固定資産税・都市計画税とは?
固定資産税や都市計画税といった税金は「地方税」に該当する税金です。
国が課税する国税に対して、地方税は地域の自治体によって課税されるため、税率などが地域ごとに異なります。
固定資産税や都市計画税の標準税率は国によって定められてはいますが、地域の財政状況などによって自治体が税率を調整することもあります。
固定資産税は土地や家屋を有している人に課せられる
固定資産税は昭和25年におこなわれた、地方税制度の改革にともなって創設された制度です。
土地や家屋などの固定資産を保有している人に対して課税される「財産税」です。
なお、固定資産税の標準税率は1.4%とされていますが、自治体によっては条例により異なる税率を採用している場合もあります。
参照:総務省「固定資産税制度について」
固定資産税の計算方法
固定資産税の税額は「固定資産評価額 × 1.4%(税率)」で求めることができます。
例えば、固定資産評価額が1000万円だとすると、14万円の固定資産税がかかることになります。
税率1.4%はあくまで原則として定められているもので、地域によって異なる場合があります。
ただし、実際の税額は軽減措置や負担調整措置などによって異なるため、上記はあくまで簡易的な計算例です。
固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する基準となる評価額のことで、各自治体が「固定資産評価基準」に基づいて決定します。
固定資産の評価は3年ごとに評価替えがされ、資産価格の変動に対して評価額が見直されます。
住宅用地には軽減措置がある
住宅が建設されている土地(住宅用地)は、固定資産税の負担が軽減されます。
自身が住む家だけではなく、セカンドハウスや賃貸住宅が建設されている土地も軽減措置の対象となります。具体的には以下のようになります。
| 住宅用地に係る課税標準の特例 |
| 200㎡以下の小規模住宅用地 |
課税標準を1/6に減額 |
| 200㎡を超える一般住宅用地 |
課税標準を1/3に減額 |
また、評価額が急激に上昇した土地に関しても課税標準額が調整されます。そのため、地価が上昇したからといって、翌年すぐに税額が大幅増加するとは限りません。
課税標準額・・・固定資産税を実際に算出するための基準となる金額です。基本的にどちらも課税の基準となる額なので金額は同じになりますが、軽減措置がされると固定資産評価額よりも低くなります。
実務上、古家を解体したあとに「固定資産税が急に高くなった」という相談は少なくありません。これは、建物を取り壊したことで住宅用地特例の適用が外れ、土地の課税標準額が上がることが主な理由です。解体前には、税負担への影響も確認しておくことが重要です。
都市計画税は市町村の財源を確保するために課せられる
都市計画税は、1956年に創設された市町村の「目的税」のことで、主に都市計画事業や土地区画整理事業などの財源を確保するための税金です。(現在は都市計画税と呼ばれています)
市街化区域内にある土地や建物を所有している人に対して、固定資産税とあわせて課税されるのが一般的です。
市街化区域・・・自治体が整備や開発、保全などを図り市街化していくと定めた地域
参照:国土交通省「都市計画制度」
都市計画税の計算方法
都市計画税は、一般的に「課税標準額 × 税率」で計算されます。都市計画税の税率には上限(制限税率)があり、地方税法では最高0.3%と定められています。
例えば、課税標準額が1,000万円、税率が0.3%の場合、都市計画税額の目安は年間3万円です。
ただし、実際の税額は住宅用地の軽減措置や自治体ごとの税率設定によって異なる場合があります。
また、都市計画税はすべての地域で課税されるわけではなく、自治体によっては課税していないケースもあります。実務上も、「固定資産税だけだと思っていたが、都市計画税も課税されていた」というご相談は少なくありません。特に、相続で不動産を取得した場合には、想定より維持コストが高く感じられるケースもあります。
なお、税率は自治体ごとに条例で定められており、0.3%より低い税率を採用している市区町村もあります。
都市計画税は「固定資産税と一緒に請求される」ため、納税通知書を見ても区別を意識していない方が少なくありません。実際には、納税通知書の内訳欄に「固定資産税」「都市計画税」が分けて記載されていることが多いため、一度確認しておくと土地の維持コストを把握しやすくなります。
底地も課税対象になる
土地や建物など不動産を所有している人は、固定資産税や都市計画税などの税金を支払う必要があります。
