「再建築不可の借地」は売却しようと思っても、なかなか買主が見つかりません。
再建築不可の状態を解消した後であれば、比較的売却しやすいですが、そのための手間や費用もかかるため、容易におこなえる方法ではありません。
しかし、再建築不可の借地でも、地主または買取業者が買主であれば、そのまま売却できる可能性があります。
ですので、再建築不可の借地を売却したい場合、まずは借地権に詳しい専門買取業者の無料相談を受けるとよいでしょう。
「再建築不可の借地」は売却しようと思っても、なかなか買主が見つかりません。
再建築不可の状態を解消した後であれば、比較的売却しやすいですが、そのための手間や費用もかかるため、容易におこなえる方法ではありません。
しかし、再建築不可の借地でも、地主または買取業者が買主であれば、そのまま売却できる可能性があります。
ですので、再建築不可の借地を売却したい場合、まずは借地権に詳しい専門買取業者の無料相談を受けるとよいでしょう。
「再建築不可の借地」は買主がつきにくい再建築不可物件・借地、2つの特徴を同時に持っている物件です。
その単語の並びだけでも、売却が難しいことは想像できるでしょう。
具体的にいうと、売却がむずかしい理由は以下の3つです。
売却がむずかしい理由を順番に解説します。
再建築不可の借地は、その購入資金として住宅ローンを利用することは難しいです。
まず、借地権付き建物だけだった場合でも、住宅ローン審査が通らないことも多くあります。
そのため、建物に抵当権を設定し、借地権まで効力が及ぶという形を取ります。
抵当権を設定する際、金融機関からローン承諾書の提出を求められます。
ローン承諾がなければ抵当権を設定できないわけではありませんが、抵当権の実行前に借地契約を解除されると、競売で買主がつかなくなるからです。
また、ローン承諾は地主に協力義務がないので、拒否される可能性もあり、裁判所に申し立てたとしても主張が認められることはほとんどないです。
さらに、再建築不可となれば、融資を受けられることはまずありません。
万が一、借主の返済が滞ったとしても、抵当権の実行によって対象不動産を競売にかけ、資金を回収する目処が立つからです。
しかし、再建築不可の借地は買主がほとんどいないため、担保評価も非常に低く、ほとんどゼロに近いです。
融資を受けることがむずかしいので、再建築不可の借地を購入するときには現金での一括払いが求められます。
借地権の買主は、通常の不動産と同じように使うことはできません。
増改築や第三者へ譲渡するときには地主の承諾が必要で、承諾料として借地権価格の10%程度を支払う必要もあります。
また、借地の利用していない部分を駐車場として第三者に賃貸する場合も、地主の承諾が必要になります。
もし無断で行った場合、契約違反として借地契約を解除されるおそれもあるので注意してください。
借地権はあくまで建物所有を目的とした土地の賃貸です。所有権は地主にあるので、借主である借地権者はその土地を自由にすることはできません。
わざわざ不動産を購入しても、利用に制限がかかるため、買主も見つかりにくいです。
再建築不可物件は建物が老朽化したり、地震や台風などの災害で倒壊したりしたとしても、再建築不可物件であれば、建替えは認められません。
そのため、買主は建築確認申請が不要な範囲で建物をリフォーム・リノベーションするか、そのまま使い続けることになります。
どのような状況であっても再建築不可であれば、再建築は認められないので、購入者のリスクが高いです。
したがって「立地が非常にいい」「どうしてもその土地でなければならない」という特別な理由がなければ、購入希望者が見つからないでしょう。
このように再建築不可・借地権どちらにも問題があるため、再建築不可の借地をそのまま売却することは困難です。
再建築不可の借地を売却したいときには、まず再建築不可の状態を解消する方法を考えます。
そもそも再建築不可の原因は、接道義務を満たしていないことがほとんどです。
そのため、下記いずれかの方法で接道義務を満たすようにして、再建築不可となっている原因を取り除きます。
建築基準法では、幅員4m未満の道路に接した状態で建物を建築できません。
しかし、実際には明らかに幅員4m未満の道路に沿って複数の建物が存在しています。
もちろん、これらすべてが違反建築物というわけではなく、建築基準法で現在の接道義務が定められる前に建設された建物については、そのまま存在することが認められているからです。
ただし、建替え時には、接道義務を満たすように敷地を後退させる「セットバック」が必要にあります。
対面が宅地の場合 | 道路の中心線から2m以上となるように敷地を後退させる |
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対面が河川や崖地、線路などの場合 | 境界線から4m以上となるように敷地を後退させる |
あなたの自宅が、建替え時にセットバックを必要とするかどうかは、前面道路が2項道路かどうかで判断できます。
2項道路は、建築基準法施行時にはすでに建築物が並んでいた幅員4m未満の道路で特定行政庁が指定したものです。そのため、役所の建築指導課で確認できます。
