底地購入の価格相場は?適正価格の計算方法、購入時のローンや注意点

底地価格相場

「地主から底地の購入を提案された」「底地を買い取って所有権にしたい」「底地を購入して地代収入を得たい」あなたもこのようなことをきっかけに、底地購入を考えているのではないでしょうか。底地の購入価格は、あなたが借地権者であるかどうかで大きく変わります。また、ローンの利用や購入前の注意点でも異なる部分が多いです。

そこでこの記事では、立場によって変わる底地購入価格の相場と適正価格の計算方法、購入時の注意点、手続きの流れについて詳しく解説します。これを読めば、自分にとって適正な価格、購入前に確認すべきポイントがわかり、不当に高い値段や条件の悪い状態で底地を購入することを避けられるでしょう。

底地購入の価格相場は?適正価格の計算方法

底地価格計算
底地の価値は、買い手の立場によって異なります買い手が借地人であれば価値は高く、そうでなければ価値は低いです。そのため、価格相場と適正価格の計算方法を知るときには、買い手の立場の違いを考える必要があります。

関連記事
底地を売却して手放したいと考えている人が一番悩むのは、売却先のことだと思います。 「大手不動産会社を信頼して売却するのか専門買取業者の方がいいのか、それとも借地人などへ直接売却したほうがいいのか・・・」 売却先はさまざまで、どこに売却すれば最も高く売れるのか不動産に詳しい人でも見極めるのが難しいでしょう。 実際に底地専…

借地人が購入する場合は更地価格の50%程度

借地人が地主から底地を購入するときの価格相場は、更地の市場価格の50%程度です。借地人は底地を購入することで、土地の所有権を取得できます。そして、土地が所有権になれば、今まで借地人という立場であったために制限されていた様々なことが自由にできるようになります。たとえば、以下のようなことです。

・建物の増改築
・建物の建替え
・建物と土地の譲渡

このような借地権のままでは地主の承諾と承諾料が必要だった手続きをすべて、自分の意思で行なえます。そのため、借地人にとって底地の価値は高く、購入価格も高くなります

また、そのときの適正価格の計算方法は、原則、底地割合に基づきます底地割合は、底地の相続税評価額の算出で用いられる割合です。底地割合と借地権割合は足して1になる関係があり、借地権割合は路線価に記載されています。つまり、底地割合は1から借地権割合を引いて求められます。一般的な住宅地での借地権割合は60~70%なので、底地割合は30~40%です。

しかし、底地割合をそのまま価格に反映させると、「元はといえば自分の土地なのに、どうしてこの程度の価格なのか。それなら売りたくない」という気持ちから地主が購入をためらう場合が多いです。

一方、借地人は土地と建物を合わせ完全所有できるので、将来売却することになっても、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。そのため、地主との交渉の結果、底地の購入価格は更地価格の50%に落ち着くことが多いです。底地購入時には底地割合どおりとはいかないまでも、更地価格の50%よりも安く購入できれば得な取引だと考えるのがよいでしょう。

関連記事
底地
底地を所有していて売却することになったとき、土地の権利関係をよく理解しておかないと、借地人とトラブルになってしまうおそれがあります。 土地の権利関係は複雑で、底地、借地といわれても、具体的にどのようなものなのかイマイチわからないという人も多いでしょう。 また、どのくらいの価格で底地が売れるのかという相場や評価基準も地主…

第三者が購入する場合は更地価格の10%程度

第三者が底地を購入するときの価格相場は、更地の市場価格の10%程度です。借地人が購入するよりも約5分の1の価格になります。

非常に安いと感じますが、それは、第三者が底地を購入しても大きなメリットがないからです。底地の購入者は、借地人がいる限り、その土地を自由に利用できず、原則、明け渡しを命じることもできません。それではなぜ、第三者が底地を購入するのかというと、投資目的です。底地を取得することで地代収入を得られます。

アパート・マンション経営のような一般的な不動産投資に比べて、空室リスクがないという点で安定した収益性が注目されています。さらに、底地取得後の借地人への売却や、借地権が返還されて所有権になった状態での売却による収益も目的の1つです。このように地代収入と売却益、第三者にとっての底地の価値は2つありますが、売買価格を計算するときには地代収益に基づいて行われます

