連棟式建物・長屋の売却価格の相場と高く売る3つのコツ

連棟式建物・長屋

住宅にも様々な形態がありますが、その中の一つに連棟式建物・長屋と言われる建物があります。

この連棟式建物は独特な形状をしているため、中古住宅市場では売れにくい物件として、また取り扱いにくい物件として知られています。

そのため、売却する時にはいくつかのポイントを押さえた上で、必要な時期に売るための対策をしっかりと立てなければいけない時もあります。

そこで、連棟式建物・長屋の売却価格の相場と高く売るためのポイントをここではお伝えしていきます。

連棟式建物・長屋とは

連棟式建物・長屋
連棟式建物とは、1つの住宅として登記した建物の中に、分離した住宅がいくつか設けられている物件を指します。

建築基準法の分類では「長屋」に該当します。

連棟式建物の特徴

連棟式建物を洋風に言えば、「テラスハウス」「タウンハウス」です。

複数の住居をつなげたような形状をしていますが、登記上は1つの建物となっています。

1つの建物ですが、その中で部屋ごとに所有者が分かれています。最近では見かけることは少なくなってきていますが、土地の有効活用のために連棟式建物を数多く建てていた時期がありました。
昭和期を中心に建てられた連棟式建物が、現在でもいくつか残っているのです。

連棟式建物が建っている土地とは

なぜ連棟式建物が建てられたのか

それは、1つの土地を有効活用するためです。

例えば、開口部が短く、それでいて奥行きが細長い土地があったとします。

この土地に複数の家を建てようとすると、接道部分と奥側に分筆してしまいます。

奥側は接道基準を満たさないため、建築が許可されません。
しかし、細長い土地に細長い建物を建ててしまえば、建物は接道基準をすべて満たすことができます。

そこで、細長い土地に連棟式建物を建て、その中に2つから3つの住宅を設けます。
それぞれを別の住宅として販売すれば、本来ならば1つの住宅しか建てられなかった土地に、複数の住宅を設けることができるのです。

連棟式建物の売却・切り離し・解体における注意点

自分が連棟式建物を所有していた場合、売却にはどのように取り組む必要があるのでしょうか。

また、連棟式建物を別々の建物に切り離すとき、また建物全体を解体するとき、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。

連棟式建物を売却するには他の住人の許可が必要となる

連棟式建物の所有者が1人であれば、特に売却は難しくありません。

わざわざ解体しなくても、不動産会社などの媒介業者に仲介を依頼して、販売価格を自分で決めて普通に売ることができます。
問題になりやすいのは、建物の所有権です。

連棟式建物では、複数の所有者が各部屋を所有しています
そのため、建物全体を売却したいときは、住人全員の許可が必要となってきます。

また売却だけでなく、リノベーションなどを行うときも同様です。

やはり所有者全員の許可が下りなければ、大規模な改修工事を行うことができません。

もちろん壁紙の変更など単独所有部分の範囲内でできる軽微なリフォームであれば、自分の部屋の中で完結しますので、問題なく行うことができます。
しかし、建物の構造の変更を伴う工事の場合、他の部屋の住人の許可が必要になってきます。

切り離しは非常に困難

「連棟式建物の連結部を取り壊して完全に別々の一戸建てのような建物にしてしまえば、個人の判断で自分の家を売却できる」そう考えている人もいるかもしれません。

しかし、連棟式建物は連結した状態、すなわち隣家と屋根や躯体を共有する形で建築されています。

接合部を破壊したり、切り離したりすることで、建物の強度に影響が出る可能性があります。

また解体や切り離しの後には入念なチェックと補修工事も必要です。

必要な柱や壁を撤去すると、耐震性が落ちることがあります。
そのため、まず自治体から工事の許可が下りないことが多いです。

また仮に接合部の切り離しが容易であれば、自分が所有している自宅部分を売ることは不可能ではありません。
自宅が道路に隣接していれば、切り離すことで売りやすくなるのです。

一方で、土地の奥側に物件を所有している人は接道基準を満たせなくなり、自宅が再建築不可物件となってしまいます。
そうなると売却が大変難しくなり、資産価値も大幅に低下します。