ただし、セットバックが必要な場合、借地契約を解除される可能性もあるので、必ず地主に相談しましょう。
そのため、セットバック後の地代についても地主に確認して、改めて土地賃貸借契約書を作成することをおすすめします。
借地が道路と接している間口が2m未満のときには、接道義務を満たすために隣地を地主に買い取ってもらえないか相談しましょう。
ただし、隣地のすべてを買取る必要はなく、接道義務を満たせるように、隣接地の所有者から土地の一部を買取するだけで十分です。
まずは隣接地との境界線を確認し、買取る余地があるかどうかを確認して、問題なさそうであれば、地主に隣地の買取を提案します。
ただし、隣接地を買う場合は隣地所有者との交渉があり、地主も資金の用意が必要になるため、以下の内容を決めておくことが大切です。
あなたがたとえ地主と隣地所有者のどちらとも良好な関係を築けていたとしても、土地の売買となればお互いにとって重大な決断になります。
当事者のみで話し合うとまとまらないことが多く、専門知識と不動産に関する経験も必要になるので、借地権や再建築不可物件の売買実績が豊富な不動産会社に間に入ってもらう方がスムーズに手続きが進むでしょう。
隣地の買取を地主または隣地の所有者から断られた場合、増築や建替えの工事中のみ土地を利用できる「一時使用賃貸借契約書」を交わします。
一時使用賃貸借契約を結び、間口が2m以上となるのであれば、建築確認申請も許可されます。
このとき、契約は口頭でも有効ですが、建築確認申請で添付書類として提出するので、書面に残しておくことが大切です。
また、この方法であれば、借地に手を加えるわけではないので、借地権の第三者への譲渡承諾をもらえれば問題ありません。
ここまで解説してきたように、再建築不可の状態を解消する方法は複数あります。
しかし、どの方法でも滞りなく進めるためには借地権や建築基準法など不動産に関する専門知識と深い理解が必要です。
そのため、あなたが売却を考えている借地について、再建築不可を解消するための適切な方法について、不動産会社に相談しながら決めることをおすすめします。
このような事情で、理想通りに再建築不可の状態を解消できないケースも多いでしょう。
しかし、借地の売却を諦めなければならないわけではありません。
次の方法を用いれば、再建築不可のまま借地を売却できます。
それぞれの売却方法を順番に解説します。
最初に考えるべき売却先は地主です。
なぜなら、地主であれば借地権を買取ることで完全所有権の土地となり、購入するメリットが大きいからです。
そのため、売却価格も一番高くなります。ただし、接道義務を満たしていないということは、前面の道路幅あるいは間口の幅が狭い土地になります。
したがって、更地にして駐車場としても使いにくく、土地活用が難しいため地主にとっての価値もほとんどありません。
そのため、通常の借地に比べると地主が買取るメリットは小さく、先ほど紹介した方法のいずれかで再建築不可を解消できなければ断られる可能性も高いでしょう。
それでも地主が借地を買い取れば所有権となるので、隣接地の所有者に土地を売却したり、同時売却したりといった方法も自由に選べるようになります。
地主に借地権を購入してもらう方法と逆に、あなたが地主から底地を買取ることで、その土地の所有権を取得します。
所有権となれば売却も自分の意思のみで進められるので、隣接地の所有者への売却に関する交渉もシンプルです。
底地権購入のために地主との交渉、資金の準備が必要になりますが、隣接地に売却できるのであれば十分な利益を見込めます。
再建築不可物件の売却価格は、市場価格の50%程度が相場です。
しかし、隣接地も再建築不可で、あなたの土地を購入することで再建築不可が解消されるような状態であれば、隣接地の所有者にとっては大きなメリットになるため、売却価格も市場価格に近い金額が期待できます。
このようなときには、買取業者への売却を考えてください。
買取業者であれば、一般的な仲介による売却では買主が見つからない物件でも買取してもらえる可能性が高いです。
ただし、再建築不可物件の取り扱いは難しいため、買取業者によっては査定してもらえないことすらあります。
さらに借地権ということで、買取業者への売却であっても地主の承諾と譲渡承諾料などの費用も必要になります。
複雑な取引となるので、再建築不可と借地権のどちらの物件でも買取実績がある会社を選ぶようにしましょう。
できるだけ高値で売却したいなら専門の買取業者に依頼することをおすすめします。
もちろん買取業者への査定は、その金額を見て、納得できなければ買取を拒否することもできるので安心してください。
再建築不可の借地を売却しようと思うと、そのままではまず買主が見つかりません。
なぜなら、再建築不可物件・借地権の物件は、それぞれ単独でも売却が難しいにもかかわらず、その2つの条件が同時に存在しているからです。
売却するためには、再建築不可の状態を解消したり、借地権の状態を解消しておく必要があります。
とはいえ、どちらの方法もむずかしい手続きが必要なので、まずは専門の買取業者へ相談するとよいでしょう。