
「ゴミ屋敷だと知らずに実家を相続してしまった」
「空き家を売却しようとしたら、ゴミ屋敷になっていた」
このようなゴミ屋敷を抱えてしまうと、処分に困る方も少なくありません。
ゴミ屋敷に住みたい買主が居るはずもなく、そのままでの売却は難しいですが、ゴミを処分するにも手間や費用がかかってしまいます。
しかし、ゴミ屋敷でも売却方法やコツを理解すれば、普通の不動産と同様に売却できます。
さらに不動産業者によっては、ゴミを処分せずに現物のままゴミ屋敷を売却可能です。
今回はゴミ屋敷の売却方法について、ゴミ屋敷を売り出す前に必要となる費用や、高額売却するコツも解説します。
ゴミ屋敷を売却する3つの方法
ゴミ屋敷をそのまま放置していると、近隣住民からの汚臭苦情だけではなく火災や腐食による倒壊、ゴキブリやネズミなどの害虫害獣の大量発生など、周辺環境に悪影響を与えるリスクがあるため、行政から強制撤去勧告がされることが予想されます。
さまざまな問題に発展する前に、ゴミ屋敷を売却する3つの方法をおさえて早めに売却処分したほうがよいでしょう。
1.ゴミが残っている状態で売却する
ゴミの処分費用を用意できない、自分で片付けられないなどの場合は、ゴミを残したままの状態で売却する方法があります。
それは「ゴミ屋敷でも現状のまま買い取ってくれる専門買取業者に依頼する方法」です。
この方法であれば、ゴミを処分する費用や手間をかけることなく売却できます。
通常の買取業者の場合、ゴミ屋敷を片付けないと買取拒否されてしまうケースが多いです。
しかし、ゴミ屋敷などのワケあり物件を扱う専門買取業者は、ゴミが残っている状態でも買取してくれるケースがあります。
また、専門買取業者への売却であれば、仲介手数料を支払う必要もなく、瑕疵担保責任が免責されるというメリットもあります。
売却価格は安くなる傾向にある
買取価格は通常の物件でも相場より10~30%ほど安くなる場合が多いです。
また、ゴミ屋敷自体の市場価値が非常に低いため、売却による利益は期待できないかもしれません。
売却利益よりもゴミ屋敷を手放すことを優先しているのであれば、専門買取業者に売却することも検討するとよいでしょう。
ゴミ屋敷は専門買取業者での売却がおすすめ
当社、株式会社クランピーリアルエステートはゴミ屋敷などのワケあり物件を積極的に買取しており、不動産として評価が低くなりがちなゴミ屋敷でも、ご依頼後、直ちに買取可能です。
物件の資産価値を上げたり、賃貸として収益物件化するなど、ワケあり物件の価値を向上して運用するノウハウと実績がございます。
ゴミ屋敷の売却をご検討中の方や、物件に関する疑問や不安があるという方などはお気軽にご相談ください。
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2.ゴミを処分してから売却する
ゴミ屋敷をできるだけ早く・高く売りたいのであれば、ゴミを処分してから物件の売却活動を始めるとよいでしょう。
ゴミを処分して物件をキレイにすることで購入希望者を見つけやすくなる場合があります。
まず、ゴミの処分を「自分でおこなう人」と「清掃業者などに依頼する人」に分けられるでしょう。
「時間がかかってもいいから、処分費用を節約したい」方は自分でゴミを処分するとよいでしょう。
ゴミの量にもよりますが、時間だけでなく労力を必要とする場合があります。
一方で「金銭的に余裕があるので、ゴミを処分する手間をかけたくない」という方は清掃業者に依頼して処分してもらいましょう。
ゴミ屋敷になるほど、ゴミや不用品が大量にある場合は、業者に依頼して処分する方法が一般的といわれています。
ゴミを処分しても悪臭が残る場合がある
ゴミを処分したとしても、ゴミによる悪臭が部屋に残っていたり、建物自体に染みついているなどの場合があります。
ゴミの悪臭は物件の価値を下げたり、購入希望者が見つかりにくくなる原因になります。また、近隣住民から臭いに対する苦情が寄せられるケースも多いです。
