火葬場や葬儀場に近い物件は売却できる?売らずに活用する方法も解説

火葬場

相続や家族構成の変化、転勤などを理由にマンションや一戸建てなどの不動産売却を検討している方もいると思います。しかし、それらの不動産の近くに火葬場や葬儀場があって不動産の売却に何らかの影響が出ないか気になっている方もいると思います。自殺や殺人などが発生した事故物件は、売却時になかなか買い手が見つからない、資産価値が低くなるなどのデメリットがありますが、火葬場や葬儀場近くの物件も同様なのでしょうか?

この記事では、火葬場や葬儀場近くの物件の相場がどの程度か、デメリット、売却方法などを分かりやすく解説します。

火葬場や葬儀場近くの物件の相場は?

火葬場
物件の売却を検討しているものの、火葬場や葬儀場近くの物件であるため、売却時に何らかの影響が生じないか気になっている方も多いと思います。物件で自殺や殺人があった、雨漏りやシロアリ被害が物件に生じていたという場合には物件に直接の影響があるため、物件の相場は周辺と比べて低くなるのが一般的です。しかし、葬祭業者が死亡者の火葬を行う葬祭施設である火葬場、葬儀社が死亡者の葬儀を行う葬祭施設である葬儀場が近くに存在しているというだけで、物件には何の瑕疵もありません。そのため、相場に全く影響が生じない場合もあります。

とは言っても、火葬場や葬儀場から「死」を連想するので縁起が良くない、煤煙や臭気などの居住環境が良くないという悪い印象もあり、価格に影響が生じる可能性があります。火葬場や葬儀場が物件と隣接している場合と少し離れている場合で、相場に違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

火葬場や葬儀場に隣接している場合

火葬場や葬儀場に隣接している場合、古い施設の場合は煤煙や臭気、照明設備や騒音などの影響を受ける可能性があります。しかし、最近は設備を新しくする、目隠しを設けるといった運営側の配慮が行き届いており、生活に与える影響は少なくなっています。そのため、ほとんど周辺の相場と違いはありません。しかし、施設が古い場合は環境に影響を与える可能性が高く「死」に関連する施設という印象から、相場が周辺と比べて10~20%程度低くなるケースも考えられるでしょう。

少し離れた場所に火葬場や葬儀場がある場合

暴力団事務所や線路の場合は、離れていても治安に問題がある、騒音が気になるなどの影響が考えられます。しかし、火葬場や葬儀場の場合は、離れていればほとんど影響がありません

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火葬場や葬儀場近くの物件のデメリット

火葬場
火葬場や葬儀場近くの物件を売却する際には、周辺の相場よりも低くなる可能性があります。なぜ、このように周辺の相場よりも低くなってしまうのでしょうか?それは、火葬場や葬儀場近くの物件にデメリットがあると考えられるためです。火葬場や葬儀場近くの物件のデメリットとして以下の3つが挙げられます。

・売買価格が安くなる
・気分が落ち込みやすくなる
・瑕疵担保責任を負う可能性がある

売買価格が安くなる

火葬場や葬儀場は「死」が関連する施設であるため、それらの施設が近くにあるということにあまり良い印象を抱かない人も多いと思います。全員というわけではありませんが、物件に興味を持っている人が気にする人だった場合には、売買価格を下げてアピールする必要があります。その結果、売買価格が他の物件より安くなる可能性があるでしょう。

気分が落ち込みやすくなる

葬儀場や火葬場に集まる会葬者は喪服姿で、暗い雰囲気になっているのが一般的です。また、物件が葬儀場や火葬場沿いにある場合には、霊柩車を目撃する機会も増えます。直接的に人の死に触れるというわけではありませんが、喪服姿の会葬者や霊柩車を見るたびに間接的に人の死に触れるため、気分が落ち込みやすくなります。

これらは、買主の購入意欲を下げる要因です。そのため、周辺の雰囲気や住み心地を気にする購入者に対してはケアが必要です。火葬場や葬儀場が近くても参列者が通らない場所であれば影響は少なく、小規模の場合には参列者がそこまで多くないこともあります。それらの情報を伝えてあげることがスムーズな売却につながるでしょう。

瑕疵担保責任を負う可能性がある

物件に何らかの瑕疵が潜んでいるにもかかわらず、買主に対して告知せずに売却した場合は、売主が瑕疵担保責任を負うのが一般的です。火葬場や葬儀場近くに物件があるということにはどのような瑕疵が潜んでいるのでしょうか?

