角地の評価額計算方法と節税の仕方をわかりやすく解説!

角地 評価

土地を相続した場合、土地の相続税評価額(以下、評価額)に対して相続税が課税されます。

角地の場合は「日当たりや風通しがよい」「建ぺい率が緩和される」などのメリットがあるため、通常の土地と異なる評価方法が適用されて評価額が加算され、相続税も高くなります。

この記事では、どのように角地が評価されて相続税が決まるのかを知りたい人に向けて、評価額の計算方法や相続税の節税方法などを詳しく解説します。

角地評価額の計算方法と算出の流れ

計算
基本的に通常の土地の場合、1本の道路にしか接していないため評価額は「路線価✕奥行価格補正率✕面積」で算出します。

一方、2本の道路に接している少し特殊な角地の評価額は次のように計算します。

【角地の評価額の計算式】
ア. 正面路線価 ✕ 奥行価格補正率
イ. 側方路線価 ✕ 奥行価格補正率 ✕ 側方路線影響加算率
         ↓
    (ア+イ)✕ 面積

では、実際にどのような手順で評価額を求めればよいのか、具体的な数字を用いながら解説します。

①路線価を調べる

まず始めに、土地の時価である「路線価」を国税庁のホームページで調べます。

土地のある都道府県と市区町村を選択すると下のような地図(路線価図)が表示されます。

路線価図

道路上に書いてある数字が路線価です。
(※アルファベットは借地割合を示しますが、この記事では割愛します)

1㎡あたりの価格が千円単位で表示されているので、例えば、500と記載されている路線の1㎡あたりの価格は500✕1000円=50万円になります。

下図の「土地A」のように、1本の道路としか接していない土地の場合は1つの路線価(ここでは500)のみ調べればよいですが、「土地B」のような角地は2本の道路に接しているため、2つの路線価を調べる必要があります。

この場合、土地Bにおけるは2つの路線価は490(49万円)540(54万円)になります。

路線価図例

参照:国税庁「路線価図・評価倍率表」

路線価図に住所の記載がない場合

路線価は現存するすべての土地に定められているわけではありません。そのため、土地の住所を検索しても路線価が記載されていないといったこともあります。

その場合は「固定資産税評価額✕評価倍率」(倍率方式)で評価額を求めます。

「固定資産税評価額」は自治体から毎年送られてくる「課税明細書」に記載されている他、役所の固定資産課税台帳でも確認できます。

「評価倍率」は国税庁ホームページの「評価倍率表」で市区町村を選択して確認できます。

それらを乗算することでその土地の評価額がある程度算出できるので、路線価の記載がないケースが多い地方や田舎にある土地などは倍率方式で求めるのが早いかもしれません。

参照:国税庁「東京都(評価倍率表<一般の土地用>)」

②奥行価格補正率を確認する

土地の面積が同じでも「正方形の土地の方が長方形の土地よりも使い勝手がよい」ということは想像が付くかと思います。

こういった事情もあることから土地の形状と利便性を考慮したうえで評価額を決定する「奥行価格補正率」というものがあります。

土地の奥行きが長すぎたり短すぎたりすると奥行価格補正率が下がり評価額も低くなる仕組みになっています。つまり、扱いにくい形状の土地は低い評価をされるということです。

