底地の買取相場は売却先や借地権の種類によって変わる!売却金額の計算方法や高値で売るためのコツも解説

底地 価格相場

底地を所有している人のなかには、底地を買い取ってもらうことを検討している人もいるでしょう。その場合、「底地の買取相場はどれくらいだろう」などと考えるのではないでしょうか。

底地の買取相場は売却先や借地権の種類によって変わるため、一概にはいえません。あくまで一般的な目安ですが、売却先と借地権の種類に応じた底地の買取相場は下記のとおりです。

借地人 第三者
普通借地権 更地価格の50%程度 更地価格の10%〜15%程度
定期借地権 更地価格の50%程度 更地価格の10%〜15%程度だが、契約の満了時期が近いほど高額になる
使用貸借 更地価格とほぼ同等 更地価格とほぼ同等

また、買い取ってもらう底地の広さや立地などによっても実際の買取金額は変わります。そのため、底地の売却を検討している場合、買取業者に査定を依頼するなどの方法で、実際の売却金額の目安を把握しておくことが重要です。

当記事では、底地の買取相場や売却金額の目安を調べる方法を解説していきます。底地を売却する方法や高値で買い取ってもらうためのコツも紹介するため、底地の売却を検討している場合には参考にしてみてください。

底地の買取相場は売却先で変わる

一般的に、底地の買取相場は更地価格(※)の10%〜50%といわれています。この買取相場は、底地を誰に売却するかで変わります。

  • 借地人(底地を借りている人):更地価格の50%程度
  • 第三者:更地価格の10%〜15%程度

借地人に買い取ってもらった方が第三者よりも底地の買取金額が高くなるのが一般的です。そのため、可能であれば借地人に底地を買い取ってもらうのが得策です。

ここからは、借地人や第三者に買い取ってもらった場合の底地の買取相場を解説していきます。

借地人に買い取ってもらう場合は更地価格の50%程度が相場

底地を借地人に買い取ってもらう場合、更地価格の50%程度が買取相場となります。第三者に買い取ってもらうよりも買取相場が高くなる傾向がありますが、これには底地の完全な所有権を得られることが関係します。

誰かに貸している土地を第三者に売却する場合、その購入者は底地の所有権を得られるだけで、その土地を自由に使えるわけではありません。「住宅を建てる」「駐車場として活用する」といったことができないため、通常の土地よりも買取相場が低くなるのが一般的です。

一方、借地人に底地を買い取ってもらう場合、借地人はその土地の完全な所有権を得られます。購入前は契約で許可されていたことしか行えなかったのが、購入後はその土地を自由に利用可能になり、第三者よりもメリットが大きく買取相場も高くなるのです。

たとえば、更地価格が2,000万円の底地の場合、借地人に買い取ってもらうことで1,000万円が買取金額の目安となります。

第三者に買い取ってもらう場合は更地価格の10%〜15%程度が相場

買取業者などの第三者に底地を買い取ってもらう場合は更地価格の10%〜15%程度が買取相場となります。

前述したように、底地を第三者が買い取った場合、購入者が得られるメリットは借地人よりも小さくなるのが基本です。底地の所有権は得られますが、その土地を自由に使うことはできないうえに、下記のようなデメリットがあることから買取相場が低くなる傾向があります。

  • 借地人からの地代の支払いが遅れる、または支払われないリスクがある
  • 固定資産税や都市計画税として毎年数十万円〜数百万円がかかる

第三者が底地を購入する理由としては、その土地を貸すことで収益が見込めることが挙げられます。借地人から地代が支払われないリスクが0ではないうえに、毎年底地にかかる税金の支払いが必要なため、底地を購入したいと考える人は少なく、買取相場も低くなってしまうのです。

たとえば、更地価格が2,000万円の底地の場合、買取業者のような第三者に買い取ってもらうことで200万円〜300万円が買取金額の目安となります。

借地権の種類によって底地の買取相場や売れやすさも変わる

底地には、その土地に建物を建てる権利として「借地権」が設定されています。この借地権には大まかに3種類があり、設定されている借地権によって底地の買取相場や売れやすさが変わります。