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心理的瑕疵が潜んでいる

瑕疵は、物理的瑕疵と環境的瑕疵、心理的瑕疵の大きく3つに分類されます。物理的瑕疵とは、物件が雨漏りやシロアリ被害といった構造上の欠陥を有している状況です。環境的瑕疵とは、物件周辺に嫌悪施設が存在している状況です。嫌悪施設とは以下のような施設を指します。

・高速道路や線路
・ガソリンスタンドや暴力団事務所
・墓地や葬儀場
・ゴミ焼却場や火葬場

心理的瑕疵とは、物件内で過去に発生した自殺や殺人などです。殺人や自殺などが生じてから時間が経つと印象が薄れる、瑕疵の感じ方が人によって異なるのが心理的瑕疵の特徴です。環境的瑕疵に含まれていた墓地や葬儀場は心理的要素が大きいと言えます。そのため、心理的瑕疵を有しているとも考えられます。また、火葬場は煤煙や臭気などが懸念されていますが、設備の改善によってそれらがほぼ気にならなくなっているため、心理的要素が大きいと言えるでしょう。

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火葬場と葬儀場で異なる

葬儀場は心理的瑕疵を有していると言える一方で、火葬場は設備の新旧で環境的瑕疵か心理的瑕疵かの判断が分かれると言えます。古い施設の場合には、大型炉で死亡者を火葬した際に煤煙や臭気が生じる可能性があります。また、焼骨した遺骨を収骨後に発生する残骨灰処理の際に灰が舞い散る、火葬の際の安全性が確保されていない可能性も。そのような火葬場の場合は、煤煙や臭気の関係で洗濯物を外干しできない、窓を開けることができないなど、日常生活に支障が生じる可能性が高いと言えます。

しかし、新しい施設の場合は、煤煙や臭気に対する対策が練られているため、これらの問題が生じる可能性はほとんどありません。そのため、火葬場が物件の近くにある場合には、施設がいつできたか、周辺住居への影響がないかを事前に確認することが重要と言えるでしょう。

契約解除の可能性は低い

物理的瑕疵と心理的瑕疵の中でも自殺や殺人など物件に瑕疵が潜んでいるケースでは、修補が不可能、物件を購入した目的を達成できないと判断された場合は、契約解除が認められるのが一般的です。しかし、その他の心理的瑕疵や環境的瑕疵の場合は、物件そのものに瑕疵が存在するわけではありません。物件を購入した目的を達成できないと判断される可能性は低いため、契約解除が認められる可能性も低いと言えるでしょう。

損害賠償の可能性はある

所有している物件周辺に葬儀場や火葬場があっても、告知義務を満たしていないという理由で損害賠償請求が認められる可能性は低いです。しかし、実際に、火葬場や葬儀場が存在することで周辺住民に何かしらの影響を与えている場合には、告知義務を果たさなかったことで損害賠償請求が認められる可能性があります。損害賠償が認められるとしても、自殺や殺人などの心理的瑕疵、雨漏りやシロアリ被害などの物理的瑕疵よりも影響力が小さいので売却価格の10~20%程度です。

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火葬場や葬儀場近くの物件を売る方法とは

コインパーキング
火葬場や葬儀場近くの物件には上記のようなデメリットがあります。そのため、売却しようと思っていても、なかなか買い手が見つからない、査定結果が低くなる可能性があるので注意が必要です。しかし、火葬場や葬儀場近くの物件が有するのはほとんどが心理的瑕疵なので、人によっては全く気にしない可能性もあります。どのように売却を進めるのが良いのでしょうか?火葬場や葬儀場近くの物件を売る方法について詳しく見ていきましょう。

そのままの価格で売却する

火葬場や葬儀場に近いという理由で価格を下げるのではなく、まずそのままの価格での売却をおすすめします。不動産会社に査定を依頼して査定結果と周辺の取引事例などから売出価格を決定します。火葬場は住宅から離れている可能性が高いですが、葬儀場は利便性を考慮して商業施設近くに建設されているのが一般的です。つまり、葬儀場に近い物件は、スーパーに近い、コンビニに近いなど、生活環境が優れている可能性が高いと言えます。

また、あくまでも火葬場や葬儀場に近いというのは心理的瑕疵で、全ての人の共通の瑕疵とは言い切れません。一度下げてしまうと元の売出価格に戻すことは容易ではないため、最初から一般的な価格で物件を売りに出した方が良いと言えるでしょう。

宅地として売却できない可能性があるので注意

所有しているのが土地の場合、火葬場近くの物件を宅地として売却できない可能性があるので注意が必要です。「墓地、埋葬等に関する法律」には、火葬場や墓地、納骨堂といった施設の建設規制があらかじめ定められていますが、葬儀場に関する定めはありません。通夜や告別式のみを行う葬儀場は、都市計画法や建築基準法上は集会場として扱われるため、第一種・二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域以外であれば、住宅地であっても建築できます。