実際に弊社へ寄せられるご相談でも、「借地人が土地を使っているので税金も借地人が負担していると思っていた」というケースがありますが、税法上の納税義務者は原則として土地所有者となります。
また、底地は借地権が設定され、借地人が建物を所有して利用していることが一般的です。そのため、借地上の建物が住宅として利用されている場合には、住宅用地の特例によって固定資産税の軽減措置が適用されるケースがあります。
例えば、借地上に戸建住宅やアパートなどの居住用建物が建っている場合、小規模住宅用地の特例により、課税標準額が軽減されることがあります。
一方で、建物の解体や用途変更によって住宅用地特例の適用が外れると、翌年度以降の税負担が大きく増加する可能性もあるため注意が必要です。実務上も、古い借地建物の取り壊し後に「固定資産税が想定以上に上がった」という相談は少なくありません。特に、空き家解体後は税額が変動しやすいため、事前に自治体へ確認しておくことが重要です。
底地は、更地と比べて自由に利用・処分しづらい一方で、固定資産税などの維持コストは継続して発生します。そのため実務上は、「地代収入と税負担のバランス」を見ながら、保有継続・借地条件の見直し・売却などを検討される地主の方も少なくありません。
底地について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
底地の固定資産税はどのように確認する?
底地の固定資産税額は、納税通知書や縦覧制度などを利用して確認できます。
具体的には、主に以下の方法があります。
- 自分が底地を所有しているなら課税明細書で確認
- 購入予定の底地は縦覧制度で確認
今回はケースごとに、どのような方法で調べられるのか説明します。
自分が底地を所有しているなら課税明細書で確認
土地や建物などの不動産を自己所有している場合、課税明細書で固定資産税を確認する方法があります。
課税明細書は各市町村から届く固定資産税の納税通知書に添付されています。
また、不動産の種類や市町村によって課税明細書の様式が異なるので注意が必要です。
固定資産税額を知りたい場合、課税明細書の「固定資産税(相当)額」という欄を確認しましょう。
課税明細書の様式によって若干文言が異なる場合もありますが、基本的に「〇〇税相当額(円)」というような枠があります。同時に都市計画税額も確認できます。
自分が住んでいる地域の課税明細書の見方を詳しく知りたい場合は、各自治体がホームページで公開している資料を参考にするとよいでしょう。
参照:東京主税局「土地や家屋をお持ちの方へ」
近隣の土地の評価額は縦覧制度で比較できる
自身が所有する底地について、「評価額が高すぎないか」「近隣と比べて税負担が重くないか」と感じることもあるでしょう。
ただし、他人の納税通知書や固定資産税額を自由に確認できるわけではありません。
固定資産課税台帳には個人情報も含まれるため、原則として閲覧できるのは所有者本人など一定の権限を持つ人に限られます。
一方で、固定資産税評価額の適正性を確認するために、各自治体では「縦覧制度(縦覧帳簿の閲覧制度)」が設けられています。
縦覧制度を利用すると、近隣の土地や建物の評価額を比較できるため、自身の不動産評価が適正か確認する参考になります。なお、縦覧制度を利用できるのは、原則としてその自治体で固定資産税を納めている土地・建物の所有者(納税者)や、その代理人です。購入を検討しているだけの人は、所有者から委任を受けていない限り利用できません。
縦覧制度について
固定資産評価額などが決定すると、各市町村にある「固定資産課税台帳」に情報が登録されます。これらの情報は原則として、固定資産の所有者本人(納税者)にのみ開示できる情報となります。
ですが、一定期間内のみ「縦覧」によって、他人の固定資産税にかかる土地や家屋の価格を確認できます。
縦覧とは・・・固定資産税の納税者が台帳に登録された価格などについて適正かどうか、他の土地や家屋と比較できる制度です。
縦覧の実施にあたり、土地の所在や地番、地目、地積、価格などの情報が記載された「土地(家屋)価格等縦覧帳簿」が各自治体で作成されます。
納税者はこの帳簿を閲覧する形となります。個人の特定がされる情報などは一切載っていませんので、あくまで比較のみを目的とした制度となります。
また、縦覧できる人は原則として納税者本人ですが、委任状などを用意することで代理人による閲覧が認められる場合もあります。
縦覧の期間は市町村によって異なりますが、毎年4月上旬から1回目の納付期限までの間に実施されます。各自治体のホームページで情報を発信しているので確認するとよいでしょう。
参照:東京主税局「縦覧のお知らせ」
底地の固定資産税はどう納める?
