
連棟式建物(長屋)とは、1つの建物を内部で区切り、複数の住居として使えるようにした物件です。
独特な形状をしている場合が多く、中古住宅市場では売れにくい物件です。実際、連棟式建物の価格相場は30%程度下がるといわれています。
連棟式建物(長屋)を売却しようと思ったら、住人との交渉など、手間や費用が必要です。
手間や費用をかけず、連棟式建物(長屋)を売却したいのであれば、訳あり物件専門の買取業者に相談するとよいです。
訳あり物件専門の買取業者であれば、連棟式建物(長屋)を活用するノウハウも豊富なため、高額かつ最短数日のスピード買取が可能です。
目次
連棟式建物・長屋とは2戸以上の住宅が一体になっている物件
連棟式建物とは、1つの住宅として登記された建物内に、分離した住宅が複数ある物件を指します。
つまり「2戸以上の住宅が一体になっている物件」のことです。
建築基準法の分類では「長屋」に該当します。
複数の住宅がつながれているような構造ですが、登記上は単一の物件です。
ですので、単一の建物を複数人で所有している状態ともいえます。
連棟式建物は土地を効率よく使うために建てられる
連棟式建物が建てられる理由は、1つの土地を有効活用するためです。
この土地Aに複数の家を建てようとすると「手前側の接道している土地」と「奥側の接道していない土地」にわけられます。
接道していない土地は、建築ができないことが原則ですので、土地Aに2つの建物は建てられません。
そこで、土地Aに連棟式建物を建築すれば、1つの土地に複数の住宅を建築できます。
細長い土地に建てた連棟式建物の中に2~3戸の住宅を設けて、それぞれを別の住宅として販売すれば、本来1戸しか住宅を建てられない土地に、複数の住宅を設けられるのです。
連棟式建物の売却時における注意点
連棟式建物の売却時には、以下のポイントに注意が必要です。
- 連棟式建物を売却するには他の住人の許可が必要となる
- 連結部の切り離しは認められているが現実的には困難
- 解体を行う際にも全員の許可が必要となる
それぞれの問題について、どのようなポイントに注意すべきか見ていきましょう。
連棟式建物を売却するには他の住人の許可が必要となる
不動産の所有者が1人であれば、売却が困難になることはほぼありません。
不動産会社に仲介を依頼して、販売価格を自分で決めて売却できます。
しかし、連棟式建物の売却には住人全員の許可が必要です。
このとき、連棟式建物そのものを売却するには、Aさん世帯とBさん世帯の同意が必要です。
ちなみに、売却だけでなくリフォーム・リノベーションなどをおこなう場合も同様です。所有者全員の許可が下りなければ、大規模な改修工事を実施できません。
連結部の切り離しは認められているが現実的には困難
連棟式建物はそれぞれが住宅として機能しているため、連結部を取り壊すことで、単独の建物とできます。
連棟式建物から連結を外し、単独の建物にできれば個人の判断で家を売却できるようになります。
ただし、接合部を破壊したり切り離すと、建物の強度に影響が生じる可能性が高いです。
また、土地の奥側に物件を所有している人は、切り離すことで接道基準を満たせなくなり自宅が「再建築不可物件」となってしまいます。
連結部の切り離しは認められていますが、上記の理由から現実的には困難です。


解体をおこなう際にも全員の許可が必要となる
「連棟式建物が老朽化したので、更地にして売りたい」と考えることもあるかと思います。
たしかに、連棟式建物を解体して更地にすれば、新しい建物に建替えできます。
買主のニーズにあった建物へ建替えできれば、売却価格の上昇も見込めるでしょう。
しかし、連棟式建物は所有する名義人全員の許可がないと解体できません。
「自分は土地を売却して引越したいから、建物を解体して更地にしたい」と考えても、連棟式建物に住み続けたい人が1人でもいれば、同意を得て解体することは難しいです。

連棟式建物の売却価格相場はいくら?