底地を購入すると、固定資産税と都市計画税を納める必要があり、地代の徴収など管理の手間もかかります。もし底地の管理を管理会社に委託する場合は、管理委託費も必要です。地代からこれら諸経費を差し引いて想定される利回りをもとに、適正価格を算出できます。

また、第三者が底地を購入するときには、底地を担保にローンを組むことは難しいです。そのため、金利が高く借入上限額が低い無担保ローンを利用するか、現金一括となります。こうした事情もあるので、第三者が底地を購入するときには、更地価格の10%程度となることが多いです。

関連記事
底地 固定資産税
固定資産税や都市計画税といった税金は不動産を所有している人にとっては身近な税金です。 しかし、これらの税金を何となく支払っているけれど、どのような仕組みで課税されているのかわからない、名前は聞いたことあるけど何のための税金なのか知らないという人もいるでしょう。 今回の記事では、不動産の底地を中心とした固定資産税と都市計…

地主から底地を購入する際の注意点

それでは、実際に地主から底地を購入するときの注意点について解説します。まず、あなたが借地人か否かにかかわらず、共通する注意点が3つ、第三者の立場であれば追加で2つあります。

(1)隣地との境界を明確にする(共通)
(2)接道義務を満たしているか確認する(共通)
(3)価格の妥当性を確認する(共通)
(4)現在の借地契約の内容を確認する(第三者の場合)
(5)借地人の情報を確認する(第三者の場合)

(1)隣地との境界を明確にする(共通)

隣地との境界確認は、底地に限らず土地を購入するときには欠かせないポイントです。

借地契約を交わしたときには明確だった境界標や杭も、外構工事でなくなってしまったり、長く貸し続けることで土に埋もれてしまったりするケースがあります。また、ブロック塀や出窓、エアコンの室外機、屋根などの越境確認も必要です。

地主が認識している境界と隣地の所有者が認識している境界に差がある場合もあります。これらの隣地・道路との境界、越境が曖昧なままに購入してしまうと、後日大きなトラブルとなる危険性があるので注意してください。

そこで、境界を明確にするときには、専門家である土地家屋調査士に測量を依頼することになります。事前に地主が行っているはずですが、もし測量されていなければ提案した方がいいでしょう。通常、測量費は売主負担です。

(2)接道義務を満たしているか確認する(共通)

建物の敷地は原則、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務を満たすことが必要です。

そのため、底地上に建物が建っているならば、接道義務を満たしていると思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。建築基準法が施行される前に建てられた建物のなかには、接道義務を満たしていないものもあります。

もし接道義務を満たしていなければ、その土地は再建築不可物件です。建物が老朽化しても建て替えることができず、土地を所有権にしたあとでも売却は難しくなります。そして、底地に接している道路または間口が狭いということは駐車場としても利用しにくく、土地活用も難しいです。

つまり接道義務を満たしているかどうかで、土地の価値は大きく変わります事前にしっかりと確認するようにしましょう。

関連記事
接道義務
不動産を売却する時、その物件が接道義務を満たしているかどうかは非常に重要です。なぜなら、接道義務を満たしているかどうかが、買い手を見つけやすいかどうか、高値で売れるかどうかに影響してくるからです。 また、「再建築不可物件」や「既存不適格建築物」、「違法建築物」というものにも、接道義務は深く関係しています。 この記事をご…

(3)価格の妥当性を確認する(共通)

はじめに、立場の違いによる底地の購入価格相場と適正価格の計算方法を解説しました。その価格相場を基準に、地主から提案された価格が妥当かどうか判断してください

土地の価格相場は、不動産ポータルサイトで近隣の条件が近い売出し中の土地を調べることで、目安をつけられます。地主や不動産会社から提案される価格を鵜呑みにすることなく、ご自身で調査しておくとよいでしょう。そうすれば、割高で底地を購入することを避けられます。

(4)現在の借地契約の内容を確認する(第三者の場合)

ここから2つは、第三者の立場で底地を購入するときの注意点です。第三者として底地を購入するということは、あなたが新しい地主になるということです。このとき、借地契約は今までの地主と借地権者で交わされた内容がそのまま引き継がれます。そのため、以下のものが、どのように定められているか、漏れなく確認することが大切です。

・借地権の種類(旧借地権、普通借地権、定期借地権)
・借地権の残存期間
・地代
・更新料の有無
・増改築禁止特約

関連記事
底地
底地は物件によって評価が異なり、価格も一律ではありません。 価格の計算方法や算出基準も物件によって異なるので、底地価格がよくわからないという人もいるようです。 また、所有している底地の売却を考えている人で、どのような売却方法があるのか知りたいという人も少なくありません。 今回の記事では、底地の売却方法や買取業者を選ぶポ…

