
道路が行き止まりになっている状態を「袋小路」といいます。
袋小路にある家の場合、建築基準法上の接道義務を満たしていなければ、建物の新築・建て替えができないので、売却価格が大幅に下がってしまうことが多いです。
その場合、例えば隣地の一部を買い取り接道義務を満たせば新築・建て替え可能な状態にできるため、袋小路にある家を通常物件として売却できます。ただし、隣地の購入にはまとまった資金が必要なため、個人でおこなうにはハードルが高いでしょう。
袋小路にある家を費用をかけず確実に売却したいなら、専門買取業者に買取してもらうとよいでしょう。
専門買取業者なら、買取後に提携している弁護士へ依頼して隣家と交渉してもらい、隣地を格安で買い取って新築・建て替えができる状態にすることも可能です。新築・建て替えができる状態にした後は、通常物件として高額で転売できるため、接道義務を満たしていない物件もそのままの状態で買い取ってくれます。
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袋小路とは「道路が行き止まりになっている土地」のこと
袋小路とは、行き止まりになっており、袋のように出入り口が1つしかない路地をいいます。
「袋小路の土地」という場合は、一番奥まったところにある土地を指すのが一般的です。上図でいえば、D・Eが「袋小路の土地」です。
また、もう少し広く解釈して、前面道路が袋小路になっているところをまとめて「袋小路の土地」ということもあります。上図でいうとA~Hまで、すべての土地があてはまります。
袋小路の土地を売却するときは、最初に袋小路特有のメリット・デメリットを把握しておきましょう。
袋小路における土地のメリット4つ
袋小路の土地はその構造上、通行する人が「居住者」か「居住者の来客者」に限られます。
そのため、具体的に下記4つのメリットが得られます。
- 子供が家の前で遊ぶときに安心
- 排気ガスや騒音に悩まされない
- 不審者がいたらすぐに気づく
- 周囲の視線を気にせず生活できる
購入希望者に対して上記のメリットをアピールできれば、スムーズに契約へ進めることもできるでしょう。
1.子供が家の前で遊ぶときに安心
袋小路には車がほとんど入ってきません。そのため、家の前で子供を遊ばせていても、事故にあう可能性は低くなります。
目の前に車の往来がある土地より、安全性は高いといえるでしょう。
ただし、子供が表通りへ急に飛び出すことで、事故につながる恐れはあります。小さい子供を遊ばせる場合は、とくに注意が必要です。
2.排気ガスや騒音に悩まされない
車の往来がないので、車の多い道路に面している土地と比べて、排気ガスは少なくなります。
トラックなどの大型車が来ることもなく、騒音も少ないでしょう。
排気ガスや騒音に悩まされることなく、静かに暮らすことができます。
3.不審者がいたらすぐに気づく
袋小路に建っている家が戸建て住宅ばかりであれば、近隣の住民も自然と把握しやすくなります。人数も限られるので、袋小路に入ってくる人の顔はある程度覚えられているでしょう。
そのため、顔馴染みのない人が袋小路に入ってくると目立ちます。不審者がいればすぐに気づけるので、空き巣などの犯罪被害を防ぎやすいでしょう。
ただし、見通しが悪い場合は犯罪者も隠れやすいといえます。日頃から周囲に気を配り、小さな異常や変化も見落とさないようにしましょう。
4.周囲の視線を気にせず生活できる
袋小路の行き止まり部分に家がある場合、家の前まで人が来ることは滅多にありません。
正面以外の三方向は隣家に囲まれるため、通行人が家を覗いてくる可能性は低くなります。
他人の視線をほとんど気にする必要がないので、一般的な物件に比べて視線に対するストレスを感じずに生活できます。
袋小路の土地におけるデメリット3つ
次に、袋小路の土地におけるデメリットを3つ紹介します。人や車の行き来が少ない袋小路だからこそのデメリットがあります。
- 車庫入れ・車庫出しがしにくい
- 家の前が井戸端会議の場所となり付き合いに悩む
- 火災や地震などの災害があったときに避難しにくい
人によっては非常に気になるポイントなので、売却活動に支障が出る場合もあるでしょう。
1.車庫入れ・車庫出しがしにくい
袋小路は狭い道であることが多く、車同士のすれ違いが難しいケースも多々あります。
頻繁に車を使う人にとっては、大きなマイナスポイントです。
また、近隣の家が道路にはみ出す形で駐車しているケースや、宅配便などの大型トラックが一時駐車しているケースもあります。
その結果、車庫入れ・車庫出しの邪魔になり、車がいなくなるまで自分が出られないという状況もありえます。
2.家の前が井戸端会議の場所となり付き合いに悩む
車の通りが少ないというのは、子供だけでなく、大人にとっても安全な場所です。
そのため、周囲の住民が集まり、井戸端会議の場になってしまうケースがあります。
自分も井戸端会議に参加するのであればデメリットというわけではありませんが、近所付き合いが苦手な人にとっては苦痛といえるでしょう。
3.火災や地震などの災害があったときに避難しにくい
袋小路は逃げ場所が少なく、災害時に避難しにくいといえます。
例えば、袋小路の入り口側で火災が発生したり、地震でブロック塀や建物が倒壊したりしたときには、その奥にある家は避難が難しいでしょう。
対策としては「庭に木戸を設置して避難経路にする」「塀ではなく生垣を設置して緊急時に突き破りやすくする」といった工夫があります。
袋小路の道路が私道の場合は売却が困難になる
広大な敷地を宅地として開発していた場合、袋小路の前面道路が私道であるケースもあります。
前面道路が私道であっても、私道持分(共有名義の資産における各共有者の所有権)があれば、とくに問題にはなりません。
しかし、私道持分を持たない場合は、他人の土地を通行させてもらっている状態です。
通行は可能であっても、ガス管や水道管の引き込み・修理で掘削が必要なときには、私道所有者に掘削承諾を得る必要があります。
そのため、道路が私道になっている場合には、袋小路の土地と私道持分を同時に売り出さなければ、売却できない可能性があります。