物件の除菌・消臭を専門とする業者に依頼すれば、ゴミの悪臭問題を解決できます。
ゴミの処分と同時に除菌・消臭をおこなってくれる清掃業者もいるので、悪臭について相談するとよいでしょう。
3.ゴミ屋敷を更地にして売却する
ゴミ屋敷を更地にして売却する方法も選択肢の一つです。建物を解体する場合は、一般的にゴミの処分を終えてから解体業者に依頼します。
ゴミ屋敷から出たゴミや不用品などは「一般廃棄物」に分類され、建物の解体工事で出た廃材や瓦礫などは「産業廃棄物」として扱われます。
廃棄物ごとに処分するための許可が必要であり、多くの解体業者は一般廃棄物を処分する許可を受けていない場合があります。そのため、解体業者はゴミ屋敷を片付けられません。
ただし、一般廃棄物の処分許可を受けて、ゴミの処分と解体を兼業している業者もあります。
ゴミの処分も認められている解体業者に依頼すれば、一度で済むので手間なくゴミを片付けられます。

ゴミ屋敷を売り出す前にかかる費用
ゴミ屋敷を売却するために清掃業者や解体業者に片付けを依頼する場合、さまざまな費用がかかります。
それぞれかかる費用はゴミ屋敷の売却方法を決める要素となり、費用の相場を把握しておけば、無理のない資金計画を立てられるでしょう。
1.ゴミを処分する費用
自分でゴミを処分する場合も清掃業者などに依頼する場合も、ゴミの処分費用がかかります。
自分でゴミを処分する場合、「粗大ごみ」や「リサイクル家電」などがあれば、処理手数料が必要です。
また清掃業者に依頼する場合、ゴミの量や間取りにもよっては数十万円かかるケースも存在します。
できる限り自分でゴミを処分してから、残りは清掃業者に任せるなどの工夫をすれば、ゴミの処分にかかる費用を抑えられるかもしれません。
粗大ごみの処理手数料
粗大ごみとは、日常生活に伴って不要となった大型のごみをいいます。
具体的には、一般家庭から排出される電気・ガス・石油器具、家具・寝具、趣味・スポーツ用品などです。
粗大ごみの処理を自治体に依頼する場合、大まかな処理手数料は以下のとおりです。(東京都大田区の場合)
品目 | 手数料 |
---|---|
ベッド(マットを除く) | 1,200~2,000円 |
ソファー | 800~2,000円 |
箱物家具(タンスや棚類など) | 300~2,800円 |
テーブル(机・デスクは別品目) | 800~1,200円 |
カーペット | 300~1,200円 |
参照:粗大ごみ受付センター
粗大ごみの処理手数料や処分方法は自治体によって異なるため、粗大ごみを出す地域の自治体に問い合わせて確認しましょう。
リサイクル家電の処理手数料
リサイクル家電とはエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目が対象とされています。
参照:経済産業省「家電リサクル法(特定家庭用機器再商品化法)」
メーカーによって異なりますが、リサイクル家電は大体1,000円~5,000円の処理費用がかかります。加えて、収集運搬費用も支払わなければなりません。
ちなみに、リサイクル家電の収集運搬費用は約2,500円です。(経済産業省の調査結果を参照)
つまり、処理費用と収集運搬費用をあわせると、リサイクル家電1つあたり約3,500~7,500円の処理費用がかかります。
粗大ごみやリサイクル家電などを自宅で活用したり、処分する数が少ない場合、費用を抑えられるかもしれません。
参照:経済産業省「家電リサイクル法の収集・運搬料金に関する実態調査結果」
清掃業者などに依頼する費用
ゴミ屋敷の片付け費用は、建物の間取りによって決められることが多いとされており、間取りごとの大体の相場が以下の表になります。
間取り | 料金 |
---|---|
1R・1K | 3~8万円 |
1DK | 5~12万円 |
1LDK | 7~20万円 |
2DK | 9~25万円 |