(5)借地人の情報を確認する(第三者の場合)

底地を購入するときには、契約内容のほかに、借地人の情報も把握している必要があります。今の地主と何らかのトラブルを抱えていたり、地代の滞納が度々起こったりするような方であれば、購入後のリスクになります。このような借地人の情報は土地賃貸借契約書には書かれていないものなので、必ず直接、地主や底地を管理している不動産会社へ確認するようにしてください。

底地購入で住宅ローンは組めるのか?

ペアローン
底地の購入には数百万~数千万円の資金が必要です。ただ、それだけのお金を現金一括で支払える方はほとんどいないでしょうから、ローンを組むことになります。このとき、住宅ローンを組むことができれば金利は低く、返済期間も長期で設定できるのでメリットが大きいです。しかし、底地購入では必ずしも住宅ローンを組めるわけではありません。住宅ローンは原則、その融資対象の物件に住むことが条件だからです。

つまり、底地購入で住宅ローンを組めるのは、底地の上に自宅を建てている借地権者のみです。第三者の立場として購入するときには、住宅ローンを組めません。ただし、住宅ローンは30年、35年といった長い期間をかけて返済していくものなので、完済時の年齢によって借入期間が制限される場合がほとんどです。

たとえば、完済時年齢の条件が70歳までの金融機関の場合、あなたが今50歳であれば、返済期間は20年が最長となります。そうなれば、毎月の返済額の負担が大きくなったり、必要な借入額に届かなかったりする可能性があります。その場合、夫婦・親子でのペアローンやリレーローンを利用するのも1つの方法です。

関連記事
底地 購入 ローン
底地を購入するときにローンを利用したいという人もいるかと思います。 しかし、ローンの商品はさまざまで金融機関によって融資の条件も異なり、資金の使用用途も決められています。 普通の住宅を購入する目的であれば住宅ローンの融資対象となりますが、底地という少し特殊な不動産の購入で住宅ローンが組めるのか疑問に思いますよね。 今回…

ペアローン

夫婦・親子でのペアローンというのは、それぞれの名義で借入れをし、お互いが連帯保証人になるというものです。たとえば、夫と妻がそれぞれ1,000万円借入れ、夫の住宅ローン契約の連帯保証人は妻が、妻の住宅ローン契約の連帯保証人は夫がなります。共働きであることが条件になりますが、ペアローンを組むことで夫婦どちらかが単独で住宅ローンを組むよりも多くの借入れができます

また、住宅ローン控除もそれぞれ受けられる点もメリットです。しかし、世帯単位での返済額も増えて負担が大きく、どちらか一方が働けなくなったときには、そのローンを完済するか、一本化するなどの対応が必要になります。ただし、相手の預貯金から完済した場合には贈与にあたり、非課税枠の110万円を超える金額に対しては贈与税が課税されます。

そのため、ペアローンを組むときに、すでに年齢や家庭環境の変化で将来働かなくなる可能性があれば、それを見越した借入額にすることが大切です。

親子リレーローン

親子リレーローンは、親と子で1本の住宅ローンを組み、親子2代に渡ってローンを返済できる住宅ローンのことです。親が主債務者、子が連帯債務者となり、最初は親が返済を行い、定年退職したあとで子供が返済を引き継ぎます。親子リレーローンでは、子の年齢をもとに借入期間を算出され、申込み本人の年齢は問われません。そのため、フラット35の場合は完済時80歳未満が条件となっているので、父親が70歳以上であっても子どもが45歳未満であれば、最長35年のローンを組むことができます。

さらに、借入可能額は親子の収入の合算で決まるので、それぞれが単独で住宅ローンを借りるよりも多くの金額を借りられます親が亡くなったあとも子どもが住み続ける予定であればおすすめです。

借地人以外は無担保ローンを利用する

それでは、住宅ローンを組めない第三者が底地を購入する場合はどうすればよいのでしょうか。

住宅ローン以外で不動産を購入するとき、購入対象の不動産を担保に入れる不動産担保ローンが一般的です。しかし、底地は金融機関が融資のために評価する担保価値においてはゼロ円です。そのため、底地を担保に融資を受けることができません

