知らないと危険!不動産売却の流れと注意点を押さえよう

不動産売却の流れ

不動産売却では、普段馴染みのない手続きをしたり、専門用語や法律用語と向きあったりしなくてはなりません。そのため注意しないと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があるのです。

ここでは、不動産の売却をする際に注意したい内容を時系列でご紹介します。

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売却する不動産の現況を確認する

不動産 現況

まずは、売却したいと思っている物件の現況を確認しましょう。
物件の現況を確認するとは、登記情報と物件の状態が、どれほど合致しているかを確認することでもあります。
使用するのは登記簿以外に、地積測量図や建物図面、公図、あれば境界確定図や境界明示なども用意して現況を確認します。
登記情報と物件の状態が違うことなどあるはずがない、という思い込みは禁物です。物件自体が形を変えることはありませんが、所有者である売主の自覚している自分の土地の境界線などの情報が、現況のそれと食い違うケースがしばしばあるのです。

また、自分の土地に増築し、その内容を登記していなかった場合にも問題になります。これは「増築未登記」と呼ばれる事態です。本来、建物を増築した場合は登記が必要なので、増築未登記は建築基準法違反となってしまいます。これも、情報を修正してからでなければ売却手続きは進みません。

増築箇所が自分の土地の中に収まっていればまだ話は簡単ですが、面倒なのは土地の境界を誤認しており、隣接する敷地へ増築部分がはみ出ている場合です。この場合は隣接する土地の所有者とも話をつけなければならず、さらに時間と手間を取られることになります。

このような登記情報と売主の認識の差は、物件を建築してから年数が経っていればいるほど生じやすくなります

建築時と現在の法律の違いにも注意する

不動産の建築・購入などに関係する法律「建築基準法」は、頻繁に改正がなされています。現存する建物に対しては、建築時の法に適合していれば構わないことになっていますが、法改正がなされた後に新築される物件には、新しい基準が適用されなければならないことになります。

ですから、古い家を取り壊し、そこに新築住宅を建設して売却しようとしている場合は、注意が必要です。自分が思っていたような不動産利用が法改正によって不可になっており、想定される売却益よりも大幅に安い金額でしか売却できない可能性もあるためです。現存する物件に対するアクションを起こす前に、売却予定の物件が法改正によってどのような影響を受けているのかを把握するようにしましょう。

不動産売却に必要な費用を把握する

不動産費用

不動産は、うまく売れてくれれば大きなお金が入ってきます。しかしそのためには、最初にある程度の費用を投資しなければなりません。不動産売却に必要な主な費用の種類とその内訳をご紹介します。

「仲介手数料」

不動産業者に物件の売却を依頼するには、必ず仲介手数料がかかります。仲介手数料は「成功報酬」とも考えることができ、物件が無事に売却できるまでは支払わなくてよいものです。多くの場合、物件の売買契約時に半分を支払い、引き渡し時に残りの半分を支払うという形になります。

「(売買価格 × 報酬割合 + 6万円) + 消費税 = 仲介手数料」

という計算で仲介手数料の金額は決まります。仲介手数料の報酬割合については、宅地建物取引業法に基づき、次のように売買価格による上限割合が定められています

売買価格 報酬額上限
200万円以下 取引額の5%以内
200万円超400万円以下 取引額の4%以内
400万円超 取引額の3%以内

現在の消費税8%で考えると、売買価格が500万円の場合の仲介手数料上限額は次の通りになります。

500万円 × 3.24% + 6万4800円 = 22万6800円

これはあくまで「上限」であり、不動産業者によってそれぞれ異なる仲介手数料を定めていると考えて良いでしょう。また2018年からは、売主が支払う仲介手数料に限り、物件の売却価格が400万円以下の場合には一律18万円を上限とすることになりましたので注意が必要です。

仲介手数料には、不動産業者が物件の売却のために行う通常業務に対する報酬が含まれています。通常業務には、物件の情報掲載や問い合わせへの対応、内覧希望者の受付や案内、契約に関係する種々の雑務などが含まれています。売却のためにこれ以上の業務を希望する場合は、仲介手数料とは別の費用を支払って依頼しなければならなくなります。