しかし、火葬場は自治体の許可を経て初めて建築できる施設であるため、都市計画法上の用途地域外で建物を建設できないエリアの可能性があります。そのため、宅地として利用できない土地であれば、さらに買い手が見つかりにくい、売却価格が低くなる可能性があるので注意が必要です。

価格を下げて売却する

そのままの価格で売りに出していてもなかなか売れない場合は、価格を下げて売却するという方法を選択することになります。心理的瑕疵は物件そのものに瑕疵があるわけではないため、価格を下げることによって購入希望者が現れる可能性を高めることが可能です。売出価格を頻繁に変更することはできず、また一度下げた売出価格を元に戻すことも基本的にできません。最初の価格設定が重要になるため、信頼できる不動産会社にどのような売出価格にするか、よく相談してから売りに出しましょう

葬儀場に駐車場として売る

東京といった地価が高く余っている土地が少ないエリアの葬儀場の場合には、施設はあっても駐車スペースが十分に確保できていない場合があります。そのような葬儀場や火葬場が近くにある場合には、駐車場として土地を売却することも選択肢の1つです。建物が残っている場合には解体費用、整地する費用などを売主と買主のどちらが負担するのか事前に話し合わなくてはなりません。心理的瑕疵を有するという理由で宅地として買い手が見つからない場合の代替案にするとよいでしょう。

コインパーキングにする

葬儀場に駐車場として土地の売却の話を持ち掛けたとしても、葬儀場が土地を買い取るほどの資金を有していない場合があります。そのような場合には、コインパーキングにすることも選択肢の1つです。葬儀場や火葬場の利用者から駐車場の利用料金を徴収できるため、葬儀場や火葬場がある限り安定した収入が期待できます。ただし、需要が葬儀場や火葬場だけに限られている場合には、リスクが高くなります。コインパーキングを手掛ける業者に市場調査をお願いするなど、下準備をしっかり行いましょう

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コンビニ用の土地として貸し出す

周辺の住民や火葬場・葬儀場の利用者の需要が期待できることから、コンビニ用の土地として貸し出すことも選択肢の1つです。コンビニ用の土地として貸し出す場合、事業用定期借地権と呼ばれる制度を利用します。事業用定期借地権とは、10年以上50年未満の範囲で事業用の土地として土地を貸し出して使用料金を徴収する制度です。

契約は必ず公正証書と呼ばれる書類で行う必要があります。10年以上30年未満、30年以上50年未満の契約では、建物の買取請求権の有無に違いがあります。長期的な契約になるため、契約後のトラブルを避けるためにも、事業用定期借地権に詳しい専門家に事前に相談した方が良いと言えるでしょう。

早く売りたい場合は買取業者に依頼する

物件の購入希望者は、少しでも物件を安く手に入れたいと考えるのが一般的です。そのため、火葬場や葬儀場に近いという理由で値下げを要求してくる可能性があります。また、やはり火葬場や葬儀場に近いという心理的瑕疵と環境的瑕疵の影響を受けて、なかなか購入希望者が見つからない可能性も。そうなると、固定資産税や都市計画税、マンションでは管理費や修繕積立金などの費用がかかります

買取業者は、不動産仲介業者のように買主を探すのではなく、買取業者が直接売主から不動産を買い取ります。仲介するわけではなく、直接買主になってくれるため、少しでも早く売りたい方にはおすすめです。また、買主を仲介するわけではないため、仲介手数料が発生しません。仲介手数料分の支出を抑えることで高く売ったのと同様の効果が得られるため、少しでも高く売りたい方にもおすすめと言えるでしょう。

まとめ

物件の近くに火葬場や葬儀場がある場合、売却価格に影響が出るのか気になっている人も多いと思います。物理的瑕疵や自殺・殺人が生じたという心理的瑕疵の場合、建物自体が瑕疵を有しているため、売却価格への影響が大きいと言えます。しかし、火葬場や葬儀場に近いというだけでは、建物自体に影響を与える可能性が低いため、売却価格にほとんど影響がないのが一般的です。

とは言っても、物件を探している人の中には火葬場や葬儀場に近いという状況を好まない人もいます。そのような人には、周辺相場よりも低く物件を売却しなければならない、宅地としてではなくそれ以外の用途として売却または貸し出す必要があります。スムーズに売却を進めるためにも事前にどのような方法があるのか把握しておくことが重要と言えるでしょう。

最終更新日:
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