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底地が売れない5つの理由と売却方法|借地人に断られた場合の対処法も解説

底地が売れない5つの理由と売却方法|借地人に断られた場合の対処法も解説

>>自分の状況に合う売れない底地を売る方法を知りたい方はコチラ

「底地が売れない…」「底地って売れないの?」と悩んでいませんか?

たしかに底地は、一般的な土地より買主が限られますが、借地人に買ってもらえなくても、第三者への売却や専門業者の買取を検討できます。売却を進めるには、売れない原因を整理し、買主や売却条件を見直すことが大切です。

底地の主な売却方法と、検討しやすい状況は次のとおりです。

売却方法 検討しやすい状況
借地人に売却する 借地人に土地を買う意思と資金の見込みがある
底地・借地権を同時売却する 借地人も建物や借地権を手放したい
等価交換後に売却する 借地人の協力が得られ、土地を分けても双方が利用できる
仲介で投資家などに売却する 地代収入や契約内容を説明でき、買主を探す時間がある
専門の買取業者に売却する 一般市場で買主が見つからない、交渉の負担を減らしたい、早めに売りたい

自分に合う売却方法を先に知りたい方は、「売れない底地はどう売る?状況別に適した方法を選ぶ」をご覧ください。

この記事では、底地が売れない理由から、状況別の売却方法、売れないときに見直したい価格や依頼先、売却前の注意点まで解説します。

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底地は売れないとは限らない|借地人が買わなくても売却先はある

借地人が買わないことと、底地を売却できないことは別です。借地人が利用を続けたまま、土地の所有者が変わる売買もあります。

底地の買主には、地代収入を目的とする投資家や、底地の管理・取引に慣れた不動産会社などがいます。ただし、買主は購入後もすぐに土地を自由に使えるわけではないため、契約内容や収益に見合う価格かどうかを慎重に判断します。

イエコン編集部が底地を売却したことがある285人に実施したアンケートでは、169人、約59.3%が「売却が難航した」と回答しました。

回答項目 人数
難航した 169人
した覚えがない 84人
わからない 32人
  • 調査期間:2026年4月11日〜5月28日
  • 調査方法:インターネットアンケート
  • 実施元:イエコン編集部
  • 対象者:底地を売却したことがある285人

この調査は売却経験者の回答を集計したもので、底地全体の売却成功率や、現在売れずに困っている人の割合を示すものではありません。

不動産会社の「売れない」という回答にも、「自社では買主を探せない」「現在の希望価格では難しい」「権利関係を確認できない」など、異なる理由があります。まずは何が障害になっているのかを確認し、その原因に合う売却方法を検討しましょう。

底地が売れない5つの理由

底地が売れにくいのは、買主が土地を自由に使えず、購入後の収益や借地人への対応も確認する必要があるためです。

主な理由は次の5つです。

  • 借地人が利用しているため、土地を自由に使えない
  • 地代が低いと、税金や管理費を差し引いた利益が少ない
  • 借地人との交渉やトラブルへの対応が負担になる
  • 購入資金の融資を受けにくく、買主が限られる
  • 契約内容や権利関係が不明確で、購入後の負担を判断しにくい

自分の底地がどの理由に当てはまるかを確認できるよう、それぞれ詳しく説明していきます。

借地人が利用しているため、買主が土地を自由に使えない

底地を買っても、買主がすぐに自宅を建てたり、駐車場にしたりできるわけではありません。借地人が借地権に基づいて土地を利用しているため、自分で使う土地を探している人には売りにくくなります。

また、地主が「更地にして売りたい」と考えても、その都合だけで借地人を立ち退かせることはできません。普通借地権の更新を拒む場合には、土地を必要とする事情などを踏まえた正当事由が必要です。

一方、定期借地権は、種類や契約内容に応じて期間満了などによる終了を予定する制度です。古くからの借地には旧借地法が適用されるものもあり、すべての底地を同じ条件で判断することはできません。

参照:国土交通省「定期借地権の解説」

査定では、単に「あと何年で契約期間が終わるか」だけでなく、借地権の種類や更新の扱いも確認します。契約書に満了日があることだけを理由に、更地で売れると考えないようにしましょう。

