また、購入に際して支払う不動産会社への仲介手数料や登記費なども含まれています。尚、相続などで取得した不動産などの場合、この取得費が定かでないこともあります。取得費が不明であり、かつ売却代金の5%に満たない場合は、売却代金に5%を乗じた費用を取得費とする簡便法も認められています。

また、譲渡所得とは反対に利益ではなく、損失が発生する場合も考えられます。この場合には税務上必ずしも確定申告の必要はありません。ただし、損益通算や税額の繰延控除といった特別控除が受けられる場合がありますので申告しておいたほうがいいでしょう。

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短期譲渡所得と長期譲渡所得

譲渡所得税の概要についてご紹介してきましたが、実は譲渡所得税は売却までの所有期間に応じて2種類の譲渡所得があり税率も異なります。その譲渡所得とは「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」のことで、短期譲渡所得のほうが税額は高くなります。

まず、所有から売却までの期間が5年以内の場合は短期譲渡所得とされ、適用税率は所得税30%、住民税9%で合計39%となっています。これに2037年までは復興特別所得税が2.1%更にかかります。

一方、所有期間が5年を超えてから売却した場合に発生した売却益は長期譲渡所得とされ、適用税率は所得税15%、住民税5%で合計20%となります。

このように5年以内の短期所有で売却した場合に発生した売却益に対する短期譲渡所得税額は長期所有の場合よりもはるかに高い税率となりますので、売買タイミングには注意しましょう。

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家の売却で戻ってくる費用について

ここまでは売却までの費用や売却時に譲渡益が発生した場合の譲渡所得税について解説してきました。今度は反対に売却後に戻ってくる費用についてご紹介していきましょう。

売却後に戻ってくる費用には主に以下の4種類があります。

・住宅ローン保証料の返金
・火災保険料や地震保険料の返金
・管理費と修繕積立金の精算分
・固定資産税や都市計画税の精算分

住宅ローン保証料の返金

この中で住宅ローン保証料とは、万が一借主が返済不能や延滞した場合などに備えてローンを組む場合に結ばれる保証契約のための費用になります。ローンの対象となる物件の売却が決まれば住宅ローンの繰上げ返済がおこなわれ、それに伴いこの保証も不要となります。よって保証契約時に支払われた保証料のうち、残存期間に相当する分が精算されて戻ってくることになります。返金額についてはローンを組んだ金融機関で確認が取れます。

火災保険料や地震保険料の返金

マイホーム購入を機に多くの人が加入する火災保険や地震保険の保険料も売却に伴い、支払った分のうち残った期間に相当する分が返金されます。保険料の返金については売却した旨を保険会社に知らせて保険を解約することで受けられますので、忘れずに手続きするようにしましょう。

管理費と修繕積立金の精算分

管理費と修繕積立金は自宅がマンションの場合に精算されて戻ってくる費用です。通常はどちらも契約時までの分を日割り計算で計算し、該当分につき買主から精算してもらえます。通常は仲介する不動産会社のほうでおこなってくれますが、もしされないようでしたら依頼するのを忘れないようにしましょう。

固定資産税や都市計画税の精算分

固定資産税と都市計画税については法的な定めはありませんが、不動産業界のルールにより引渡し日以降の分を買主が支払うことになっています。固定資産税と都市計画税はそれぞれ毎年1月1日現在の所有者が負担するため、引渡し日以降の分を日割り計算して不動産会社が買主に請求してくれます。日割り計算のルールについては関東と関西で異なり、関東の基準日は1月1日、関西の基準日は4月1日とされる場合が一般的です。

家を売却するまでの流れ

不動産売却流れ
次に売却までの大まかな流れについて大切なポイントをご紹介していきます。自宅売却の際には「大まかな相場を知る」、「不動産会社への査定依頼」、「媒介契約締結」、「売買契約締結と引渡し」という流れを踏みます。順を追ってご紹介していきましょう。

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大まかな相場を知る

自宅を売却すると決めたらまずは自宅がいくらくらいで売れそうか、自宅周辺の相場を調べることから始まります。不動産情報サイトや不動産情報誌などで大まかな相場について知ることができますし、地元の不動産会社に聞いてみるのもいいでしょう。最寄り駅までの時間や広さ、間取り、築年数などの条件から似たような物件の売却価格を確認しておきます。