お互いの利害関係を調整しながら切り離すことになるので、個人にしかメリットがない切り離し、他の所有者にデメリットが発生する切り離しは非常に困難だと言えます。

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解体を行う際にも全員の許可が必要となる

「連棟式建物が老朽化したので、更地にして売りたい」そう考えることもあるでしょう。

更地にすれば新しい建物に建て替えができます

今の人々のニーズに合った建物へ建て替えができれば、売却価格が上昇することもあります。
しかし、これも連棟式建物を所有する名義人全員の許可が必要になってきます。

「自分は土地を売って引っ越したいから、建物を解体して更地にしたい」そのように考えても、連棟式建物に住み続けたい人が1人でもいれば、その方の同意や承諾を得るのは非常に困難です。

自分の都合だけで売却することができず、また解体もできない。連棟式建物の扱いが難しいと言われるゆえんです。

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連棟式建物の売却価格相場と査定のポイント

連棟式建物売却
では、実際に連棟式建物の売却相場は、一般の不動産の相場と比較してどの程度になるのでしょうか。
また、査定で見られるポイントとして、どのような点が挙げられるのでしょうか。

連棟式建物の売却価格の相場は、3割程度安くなる

連棟式建物は、非常に売却が難しい物件です。
ただし、区分マンションのように所有者が分かれていればどの部屋も住みやすさ、売りやすさは変わりません。

連棟式建物であっても、査定価格費が低くならず、売却は決して難しくありません。

ただし、そのような物件は流通量が少ないです。売りにくい建物とは、つまり購入した人にとっても扱いにくい物件です。
そのため、なかなか購入してくれる人が現れません。

同じ立地、同じ面積、同じ築年数の戸建てやマンションと比較しても、最低でも2割、場合によっては3割以上、安くしなければ売れないこともあるのです。

連棟式建物は融資がつきにくい

売却価格が安くなるもう一つの要因として、また購入する人がなかなか現れない要因として、連棟式建物には融資がつきにくい点が挙げられます。

最近は新築で連棟式建物が建てられることが非常に少なくなっており、基本的に現在残っている物件は築30年や40年といった古い木造住宅が多いです。

そういった物件の場合、間取りも今のニーズに合っていないものが多いので、金融機関も積極的に融資を行いません。

物件価格、諸費用を含めた資金調達の難しさから、購入者にとって買いにくい物件になってしまうのです。

たとえ「連棟式建物が安いので買いたい」という人が現れても、自己資金で購入資金を用意できなければ、投資用ローンの融資が受けられないので購入ができません。

金融機関にしても連棟式建物は担保価値が非常に低いため、融資後の資金回収のリスクがどうしても大きくなってしまいます。

そのため、金融機関は連棟式建物の購入に際し、積極的に融資を行いません

銀行に断られたため、カードローン会社などのノンバンクに融資を願い出れば、融資元が見つかることもあります。

しかし、ノンバンクでは4%から5%と非常に高い金利になってしまいます。

そうなると、単純に物件の価格面で優位性があっても、毎月の支払額が大きく上がってしまいます。

結局、買い手のメリットもなくなってしまうのです。

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比較的売れやすい連棟式建物もある

連棟式建物でも比較的売れやすいものがあります。

それは、どの部分の部屋もきちんと接道基準を満たしている連棟式建物です。

例えば、敷地の2面が道路に面していて、連棟式建物を完全に分離したとしても、奥側の部屋が基準となる接道面積を満たしていれば、再建築も問題ありません。

「更地にして新しく家を建てよう」そのように考えて購入する買主、自分が一度住んだ上でいずれは売ろうとする投資家、買い取って転用しようとする不動産会社などが現れる可能性があります。

立地が良く、接道基準を満たした連棟式建物であれば、普通の物件とそう変わらない値段で売却することも不可能ではありません

入居者同士が相談の上、「敷地の2面が道路側に面した」連棟式建物を更地にして売却すれば、むしろ有利に売却できるでしょう。

連棟式建物を相場より高く売る3つのコツ

リノベーション
では、連棟式建物を相場より高く売るには、どのようなポイントを押さえておけばよいのでしょうか。

1.自分で他の部屋を買い取って全ての所有権を得る

連棟式建物が最も厄介なのは、所有者が何人もいることです。

そこで、他の部屋をすべて買い取って、建物全体を自分の所有にします
そうすれば、大型の戸建住宅として売却することもできますし、一部だけ賃貸に出して賃貸併用住宅として活用することも可能になります。