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「印紙税」

印紙税とは、平たく言えば印紙代そのもののことです。印紙は、売主・買主双方が保管する売買契約書に貼る必要がありますが、一般的にはそれぞれが自分の契約書の印紙代を負担するのが普通です。

不動産売却の際の売買契約書に貼る印紙税は、物件の成約価格によって一定の税額となっています。

売買契約書に記載された成約価格 印紙税額
100万円超500万円以下 1000円
500万円超1000万円以下 5000円
1000万円超5000万円以下 1万円
5000万円超1億円以下 3万円
1億円超5億円以下 6万円

印紙については売買契約書の部数分必要になります。売主や買主が業者の場合は、1部の売買契約書をコピーして控えることとし、印紙代を節税することもあります。印紙代の負担は、売主、買主それぞれ自分の控えに貼る分を負担することが一般的です。

「登記費用」

売却の際の登記費用には、売主が負担するものと、買主が負担するものの2つがあります。
売主が負担するのは、売却する物件に住宅ローンの残債がある場合に必要となる「抵当権抹消登記」の費用です。

抵当権抹消登記は、物件を管轄する法務局へ平日に出向く時間さえ取れるのであれば、自分でも行うことができます。費用は登録免許税のみです。登録免許税は登記する不動産1つにつき1000円で、収入印紙で納めます。ただし自分で登記する場合には、書類の不備などで出直しをしなければならない可能性もあることを念頭におきましょう。平日にわざわざ仕事を休んで行ったのにもかかわらず、想定外の時間と手間を取られて一日が終わってしまう場合もあるのです。

それを考えると、司法書士へ依頼して抵当権抹消登記手続きを任せてしまうことも一案です。その場合は、司法書士への依頼費用として2万~4万円程度の費用が必要になるでしょう。ただし、決済日当日に売却した代金でローンの残債を一括返済して抵当権の抹消をする場合は、抵当権抹消登記の失敗が許されないため、通常は買主の指定する司法書士を使うことが一般的です。

また、売主の登記上の住所が現住所と異なる場合は住所変更登記も必要になります。一回引越ししているだけであれば住民票、複数回引越しをして住所が変わっている場合は戸籍の附票が必要になります。買主は、所有者の名義を自分のものに変更する「所有権移転登記」の費用を負担することとなります。

「譲渡益に対する課税」

不動産を売却して得た利益は「譲渡所得」とされ、所得税と住民税の課税対象になります。しかし、売却して得たお金すべてが課税対象になるのではありません。課税対象になる所得額は、次の計算式で算出されます。

売却価格 - 取得費用 - 譲渡費用 = 譲渡所得

売却価格は、不動産を売却して得たお金の総額を指します。そこから、売却した物件を購入するためにかかった取得費用売却するためにかかった譲渡費用を差し引くと、課税対象となる譲渡所得が分かります。

ちなみに取得費用とは「買った時の金額」という意味ではありません。特に不動産投資の場合は、毎月減価償却によって建物部分の金額を経費として計上しているため、譲渡所得の計算に用いる金額は減価償却後の未償却残高になります。土地部分については減価償却されませんが、建物については減価償却が控除される点について注意が必要です。

「その他実費費用」

ご紹介してきた手数料や税金以外にも、実費としてかかってくる費用があります。例えば、物件の解体費用や測量費です。物件を取り壊して売却する場合は、相場として100万~300万円程度の解体費用が必要になることも理解しておきましょう。

測量費は、ほとんどの物件の売却の際には必要になってくる費用でしょう。相場としては50万~80万円程度が必要です。

また、物件にある粗大ごみなどの搬出・処分費用も必要です。ごみの種類、ごみの量などによって費用は大きく変わってきますが、専門業者を呼んで処分を依頼する場合には10万~50万円程度は費用がかかると考えておきましょう。

物件が広く自分では隅々まで清掃できない場合、古い物件で徹底した清掃が難しい場合などには、ハウスクリーニング業者を入れる必要もあります。物件の広さによって費用は異なりますが、ワンルームでも5万円程度、ファミリー向け物件や戸建てであれば15万~30万円程度の費用がかかると予想しておきましょう。

売主自身が売却予定の物件に居住している場合は、引っ越し費用も必要です。注意したい点としては、売却予定の物件から新居へ直接引っ越せる場合は一回分の引っ越し費用で済みますが、新居に入居するまでに仮住まいを挟む場合には二回分の引っ越し費用がかかります。

査定は必ず「相見積もり」で!