2LDK | 12~30万円 |
3DK | 15~40万円 |
3LDK | 17~50万円 |
4LDK | 22万円~要見積り |
表の料金はあくまで目安のため、同じ間取りでもゴミの量や種類などで料金は変わります。例えば、天井に届きそうなほどゴミを溜め込んだ場合、1Kでも片付け費用が50万円以上かかるケースもあります。
片付け費用の見積もりは複数の清掃業者に依頼するとよいでしょう。複数の業者に相談して、サービスや料金など納得できる業者を選ぶことが大切です。
2.家に残った臭いを除去する費用
清掃業者にはオプションとして追加費用を支払うことで、オゾン消臭など特別な消臭作業をおこなえる業者もあります。
オゾン消臭とは、たばこや生ゴミなどの強烈な臭いでも、短時間で無臭に近い状態にできる消臭作業です。
オゾン消臭の費用は、部屋の広さや臭いの強さなどで代わります。臭いの強さは人間の嗅覚や臭気測定器などで測定され、0~5段階の強さに分けられます。
部屋の広さが30㎥未満の場合、軽度の臭い(0~1)であれば数千円で済みますが、強烈な臭い(4~5)だと万単位の費用がかかる場合もあります。また、部屋が広くなるほど費用の負担も増えます。
清掃業者にゴミ屋敷の片付けを依頼すると同時に、消臭作業をおこなえるか相談するとよいでしょう。
3.更地にするための解体費用
ゴミや物件の放置によって住宅の腐食や損傷が激しく、修繕費用が高額になってしまう場合など、建物の解体を検討している人もいるでしょう。
住宅の解体費用は基本的に坪単価で決まります。木造住宅の場合は一坪3~4万円程度、鉄骨住宅の場合は一坪3.5~4.5万円、鉄筋コンクリート造の住宅は一坪5~8万円が相場といわれています。
仮に解体する建物が30坪の木造住宅だとすると、高く見積もって120万円程度の費用がかかる計算です。
解体費用は地域や解体業者によって異なるため、適正価格を把握するためにも、複数の解体業者に見積もりを出してもらうとよいでしょう。
ゴミ屋敷を少しでも高値で売却するコツ
ゴミ屋敷を相続すると、相続税の納付やゴミの処分費用など金銭的な負担がかかるため、ゴミ屋敷を少しでも高く売りたい方は少なくありません。
ゴミ屋敷を少しでも高値で売却するコツを解説しますので、売却活動の参考にしてみてください。
ゴミ屋敷をリフォームしてから売却する
物件がゴミ屋敷でも、ゴミを処分したり臭いを除去すれば、高く売却できるかもしれません。
また、物件の腐食や汚れがひどい場合はリフォームも検討しましょう。
床やクロス(壁紙)を張替えたり、お風呂やキッチンなどを一式取り替えるなどで物件の資産価値が上がる可能性は十分にあります。
ゴミ屋敷を売却する前に、ゴミの処分やリフォームなどの費用の見通しを立てるとよいかもしれません。
ゴミ屋敷を解体にしてから売却する
臭いが完璧に取り除けない、そもそも建物の築年数が古いなど物件の価値を下げてしまう場合、更地にしたほうが高く売却できるかもしれません。
更地にすることで戸建てやマンションなど土地活用の選択肢が広がるため、土地の需要も上がります。
また、駅から近い、スーパーや病院などの周辺施設が整っているなどの立地条件が良い場合、宅地としても人気があるため、高値でも購入したい買主がいる可能性があります。
資金に余裕のある人は、ゴミ屋敷だった建物を解体して更地の状態で売り出せば、希望通りの価格で売却できるかもしれません。
ゴミ屋敷を仲介で売却するときの売却手順
「ゴミ屋敷の売却に多少の費用や時間がかかってもいいから、物件をできるだけ高く売りたい」と考えている人などは、仲介での売却が好ましいといえます。
不動産仲介業者に依頼して物件を売却する場合、仲介手数料がかかるうえ瑕疵担保責任に問われる可能性がありますが、買取より高く売却できる場合もあります。
ゴミ屋敷を仲介で売却するときの売却手順を詳しく解説します。
不動産売買の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