袋小路の土地を評価する3つの方法
袋小路の土地を評価するときに使われる方法は、主に以下の3つです。
- 取引事例による評価
- 公示価格による評価
- 路線価による評価
もっとも売り出し価格の参考にしやすい評価方法は、取引事例によるものです。しかし、近隣で同じ条件の取引事例を見つけられるとは限りません。
そのため、公示価格や路線価による評価をもとに、売却価格を算出することも一般的です。
ただし、どの評価方法も個別事情による評価の増減や、奥行き補正・不整形地補正といった専門知識が必要です。評価する際は、不動産鑑定士や不動産業者へ相談するとよいでしょう。
1.取引事例比較法による評価
実際の取引事例にもとづいて評価する方法です。この評価方法は、所在地の周辺地域で条件の近い複数の売却事例を集めることが重要です。
そのうえで、形状や周辺環境、方位などの個別要素を比較検討し、土地の評価をおこないます。どれだけ近い条件の事例を選べるかで、土地の評価の正確性が決まります。
国土交通省が運営する「不動産取引価格情報検索」というWebサイトで、取引事例の参照が可能です。地域別に、実際に売買契約が成立した金額などを調べられます。
2.公示価格による評価
公示価格とは、国土交通省の土地鑑定委員会が公表する、土地価格の目安です。全国で標準値を選定し、毎年1月1日時点の不動産状況を基準に鑑定します。
国土交通省の「標準地・基準地検索システム」というWebサイトで確認できます。都道府県、市または区を選び、調査年や用途区分で絞り込むことも可能です。
下図は東京都・八王子市の住宅地で絞り込んだものです。
上の図では、この地域の公示地価が11万2,000円/㎡であるとわかります。そのため、袋小路にある家の土地面積が150㎡だった場合には、1,680万円という評価になります。
ただし、離婚や相続による売り急ぎなど、物件取引の個別事情は考慮されていません。
急いで売却する必要があるならば、売り出し価格は公示価格を参考に算出した金額よりも20%程度下げる必要があるでしょう。
3.路線価による評価
路線価とは、国税庁が発表している土地の評価基準です。各道路に「宅地1㎡あたりの評価額」を設定し、その道路に接している宅地を評価します。
相続税や贈与税などを計算するための基準ですが、金融機関がローンを組むときなどの担保評価でも参考価格として使用されます。
また、路線価はおおむね、公示価格の7割程度を目安に設定されます。
下図は、ある地域における路線価図の例です。
数字は千円単位で記載されるため、上図のように「260D」と表記されていれば、1㎡あたり26万円ということです。
家の敷地が150㎡だった場合、3,900万円が路線価をもとにした評価額となります。
ただし、袋小路にある土地の場合、前面道路に路線価が設定されていないケースもあります。
路線価は不特定多数の人が通行する道路に対して設定されるもので、特定の人しか使用しない道路には設定されないからです。
そのため、袋小路のような専用通路も宅地の一部として評価します。

接道義務を満たしていない土地は評価が5~7割程度まで下がる
袋小路の道幅や間口が狭く、建築基準法で定められた接道義務を満たしていない場合、売却は難しくなります。
敷地と道路の接続に関するルール。基本的に「敷地が幅員4mの道路に、間口2m以上接すること」が建築の条件となる。
接道義務を満たしていない不動産は「再建築不可物件」となり、建物の新築や建て替えができません。また、銀行の住宅ローンも使えなくなってしまいます。
そのため、路線価などを参考にした評価額で売り出しても、買主はほぼ見つかりません。価格を5~7割程度まで下げるケースが多く、それでも売れない可能性があります。