もちろん、解体後は更地にして土地を売却することもできるので、運用の幅がぐっと広がります。

このようにすれば、一般的な不動産とほぼ同等の値段で売ることができます。

敷地面積が広く、物件沿線の駅に近ければ高い値段で売れるでしょう。

2.リノベーションを施して民泊物件として売却する

連棟式建物は独特な形状をしていて、建物も古いものが多いです。

そのため、物件としての魅力は低いと感じる人が多いかもしれません。

しかし、あえてそのデメリットをメリットにすることを考えましょう。

それは、リノベーションを行うことです。

「昭和レトロな雰囲気を残した民泊施設」として運用、もしくは売却を検討するのです。

民泊用の物件に改装し、利益が十分に上がった状態で売却すれば、高利回りの収益用物件として、中古の木造物件とは違った評価を得て売却できます

もちろん、自分で運用するのが面倒という方であれば、リノベーションのみを施して売ってしまってもよいでしょう。

通常の住宅ではなく、収益用物件にできれば、中古住宅を探している顧客以外のターゲット層を探すことができます。

ただし、これにも他の住人の同意を得る、もしくは隣人の所有する部屋を買い取る必要があります。
個人の判断だけで行うことは難しいです。

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3.店舗付き物件として活用する

そのままの中途半端に躯体を共有した居住用物件として連棟式建物が売れにくい場合は、住人がつきにくい部屋を店舗として活用することを考えてみましょう。

物件の魅力を高め、古いということが理由とならないように、レトロな店舗付き物件として再生できれば、収益物件としての売却が見込めます。

連棟式建物が1年以上売れないときに見直すべき3つのこと

それでも、なかなか連棟式建物が売れないときもあります。

そんなとき、どのような対策が必要になるでしょうか。

1.住人同士の利害関係を調整する

最も行うべきは、住人同士の利害関係などの問題点を調整して連携を図ることです。

主導して動く人間、あまり積極的に売却したくない人間の両方がいてもおかしくありません。

その場合、住み替えたくない人に金銭的なメリットを提供することで同意してもらう、もしくは引っ越してもらうことを検討します。

仮に連棟式建物内に部屋が3つあるとします。

他の名義者2人が売却に同意しない場合、売却代金を3等分するのではなく、自分は30%、他の2人は35%ずつなど、譲歩して売却することも考えなくてはいけません。

2.価格を現在の相場よりも下げる

1年以上売れない場合、値下げも検討するべきです。

欲しいという人が現れても、ローンが組めないことが問題となっている場合、購入希望者が自己資金だけで購入できる程度の価格、もしくはノンバンクなどのローンで購入しても、価格的なメリットが残るような価格に据える必要があります。

安易に値下げすれば良いわけではありません。

購入者のニーズや相場を知り、要望に応じた価格に直していくことも売却には欠かせないポイントです。

3.特殊な形状の土地を専門とする不動産会社に相談する

どんなに値下げしても売れる見込みがない。しかし、自分でどのように活用していいのかわからない」そのようなとき、特殊な形状の土地や建物を専門に扱う不動産会社に相談してみましょう。

そういった不動産会社は、再建築不可の土地を建築可の土地に変えるノウハウなどを持っています。

活用が難しそうな土地や建物でも、周囲の土地や建物を買い取って周辺と交渉するなど、あらゆる活用方法を見出すのです。

売却価格は決して高額にはならないかもしれません。

しかし、そのままずっと住む気のない連棟式建物を持っていても、むだに固定資産税が掛かるだけです。

様々な不動産の扱いを得意とする不動産会社に相談すれば、現金化自体も難しい話ではありません。

少しでも早く連棟式建物を売却して、手に入れた資金の有効活用を考えたほうが良いこともあるのです。

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まとめ

連棟式建物は完全な分離が難しく、また自分が所有する部屋の位置次第で大きく資産価値が違ってくるのが現実です。

そのため、同じ連棟式建物内の住人との交渉も、一筋縄ではいかないことが多いでしょう。

しかし、活用できない不動産を持つことに不満を感じていれば、それは資産ではなく、税金を発生させるだけの負債になります。

もし連棟式建物をどうしても自分で売る術が見つからないときは、クランピーリアルエステートにご相談ください

当社では、活用が難しい不動産の買い取りを多数行なっており販売戸数の実績も豊富です。

売買後に買主からクレームがついたなどのトラブルが生じた場合、当社が対応致しますのでお任せください。
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ぜひ一度クランピーリアルエステートにお声がけください

最終更新日:

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