また、奥行きの長さが同じでも土地が存在する地区によって奥行価格補正率が異なります。

奥行価格補正率
参照:国税庁「奥行価格補正率」

ここでは例として「ビル街地区」「繁華街地区」「普通住宅地区」の3つを挙げていますが、実際には7つの地区に分けられています。

自分の土地がどの地区にあたるのかは、路線価図の路線価を囲んでいる形をみるとわかります。

地区区分

 参照:国税庁「路線価図・評価倍率表」

路線価が六角形で囲まれているなら「ビル街地区」、八角形で囲まれているなら「繁華街地区」、囲まれていない場合は「普通住宅地区」という具合です。

前の項目にある「土地B」の路線価は囲まれていないので「普通住宅地」になります。

③「正面路線価」と「側方路線価」をはっきりさせる

角地における2つの路線価は、一方を「正面路線価」、もう一方を「側方路線価」と区別し、「側方路線価」には「側方路線影響加算率」というものをかけます。

では「正面路線価」と「側方路線価」はどのように区別されるのでしょうか。

「路線価×奥行価格補正率」を計算して出た値が大きい方が正面路線価になります。

土地B(普通住宅地区)の場合で考えてみましょう。

土地B

土地Bに隣接しているのは「490D」「540D」の2本の道路です。

それぞれの路線価に奥行価格補正率をかけた値を求めます。

路線価490に対する奥行きが15m、路線価540に対する奥行きが10m、奥行価格補正率はどちらも1.00です。

路線価49万円 ✕ 奥行価格補正率1.00 = 49万円
路線価54万円 ✕ 奥行価格補正率1.00 = 54万円

49万円<54万円なので54万円が「正面路線価」、49万円が「側方路線価」になります。

④側方路線影響加算率を確認する

側方路線価には側方路線影響加算率をかけます。

下の表のように、側方路線影響加算率も地区区分によって異なります。

側方路線影響加算率
参照:国税庁「側方路線影響加算率表」

土地Bは普通住宅地区なので加算率は0.03です。

ところで、上の表には「準角地」というものがあります。

準角地とは、1本のL字型になっている道路の角に接した土地をいいます。

準角地

2本の道路に接している角地よりは劣りますが、角に位置しない土地よりは利便性が高いため、準角地も評価額が加算されます。

⑤1㎡あたりの評価額を計算する

それでは、1㎡あたりの評価額を計算し、土地全体の評価額を求めましょう。

1㎡あたりの評価額は下の式で求められます。

ア. 正面路線価 ✕ 奥行価格補正率
イ. 側方路線価 ✕ 奥行価格補正率 ✕ 側方路線影響加算率
        ↓
     ア + イ = 1㎡あたりの評価額

これまで土地Bに関して求めた値をまとめると下のようになります。

正面路線価 54万円
側方路線価 49万円
奥行価格補正率 1.00
側方路線影響加算率 0.03

したがって、1㎡あたりの評価額は次のように求められます。

ア. 54万円×1.00=54万円
イ. 49万円×1.00×0.03=1万4700円
      ↓
  54万円+1万4700円=55万4700円

土地Bの1㎡あたりの評価額は55万4700円ということがわかりました。

土地全体の評価額は55万4700円に面積をかければよいので、
55万4700円×150㎡=8320万5000円になります。

角地として評価されない場合

家と虫眼鏡
利便性が低く角地としての効用がないと判断された角地は、通常の角地と異なる方法で評価されます。

その結果、評価額が低くなり相続税も安くなります。

具体的にどのような場合で角地の評価方法が変わるのか解説します。

側方路線との間に高低差がある場合

側方路線と土地の間に高低差があり側方路線から土地へ全く進入できないような角地は、角地としてのメリットが少ないので評価額の加算がありません。

この場合、高低差がない正面路線だけを用いて通常の土地と同じ算式で評価額を求めます。

高低差がある場合

【側方路線と土地の間に高低差がある場合の評価額の求め方】
正面路線価 ✕ 奥行価格補正率 ✕ 面積

側方ではなく正面路線との間に高低差がある場合

正面路線と土地の間に高低差がある場合は、次のように正面路線と側方路線をいれかえて計算します。

【正面路線と土地の間に高低差がある場合の評価額の求め方】
ア. 側方路線価 ✕ 奥行価格補正率
イ. 正面路線価 ✕ 奥行価格補正率 ✕ 側方路線影響加算率
        ↓
   (ア + イ)✕ 面積