ゴミ屋敷を通常物件の状態に近づける
ゴミ屋敷を通常物件の状態に近づければ、資産価値をある程度回復できるかもしれません。
ゴミ屋敷を高く売りたい場合、ゴミ屋敷問題の解決は欠かせません。ゴミを処分して、臭いがあれば除菌・消臭もしましょう。
周辺物件の価格相場を調べる
ゴミ屋敷問題を解決できたら、次は物件の相場を調べて、いくらで売れそうなのか売却価格の目安を立てましょう。
物件相場の調べ方はいくつかありますが、実際に取引された価格情報を閲覧できるサイトを確認するとよいかもしれません。
そのサイトが「レインズマーケットインフォメーション」と「土地総合情報システム」の2つです。これらのサイトで周辺物件の取引価格を確認して、ゴミ屋敷の大まかな売却価格を想像しておきましょう。
参照:レインズマーケットインフォメーション
参照:土地総合情報システム
複数の不動産仲介業者に査定依頼をする
物件を査定する際は、複数の不動産仲介業者に依頼しましょう。査定依頼を1社のみに絞ってしまうと、査定額が適正価格なのか判断が難しいです。
また、マンションや戸建ての仲介が得意な業者もあれば、土地の仲介を得意とする業者もあるため、査定価格が大きく異なる場合もあります。
3~5社は査定依頼をして、どこの不動産仲介業者と媒介契約するか比較・検討することが大切です。
不動産仲介業者と媒介契約を結ぶ
査定価格に納得して不動産仲介業者と媒介契約を結んだら、実際に売却活動が始まります。媒介契約は「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の主に3種類があります。
「複数の不動産仲介業者と媒介契約を結べる」「売却活動における報告義務の有無」など、種類ごとにメリット・デメリットがあるため、どの媒介契約を結ぶのか不動産仲介業者と相談して決めるとよいでしょう。
買主と売買交渉して情報開示する
売り出した物件の購入希望者が現れたら、物件の取引価格や引き渡しの日程など購入希望者から提示された条件を元に売買交渉をおこないます。
また、売買交渉と同時に物件情報を開示して、詳細な物件情報を購入希望者に伝えましょう。
売買する物件が元はゴミ屋敷だったことや、物件の一部が腐食していたり汚れたりしているのなどの瑕疵(物件の不具合や欠陥)がある場合、正直に購入希望者へ伝える必要があります。
買主と売買契約を結ぶ
話し合いの結果、お互いが売買条件に納得できれば売買契約を結びます。ただし、売買契約書を確認してから契約を結びましょう。
売買契約について売主と不動産仲介業者の間で契約内容の認識に違いがあるなど、売買契約書の確認不足によってトラブルを招いてしまうケースは少なくありません。
不動産売買のトラブルを避けるために、売買契約書の内容にわかりにくい項目や曖昧な部分があれば、不動産仲介業者に質問して疑問を抱えたまま売却しないようにしましょう。
買主へ物件を引き渡す
契約が成立した場合、売買代金の決済を完了させ、同時に登記申請(抵当権抹消、所有権の移転など)をおこない、物件の引き渡しをします。
ゴミの処分はもちろんですが、引き継ぐ予定の付帯設備以外のものや不用品などは引き渡し日までに撤去して、物件は何もない状態にしておきましょう。
まとめ
ゴミ屋敷を相続してしまったり、空き家がゴミ屋敷になってしまっても、売却方法やコツを理解すれば売却できます。
ただし、売却方法によってはゴミ屋敷を売り出す前に、ゴミの処分・臭いの除去・建物の解体などの費用がかかる場合もあります。
ゴミ屋敷を少しでも高値で売却したい場合、ゴミを片付けたり、リフォームして物件をキレイな状態にしてから売却するとよいでしょう。また、物件が売れない場合は更地にすると買主が見つかりやすいかもしれません。
「ゴミ屋敷を早く手放したい」「できるだけ高値で売却したい」など、条件や希望に合わせて売却方法を検討するとよいでしょう。