不動産見積もり

不動産に限らず何でもそうですが、見積もりや査定を依頼する場合には必ず複数社へ依頼し、相見積もりをしましょう。
最低でも、特性の異なる3社以上に査定依頼をしたいところです。

具体的には、売却予定の物件を購入した時の不動産業者、大手の不動産業者、地域密着型で営業している街の不動産業者といったように、それぞれ特徴の違う不動産業者に査定させます。

不動産業者が、売却見込みとして提示してくる金額に簡単に踊らされないことも重要です。「この金額を導き出した根拠は何か」「この金額で売却するために、どのような売却活動をしてくれるのか」「今までに類似の物件を売却した実績はどれくらいあるのか」など、査定の内容に現実味を持たせるための質問をすることも必要です。相場より高い金額をちらつかせて依頼を取ろうとする業者もいるかもしれませんが、このような質問にしっかり答えられないなら、少し慎重になった方が良いでしょう。

相場については、自分自身でも把握しておく必要があります。簡単に相場を知るための方法は、不動産情報サイトなどで物件の情報を入力し、おおよその売却見込み価格を調べることです。あくまで目安ではありますが、おおよその相場を知ることはできます。
売却予定の物件と類似した売り物件が近所にあるなら、それもある程度参考になります。いくらで売りに出されているのかが分かれば、だいたい同じくらいの価格で売り出すことができると考えられるでしょう。

ただし、売り出し価格は実際の売却金額よりも高くなることがほとんどです。また、物件それぞれの細かい条件によっても大きな差が生じることがあります。おおよその目安として考えましょう。

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売買契約書の内容を、隅から隅まで厳重にチェックする

不動産契約書

売却の際には、売買契約書を締結します。しかし、不動産の専門用語や難しい法律用語が並ぶ売買契約書の内容は、素人がさらっと読んで簡単に理解できるものではありません。そのため、売主にとって不利な条件や特約が記載してあってもそれに気づくことができず、後で大変なことになるというケースもあるのです。大きなお金が動く不動産売却では、売買契約書の内容すべてをしっかり理解することは必要不可欠です。では、売買契約書締結の際に特に注意してチェックするべき次の10個のポイントについてご紹介しましょう。

1.売買物件の表示

売買予定の物件の情報が、登記簿謄本に基づいて記載されている項目です。ここに登記簿と大きく異なる記載がされることは考えにくいですが、登記事項通りに正確に記載されていない場合は、売買契約が無効になる可能性もあります。

面積などの細かい数字もすべて登記簿通り正確に記載されているかを確認しましょう。売買契約書に記載する所在地は、普段目にする住所ではなく、登記簿に載っている地番になります。住所とは異なるため必ず登記簿謄本とつき合わせて確認する必要があります。

2.売買物件の面積

登記簿に記載されている物件の面積と、実際に計測された面積は異なる場合もあります。この項目には、実際の面積を記載するのが望ましいとされています。もし実際の面積が正確に分かっていない状況で売買契約をするのであれば、契約締結後に判明した面積の差異についてはどのように対応するのかについても記載しておくべきです。

3.売買代金と支払い方法について

この項目では、売買価格、手付金や残代金の支払い時期、支払い方法、消費税額をよく確認しましょう。

具体的には、売買価格は間違いなく記載されているか、手付金や残代金の支払い期日について明記されているか、手付金の額、支払い方法は妥当なものかなどをチェックします。一般的には、売買契約締結時に売買価格のおよそ1割程度の手付金が支払われることが多くなります。手付金を除いた残代金は、物件の引き渡し時あるいは移転登記時に全額を支払うのが通常です。