値の大きな正面路線価に対して側方路線影響加算率がかけられるので、結果として評価額が下がります。

どのくらいの高低差で評価方法が変わるのか明確な定義はありませんが、だいたい1m以上の高低差があると異なる評価方法が適用され、評価額が下がるようです。

ただし、角地として評価するのか否かを素人が判断するのは難しいため、税理士や不動産鑑定士といった専門家に相談しましょう。

土地の角度が大きい場合

角地の評価額が高くなる理由に、建ぺい率が緩和されるからというのがあります。

しかし、すべての角地において建ぺい率が緩和されるわけではありません。

建ぺい率が緩和されるための条件は各自治体で決められていますが、多くの場合、土地の角度が120度以下であることが条件にされています。

したがって、土地の角度が120度を超える場合は角地の評価方法を適用しなくてよい可能性が高いです。

鈍角の土地

この場合の評価方法として考えられるのは、「2つの路線価の合計÷間口距離(敷地の接道部分の長さ)の合計」で出た値を正面路線価として考えて「正面路線価✕奥行価格補正率✕面積」を計算する方法です。

上の項目と同様に、この評価方法を適用できるかの判断は自分でせず、専門家に確認しましょう。

角地の相続税は節税できる

財布
不動産は大きな財産ですから、かかる相続税の負担も大きくなります。

特に角地は通常の土地と比べて相続税が高いので、適切な方法で節税して負担を軽減するとよいでしょう。

土地を分筆する方法

角地の場合は、土地を分筆することで節税することができます。

下図の例を使って節税の仕組みを説明します。

文筆の図

上図の土地は20m✕20mです。

この土地をそのまま相続すると、評価額は2億2188万円になります。

【土地をそのまま相続した場合の評価額】
正面路線価54万円✕奥行価格補正率1.00=54万円
側方路線価49万円✕奥行価格補正率1.00✕側方路線影響加算率0.03=1万4700円
    ↓
 (54万円+1万4700円)✕400㎡=2億2188万円

この土地をAとBに分筆すると、土地Aの評価額は9800万円、土地Bの評価額は1億1094円になります。

【土地Aの評価額】
路線価49万円✕奥行価格補正率1.00✕200㎡=9800万円

【土地Bの評価額】
正面路線価54万円✕奥行価格補正率1.00=54万円
側方路線価49万円✕奥行価格補正率1.00✕0.03=1万4700円
    ↓
  (54万円+1万4700円)✕200㎡=1億1094万円

土地Aと土地Bの評価額の合計は2億894万円なので、分筆する前よりも評価額が1294万円下がっています。

このように、土地を分筆して角地の面積を減らすことで、全体の評価額が減り相続税の節税につながるのです。

極端な文筆は認められないことに注意

相続税を抑えるために極端な文筆をしてはいけません。

文筆が「不合理分割」とみなされると文筆前の区画が評価額の対象となり、節税にならなくなってしまいます。

    不合理分割とみなされる文筆の例

  • 極端に面積が狭くなり、現実の利用状況を無視している
  • 土地が道路に接しないようになっている
  • 不整形地になっている
  • 間口の狭い土地を創出し将来的にも有効な土地利用ができない

参照:国税庁「宅地の評価単位ー不合理分割(1)」

まとめ

角地の評価が通常の土地の評価と異なる点として、次の2点が挙げられます。

①正面路線価と側方路線価の2つの路線価が存在し、それぞれに奥行価格補正率がかかる
②側方路線価に側方路線影響加算率がかかる

結果として、通常の土地よりも角地の方が評価額が高くなり、相続税も増えます。

相続税を節税するには、土地を分筆して角地の面積を少なくする方法があります。

ただし、極端な文筆をした場合は文筆前の区画で評価されるので注意しましょう。

また、道路との間に高低差があったり土地の角度が大きい場合は角地として評価されないため、評価額が下がり相続税が安くなる可能性があります。

角地に対してどのような評価方法を適用するのか素人が判断するのは難しいので、税理士や不動産鑑定士といった専門家に評価してもらうようにしましょう。

最終更新日:

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