借地権の種類 概要 買取相場
普通借地権 契約期間の満了時に契約更新ができる借地権。 更地価格の10%〜50%程度
定期借地権 契約期間が満了すれば契約が解消される借地権。継続させるには再契約が必要。 契約の満了時期が近いほど高額になる
使用貸借 無償で土地を貸している状態のこと。 更地価格とほぼ同等

普通借地権が設定されている場合、ほかの借地権よりも買取相場が低くなるのが一般的です。ここからは借地権の種類に応じた底地の買取相場を解説していきます。

普通借地権:更地価格の10%〜50%程度が買取相場

土地を貸す場合、賃借契約を結ぶ必要があります。賃借契約では契約期間も定められており、その期間が満了した際に契約更新ができるかは借地権の種類によって異なります。

普通借地権は、契約更新が可能な借地権です。地主よりも借り手の権利のほうが強く守られており、契約期間が満了しても正当な理由がない限りは地主から契約更新を拒絶できない特徴があります。

普通借地権の契約期間は30年が一般的ですが、借り手が希望すれば契約期間は更新され続けます。そのため、その土地の完全な所有権をいつ取り戻せるのかがわかりづらいのが普通借地権といえます。

この点から普通借地権が設定されている底地は、通常の土地よりも買い手がつきづらく、更地価格の10%〜50%程度が買取相場になります。

定期借地権:契約の満了時期が近いほど買取相場は高額になる

定期借地権とは、契約期間が満了すれば契約が解消される借地権のことです。借地権とは異なり、契約期間が満了した際に再び賃借契約を結ばなければ、地主にその土地の完全な所有権が戻ります。

完全な所有権が戻ってくれば通常の土地として扱われるため、契約の満了時期が近ければ近いほど底地の買取相場は高額になる傾向があります。

仮に契約期間が間近の底地であれば、契約期間が満了した後に完全な所有権が戻ってきてから売却すれば、売却相場は更地価格とほぼ同等になると考えられます。

使用貸借:更地価格とほぼ同等

使用貸借とは、無償で土地を貸している状態のことです。ほか2つの借地権とは異なり、地主はいつでも借り手を底地から退去させられるのが使用貸借の特徴です。

借り手を退去させておくことで、その底地は通常の土地として扱われます。そのため、使用貸借の底地であれば更地価格とほぼ同等の価格で買い取ってもらえることに期待できます。

底地の売却金額を調べる方法

ここまでで解説した買取相場はあくまで目安であり、必ず相場どおりの金額で底地を買い取ってもらえるわけではありません。

実際の底地の買取金額は、立地や広さといった土地の条件などから決定されるため、所有している底地の条件なども判断材料に入れて、実際の買取金額の目安を把握しておくことが大切です。

底地の売却金額を調べる方法には、下記の2つが挙げられます。

  • 路線価から算出した更地価格を参考にして計算する
  • 複数の買取業者に査定を依頼して相場を調べる/li>

路線価を活用する方法では、自力で底地の売却金額を算出できますが、計算のためにさまざまな過程が必要です。

一方、買取業者の査定であれば、基本的には無料で業者が算出してくれるため、路線価を活用する方法よりも手間をかけずに売却金額の目安を調べられます。「自分で売却金額を算出したい」という場合でなければ、買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

路線価から算出した更地価格を参考にして計算する

底地の売却金額を調べる方法には、路線価から算出した更地価格を参考にして計算する方法が挙げられます。路線価とは、道路に面した1m2あたりの宅地の価格のことです。毎年国税庁が公式サイトにて公表しています。

