アパート・マンションなどの不動産賃貸経営をおこなっているオーナーの中には、本業が別にあるため、管理業務を管理会社に委託している人もいます。
しかし、管理会社といっても多くの管理会社があり、各管理会社によって管理委託費や業務内容が異なるため、どの管理会社を選ぶべきか悩んでいる人も多いです。
この記事では、管理会社の選び方や選ぶ際のポイントを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
アパート・マンションなどの不動産賃貸経営をおこなっているオーナーの中には、本業が別にあるため、管理業務を管理会社に委託している人もいます。
しかし、管理会社といっても多くの管理会社があり、各管理会社によって管理委託費や業務内容が異なるため、どの管理会社を選ぶべきか悩んでいる人も多いです。
この記事では、管理会社の選び方や選ぶ際のポイントを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
マンションやアパートなどの投資物件を購入しただけでは安定した家賃収入が得られるわけではありません。
安定した家賃収入を得たり賃貸物件の資産価値を低下させないためには、管理をしっかりとおこなうことが重要です。
管理会社に物件の管理を委託した場合には、主に以下の2つの業務をおこないます。
それぞれの業務内容の違いについて詳しく説明します。
入居者管理業務とは入居者募集や契約、入居者が安心して暮らせるようにサポートする業務です。入居者管理業務には、主に以下の4つが挙げられます。
部屋が埋まっていれば問題ありませんが、空室が生じていると家賃収入が得られません。そのため、空室が生じた場合は入居者募集や内覧などの入居付けをおこなう必要があります。
入居付けで入居希望者が見つかれば、後は契約に移行します。契約では、物件の所有者と入居者間で賃貸契約書を交わし、賃料や敷金・礼金などの費用を支払います。
また、設備に不具合が生じた場合や騒音や異臭といった入居者間トラブルが生じた場合には、それらに対応しなければなりません。
入居者から家賃を徴収する、家賃滞納者がいた場合には保証会社に申請するまたは催促して滞納家賃を回収する必要があります。
他にも、退去希望者が現れた場合には、退去時に立会って原状回復をどこまでおこなうかといった現地確認を通して、修繕および敷金の精算をおこないます。
賃貸住宅といった収益物件では、入居者がいて初めて家賃収入が生じることから、家賃収入に直結するこれらの入居者管理業務は必要不可欠といえるでしょう。
建物管理業務とは、物件の清掃や設備の点検・修繕など、物件の資産価値が低下しないように建物の維持管理をおこなう業務です。建物管理業務には、主に以下の3つが挙げられます。
建物が汚れていると入居者の満足度が低下するだけでなく、その汚れが原因で建物の劣化が進行する可能性があります。
そうなると、空室率が高くなったり劣化を修繕するための費用がかかることから、エントランスホールや共用廊下などの日常清掃をおこなうとよいです。
落ちにくい汚れは、高圧洗浄や専用の薬品を使用した定期清掃を外部業者に業務委託するのが一般的です。日常清掃に合わせて日常点検もおこなうケースが多いです。
外壁のひび割れといった不具合に気づくのが少しでも遅れた場合には、そこから雨が染みこんで柱の劣化や雨漏りへと発展する可能性があります。
それらを未然に防ぐためにも、劣化が生じていないか日常点検をおこなうことが重要です。
また、建物にエレベーターが設置されている、貯水タンクが設置されている場合には、法律に基づいて定期的に検査をおこなわなくてはなりません。
退去希望者が現れた場合には、次の入居者が気持ちよく入居できるようにクリーニングを専門業者に手配します。
設備が古くてニーズに合っていない場合は、退去に合わせてリフォームをおこなうのも建物管理業務の1つです。
仲介管理会社と一口にいっても数が多く、会社ごとに差があるため、その中から自分に合った仲介管理会社を選ぶ必要があります。管理会社を選ぶ際のポイントは、主に以下の6つです。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
客付け力とは、入居者募集を行った際に速やかに契約に至ることができる力です。営業力ともいいますが、客付け力が高い管理会社に管理を委託すれば、空室期間を短く抑えることが期待できます。
