事故物件は「家賃が安くなる」イメージをもつ人も多いでしょう。
事故物件への居住希望者は少ないため、家賃が低めに設定されるのは事実です。
実際に事故物件への居住を検討している人は
「事故物件の家賃相場はどれくらい?」
「事故物件に住むときのリスクを知りたい!」
など、さまざまな疑問や悩みを抱えている方もいるでしょう。
そこで、この記事では「事故物件への居住を検討している人」のために不動産専門家の観点から、あなたの疑問やお悩みを解決します。
具体的には
・事故物件の家賃相場
・事故物件に居住するメリット・リスク
・事故物件の探し方
などの内容を、重要なポイントだけ紹介していきます。
この記事を読めば、家賃の安い事故物件に住めるようになるでしょう。
事故物件に住みたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
事故物件とは一般的に「死人がでた物件」
物件が「事故物件」とみなされると、入居希望者が減ることから「事故物件」の家賃は相場よりも低く設定されます。
また、事故物件は一般的に「死人がでた物件」と解釈されています。
以下のような例だと事故物件と判断されるケースが多いです。
- 自殺があった物件
- 他殺があった物件
- 事故死や孤独死があった物件
ただし、法律やルールで「このような物件が事故物件である」と決められているわけではありません。
死人がでた物件は、さまざまな要素をもとに事故物件かどうか判断されます。
事故物件に入居する際は「事故物件であること」を必ず告知される
事故物件の家賃は相場よりも低く設定されます。
「家賃が低くなるなら・・・」と、事故物件への居住を希望する人もいるでしょう。
もしも、事故物件に居住する際は「事故物件であること」を貸主・売主から必ず告知されます。
なぜなら、事故物件を取引する際、売主は買主に対して「物件の瑕疵(欠点)」を伝える義務があるからです。
この義務のことを「告知義務」といい、物件を取引する際は必ずおこなわれます。
なお、物件の瑕疵は契約時に「重要事項説明書」を用いて告知されます。
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
引用:e-Govポータル「宅地建物取引法第35条」
事故物件なら相場の20~30%程安く居住できるケースが多い
事故物件には入居希望者が集まりにくいため、相場よりも安い家賃で居住できるケースが多いです。
少しでも家賃を節約するために、望んで事故物件に居住したい人もいるでしょう。
実際に、事故物件を運営する不動産会社の多くが、通常の賃貸物件における相場価格より「20~30%」程度安く家賃を設定しています。
また「凄惨な事故があった物件のため、1年間は家賃を半額にする」といったケースもあります。
しかし「事故物件の家賃は安くすべき」というルールや法律はありません。大家・貸主が自主的に安くしています。
ですので「事故物件であれば必ず家賃が安くなる」わけではないことを、覚えておきましょう。
過去にその物件でおきた事故・事件の内容などが考慮された上で、事故物件の家賃価格が決められます。
契約更新時に家賃が値上げされる可能性もあるので注意
賃貸物件の契約期間は「2年間」が一般的とされています。
事故物件にかかわらず、契約更新の時期には「家賃の値上げ」を提示される場合もあります。
事故物件の場合は「契約更新後も同じ家賃で貸す」といった旨の契約をしていなかった際に、家賃を値上げされる可能性が高いでしょう。
家賃の値上げは、大家と借主の交渉によって決まります。
「値上げする額を減らしてもらう」「値上げの開始時期を送らせてもらう」など、お互いが納得できる交渉を目指しましょう。
もしも、更新時期における家賃の値上げについて、大家とトラブルになりそうであれば不動産問題に詳しい弁護士に相談するのもよいでしょう。
法律に詳しい第三者に依頼することで、あなたの状況に応じた解決を望めるはずです。
事故物件に居住するメリット
さきほども説明しましたが、事故物件の「家賃の低さ」はメリットといえるでしょう。
他にも「事故物件はリフォームされているケースが多く、見た目が綺麗」というメリットもあります。
以下の項目から、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
相場と比べて家賃が安い
さきほども説明しましたが、事故物件の家賃は相場価格と比べて「20~30%」安いです。
家賃が安ければ月々の家賃を節約できるため、事故物件への居住を希望する人もいるでしょう。
また、当社がおこなったアンケート調査では、賃貸物件に入居する際、多くの人が「家賃を最も重要視する」という結果があります。
その点では、安く居住できる「事故物件」はメリットになり得るでしょう。
リフォームされているケースも多いため見た目がよい