地代が低いと、税金や管理費を差し引いた利益が少ない

受け取る地代に対して税金や管理費が大きい底地は、投資目的の買主に選ばれにくくなります。

たとえば、月額地代2万円、年間の固定資産税・都市計画税10万円の底地では、年間地代24万円から税金を引いた金額は14万円です。

項目 仮の金額・計算結果
年間地代 24万円
年間の固定資産税・都市計画税 10万円
上記の税金を差し引いた年間収入 14万円
購入価格を300万円とした場合の表面利回り 24万円÷300万円×100=8%
上記の税金のみを差し引いた利回り 14万円÷300万円×100=約4.7%

この例には、購入時の費用、管理費、借入利息、所得にかかる税金などを含めていません。実際の手残りは、それらも確認する必要があります。

底地の査定実務では、地代の金額だけでなく、「いくらで購入すれば、保有中の負担に見合うか」を検討します。同じ地代でも、売出価格が高いほど買主の利回りは下がるため、収益と価格のバランスが重要です。

借地人との交渉やトラブルへの対応が負担になる

地代の滞納や過去の争いがあると、買主は購入後の対応に時間や費用がかかると考え、慎重になります。

確認されやすいのは、地代の支払い状況、地代改定の経緯、更新料や建替えに関する合意、借地人と連絡が取れるかなどです。ただし、借地人がいること自体がトラブルを意味するわけではありません。支払いが安定し、連絡や契約確認が円滑な底地もあります。

また、更新料や各種承諾料を、どの底地でも必ず受け取れる収入として見込むことはできません。契約上の取り決めや過去の経緯を確認する必要があります。

買主にとって不安が大きいのは、問題があることに加え、その内容や解決までの負担が分からない状態です。争いがある場合は隠さず、経緯が分かる書面や記録を用意しましょう。

購入資金の融資を受けにくく、買主が限られる

底地は担保評価や収益性の判断が難しく、買主が希望する融資を受けられないことがあります。

金融機関は、買主の返済能力に加え、物件の収益や売却による回収の見込みも審査します。底地は利用に制約があり、転売先も限られやすいため、購入希望者が見つかっても資金調達で止まる場合があります。

ただし、「底地には一切融資が出ない」とは限りません。金融機関、買主の資産・収入、借地契約、土地の条件によって判断は異なります。借地人が自宅の敷地を取得する場合と、第三者が投資目的で買う場合も、資金計画を分けて考える必要があります。

売却交渉では、提示価格だけでなく、自己資金で買うのか、融資審査が必要なのかも確認しましょう。

契約内容や権利関係が不明確で、購入後の負担を判断しにくい

契約書がない、借地人側で相続が起きているなど、契約の内容や当事者を確認しにくい底地は売却に時間がかかりやすくなります。

買主は、地代、契約期間、預かり敷金、過去の合意などを確認して購入を判断します。資料が不足していると、調査費用や将来の争いを見込み、価格を低く提示する場合もあります。

ただし、契約書が見つからないだけで売却できなくなるわけではありません。地代の入金履歴、更新時の覚書、当事者間のやり取り、土地・建物の登記情報などを組み合わせて確認できることがあります。

契約の当事者と地代を振り込む人が違う場合も、直ちに問題と決めつけず、家族による支払いなのか、相続などで権利が移っているのかを調べることが大切です。

売れない底地を売却する5つの方法

底地の売却には、借地人の協力を得て進める方法と、底地のまま第三者に売る方法があります。比較したいのは次の5つです。

方法 主な利点 主な成立条件・注意点
借地人への売却 借地人に土地を所有するメリットがある 購入意思・資金・価格の合意が必要
底地・借地権の同時売却 土地と建物をまとめて買いたい人にも検討してもらいやすい 借地人の協力と代金配分などの合意が必要
等価交換後の売却 地主が借地権のない土地を確保できる 分筆後の利用条件、費用、税金を確認する
仲介による売却 複数の買主候補から条件に合う相手を探せる 買主探しに時間がかかることがある
専門業者の買取 業者が直接買うため、買主募集の期間を省ける 買取対象や価格・条件は業者ごとに異なる

それぞれの仕組みと、売却前に確認すべき点を詳しく説明していきます。

借地人に底地を買い取ってもらう

借地人に購入意思と資金の見込みがあるなら、底地の売却先として有力な候補です。

借地人は土地を取得すると、借地関係の解消によって地代の支払いが不要になり、土地と自分の建物を一体で所有できます。第三者とは購入するメリットが異なるため、価格条件を検討してもらえる可能性があります。