この算出方法を簡単に説明すると、「路線価から市場で実際に取引される金額を算出し、その金額のうちの底地評価額のみを割り出す」という方法になります。

まずは計算方法の手順を紹介します。シミュレーションも同時に行うため、底地の売却金額の目安を計算したい場合は参考にしてみてください。

  1. 所有する底地の路線価を国税庁の公式サイトから確認する
  2. 底地全体の更地価格を算出する:「路線価×土地面積」
  3. 更地価格から借地権割合を引いて底地のみの評価額を算出する:更地価格×(100%-借地権割合)
  4. 底地の評価額に0.8を割り戻す

まずは所有する底地の路線価を国税庁の公式サイトから確認が必要です。路線価の見方は次の見出しで詳しく解説しますが、国税庁の公式サイト「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」にアクセスし、所有する底地があるエリアに路線価が記載されているので、そちらを覚えておきましょう。

次は路線価から底地全体の更地価格を「路線価×土地面積」の計算式で算出します。仮に路線価が30万円であり、底地全体の土地面積が100m2である場合は下記のように計算できます。

底地全体の更地価格=30万円×100m2=3,000万円

この時点では、底地が更地であり借地権が設定されていない状態で売却した場合の目安金額が算出されただけで、底地の売却金額ではありません。底地の売却金額を計算するには、ここまでで算出した更地価格から借地権割合を引く必要があります。

借地権割合とは、土地に設定された借地権の価値を数値で表したものです。前提として、底地には地主が所有する「底地権」と、借り手が所有する「借地権」があります。それぞれには価値があるため、底地の売却金額を算出するには、更地全体から借地権割合を差し引く必要があるのです。

底地のみの評価額は、「更地価格×(100%-借地権割合)」の計算式で算出できます。所有する底地の借地権割合は路線価と同時に確認でき、今回は「30%」と仮定すると下記のように計算できます。

底地のみの評価額=3,000万円×(100%ー30%)=2,100万円

ここまでで所有する底地の評価額が算出できましたが、この金額は実際に市場で取引されている金額とズレが生じるのが一般的です。これは、路線価が実際に市場で取引されている価格の80%程度に設定されていることが理由です。

生じたズレをなくすために、最後は底地の評価額に0.8を割り戻すことで、所有する底地の売却金額の目安を算出できます。今回のシミュレーションでは、下記のように計算します。

底地の売却金額の目安=2,100万円÷0.8=2,625万円

路線価の見方

国税庁の公式サイト「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」では、下記のように路線価が表示されます。

底地 価格 相場
参照:国税庁「路線価図・評価倍率表」

上記を参考にすると、赤丸で囲んである「400C」が路線価です。数字は1m2あたりの宅地の価格を表し、単位は千円です。

一方、アルファベットはその土地の借地権割合を表すものです。A〜Gまであり、「A=90%」「B=80%」「C=70%」「D=60%」「E=50%」「F=40%」「G=30%」とそれぞれ借地権の割合が決められています。

たとえば、「400C」と記載されている場合、「1m2あたり40万円の宅地価格であり、借地権割合が70%の土地」と読み取れます。

底地の売却金額を計算するのに必要な情報であるため、まずは国税庁の公式サイトから所有する底地の路線価を確認しておきましょう。

最終的手段は複数の買取業者に査定を依頼して相場を調べる

路線価を活用した方法では、計算方法が複雑と感じる人もいるかもしれません。その場合、買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。

買取業者に底地の査定を依頼すれば、その土地を買い取ってもらった場合の目安として査定額を算出してもらえます。基本的に買取業者は無料査定に対応しているため、費用をかけずに底地の売却金額の目安を確認できます。

ただし、査定額は買取業者によって変わるため、1社のみに査定を依頼しても底地の買取相場をつかめないことが予想されます。正確性を高めるためにも、底地の査定は複数の買取業者に依頼するのがおすすめです。

なお、査定を依頼する場合は、所定時間2分で複数の業者に依頼できる「不動産一括査定」を試すことを検討してみてください。

底地は通常の土地よりも売れづらい

底地は更地価格よりも低くなるのが一般的と解説しましたが、通常の土地よりも売れづらいことにも注意が必要です。

借地人に貸している以上、底地の地主は土地を自由に使えません。土地の買い手は何かしらにその土地を活用することを検討しているのが一般的であるため、使い勝手の悪い底地は購入を敬遠されやすいのです。