実際に連棟式建物の売却価格相場は、一般の不動産の相場と比較してどの程度になるのでしょうか。
基本的に、連棟式建物の相場は低い傾向にあります。
取り扱いの難しさから、需要そのものが低くなってしまうのです。
なお、連棟式建物は流通が少なく、価格基準が明確になっていないことも、相場価格が安くなる原因の1つです。
連棟式建物の売却価格の相場は20~30%程度安くなる
一般的に、不動産市場における連棟式建物の相場は、同じ立地や面積・築年数の他不動産に比べて20~30%低くなります。
連棟式建物は築年数が古いことがほとんどだからです。接道義務を満たしていないため、再建築やリフォームの実施も困難です。
そのため、連棟式建物は資産価値が低いとみなされることが一般的です。
そして、資産価値の低い物件では、住宅ローンを受けられない恐れがあります。
比較的売れやすい連棟式建物もある
例外として、どの部屋も接道基準を満たしていれば連棟式建物でも売れやすいです。
例えば、敷地の2面が道路に接しているケースなど、連棟式建物を完全に分離しても双方が接道面積を満たすのであれば、問題なく再建築できます。
「更地にして新しく家を建てよう」と考えて購入する買主や、買取してから転用したい不動産業者などが購入してくれる可能性もあります。
接道基準を満たしている連棟式建物であれば、普通の物件と大差ない価格で売却できる可能性も高いです。
連棟式建物を相場より高く売る2つのコツ
次は、連棟式建物を相場より高く売るには、どのようなコツを押さえておけばよいのか見ていきましょう。
連棟式建物を高く売るコツは、次のとおりです。
- 1.自分で他の部屋を買取して全ての所有権を得る
- 2.訳あり物件専門の買取業者に売却する
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
1.自分で他の部屋を買取して全ての所有権を得る
連棟式建物でもっとも厄介な点は、所有者が何人もいることです。
そこで、他の部屋をすべて買取して、建物全体を自分の所有物にすれば高く売却できます。
そうすれば、大型の戸建住宅として売却できますし、一部だけ賃貸に出して賃貸併用住宅として活用することも可能です。
もちろん、解体後は更地にして土地を売却できるので、より運用の幅も広がります。
一般的な不動産とほぼ同等の価格で売却できるだけでなく、敷地面積が広くて物件沿線の駅にも近ければ、より高い価格で売れるでしょう。
2.訳あり物件専門の買取業者に売却する
一般的な不動産会社では、連棟式建物・長屋の扱いに慣れていません。売却しても売却価格が安くなりやすいです。
高く売りたい場合、訳あり物件専門の買取業者への売却を検討しましょう。
専門の買取業者であれば、隣家の所有者との交渉や、連結部の切り離しに関するノウハウがあるため、連棟式建物の価値を最大限に引き出せます。
相場と変わらない価格で一括買取してもらえます。
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連棟式建物が1年以上売れないときに見直すべき2つのこと
どれだけ工夫をこらしても、連棟式建物がなかなか売れないときもあります。
そのため、連棟式建物を売り出して1年以上も買主が見つからない場合、次のような対策・見直しが必要です。
- 1.住人同士の利害関係を調整する
- 2.価格を現在の相場よりも下げる
それぞれの項目を詳しく解説していきます。
1.住人同士の利害関係を調整する
最も重要な対策は、利害関係などの問題点を調整して、住人同士で連携を図ることです。
同じ連棟式建物の住人でも、売却したい人間と売却したくない人間の両方がいてもおかしくありません。
その場合、売却したくない人に金銭を提供して同意してもらう、もしくは引っ越してもらうことを検討します。
権利や利害関係の調整・交渉が難しければ、不動産問題に強い弁護士に相談するのもおすすめです。
弁護士は法律と交渉のプロフェッショナルなため、適切な条件で住人同士の意見を取りまとめることができます。
2.価格を現在の相場よりも下げる
1年以上も連棟式建物が売れない場合、値下げも検討してみましょう。
ローンが組めない買主でも自己資金で購入できる価格、もしくはノンバンクなどのローンで購入しても、価格的なメリットが残るような価格を設定すれば、売却できる可能性も上がります。
買主の相場観を把握して、需要に応じた価格に適宜変更することも売却には欠かせないポイントです。
また、できるだけ値下げをしたくない場合は、訳あり物件専門の買取業者に相談してみるのもよいでしょう。
まとめ
連棟式建物は完全な分離が難しく、また自分が所有する部屋の位によって資産価値も変わるため取扱いが難しい物件です。
そのため、同じ連棟式建物内の住人との交渉も、一筋縄ではいかないことが多いでしょう。
しかし、連棟式建物のように使い道のない不動産を持ち続けても、税金を負担するだけでデメリットしかありません。
連棟式建物がなかなか売れないようであれば、訳あり物件専門の買取業者への相談をしてみましょう。
どんな物件でも、高額かつ最短数日のスピード買取が期待できます。
連棟式建物・長屋の売却でよくある質問
はい、売却可能です。しかし、通常の建物と比べると売却は困難になってしまいます。
「連棟式建物を売却するには他の住人の許可が必要となる」「連結部の切り離しは認められているが現実的には困難」といったことに注意が必要です。これらの問題点があるため、売却が困難になります。
連棟式建物の売却価格は、相場価格と比べて20~30%程度安くなってしまいます。ただし、必ず安くなるわけではないので、一度不動産会社による査定を受けてみるとよいでしょう。
他の部屋をすべて買取して、建物全体を自分の所有物にすれば高く売却できます。ただし、他の部屋に現在居住している人がいるなら、購入は困難と言えるでしょう。
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