客付け力が高いかどうか判断する方法として以下の2つが挙げられます。
不動産ポータルサイトとは、賃貸物件情報を掲載しているサイトです。最近はネットやアプリを利用して物件を探す人が増えているため、これらのサイトへの登録は必須です。
ただ登録しているだけでなく、写真が多い、コメントが多いなど、他の管理会社と差別化を図っているかどうかを確認した方がよいといえます。
他の物件の入居率が高いか低いかを確認すれば、管理会社のおおよその客付け力を知ることが可能です。
全ての管理物件の入居率を確認する必要はありませんが、最低でも地域や築年数の条件が似た物件の入居率を確認して、高い入居率を維持している管理会社を選ぶことが重要といえます。
また、客付けだけでなく、既に顧客を抱えている元付けもおこなっている管理会社を選んだ場合は両方からの入居者獲得が期待できるため、顧客を抱えているか聞いてみることも1つの選択肢といえるでしょう。
管理委託費とは、管理会社に管理を委託した場合に支払う報酬です。宅地建物取引業法には、管理委託費の上限が設けられていないため、管理会社ごとに管理委託費の設定は異なります。
しかし、高すぎると賃貸物件のオーナーから委託を受けられないため、家賃収入の3%~8%に設定されているのが一般的です。
管理委託費が高く設定されている管理会社の場合は、毎月の支出が増えて不動産経営が不安定になる可能性があるので十分に注意が必要です。
そのため、管理委託費が家賃収入を圧迫していないかを確認する(目安として3%~5%の間に収まっている)、管理委託費に見合った業務をしっかりおこなっているかを確認することが大切です。
不動産経営は短期間ではなく、基本的には長期間の運用になるケースが多いため、管理会社の担当者との付き合いも長くなります。
そのため、担当者で不動産経営がうまくいくかが大きく異なるともいえます。何でも気軽に相談しやすい担当者かどうかも重要ですが、連絡に対する返答が早いかどうかも管理会社を選ぶ際の重要なポイントです。
担当者が休みの日を除いて、連絡から返答までに1日以上の時間がかかっていると対応の遅れが原因で、入居者の不満が募るといったように不動産経営に支障が生じる可能性があります。
そのため、連絡をしてから最低でもその日のうちに何かしらの回答を出す担当者であることが不動産経営を安定させる上で重要です。
賃貸管理会社を選ぶ際は、担当者が返答にどの程度の時間を要しているのか、報告や連絡はどのくらいの頻度なのかあらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。
担当者の対応が丁寧であることも重要ですが、担当者が不在の日や担当者が転勤になっても、安心して任せられる管理会社かどうかも調べておくことが大切です。
たとえば、担当者が休みで不在という状況でも、管理会社内で全ての物件情報がデータベースで管理されている管理会社は安心です。
そのような管理会社であれば、担当者が休みの場合でも他の担当者が代替案を提案してくれたり担当者が転勤になっても情報共有できているので、次の担当者がスムーズに物件を引き継ぐことが可能です。
そのため、管理会社を選ぶ際は、担当者だけが物件情報を管理しているのか、管理会社全体で物件情報を共有しているのか確認してから選ぶことも重要といえるでしょう。
管理業務といっても多くの業務があり、どの業務を管理会社が手掛けているかは各管理会社で異なります。
同じ管理委託費でも業務内容の幅が異なる可能性もあるため、契約前にしっかり管理委託契約の内容を確認するとよいです。
契約してから「クレーム対応が含まれていない」「日常清掃が含まれていない」と気づいても手遅れです。
契約してから後悔しない、安定した不動産経営をおこなうためにも、管理委託契約に基本的な業務内容が含まれているか、管理委託費と業務内容が見合っているかどうかを事前に確認しておきましょう。
「大手の管理会社を選べば間違いない」と考えている物件オーナーもいるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
大手の管理会社は会社の認知度が高いため、客付け力において地域の管理会社よりも優れています。