実際のお金の動きを左右する項目ですから、不自然な記載がないかをしっかり確認しましょう。

4.手付解除について

契約を締結し、手付金を支払った後でも、売買契約が解除されることはあり得ます。その際の対処について記載される項目です。例えば、手付解除自体を認めないとする、または契約後の一定期間内に限り手付解除を認めるとするなど、売主買主双方が合意できる内容を定めて記載します。

一般的に不動産売却における手付解除では、買主の都合による手付解除は支払い済みの手付金を放棄する(返却を求めない)ことで、売主都合による手付解除は買主へ手付金の2倍相当額を返却することで行えるとされています。

5.公租公課の精算について

不動産に課される固定資産税や都市計画税などの税金は、1年単位で計算されます。これらの税金はその年の1月1日時点での物件の所有者に対して請求されますので、年の途中で売買契約をする場合には、売主・買主どちらが税金を負担するのか、分担するならどのくらいの割合で分担するかなどを定めておかなければなりません。売却物件がマンションの場合には、これに管理費や修繕積立金の精算も含まれることになります。

一般的には、移転登記時または引き渡し時からの日割り計算が適用されます。通常、管理費や修繕積立金は管理会社を通じて自動引落の手続きが取られています。売買決済と同時に引き落とし先を変更することはできないため、決済日の翌月までの管理費や修繕積立金は売主の口座から従来通り引き落としを行い、その金額を決済時に買主から売主に売買代金に上乗せして支払っておくことで精算するケースが一般的です。

6.所有権の移転登記と引渡し時期

物件の所有権を買主に移転するタイミングと物件の引き渡しのタイミングを記載します。売主・買主の引っ越し時期の都合もありますので、お互いに折り合いをつけて決定しましょう。

不動産業者が売買物件を買い取る場合、購入後の登記名義を第三者に直接移転するとの取り決めがされることがあります。これは「中間省略」と呼ばれる手法で、簡単に言うと不動産業者が買った物件を即日エンドユーザーに横流しをして利益を出す方式です。いちいち登記名義を不動産業者に移してからエンドユーザーに売却すると、登記費用が余分にかかるため、その部分の登記を省略して売ってしまうのです。

投資用不動産でよくある形態で、あまり売主にとってはメリットがあるとは言えないのですが、早く売りたい場合などは中間省略で買い取られるケースが多いのが現状です。もしも中間省略する旨の記載がある場合は、相場価格よりも安く買い取られている可能性が高いため、契約前によく検討することをおすすめします。

7.ローン特約

物件を購入するための住宅ローン審査に通らなかった場合には、無条件で売買契約を解除できるとする特約です。

買主にとっては、この特約がなければ無駄なリスクを背負うことにもなってしまいますので、ほとんどの売買契約書には一般的な項目として記載されています。ただし、住宅ローン審査に通らなかったことが買主の手続き忘れなどの落ち度による場合は、この特約が利用できない場合があります。

ちなみに、ローン審査が期限までに通らなそうな場合に、売主にお願いをして期間を延長してもらうこともあります。違う金融機関で審査を再度出したいときなどによくあることですが、この場合は別途覚書などを交わして対処することがあります。

8.付帯設備等の引渡し

物件に、エアコンや照明器具などの設備がある場合、引き渡し時にそれらを撤去するのか、それらも買主に引き渡すのかを記載します。撤去するのであればその旨を記載し、引き渡すのであれば不具合の有無、不具合の際の責任の所在なども明記しておく必要があります。これらは売主・買主による協議のもと決定されます。

付帯設備の詳細については、「付帯設備表」という書面を別途作成して買主に交付するケースが一般的です。設備の交換履歴や過去のリフォーム実績などが記載されます。

9.契約違反による解除について

売主または買主が契約書で定めた内容を履行しないことを理由として、相手方が売買契約を解除する場合の対処について記載する項目です。不履行を起こした側は相手方に対して、売買価格の一部を違約金として支払うことで契約を解除することになります。違約金の相場は、売買価格の10~20%程度です。20%を超える違約金は相場から外れますし、回収すること自体が困難となる場合もあるので、相場内に収めるようにしておきましょう。