ただし、借地人には底地を買う義務はありません。地代が安く現状に不満がない、まとまった資金を出せないといった理由で断られることもあります。

実務上は、先に購入意思と資金計画を確認し、その後に査定根拠を示して価格を協議する進め方が考えられます。土地を買えば地代は不要になる一方、土地の固定資産税などを負担する点も含めて説明し、メリットだけを強調しないことが大切です。

借地人と協力して底地・借地権を同時に売却する

借地人も建物や借地権を手放したいなら、底地とまとめて第三者に売る方法を検討できます。

地主の土地所有権と借地人の権利を一体で取得できれば、買主は土地・建物を利用しやすくなります。底地単体に比べて買主の候補が広がる可能性がありますが、建物の扱い、入居者の有無、引渡し条件なども整理する必要があります。

売却前には、少なくとも次の内容を地主と借地人で決めておきましょう。

  • 売出価格と、価格を変更する際の決め方
  • 売却代金の配分
  • 測量費・解体費・仲介手数料などの負担
  • 建物を残すか解体するか、退去・引渡しの時期

売却総額が高くなっても、配分や費用によって地主の手取りは変わります。底地だけを売った場合の手取りと比較して判断しましょう。

底地と借地権の一部を交換し、借地権のない土地にして売却する

借地人の協力が得られ、土地を分けても双方が利用できる場合は、等価交換によって売りやすくする方法があります。

等価交換は、底地の一部と借地権の一部を交換し、地主と借地人がそれぞれ借地権のない土地を所有する形に整理する方法です。地主が取得した部分を、通常の土地として売却できる可能性があります。

ただし、単純に面積を半分ずつ分ける制度ではありません。権利の価値に加え、道路との接し方や建物の位置、分けた後の建築条件を確認する必要があります。既存の建物が境界をまたぐ場合などは、そのままでは進められません。

測量・分筆・登記の費用や、必要に応じた建物工事の負担も発生します。また、等価交換なら自動的に非課税になるわけではなく、税務上の交換特例には要件があります。

参照:国税庁「借地権と底地を交換したとき」

不動産会社の仲介で投資家などの買主を探す

地代収入や契約内容を説明でき、買主を探す時間を取れる場合は、仲介による売却も選択肢です。

仲介は、不動産会社が売主と買主の間に入り、買主探しや条件調整を行う方法です。底地では、主に地代収入や将来の権利調整を見込む投資家、不動産会社などが候補になります。

査定では、年間地代だけでなく、税金、滞納の有無、契約期間、借地人との関係が確認されます。資料がそろい、買主が購入後の収支を判断できるほど、具体的な検討につながりやすくなります。

ただし、仲介に出せば必ず高く売れるわけではありません。依頼先には、どのような買主に紹介するのか、反応がなければいつ価格や条件を見直すのかも確認しましょう。

底地を扱う専門の買取業者に直接売却する

一般市場で買主が見つからない底地でも、底地の取引に慣れた業者が買い取れる場合があります。

直接買取では業者自身が買主になるため、仲介のような買主募集は不要です。契約内容の調査や権利関係の整理を前提に検討する業者もあり、資料不足や借地人対応に悩む場合の相談先になります。

一方、買取価格には購入後の調査・管理費用、保有中の税金、再売却のリスクや利益が織り込まれます。仲介で条件のよい買主が見つかった場合より、価格が低くなることがあります。

「早く買う」という説明だけでなく、調査後に価格が変わる条件、売主が準備するもの、契約から代金受領までの予定を確認しましょう。直接取引なら通常は仲介手数料がかかりませんが、別の仲介会社が間に入る場合は確認が必要です。

売れない底地はどう売る?状況別に適した方法を選ぶ

売れない底地の売却方法は、借地人の購入意思や売却意思、交渉のしやすさ、売却を急ぐかどうかを基準に絞り込めます。

まずは、次の診断チャートで、自分の状況に合う方法を確認してみましょう。借地人の意向が分からない場合は「不明」の分岐へ進んでください。確認のために無理に連絡する必要はありません。

底地の売却方法を選ぶ診断チャート。売却を急ぐ場合や借地人との交渉が難しい場合は専門業者の買取、借地人に購入意思と資金の見込みがある場合は借地人への売却、借地人も手放したい場合は同時売却を検討。それ以外は仲介と買取を比較し、条件が合えば等価交換も検討する。

