アパート経営やマンション経営を行っている投資物件オーナーの中には、賃貸会社選びに失敗して、どうすればいいか悩んでいる方も多いと思います。賃貸管理会社選びに失敗した場合は、空室リスクが高くなる、入居者トラブルが増えるなど不動産投資に悪影響を及ぼす可能性があります。では、なぜ賃貸管理会社選びを失敗するのでしょうか?
この記事では、賃貸管理会社選びを失敗する主な理由と失敗した場合の対応方法について分かりやすく解説します。
アパート経営やマンション経営を行っている投資物件オーナーの中には、賃貸会社選びに失敗して、どうすればいいか悩んでいる方も多いと思います。賃貸管理会社選びに失敗した場合は、空室リスクが高くなる、入居者トラブルが増えるなど不動産投資に悪影響を及ぼす可能性があります。では、なぜ賃貸管理会社選びを失敗するのでしょうか?
この記事では、賃貸管理会社選びを失敗する主な理由と失敗した場合の対応方法について分かりやすく解説します。
副業として不動産投資を行うサラリーマン投資家は、本業と両立しなければならないため、管理業務を賃貸管理会社に委託しているのが一般的です。賃貸管理会社は大家さんから委託を受けた物件の管理を行うことによって、管理委託費を受け取ることができます。管理委託費は、家賃収入の何%と決められているケースが多く、管理会社は空室対策をしっかり行って入居率を上げれば、管理委託費を増やすことが可能です。
そのため、基本的には管理業務をしっかりと行ってくれる賃貸管理会社が多いと言えます。しかし、中には入居者募集業務にそこまで力を入れていない、家賃滞納者へのアプローチや入居者対応をしっかりと行わない賃貸管理会社もあるので注意が必要です。賃貸管理会社選びを失敗する主な理由として以下の3つが挙げられます。
賃貸管理会社を選ぶ際、知名度で選ぶ経営者がいます。大手賃貸管理会社はCMで目にする機会も多いため、その知名度の高さから入居者募集時に有利と言えます。しかし、大手賃貸管理会社だからと言って必ずしも管理が優れているとは限りません。会社の規模が大きいということは、メリットでもあり、デメリットでもあります。例えば、管理業務が組織化されているので管理サービスの質が高く魅力的と言えますが、部署間の引き継ぎや承認に時間がかかるため、対応へのスピード感に物足りなさを感じる可能性があります。
また、ある程度の信頼関係を担当者と築くことができても、社内間の異動によって担当者が急に変わる可能性も。担当者が変わった場合は、対応のきめ細かさや提案などのサービスに物足りなさを感じる可能性があるので注意が必要です。「大手だから安心」と大手という理由だけで委託するのではなく、総合的に判断することが重要と言えるでしょう。
営業担当者に管理業務について相談したところ、相談に乗ってくれた営業担当者の印象が良く、「この人であれば任せても安心だ」と管理を委託する経営者もいます。不動産経営は、短期的に行うものではなく、基本的には長期的に行うものなので、長期的なパートナーとしてともに不動産経営に携わる賃貸管理会社の印象はとても重要です。しかし、相談に乗ってくれた営業担当者が必ず物件の担当になってくれるとは限りません。
また、相談に乗ってくれた営業担当者が担当になってくれたとしても、異動や退職と言った理由で担当が変わる可能性もあります。変わった担当者がしっかりしていれば問題ありませんが、そうでない場合は不動産経営に影響を及ぼしかねません。そのため、入居者の募集方法やトラブルへの対応方法が担当者で異なるのではなく、賃貸管理会社内で統一されているのかを確認する必要があります。また、担当者が変わってもスムーズに対応できるように、管理物件の経営状況やトラブルの発生状況などの情報共有が社内間でしっかりとできているかも重要です。賃貸管理会社を選ぶ際は、これらのポイントも確認しておくと良いでしょう。
不動産経営を行っている経営者の中には、自宅の近所または物件から近いから、知り合いの賃貸管理会社だから安心などの理由で賃貸管理会社を選ぶ方もいます。もちろん、自宅や物件から近いと相談しやすく、知り合いの賃貸管理会社であればより良いサービスを受けられる可能性もあります。管理委託費が高く設定されていても、それに見合うほどに業務をしっかりと行ってくれる賃貸管理会社であれば問題ありません。
しかし、調査や比較を行わないまま賃貸管理会社を選んだ場合、管理委託費が他の賃貸管理会社よりも高く設定されている可能性もあるので注意が必要です。他の賃貸管理会社と同じ業務内容であるにもかかわらず、管理委託費が高い場合は無駄な支出で不動産経営に影響を及ぼす可能性があります。そのため、賃貸管理会社を選ぶ際には調査や比較を行うことが必須と言えるでしょう。