事故物件は死人がでた物件のため、死体から漏れ出た体液などで汚れてしまいます。
そのような「遺体の痕跡」が残ったままでは、誰も居住できません。
遺体の痕跡を消すために、特殊清掃がおこなわれます。
また「事故物件であることを感じさせない」ために、部屋がリフォームされているケースも多いです。
これらのことから、一般的な賃貸物件と比べても、事故物件の見た目は綺麗なことが多いです。
過去にあった事故・事件を気にしないのであれば、安い家賃で綺麗な物件に居住できるでしょう。
事故物件に居住するリスク
これまでは、事故物件に居住するメリットを紹介しました。
しかし、事故物件である以上、リスクがあることも否めません。
事故物件に居住する際のリスクは以下3つです。
- 死臭や腐敗臭といった臭いが残っている
- ネットに事故情報や住所が掲載されている
- 周囲の入居者が事件のことを覚えている
それぞれのリスクについて、次の項目から見ていきましょう。
死臭や腐敗臭といった臭いが残っている
事故物件には、死臭や腐敗臭が残ってしまうケースが多いです。
事故・事件後は必ず特殊清掃を実施しますが、臭いが取れず入居後にも残ってしまう恐れもあります。
とくに、遺体の発見に時間がかかってしまえば、物件へ死臭が強く残ります。
臭いに敏感な人だと、気分を害してしまったり体調を崩してしまうかもしれません。
ネットに事故情報や住所が掲載されている
火災などの事故や自殺・殺人があった物件を、住所付きで掲載しているサイトがあります。
その中でも「大島てる」というサイトはとくに有名です。
大島てるには削除依頼を出せますが、一度インターネットに公開された情報を完全に消去することは困難です。
インターネット上に住所が載ってしまうと、不審者が訪れたり身に覚えのない郵便物が届く恐れもあります。
周囲の入居者が事件のことを覚えている
大きな事故や事件が起きた物件だと、近隣の住民や周囲の入居者が事件のことを覚えているでしょう。
事故物件に入居すると、あらぬ噂をされる恐れもあります。
事件の大きさによっては、野次馬が来る恐れもあるので注意が必要です。
事故物件を探す方法
事故物件のメリットとリスクを知ったうえで、それでもなお事故物件に居住したい人もいるでしょう。
しかし、不動産会社にわざわざ事故物件を探しに行くのは面倒かもしれません。
そこで、事故物件をすぐに探せる方法を紹介します。
- 極端に家賃が安い物件を探す
- インターネットサイト「大島てる」を使用する
- 「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」の物件を探す
以下の項目から、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
極端に家賃が安い物件を探す
さきほども説明しましたが、事故物件は家賃が安く設定されることが多いです。
そこで、周辺の相場価格よりも、家賃が極端に安い物件を探してみましょう。
居住を希望するエリアを決めたのちに、インターネットサイトで極端に家賃が安い物件を探すと、事故物件が見つかりやすいでしょう。
「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」の物件を探す
インターネットサイトを利用して事故物件を探す場合「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」の物件を探すとよいでしょう。
告知事項・・・心理的瑕疵などがある場合に、貸主から告知される事項があること。
つまり「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」の物件は事故物件の可能性が高いです。
事故物件であれば、安めに家賃設定されているでしょう。
インターネットサイト「大島てる」を使用する
居住を希望するエリアが決まっている場合、インターネットサイト「大島てる」を使用してみましょう。
大島てるは「入居者が正しい情報のもとで賃貸物件を選べるように」という理念のもと運営されているサイトで、さまざまな事故物件の情報を調べられます。
事件や事故の内容も記載されているので入居するかどうか、参考にできるでしょう。
まとめ
事故物件を契約する際は、必ず「事故物件であること」を告知してもらえます。
ですので、事故物件を探すときは「告知義務あり」「心理的瑕疵あり」の物件を探すことで、事故物件を見つけやすいでしょう。
また、事故物件は相場価格と比べて、家賃が20~30%安くなることが一般的です。
事故物件への居住は「家賃が安い」「リフォームされているケースも多いため部屋の見た目がよい」といったメリットがあります。
しかし、事故物件へ居住する際は、さまざまなリスクがあることも把握しておくべきです。
メリットとリスクを知ったうえで、事故物件への居住を決めるとよいでしょう。