チャートの結果は、まず検討したい売却方法の目安です。実際には、借地契約の内容や地代収入、買主の提示条件などを踏まえて判断します。借地人への売却や同時売却で条件が合わない場合も、仲介や専門業者の買取へ切り替えて検討できます。

また、借地人の協力が得られ、土地を分けても双方が利用できる場合は、等価交換も選択肢になります。

ここからは、状況ごとに適した売却方法と、話を進める前に確認したいポイントを詳しく説明していきます。

借地人に購入意思と資金の見込みがある場合は、借地人への売却を検討する

借地人が購入を希望しているなら、希望価格と資金計画を確認し、条件が合うかを検討しましょう。

「買いたい」という返答だけでは、売却の見通しは立ちません。自己資金はいくら用意できるか、融資を利用するか、いつまでに判断できるかを確認する必要があります。

価格で折り合わない場合は、第三者への査定額も判断材料になります。ただし、「他社なら高く買う」と圧力をかけるのではなく、契約条件や査定根拠を示して協議しましょう。資金調達が難しい場合は、第三者への売却も並行して検討します。

借地人も建物を手放したい場合は、同時売却を検討する

借地人にも転居や建物売却の意向があるなら、同時売却の条件を相談する価値があります。

最初に確認したいのは、双方の売却希望時期と最低限必要な手取り額です。借地人が「いずれ売りたい」と考えていても、地主が希望する時期に退去できるとは限りません。

話を進める際は、土地と建物をまとめた査定と、底地単体の査定を取り、代金配分や費用を差し引いて比較します。配分や引渡し時期に合意できない場合は、底地単体での売却へ切り替えることも検討しましょう。

借地人が住み続けたい場合は、第三者への売却や等価交換を比較する

借地人が住み続けたい場合でも、地主が底地を売ることは検討できます。借地人が底地を買わない場合は、借地関係を引き継ぐ第三者への売却が候補です。

また、土地に余裕があり、借地人が自宅の敷地を所有したいと考えている場合は、等価交換が合う可能性もあります。ただし、今の建物を残せるか、工事や費用の負担がどの程度かによって実現性は変わります。

住み続けたいという希望だけで等価交換を勧めることはできません。まず第三者への売却条件を確認し、分筆後も双方が土地を使える場合に等価交換を比較しましょう。

借地人に購入を断られた場合は、仲介や専門業者の買取を検討する

借地人に断られたら、同じ提案を繰り返すより、第三者が買える条件を確認しましょう。

断られた理由が価格だけなら再協議の余地はありますが、購入意思や資金がない場合は、無理に交渉を続けても売却につながりにくくなります。

契約資料や地代の入金履歴がそろい、売却を急がない場合は仲介による買主探しが候補です。資料不足や管理負担が大きい場合、早めに手放したい場合は専門業者の買取条件も確認します。

仲介の査定額は売れることを約束する金額ではありません。業者の買取提示額と比べるときは、金額に加えて購入条件と売却時期の確かさも確認しましょう。

借地人との交渉が難しい・売却を急ぐ場合は、専門業者に買取条件を確認する

交渉の負担を抑えたい場合や期限がある場合は、専門業者に「現状のまま、いつまでに、どの条件で買えるか」を確認しましょう。

事前に借地人との契約確認が必要か、売主本人の連絡や立会いが必要か、登記や測量に時間がかかるかによって、実際の売却時期は変わります。

「最短で売れる」という広告だけで判断せず、自分の底地についての予定を聞くことが大切です。また、紛争の法的な交渉が必要な場合は、不動産会社の対応範囲を確認し、弁護士への相談も検討します。

それでも底地が売れないときに見直す4つのポイント

売却を進めても買主が決まらないときは、価格・依頼先・資料・権利関係を分けて見直しましょう。原因を確認せず値下げするだけでは、解決しない場合があります。

見直す項目 確認したいこと
売出価格 地代収入や買主の購入条件に見合っているか
依頼先 底地を買う投資家や業者に紹介できているか
判断材料 契約書・入金履歴・過去の合意などが不足していないか
手続き上の問題 相続登記、共有者の合意、境界などで止まっていないか

それぞれについて、見直し方を詳しく説明していきます。

売出価格が地代収入や実際の購入条件に見合っているか

土地の広さや周辺の更地価格だけで売出価格を決めている場合は、底地としての査定を取り直しましょう。

投資目的の買主は、地代から税金などを差し引いた収益と購入額を比べます。将来の地代増額や借地人への転売を、確実に実現できる前提で価格に上乗せすると、買主の評価と離れやすくなります。