入居者募集能力が低い、空室に対する提案力がない、管理が行き届かず入居者の退去が多い賃貸管理会社を選んだ場合は、不動産経営に影響を及ぼしてしまいます。そのため、影響を少しでも抑えるには、なるべく早く賃貸管理会社を変更した方が良いと言えます。賃貸管理会社を変更する際の手順は以下の通りです。
賃貸管理会社に物件の管理を委託する際には、賃貸住宅管理契約書を交わします。その賃貸住宅管理委託契約書に、途中解約に関する旨が記載されている場合、その内容に従って契約解除を進めます。そのため、賃貸管理会社を変更する際は、まずは現在の賃貸管理会社との契約内容の確認が必要です。賃貸管理会社の賃貸住宅管理委託契約書は、国土交通省の賃貸住宅標準管理委託契約書に基づいて作成されているのが一般的です。賃貸住宅標準管理委託契約書とは、物件所有者が賃貸管理会社と交わす契約書のモデルを指します。
賃貸住宅標準管理委託契約書は、相手方に対して少なくとも3カ月前に解約の申し入れを行うことが盛り込まれています。そのため、基本的には解約を申し入れれば、3カ月後には管理委託契約を解除することが可能です。もし、異なる期間が記載されている場合はその内容に従い、何も記載されていない場合には賃貸住宅標準管理委託契約書に従います。賃貸住宅管理委託契約書の内容によって対応が異なるため、しっかりと確認することを忘れないようにしましょう。
管理委託契約書の内容を確認後、現在の賃貸管理会社に解約を申し出ます。賃貸管理会社に解約を申し出るのが先か、新しい賃貸管理会社を探すのが先かは判断が難しいと言えます。現在の管理会社に解約を申し出てから次の管理会社を探す場合は、時間に余裕がないので少し急いで選ぶ必要があります。反対に新しい管理会社を決めてから解約した場合は、焦る必要がないので安心です。賃貸管理会社を少しでも早く変更することを優先したいのか、じっくりと賃貸管理会社を選ぶことを優先したいのかよく考えてから手順を決めましょう。
次の賃貸管理会社を探す際のポイントは次の見出しで詳しく触れますが、賃貸管理会社と一口に言っても数多くの不動産会社があり、1社に絞ることはなかなか容易ではありません。そのため、少しでもスムーズに次の賃貸管理会社を決めるためにも、現在の賃貸管理会社にどのような不満を抱いていてどのように改善したいのかを明確にしておくことが重要です。
例えば、悪質入居者への対応がしっかり行われていないことが原因でクレームが発生して空室率が高い、入居付けがうまくできておらず空室がなかなか埋まらないなどです。このような場合、入居審査や入居者退去に至る前にクレーム対応をしっかり行っているかチェックすることが重要です。また、広告をうまく駆使しながら入居募集を行っているかも重要なチェック項目と言えます。次の賃貸管理会社に求めることをあらかじめ明確にしておけば、賃貸管理会社を選ぶ際の時間と手間をうまく省くことができるでしょう。
新しい賃貸管理会社が決まって申し込んだ後は、現在の賃貸管理会社との間で引き継ぎを行ってもらいます。引き継ぎでは、現在の賃貸管理会社が保管中の物件資料や入居者資料の引き渡し、賃貸管理会社が賃借人の連帯保証人として保証会社と契約している場合は移管手続きなどが行われます。これらの管理会社間で行われる引き継ぎがうまくいかない場合には、その後の管理業務に支障が生じる可能性があるので十分に注意が必要です。管理会社間の引き継ぎでトラブルが発生しやすいのは、賃貸管理会社の繁忙期の1~3月や9月・10月に解約が重なった場合です。この時期を避ければ、賃貸管理会社も余裕を持って引き継ぎに臨むことができるため、引き継ぎのトラブルを少しでも抑えられるでしょう。
賃貸管理会社を変更する際には、賃貸管理会社間だけでなく、入居者にも負担がかかるので入居者に管理会社変更を通知して理解を求める必要があります。入居者の負担として家賃の振込口座変更と新しい保証会社との契約の2つが挙げられます。家賃の振込口座変更は、うまく通知が行き届いていなければ以前の賃貸管理会社の口座に家賃を振り込む入居者が出てしまうので注意が必要です。また、振込口座が変わることで振込手数料がかかる入居者もいるため、手数料のかからない口座を開設する入居者に対しては、数回分の手数料をオーナーが負担するといった配慮が求められます。保証会社は移管手続きで対応できるケースもありますが、ほとんどできません。そのため、入居者には新たな保証会社と契約する、連帯保証人を付けてもらうという負担が生じます。