ここまで、底地であっても固定資産税が課税されることを説明してきました。
実際には、どのように固定資産税を納めるのでしょうか。
次の項目から、固定資産税の支払い時期や支払い方法を紹介していきます。
固定資産税の支払い時期
固定資産税の支払い時期は各市町村が定める時期になります。
そのため、地域によって期限が異なりますが、基本的に年に4回納付する形となります。1回でまとめて全額支払うこともできます。
手元に届く納付書に支払期限が記載されているので、よく確認しましょう。
固定資産税の支払い方法
固定資産税の支払い方法は、自治体によってさまざまです。
指定の金融機関での支払い、コンビニエンスストアで使用できる振り込み用紙での支払い、クレジットカードを使ったオンライン決済など、最近は支払い方法の幅も広がってきました。
支払い方法を自由に選択することができる地域もあれば、あらかじめ指定されている地域もあります。
固定資産税などを支払わないとどうなるのか?
固定資産税に限らず、税金などの支払いが遅れると滞納扱いとなり延滞金が発生します。同時に役所からは「〇〇までに支払ってください」というような内容の督促状が届きます。
督促状が届いても無視し支払いをしない場合は、最終的に「差押事前通知書」が届きます。
これは「あなたの財産を差し押さえ、滞納分をその財産によって解消します」という意味を含んだ通知書になります。
赤い色の封筒は滞納処分の最終通告なので必ず早めに対応しましょう。
差し押さえの対象となる財産は、所有の家や土地などの不動産、給与や預金、解約返戻金のある保険などが当てはまります。
しかし、差し押さえなどが強制執行されるケースは、支払えないことに関して役所や自治体に何も相談をせずに無視をし続けた場合のケースです。
大抵の場合は、納付期限が遅れてしまった時点で役所の担当者などに相談をすれば、期限の先延ばしや分割での支払いなどの対応をしてくれますので、相談することが大事です。
まとめ
固定資産税や都市計画税は通常の土地と同じように底地にもかかってくる税金です。
そのため、底地を持つ地主は固定資産税などの知識はあらかじめ学んでおくとよいでしょう。地代を決める際や改定をおこなうときに税金の知識は必要になります。
税率なども地域によって違いがあるので、自分の住んでいる地域の自治体などに聞いてみるのもひとつの手段です。
固定資産税や都市計画税が高いなと思ったら、縦覧の制度を利用して他の土地と比較してみるのもよいかもしれません。毎年縦覧の期間が決まっているので、自治体のホームページなどから縦覧に関するお知らせをよく確認しておきましょう。
固定資産税などの税金の支払い時期や納付方法をしっかりと守り、滞納しないようにすることも大事です。滞納が続くと最悪の場合、財産が差し押さえられてしまう可能性があります。
支払いが難しい場合や納付期限を過ぎてしまう場合は、必ず役所や自治体の担当窓口に相談しましょう。
底地の固定資産税でよくある質問
そもそも、固定資産税とは?
固定資産税は、土地や家屋などの固定資産を保有している人に対して課税される「財産税」です。標準税率は全国一律1.4%となります。
都市計画税はいつ課せられる?
都市計画税は、市町村の財源を確保するために課せられます。市街化区域内にある不動産を所有しているときのみ、固定資産税と合わせて課税されます。
底地でも固定資産税は課税されるの?
底地も課税対象になります。なお、底地に建設されている建物が自家や賃貸住宅であれば、負担軽減措置を受けられます。
底地の固定資産税はどう確認する?
「自分が底地を所有しているなら課税明細書で確認」「購入予定の底地は縦覧制度で確認」といった方法で確認できます。
底地の固定資産税はどう納めるの?
固定資産税の支払い方法は、自治体によってさまざまです。もしも、固定資産税を滞納してしまうと、延滞金が発生するため注意しましょう。