不動産会社には、問い合わせ件数だけでなく、検討を見送られた理由や購入希望額の有無を確認してください。「価格が合わない」のか「契約内容が分からず判断できない」のかで、必要な対応は異なります。

依頼先が底地を買う投資家や買取業者を探せているか

一般の住宅用地と同じ売り方では、底地の買主に情報が届いていない可能性があります。

依頼先には、底地の取引経験、紹介している買主の属性、これまでの反応を聞きましょう。底地を扱う会社でも、対応地域、得意な契約形態、許容できる管理負担は異なります。

イエコンには、親から相続した約120㎡の底地について、一般の不動産会社で売却が難しいと言われた方から相談がありました。月額地代は約1万5,000円で、古い契約書はあるものの、更新や承諾料の取り決めを十分に確認できない状態でした。

この相談では、地代の低さだけでなく、契約確認や購入後の管理負担も検討上の課題でした。売却先を探すには、物件情報だけでなく、確認できている契約内容と未確認の事項を整理して伝えることが重要です。※相談内容は個人を特定できないよう一部調整しています。

依頼先を変える場合は、現在の媒介契約の種類・期間・他社への依頼制限も確認してください。

契約書や地代の入金履歴など、買主の判断材料が不足していないか

資料不足が原因なら、価格を下げる前に、確認できる情報を増やすことが有効です。

優先して整理したいのは、借地契約書、更新時の覚書、地代の入金履歴、固定資産税・都市計画税の資料、預かり敷金、過去の交渉記録です。契約書がない場合は、何が不明なのかも一覧にします。

イエコンへの別の相談では、父親から相続した約150㎡の底地について、月額約3万円の地代に滞納がなく、契約書・更新合意書・入金履歴がそろっていました。借地人とも連絡が取れ、売却を急ぐ事情もなかったため、複数の方法を検討しやすい状態でした。

資料があれば高く売れるとは限りませんが、買主が不明点を理由に検討を止める可能性を減らせます。資料が不足していても相談はできるため、そろうまで売却活動を止める必要はありません。

相続登記・共有者の合意・境界など、手続きを妨げる問題がないか

買主が見つかっても、売主側の権利や売買対象を確認できなければ、引渡しまで進められないことがあります。

相続した底地では、売買による所有権移転登記に向けて、原則として前提となる相続登記が必要です。ただし、相続登記が未了だからといって、査定や売買契約の締結が一律にできないわけではありません。相続人や売却権限を確認し、登記の段取りを司法書士などと調整します。

共有名義の底地全体を売る場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。価格や時期についても先に認識を合わせましょう。

境界が不明な場合も、一律に測量が売却の必須条件になるわけではありません。買主が求める条件を確認し、必要な調査や費用負担を相談します。

参照:法務省「相続人申告登記について」、e-Gov法令検索「民法」

底地はいくらなら売れる?価格を判断するときの注意点

底地に一律の売却価格はなく、売却先・地代・借地契約・土地の条件によって変わります。

価格を判断するときは、次の3点を押さえましょう。

  • 借地人と第三者では、購入するメリットや価格の考え方が異なる
  • 相続税評価額や借地権割合だけでは売却価格は決まらない
  • 査定額だけでなく、費用を差し引いた手取り額を比較する

「どの金額を基準にすればよいか」を理解できるよう、それぞれ詳しく説明していきます。

借地人に売る場合と第三者に売る場合では価格の考え方が異なる

借地人は土地を所有するメリットを、第三者は主に収益や将来の売却可能性を踏まえて価格を判断します。

借地人には地代の支払いがなくなる利点などがあるため、第三者より高い価格で合意できる場合があります。ただし、購入資金や必要性によっては条件が合わず、借地人への売却が必ず最高値になるとは限りません。

第三者への査定では、年間地代、税金・管理費、滞納、契約の残存期間、土地の需要、権利調整の見込みなどが材料になります。業者には「いくらか」だけでなく、「何を評価し、何を減額要因としたか」を聞きましょう。

相続税評価額や借地権割合だけでは売却価格は決まらない

税金の計算に使う評価額と、買主が実際に支払う価格は別です。

国税庁は、定期借地権等を除く借地権の目的となっている貸宅地について、原則として自用地としての価額から借地権の価額を控除して評価する方法を示しています。自用地としての価額とは、借地権などの制約がないものとして求める税務上の評価額です。