そこで、利用できるものは無担保ローンになります。ただし、無担保ローンは担保が不要な分、金利が高かったり、融資限度額が低かったり、借入期間が短かったりとデメリットも多いです。無担保ローンを利用するときには、そのような悪い条件であっても利回りを確保できるか念入りにシミュレーションすることが重要です。

底地を購入するまでの手続きと流れ

底地購入
最後に、底地を購入するまでの手続きと流れを解説します。

(1)底地購入の意思を地主または不動産会社に伝える
(2)購入条件を交渉する
(3)売買契約を結び、手付金を支払う
(4)ローンの本申し込みをする
(5)残金決済、底地の引き渡しを受ける

関連記事
底地投資
通常の土地と比べて需要が少ない底地は、投資家から投資物件として注目されています。 底地は地主が得る地代収益などで利益をあげることができる収益物件なので、投資家がビジネスの一環として運用することも珍しくありません。 これから底地ビジネスにチャレンジしてみたいと考えている人もいると思いますが、底地に投資する前にメリットとデ…

(1)底地購入の意思を地主または不動産会社に伝える

底地を購入するきっかけは主に次の3つです。

・地主から提案される
・売りに出されている底地を見つける
・地主に提案する

そして、底地購入で最初に必要な手続きは、底地を購入する意思を地主または不動産会社に伝えることになります。地主もできるだけ高い価格で底地を売却したいので、借地人への提案が1番に来ます。借地人にもともと購入の意思がなかったり、資金が足りなかったりして売却できなかったときに、第三者へ売りに出されることが一般的な流れです。

(2)購入条件を交渉する

底地を購入する意思を伝えたあとは、具体的な購入条件の交渉を始めます主には価格と引渡し日です。

地主の希望売却価格と買い手の希望購入価格を調整します。このとき、当事者間で交渉しても平行線をたどるので、不動産業者を仲介に入れる方がいいです。専門家の視点から、お互いに納得できるポイントを見つけてくれることが期待できます。不動産会社であっても底地・借地権の取り扱い実績が豊富な会社に依頼することが重要です。

(3)売買契約を結び、手付金を支払う

取引条件に合意できれば、売買契約を交わしますこのとき手付金も一緒に支払うので、事前に金額と支払い方法を確認しておきます。手付金の相場は購入価格の10%です。

また、融資を受ける予定であれば、契約書に融資利用特約が設定されていることも忘れずに確認します。万が一、融資審査が通らなかったときに違約金なしで契約解除できます。

(4)ローンの本申し込みをする

売買契約を結んだあと、融資の本申し込みをします。審査日数は長ければ2週間程度です。融資利用特約には有効な期日が定められているので、スケジュールに余裕を持たせられるように、売買契約を結ぶ時点でローンの本申し込みに必要な書類はすべて用意しておきましょう。

(5)残金決済、底地の引き渡しを受ける

問題なく融資審査で承認されれば、決済期日に融資の実行、残金決済と底地の引き渡しです。また、底地の所有者が変わるので、所有権移転登記と住宅ローンを組む場合は抵当権設定登記も行われます。これらの手続きは続けて進むので、スムーズに完了するように当日に必要書類は余裕を持って準備しておきましょう。

そして、底地を取得すると不動産取得税が課税されるので、期日までに忘れずに納税してください具体的な納税額は税理士に相談するとよいでしょう。

まとめ

以上、底地購入における価格相場と適正価格の計算方法、購入時の注意点と全体の流れについて解説してきました。

まとめ
・底地購入の価格相場は、借地人なら更地価格の50%、第三者なら更地価格の10%程度
・適正価格の計算方法は、借地人なら底地割合、第三者なら収益性を基に計算する
・底地購入時は、土地の境界と接道義務を満たしているかどうかに注意する
・住宅ローンは、借地人が底地を購入する場合でしか組めない
・第三者が購入するときは、現金一括もしくは無担保ローンを利用する

底地の価値は借地人かどうかで大きく変わります。それに合わせて適正価格も、購入時の注意点も異なります。底地購入で失敗しないためにも、この記事で解説した適正価格の計算方法と注意点を参考にしてください。

底地・借地権は権利関係が複雑なので、少しでもわからないところや不安なところがあれば遠慮せずに、借地権の取引実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。

最終更新日:

底地・借地の売却をご検討の方は今すぐご連絡ください

0120-543-191