10.瑕疵担保責任について

物件に、容易には分からなかった隠れた瑕疵が見つかった場合、売主が負う瑕疵担保責任について明記します。一般的には、引き渡しから3カ月~1年程度の間に限定して瑕疵担保責任を負うとすることが多くなります。瑕疵担保責任については2017年に民法改正がなされ、2020年4月1日からは「契約不適合責任」という制度が施行されることになっています。

今後外国人との不動産取引が増えることも考慮されており、日本の瑕疵担保責任という考え方がわかりにくいという欠点を改善するための改正とも言えます。

不動産売却の際は売買契約書に加え、重要事項説明書の作成も行われます。ここまで紹介してきた10個のポイントをよく確認すると共に、重要事項説明書の内容との相違がないかどうかもよく確認する必要があります。

専門家へチェックを依頼すればさらに安心

しかしこのようにチェックをしても、素人では限界があるのも事実です。間違いのない不動産売却をするためには、弁護士などの法律家に依頼し、契約書や重要事項説明書の内容を確認してもらうこともできます。契約書の締結時に立ち会ってもらいたい場合は実費の出張費用も必要になりますが、書面を持参するなどしてチェックしてもらうだけであれば、2万~4万円程度の費用で見てもらえます。不安がある場合は、弁護士に契約書や重要事項説明書などをチェックしてもらうとよいでしょう。

売却後の「瑕疵担保責任」に注意

瑕疵担保責任

先ほど少し触れましたが瑕疵担保責任とは、売主も知らなかったような物件の欠陥(瑕疵)、および買主が注意を払ったとしても発見できなかったであろう隠れた欠陥があった場合、売主がその保証を行うという責任です。

具体的には、雨漏りやシロアリ被害、配管の破損によるライフラインの不具合などが瑕疵に該当するでしょう。もちろん、どんな物件でも経年劣化していくため瑕疵担保責任は無限のものではなく、有限です。

瑕疵担保責任について現行の民法を参照すると、買主が瑕疵を知ってから1年間は売主の責任を追及することができるとしています。しかし、もしこれがその通りに適用されるとすれば、物件の引き渡しから何年経とうが売主は瑕疵担保責任から逃れられないという事態も起こることになり、極めて不条理なことと言えます。

しかも、引き渡しからある程度の年数が経ってしまっている場合であれば、それは売主が責任を負うべき原因による問題なのか?買主の維持管理による問題なのか?単純な経年劣化による問題なのか?の判別を付けることはほぼ不可能となるでしょう。そのため実際の売買現場では、瑕疵担保責任の期限を引き渡しから3カ月、長くても1年としている場合が多いようです。

売主が不動産業者ではない場合は、瑕疵担保責任を負わない特約を含めることもあります。この場合は、買主にとってリスクの大きな取引となってしまうため、物件の価格を相場よりも値引きすることでリスクを相殺するケースが多数です。

瑕疵担保責任については、注意しておきたい点が2つあります。

一つ目は、瑕疵担保責任についての事項を必ず契約書に含めることです。瑕疵担保責任について何も定めていない場合、有無を言わさず物件の引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が課されてしまいます瑕疵担保責任を負いたくない、または期間限定で負うのであれば、必ず契約書に明記し、買主の合意を得ましょう。間違っても「何も定めない」状態で引き渡すことのないようにします。

二つ目は、契約書で定めた瑕疵担保責任の期限が有効となるのは「隠された瑕疵」であった場合のみであることです。つまり、売主が知っていたのに買主には黙っていた瑕疵が露呈した場合には、契約書の期限に関係なく責任を負うこととなります。一般的によく見られることとしては、設備や構造上の何らかの欠陥を隠して売却した、という例があります。

確かに欠陥について知らせることで見込み客が減り、値引きを頑張らなくてはならなくなる場合もありますが、悪意を持って隠し事をしていたことが後になって発覚することは非常にまずい事態です。悪質な売主として知られてしまうことにもなりますし、場合によっては法的な訴えを起こされてしまう可能性さえあるでしょう。

まとめ

仲介手数料から瑕疵担保責任まで不動産売却の流れをご理解いただけたでしょうか?特に売却後に売主に多大なる影響を及ぼす瑕疵担保責任には注意が必要です。売却後にトラブルを起こさないためにも買主には誠実に対応しましょう。

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