参照:国税庁「貸宅地の評価」

この税務上の考え方を使い、「周辺の更地の売買価格×底地割合」で計算した金額が、そのまま買取価格になるわけではありません。

「借地権割合が60%だから、底地は更地価格の40%で必ず売れる」と考えず、実際の契約と収益に基づく査定を確認しましょう。

複数の査定を比べ、売却費用を差し引いた手取り額で判断する

売却先は、提示価格から費用や精算額、税金を差し引いた手取りと、売却条件を比べて選びましょう。

主な確認事項は次のとおりです。

比較項目 確認する内容
価格の確かさ 仲介の予想価格か、条件付きの買取提示額か
費用負担 仲介手数料、測量費、登記関連費用などを誰が負担するか
精算 地代、固定資産税等、敷金などをどう精算するか
売却時期 代金受領までに必要な調査・手続き・融資審査は何か
契約条件 価格変更や契約解除の条件、売主の責任範囲はどうなるか

個人が土地を売却した場合、原則として売却収入から取得費・譲渡費用などを差し引いた譲渡所得が課税の対象になります。売却代金全額にそのまま税率をかけるわけではありません。税額は取得費や所有期間などで変わるため、手取りを見積もる段階で確認しましょう。

参照:国税庁「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」

売れない底地を手放すための進め方と注意点

底地の売却は、資料と希望条件を整理し、相談先を決めてから借地人への連絡や契約準備を進めると、行き違いを減らせます。

  • 手元の資料を整理し、売却希望時期と条件を決める
  • 底地に詳しい不動産会社へ相談し、売却方法と条件を比較する
  • 借地人への連絡方法を調整し、無理な買取や立ち退きを求めない
  • 契約前に地代・敷金などの精算と引継ぎ事項を確認する

売却途中で話が止まらないよう、各段階の注意点を詳しく説明していきます。

手元の資料を整理し、売却希望時期と条件を決める

まずは分かる範囲の物件情報と、「いつまでに、何を優先して売りたいか」をまとめましょう。

借地契約書、地代の入金履歴、納税通知書、土地・建物の登記情報などがあれば相談が進めやすくなります。足りない資料は、不動産会社に取得の必要性を確認してください。

希望条件は、「価格を重視する」「相続や納税の都合で期限がある」「遠方で管理できない」「借地人との直接交渉を避けたい」など、具体的に伝えます。売却期限がある場合は、契約日だけでなく、代金を受け取る期限を共有しましょう。

底地に詳しい不動産会社へ相談し、売却方法と条件を比較する

相談先は、底地の取引経験に加え、査定根拠と対応できる範囲を説明してくれるかで選びましょう。

確認したいのは、似た条件の底地を扱った経験、仲介と直接買取のどちらに対応するか、借地人への連絡をどう進めるか、必要に応じて専門家と連携できるかです。

筆者が底地を査定する際も、土地の価値だけでなく、地代や契約内容、取得後の管理負担、借地人への売却や同時売却の可能性を確認しています。高い査定額だけを示す会社より、成立条件と難しい点まで説明する会社の方が、判断材料を得やすくなります。

イエコンでも、底地を含む訳あり物件の売却相談を受け付けています。他社で断られた場合は、分かる範囲でその理由や借地契約の状況をお伝えください。

借地人への連絡は相談先と調整し、買取や立ち退きを強要しない

借地人への連絡では、売却の相談と立ち退きの要求を混同しないことが大切です。

イエコンには、相続した底地を売る前に、地主が借地人へ立ち退きの話をしたことで相手の警戒が強まり、その後の話し合いが進みにくくなった相談がありました。

このケースでは、借地人への売却や同時売却を検討する前に、更地にする話が先行していました。売却方法を十分に整理せず連絡すると、本来検討できた方法の協議も難しくなることがあります。※相談内容は個人を特定できないよう一部調整しています。

購入意思を聞く際は、「売却を検討しているため、購入の希望があるか確認したい」と目的を伝えます。購入を断られても、買取や退去を繰り返し迫らないようにしましょう。

すでに争いがある場合は、先に不動産会社や弁護士へ経緯を共有し、誰が、いつ、何を伝えるかを決めることが重要です。

契約前に地代・敷金などの精算と引継ぎ事項を確認する

底地の売却では、土地の引渡しだけでなく、借地関係に伴うお金と情報の引継ぎが必要です。

売主・買主の間で、少なくとも次の事項を確認しましょう。

  • 地代をいつから買主が受け取るか、前払い分をどう精算するか
  • 未払い地代がある場合、その請求権をどう扱うか
  • 敷金・保証金の有無と、返還義務・精算の扱い
  • 固定資産税・都市計画税の精算条件
  • 契約書・覚書・過去の交渉記録などの引渡し
  • 借地人への所有者変更・振込先変更の通知方法