次の保証会社と保証契約する際は費用が発生します。費用が入居者負担になると、一方的な自己都合の賃貸管理会社変更なので、不満が募って退去者が出る可能性があるので注意が必要です。そのような事態を避けるためには、オーナーが全額負担する、話し合いで一部をオーナーが負担するなどの入居者の不満を和らげる対応が必須と言えるでしょう。
賃貸管理会社選びで一度失敗したのであれば、次は絶対に失敗しない賃貸管理会社選びを行う必要があります。賃貸管理会社を選ぶ際のポイントとして以下の3つが挙げられます。
アパートやマンションといった収益物件は、空室リスクと隣り合わせです。特に1室だけのマンション投資を行っている場合は、家賃収入があるかないかのどちらかであるため、空室リスクが高いと言えます。安定した賃貸経営を行うには、積極的に入居者募集を行って高い入居率を維持してくれる賃貸管理会社を選ぶことが重要です。入居者の募集方法は賃貸管理会社ごとに異なります。
例えば、物件情報が盛り込まれた冊子を発行して駅や駅近くのコンビニに設置する、新聞に広告を掲載する、賃貸管理会社のホームページに掲載するなどです。しかし、インターネット環境が整ったこともあり、現在はほとんどの人がインターネットで物件を検索しており、冊子や新聞広告はほとんど意味がありません。また、賃貸管理会社のホームページも知名度の高い賃貸管理会社だと効果が期待できますが、中小規模であればほとんど効果が期待できないと言えます。
最近は不動産ポータルサイトに広告を掲載するのが一般的です。そのため、賃貸管理会社を選ぶ際には不動産ポータルサイトに広告を掲載しているか、写真掲載が多い、担当者のコメントが多いなど他の賃貸管理会社との差別化を図っているかを確認することが重要です。不動産ポータルサイトに登録しているかどうかは賃貸管理会社に質問すれば確認可能です。また、差別化を図っているかは、不動産ポータルサイトに掲載されている他の物件を見せてもらうことで、積極的に入居者募集を行っているのかおおよそ把握できるでしょう。
空室対策の提案にはいくつか方法が挙げられます。例えば、経年劣化の目立つ部分に対して修繕(リフォーム)を行う、入居者ニーズに合わせて間取りを変更(リノベーション)するなどです。これらの方法は他の物件との差別化を図るための空室対策の1つですが、これらの方法は効果が期待できる一方、費用がかかるという注意点があります。費用がかかりすぎた場合は収益の悪化につながるので注意が必要です。
また、家賃を下げるという選択肢もありますが、家賃を下げるとその入居者が退去するまで同じ家賃設定を維持しなければならないため、こちらも収益の悪化につながります。空室対策は数多くありますが、メリットとデメリットが混在する対策もあるため、それらを踏まえながらより不動産投資家の立場になって提案してくれる賃貸管理会社を選ぶことが重要です。例えば、敷金・礼金0円であれば一時的な費用負担で済みます。インターネットの無料化を導入すればその分の家賃上乗せが期待できます。賃貸管理会社を選ぶ際は、どのような空室対策を行っているのか質問すれば、おおよその提案力を確認できるでしょう。
不動産投資では、資産価値の維持や上昇、安定した需要などを考慮しながら物件を選ぶため、オーナーの自宅から離れた場所の物件を所有している場合があります。遠方にある物件を所有していた場合には、現地を訪れることが容易ではないため、なかなか物件の現状を確認できません。
オーナーが物件の近くに住んでいる場合は、物件の現況報告書が文字だけでも現地確認を容易に行えるので特に問題ありませんが、遠方だと文字だけでは伝わりにくいと言えます。そのため、そのようなオーナーに対しては写真入りの現況報告書を送付してくれる、頻繁に物件状況を報告してくれるなど、柔軟な対応を心掛けてくれる賃貸管理会社を選んだ方が良いと言えます。また、周辺の状況やオーナーの予算などを考慮しながら柔軟な対応をしてくれる賃貸管理会社を選んだ方がよいと言えるため、オーナーにどのような提案や対応を行っているのか事前に確認しておきましょう。
資産運用の1つとして、マンションやアパートを購入して不動産投資を始める人は増えています。しかし、不動産投資は空室リスクや家賃滞納リスクなどの多くのリスクを伴うため、リスク対策が求められます。優良な管理会社に管理を委託することで今よりも安定した経営ができるようになります。しかし、管理会社の選び方次第で収益が悪化することも理解した上で、慎重に決めなければいけません。
賃貸管理会社選びに失敗した場合は、そのまま放置していても状況が悪化するだけなので賃貸管理会社を少しでも早く変更することをおすすめします。賃貸管理会社を変更すると言っても、すぐに変更できるわけではないため、賃貸管理会社を変更する手順や新しい賃貸管理会社を選ぶ際のポイントなどをしっかりと確認してから実行に移しましょう。