不動産会社への査定依頼

おおよその相場がわかったら不動産会社に査定の依頼をします。査定依頼については直接不動産会社に依頼する他、最近では不動産一括査定サイトもよく使われます。この査定はより良い不動産会社と契約するためにも必ず複数の不動産会社に依頼するとよいでしょう。ただし、この段階の査定価格はあくまで目安にすぎず、その価格で売れるとは限りませんので注意が必要です。なかには媒介契約を取りたいがために高い査定額を伝えてくる悪徳業者もあるからです。

不動産会社を選ぶ際のコツですが、まず売却する自宅と同じ種類や条件で多くの実績やノウハウのある会社を選ぶようにしましょう。例えば、不動産会社といっても賃貸物件に強い会社や物件の販売に強い会社、さらに投資用物件を専門に扱う会社などでも売買方針やセールス方法に大きな違いが見られます。同様に都心の高級マンションや高級一戸建ての販売実績が豊富な会社と郊外の物件しか取り扱ったことがない会社では自ずと期待できる成果が異なるでしょう。過去の販売実績などは会社のホームページで確認し、また担当者に直接会って話をしてみることでもその会社の強みや得意とする分野がわかります。

さらに不動産会社を絞り込むにはその会社の具体的な売却活動を確認し、こちらの希望に対して親身になって相談にのってくれそうな担当者のいる会社を選びます。売却活動については指定流通機関であるレインズへの登録はもちろんのこと、新聞の折込み広告や不動産ポータルサイトへの掲載、オープンハウスの開催など予定される売却活動の内容について聞いてみましょう。

媒介契約締結

このようなステップを踏んでこれはという不動産会社が見つかったら、その会社と仲介のための媒介契約を交わします。この媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。それぞれにメリットやデメリットがありますのでその違いを理解した上で契約するようにします。

まず、一般媒介契約はその特徴として不特定多数の不動産業者と契約できる点が挙げられます。一つの業者に縛られることなく、買主を探してくれそうな複数の業者に仲介を依頼することができます。また、後ほどご紹介する専任媒介契約や専属専任媒介契約と違って、自分で買主を見つけてきて、その買主と契約することもできます。契約期間についても特に制限はなく、好きな期間を定められます。反対にデメリットとしては指定流通機関であるレインズへの物件登録義務や定期的な営業報告義務がありません。

次に専任媒介契約と専属専任媒介契約ですが、一般媒介契約と異なり特定の不動産会社のみと締結する契約になります。契約期間は法律で最長で3カ月という決まりがあり、通常は3カ月間の縛りがあります。また自分で買主を見つけてきたような場合でもその買主と契約することができないという制約があります。

しかし、その一方で特定の会社と契約することで契約期間内は販売に専念できますので売却活動を積極的に展開してくれます。せっかく販売活動をおこなっても他社に契約されてしまうリスクのある一般媒介契約と違い、折込み広告などの宣伝費用をかけて成約に結びつけようという努力が期待できます。また、一般媒介契約と違ってレインズへの物件登録の他、定期的な営業報告義務がありますので販売活動の状況について随時知ることができます。

デメリットとしては販売に消極的な会社や実績面で劣る会社と契約したような場合でも上述の3カ月という契約期間があるためにその会社に縛られるリスクがあることです。契約にあたってはそれぞれの契約の特徴をよく理解した上で締結しましょう。

売買契約締結と引渡し

媒介契約を結ぶといよいよ不動産会社の販売活動が始まることになります。内覧希望者があれば不動産会社の担当者とスケジュールを調整して対応します。ときおり「指値」と呼ばれ、購入希望者がいくらなら買ってもよいという購入希望価格を提示してくる場合もあります。このような値引き交渉については不動産会社の担当者と希望条件などについて相談しましょう。条件面で納得できれば売却の意思表示をしていよいよ売買契約に入ります。この際に買主から売却価格の概ね5%~10%の手付金を受け取ります

売買契約が無事済んだら引渡し手続きとなります。買主が現金購入する場合などを除き、たいていは住宅ローンを組む場合がほとんどです。よって引渡しに際しては買主の契約する金融機関の店舗で司法書士も介在して抵当権の抹消手続きや売却代金の振込み、ローン決済などがすべて同時におこなわれます。ローンの繰上げ返済をする場合でも抹消書類など全ての手続きは仲介している不動産会社が代行してくれます。すべての決済が完了すると鍵を渡して引渡しが完了します。

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まとめ

自宅を売却する際にはどのような費用がどれくらい発生するのかを事前に知っておくことが大切です。そうすれば最終的に手元にどれくらいのお金が残るのかについて概算で知ることができます。また、費用については売却の段階に応じて様々なものが発生するので支払いに困るといったことが無いようにしましょう。

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