そのため、不動産会社に仲介を依頼したとしても、買い手がなかなか現れないことが予測されます。それどころか、仲介を断られる可能性もあるため、基本的には仲介以外の方法で底地を買い取ってもらうのが得策です。

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底地を買い取ってもらう方法

底地を買い取ってもらう方法には、下記が挙げられます。

  • 借地人に売却する
  • 底地を専門とする買取業者に売却する
  • 不動産投資家のような第三者に売却する

底地の買取先は、大きく分けて「借地人」「第三者」の2つになります。比較的底地は買い手がつきづらいですが、買取業者や不動産投資家であれば買い取ってもらえることに期待できます。

ここからは、底地を買い取ってもらう方法の3つを詳しく解説していきます。

借地人に売却する

底地を買い取ってもらう方法には、借地人に売却することが挙げられます。

前述したように、借地人であれば底地の買取相場が更地価格の50%程度になるのが一般的です。第三者に買い取ってもらう場合は更地価格の10%〜15%程度が相場であるため、ほかの方法よりも高値で底地を売りたい場合に向いている方法といえます。

とはいえ、借地人との関係性によっては、買い取ってもらうための交渉ができない場合もあるでしょう。また、借地人の資金力によっては、底地の買取が難しいケースも考えられます。

そのため、借地人に底地を買い取ってもらうのは、「買取依頼をするための相談が可能なほど関係性がよい」「地代の支払状況などから借地人の資金力に問題がなさそう」といった場合に検討するべき方法といえるでしょう。

底地を専門とする買取業者に売却する

底地を買い取ってもらう方法には、買取業者に売却することが挙げられます。

買取業者のなかには、底地のような訳あり物件の買取を専門とする業者もあります。そのような業者であれば、一般的に売りづらいといわれる底地であっても買い取ってもらえることに期待できます。

また、活用方法や高値での転売に関するノウハウがあることから、専門の買取業者に依頼すればほかの業者よりも高値かつ早期で底地を売却できる可能性もあります。

なお、以下のフォームからは、底地を専門に取り扱う買取業者の無料査定を受けられます。専門の買取業者に底地を買い取ってもらいたい場合、まずは査定を受けてみるとよいでしょう。

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不動産投資家のような第三者に売却する

不動産会社による仲介で底地の買い手を見つけるのは難しいと前述しましたが、絶対に仲介では売れないわけではありません。地代収益を目的とする不動産投資家であれば底地を活用するメリットがあるため、買い取ってもらえる可能性があります。

不動産投資家に買い取ってもらえる可能性がある底地には、下記が挙げられます。

  • 借地人との契約が当分切れそうにない
  • 借地人からの地代の支払いが遅れていない
  • 底地の購入にかかる費用を比較的短い期間で回収できるほどの地代である

地代収益を見据える不動産投資家は、「底地の購入で利益を見込める」「必ず地代を回収できる」といった点を考慮して、購入する底地を決定するのが一般的です。そのため、契約が当分切れずに今まで地代の支払いが遅れていないような底地は、不動産投資家に買い取ってもらえる可能性があります。

また、「底地の購入にかかった費用を可能な限り早く回収して、すぐにでも利益を出したい」という点も、不動産投資家が考慮する点だと考えられます。地代が高ければ高いほど、底地の購入費を早く回収できるため、地代が高い底地も買い取ってもらえることに期待できます。