接道義務を満たしていない土地は「再建築不可物件の専門買取業者」に売却
接道義務を満たしていない再建築不可物件は、老朽化が進んでも建て替えが認められないため、将来資産価値が著しく下がることが分かっている物件です。
そのような物件の購入を希望する人は少ないため、再建築不可物件は需要が低く、セットバックや隣地の購入などで接道義務を満たしてからでないと、買主が見つからないケースがほとんどです。
とはいえ、セットバックも隣地の購入も実施するにはまとまった費用が必要であり、費用をかけても確実に買主が見つかるとは限らないため、再建築不可物件は不動産業者でも扱いが難しく、大手の不動産会社や一般の仲介業者では、取り扱いを断られるケースも少なくありません。
そのため、売却するときは「再建築不可物件を専門に取り扱う買取業者」に相談しましょう。
専門の買取業者なら、例えば提携している専門業者へセットバックに必要な登記手続きや測量を格安で依頼できます。セットバックを実施して再建築可能になった袋小路にある家は、高値で転売できるため、再建築不可物件を「現状のまま」買い取ってくれるのです。
さらに、売却に伴う面倒な手続きについても、買取業者のサポートが受けられるので大部分を省略できます。
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袋小路の家を高く売る3つの方法
最後に、袋小路の家を高く売る方法について解説します。
具体的には下記の3つがあげられますが、多少の費用が必要な場合もあります。自分の状況に適した方法を選択しましょう。
- 通常の不動産売却と同じように家の印象を良くする
- 更地にして隣人に売る
- リノベーションして売る
1.通常の不動産売却と同じように家の印象を良くする
接道義務を満たしていれば、高く売るポイントは通常の物件とほとんど変わりません。内覧時には家を綺麗にして、家の印象をよくすることが大切です。
とくに、キッチンやトイレなどの水回りは、購入希望者の印象にも残りやすいので重点的に掃除しましょう。
家だけでなく、内覧時の対応でも印象が変わります。明るく対応し、袋小路の家だからこそのメリット・デメリットも、これまで住んでいた実感から誠実に伝えましょう。
メリットだけでなくデメリットも伝えることで、後々のクレームに発展することを防げます。
2.更地にして隣人に売る
接道義務を満たしていない土地は、基本的に資産価値が低いといえます。そのため、高く売る以前に、買主を見つけることが大きな課題です。
しかし、隣地の所有者なら高額で買い取ってもらえる可能性があります。
なぜなら、土地をまとめて面積を広げることで、全体的な価値を高める効果があるからです。
また、隣地も接道義務を満たしていない場合、購入することで接道義務を満たせるようになるケースもあります。
そうなれば、隣地所有者にとって買い取る価値はますます高くなります。場合によっては、相場より高い金額で購入してくれる可能性もあるでしょう。

3.リノベーションして売る
再建築不可物件でも、建築確認申請が不要なリノベーションは可能です。
築年数が古くても、リノベーションをすることで資産価値を高められます。
ただし、リノベーションにかかる費用を回収できるか、事前の試算は必要です。
不動産会社などに相談し、リノベーションによる価値の増加と、必要な費用のバランスを検討しましょう。

まとめ
袋小路にある土地はメリット・デメリットの両方がありますが、決して人気があるとはいえないのが実情です。
とくに、接道義務を満たしていない場合、なかなか売却できません。
接道義務を満たしていない状態で高く売ろうと思えば、隣地所有者へ買取を提案するか、再建築不可物件を専門に扱う買取業者に売却しましょう。
建築不可物件の専門買取業者なら、最短数日での現金化も可能です。なるべく早く売却したいという場合は、ぜひ相談してみましょう。
袋小路にある土地についてよくある質問
袋小路の土地とは、道路が行き止まりになっている先の土地のことです。前面道路の幅員が狭く、使い勝手が悪い場合が多いです。
「子どもを安心して家の前で遊ばせられる」「排気ガスや騒音が少ない」「不審者に気づきやすい」「周囲の視線を気にせず生活できる」といったメリットがあります。
「車の出し入れが不便」「家の前で井戸端会議が起こりやすい」「災害時に逃げにくい」といったデメリットがあります。
基本的には一般的な相場と変わりません。ただし、袋小路にある土地が接道義務を満たしていない場合は「再建築不可物件」となり、7~5割程度まで価格が低くなります。
更地にしてから隣人に売ることで、高く売れる可能性が上がります。また、再建築不可物件の場合は、専門の買取業者に買い取ってもらうことで、高額かつ最短数日での現金化が可能です。→ 【最短12時間の無料査定!】再建築不可物件の専門買取業者はこちら