しかし、担当部署が分かれているケースが多いため、トラブルが生じた場合には対応スピードが遅くなりやすいというデメリットがあります。
地域密着型の管理会社は地域情報に精通しており、大手とは違った客付け力が期待できます。また、トラブルが生じても臨機応変に対応してくれることがメリットです。
一方で、大手とは異なり人手が少なく、1人あたりの担当物件数が多くなりやすいというデメリットがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、それらをしっかりと踏まえた上で自分に合った管理会社を選ぶことが大切です。
管理会社は数多くの業務を手掛けていますが、全ての管理業務をおこなっているかは各管理会社で異なります。管理会社と一口に言っても、どのような業務を手掛けているかによって、大きく以下の3つに分類されます。
それぞれの管理会社の違いについて詳しく見ていきましょう。
不動産経営をおこなう大家さんの中には、管理委託費や仲介手数料を抑えるために自主管理を選ぶ人もいますが、自主管理と管理委託では営業力に大きな差が生じます。
仮に仲介専門会社に委託した場合、仲介業務のみをおこなってくれるため、自主管理の弱点を補うことができます。
しかし、その他の入居者対応や建物管理などは自分でおこなわなくてはならないので注意が必要です。
不動産経営に必要な管理を全て仲介管理会社がおこなってくれるため、物件のオーナーは仲介管理会社の指示に従って契約書にサインする、提案に対して指示を出すだけで済みます。
そのため、副業として不動産投資するサラリーマン大家さんのように、不動産投資と本業を両立する時間をうまく確保できない人や不動産投資の知識や経験が少ない人は仲介管理会社を選んだ方がよいといえるでしょう。
近くに学校や会社がある場合、学生用や会社用の寮として賃貸物件を運用しているオーナーもいると思います。
そのような収益物件では、入居者募集を積極的におこなわなくても入居希望者を確保できる環境が整っているため、仲介業務は不要です。
しかし、入居者対応や建物の管理は必要になるため、管理専門会社に管理を委託すれば不足している部分を補ってもらえます。
学生用や会社用の寮であっても学校が移転したまたは会社が撤退したといった場合には、安定して入居者を確保できなくなります。
そうなると、オーナー自ら入居者を募集する、仲介専門会社に委託する、仲介管理会社に変更するなどの対応が求められるので注意が必要です。
通常の仲介管理会社の場合には、空室が生じると空室期間の家賃収入は生じません。
一方で、サブリース契約の場合には、入居者の有無に関係なく不動産会社が部屋を借り続けているので必ず家賃収入を得ることができるというメリットがあります。
また、不動産会社が契約した入居者が家賃を滞納しても、不動産会社から家賃収入を得られる状況は変わらないため、空室リスクや家賃滞納リスクを抑えることが可能です。
しかし、サブリース契約では管理会社に支払う管理委託費よりも手数料を多く支払わなくてはなりません。
管理委託費は家賃収入の3%~8%でしたが、サブリース契約の手数料は約10%です。入居者を選ぶことができず、サブリース契約を締結した不動産会社が倒産した場合はその後の家賃保証がなくなるというデメリットもあります。
空室リスクや家賃滞納リスクを抑えられるのは大きなメリットといえますが、収益の最大化を目指したい場合には、サブリース契約よりも管理委託の方がよいでしょう。
不動産投資は投資用物件を購入するだけで安定した家賃収入が得られるわけではありません。
入居者を継続的に確保する、投資用物件の資産価値を維持するためにも、管理業務にしっかり取り組む必要があります。
しかし、管理業務と言っても、数多くの業務に取り組まなくてはならないため、サラリーマンオーナーのように本業がある人や不動産投資の知識や経験があまりない人は管理会社に全てを委託した方が効率良く不動産投資をおこなうことが可能です。
世の中には数多くの管理会社があるため、その中から自分に合った管理会社を選ぶことが重要です。
これから管理会社を選ぶ人は、この記事に書かれている管理会社を選ぶ際のポイントを理解してから管理会社を選ぶことが大切です。
また、既に管理会社に委託していて現状の管理に満足していない人は、選定を誤っていないか現状を見直してから管理会社の変更に移りましょう。