これらに該当する底地を所有している場合は、不動産投資家に売却することを見越して不動産会社に相談してみるのもよいでしょう。

底地を高値で買い取ってもらうコツ

底地の売却を検討している場合、「なるべく高く売却したい」と考えることでしょう。底地を売却する場合、下記のような高値で買い取ってもらうコツを実践してみてください。

  • 借地人に底地を買い取ってもらえないかを相談する
  • 複数の業者に見積もりをして査定額が最も高い業者に依頼する

ここからは、底地を高値で買い取ってもらうコツをそれぞれ解説していきます。

借地人に底地を買い取ってもらえないかを相談する

前述のとおり、底地の買取相場は借地人のほうが第三者よりも高いのが一般的です。借地人に底地を買い取ってもらえれば、買取業者などの第三者に売却するよりも高値で底地を売却できると考えられます。

底地を高値で売却したい場合は、まず借地人に買い取ってもらえないかを相談してみるのが得策です。交渉の際には、下記のような点を伝えることで、底地を買い取ってもらえる可能性が高まります。

  • 借地人が底地を買い取ることのメリットを伝える
  • 可能であれば売却価格を下げつつ交渉する
  • 一括払いではなく、長期の分割払いに対応できることも伝える

借地人が底地を買い取ることで、その土地を自由に活用できるようになります。契約内容によっては、建物の建設以外は地主の合意が必要になるなど、底地の利用に制限がかけられる場合もあるため、制限がなくなる点は借地人が底地を買い取るメリットとなります。

また、底地の買取を検討している借地人であっても、価格の高さが問題で購入を控えてしまう可能性もあります。そのため、可能であれば底地の売却価格を下げつつ、借地人と交渉することも検討してみてください。

ただし、借地人との交渉を進めるためには信頼関係が重要となります。交渉をスムーズに進ませるためにも、借地人との信頼関係を日々築き上げておくことも、底地売却においてとても大事なコツです。

複数の業者に見積もりをして査定額が最も高い業者に依頼する

底地を専門の買取業者に買い取ってもらう場合、複数の業者に見積もりを依頼するのが得策です。

底地の買取金額は、買取業者が行う査定によって決定されます。買取金額を決める基準は各業者によって異なると考えられ、複数の買取業者に査定を依頼すると査定額にばらつきが生じると予想されます。

つまり、複数の買取業者に見積もりを依頼することで、査定額が最も高い業者を見つけられるのです。査定額が高い買取業者に依頼すれば、ほかの業者よりも高値で底地を買い取ってもらえます。

「すぐにでも買取業者に依頼したい」「複数の業者に査定を依頼するのは面倒」と考えるかもしれませんが、底地を売却する場合、複数の買取業者に査定を依頼してみましょう。

底地を売却するとさまざまな費用がかかる

底地を買い取ってもらうと、売却金額を得られるだけでなく、さまざまな支払いが必要となります。

  • 譲渡所得税:底地の所有年数によって変動する
  • 仲介手数料:底地の売却金額の3%〜5%程度
  • 印紙税:数万円程度

底地の売却でかかる費用は、売却金額や土地を所有している年数などによって変動します。そのため、かかる費用を一概にはいえませんが、数十万円〜百万円程度の支払いが必要になるケースもあります。

底地の売却を検討している場合、売却によってかかる費用を把握しておくとよいでしょう。

譲渡所得税:底地の所有年数によって変動する

底地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税の支払いが必要です。譲渡所得税は、底地を売却することで得られる利益(譲渡所得)に対して課税され、「譲渡収入-(取得費+譲渡費用)」で算出できます。

※譲渡収入とは、底地の売却金額のこと。
取得費とは、底地を得るためにかかった費用のこと。
譲渡費用とは、売却にかかった諸経費のこと。

たとえば、取得費2,000万円の底地が2,500万円で売れた場合を想定します。譲渡費用として300万円がかかった場合であれば、譲渡所得は「2,500万円ー(2,000万円+300万円)=200万円」と計算できます。

この場合は200万円の利益が出ており、譲渡所得税はこの200万円にかかります。そして、底地を所有している年数に応じた税率を譲渡所得にかけることで、譲渡所得税を算出できます。

所有期間 譲渡所得税の税率
5年以下 30%(復興特別所得税を除く)
5年超 15%(復興特別所得税を除く)