賃貸人の立場や敷金返還債務の承継には法的なルールがあります。未払い地代を含め、すべてが当然に同じ扱いで買主へ移るとは考えず、個別に確認してください。

参照:e-Gov法令検索「民法」第605条の2・第605条の3

売却の流れや必要な準備については、次の記事でも解説しています。

まとめ|底地が売れないときは原因に合わせて売却先と条件を見直そう

底地が売れないときは、借地人の意向、地代収入、契約資料、売出価格、依頼先を確認し、どこで売却が止まっているのかを整理しましょう。

借地人に購入意思と資金があれば借地人への売却、借地人も手放したければ同時売却が候補です。借地人に断られても、仲介による第三者への売却や、専門業者の買取を検討できます。

売却先は提示価格だけで決めず、手取り額、代金を受け取る時期、売主が行う準備まで比較することが大切です。

まずは手元の契約書や地代の入金履歴を整理し、底地に詳しい不動産会社へ「売れない理由」と「成立に必要な条件」を確認してみましょう。

底地が売れない場合のよくある質問

底地は借地人の同意がなくても売却できますか?

底地の所有権の売却は、原則として借地人の同意がなくても可能です。

ただし、売却しただけで借地人の権利が消えるわけではありません。借地人が買主に借地権を主張できる条件を満たしている場合などは、借地関係を踏まえた取引になります。

土地賃貸借では、一定の要件のもとで買主に賃貸人の立場が移ることが民法に定められています。契約上の特約や通知の段取りも確認し、所有者・地代振込先の変更で混乱が起きないようにしましょう。

参照:e-Gov法令検索「民法」第605条の2、e-Gov法令検索「借地借家法」第10条

借地契約書が見つからなくても売却できますか?

契約書が見つからなくても、ほかの資料で契約関係を確認し、売却を検討できる場合があります。

地代の入金履歴、更新時の覚書、手紙やメール、土地・建物の登記情報などを集めましょう。税金の資料は収支の確認には役立ちますが、それだけで借地契約の内容を証明できるわけではありません。

また、契約書がないから借地権もないとは限りません。借地権の種類によって契約に必要な形式も異なるため、専門家と確認を進めてください。

地代の滞納や借地人とのトラブルがあっても売却できますか?

滞納やトラブルがあっても、事情を確認したうえで購入を検討する業者はあります。ただし、価格や契約条件に影響し、買主が見つからない場合もあります。

滞納額・期間、支払いのやり取り、争っている内容、弁護士への相談状況などを整理して伝えましょう。「売却すれば未払い地代もすべて回収できる」とは限らないため、売買代金と滞納分の扱いは分けて確認します。

契約解除や明渡しを求めるべきかは、滞納の有無だけで判断せず、弁護士に相談しましょう。

専門の買取業者にも断られた場合はどうすればよいですか?

断られた理由を確認し、依頼先を変えるべきか、物件の条件を整理すべきかを判断しましょう。

対応地域外や業者の買取方針が理由なら、別の会社で検討される可能性があります。一方、共有者の合意不足、売主の確認ができない、深刻な契約上の争いなどが原因なら、先に必要な手続きを進めることが重要です。

値下げだけで解決するとは限りません。「それでも底地が売れないときに見直す4つのポイント」を参考に、断られた理由を一つずつ整理してください。

底地が売れない場合、そのまま持ち続けてもよいですか?

地代収入が安定し、税金や管理の負担を賄えるなら、保有を続ける選択もあります。

一方、赤字が続く、遠方で対応できない、将来の相続人が管理を引き継げないといった場合は、早めに売却や管理方法を検討する必要があります。保有を選ぶ場合も、契約書の保管、入金確認、借地人との連絡先の共有を続けましょう。

今の売却手取りと、保有を続けた場合の収益・負担を比べることが大切です。相続した底地では相続登記の義務にも注意が必要です。

参照:法務省「相続登記の申請義務化について」

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    更新日 : 2026年09月13日
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