譲渡所得が200万円で所有期間5年超の底地であれば、譲渡所得税は「200万円×15%=30万円」と計算できます。

仲介手数料:底地の売却金額の3%〜5%程度

当記事で紹介した売却方法のなかでは、不動産投資家に底地を売却する場合のみ不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。仲介の場合、基本的には不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料は不動産会社によって異なるため一概にはいえませんが、底地の売却金額の3%〜5%程度が相場といわれています。たとえば、2,000万円で底地が売れた場合、60万円〜100万円が仲介手数料の相場となります。

なお、不動産会社が受領できる仲介手数料の上限額は下記のように定められています。

取引価格 仲介手数料の上限
200万円以下 取引物件価格(税抜)×5%+消費税
200万円超~400万円以下 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
400万円超 取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

参考元:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

原則、定められた上限を超える金額が仲介手数料となることはありません。底地を仲介で売る場合、売却金額に応じた上限額以下の金額が仲介手数料としてかかると覚えておくとよいでしょう。

印紙税:数万円程度

底地を買い取ってもらう場合、売買契約書を作成しなければなりません。底地の売買契約書は印紙税の課税対象となる「課税文書」に該当するため、契約書の作成時には収入印紙が必要です。

収入印紙の代金は、底地の売却金額によって下記のように変わります。

売却金額 本則税率 軽減税率
10万円を超える~50万円以下 400円 200円
50万円を超える~100万円以下 1千円 500円
100万円を超える~500万円以下 2千円 1千円
500万円を超える~1千万円以下 1万円 5千円
1千万円を超える~5千万円以下 2万円 1万円
5千万円を超える~1億円以下 6万円 3万円
1億円を超える~5億円以下 10万円 6万円
5億円を超える~10億円以下 20万円 16万円
10億円を超える~50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

参照元:国税庁「「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について

たとえば、底地が1,000万円で売れた場合、通常収入印紙の金額が2万円となります。

不動産売買の印紙税には軽減措置が設けられており、令和4年4月1日から令和6年3月31日までに作成された売買契約書であれば、軽減率が適用されます。底地の売却金額が1,000万円で軽減措置がとられた場合、収入印紙の金額が2万円から1万円になります。

まとめ

底地の買取相場は、売却先や借地権の種類によって異なります。あくまで目安ですが、更地価格の10%〜50%が底地の買取相場といわれています。

とはいえ、底地の買取価格は立地や広さなどによって変わります。そのため、必ずしも相場どおりの金額で底地を買い取ってもらえるとは限りません。

路線図を活用したり、買取業者に査定を依頼したりすることで、実際の底地の買取価格に近い金額を調べられます。所有している底地が実際どのくらいの金額で買い取ってもらえるのかを調べるためにも、底地の売却を検討している場合はこれらの方法で買取価格を把握しておくとよいでしょう。

底地の価格相場に関するよくある質問

底地とは何ですか?

底地とは、借地権が設定されている土地のことで、地主から借地人へ貸し出されています。

底地の価格相場はどの程度ですか?

更地価格の10%~15%程度が底地の価格相場です。

底地はなぜ安くなってしまうのですか?

底地は「借地権」がわかれているため、安くなってしまいます。

底地を高値で売るためには?

一括査定を受けて「底地専門の買取業者」を選ぶことが大切です。【無料でできる】不動産一括査定サイトはこちら

底地の売却時にはどんな費用がかかりますか?

「譲渡所得税」と「印紙税」がかかります。他にも、仲介手数料や抵当権抹消登記費用がかかる可能性があるため、あらかじめ把握しておくとよいでしょう。

坂本洋介
監修者
得意分野
  • 共有不動産・共有持分
  • 再建築不可物件
  • 事故・訳あり物件
  • 不動産相続
  • 不動産売買
所属部署
株式会社クランピーリアルエステート
資格
宅地建物取引士
プロフィール
(経歴など)
元大手不動産会社の仲介業務担当。
不動産業務に勤務して16年。

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最終更新日:
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