暴力団事務所に近い家はどうやって売るべき?売却や活用の方法を解説!

暴力団事務所

暴力団などの反社会的勢力は、近くにいるだけで脅威に感じる存在です。また、抗争が起きてしまうなど、さまざまなトラブルが予測されるため、暴力団事務所の近くにある不動産は買い手がつきにくいです。

実際に暴力団事務所の近くにある不動産の売却を考えている人は

・暴力団事務所の近くだと、売却価格は下がってしまうの?
・少しでも高く売却するために、暴力団事務所に近い不動産の売却相場価格を知っておきたい
・暴力団事務所に近い家が、なかなか売却できないときはどうすればいい?

など、さまざまな疑問に悩まされていることでしょう。

そこで、この記事では「暴力団事務所に近い家を手放したい人」のために不動産専門家の観点から、あなたの疑問やお悩みを解決します。

具体的には

・暴力団事務所に近い家の売却相場価格
・暴力団事務所の付近にある家が安くなってしまう理由
・暴力団事務所に近い家がなかなか売却できないときの対処法

などを、順番通りに重要なポイントに絞って解説していきます。

この記事を読めば、暴力団事務所の付近にある家でも、スムーズに売却できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

暴力団事務所に近い家の売却価格

暴力団事務所

暴力団事務所に近い家の評価額は、周辺の一般的な評価額と比べて低く設定されているのが一般的です。

しかし、低く設定されていると言っても、隣地に暴力団事務所がある場合と少し離れた場所に暴力団事務所がある場合では、影響力が大きく異なります。

暴力団事務所に近い家の相場がどのくらいか、シチュエーション別に見ていきましょう。

隣地に暴力団事務所がある場合は20~50%安くなる

隣地に暴力団事務所がある場合、安心できる居住環境が確保されているとは言い切れません。そのため、地域や暴力団の規模などによる違いがあるものの、周辺の相場よりも20~25%低く設定されているのが一般的です。

トラブルが多く発生する暴力団事務所の隣地で、過去に抗争による発砲事件が発生したような場所の場合は、周辺の相場よりも50%程度低くなる可能性もあります。

暴力団事務所から少し離れている場合は20~25%安くなる

少し離れたところに暴力団事務所がある場合、隣地にある場合と比べると、影響力はそこまで大きくはないと言えます。

しかし、完全に影響がないとは言い切れず、何かしらのトラブルが発生しないか不安を抱えながら過ごすことには変わりありません。

そのため、隣地ほど評価額に影響を与える可能性は低いと言えますが、それでも周辺の相場と比べると20~25%低くなると言えるでしょう。

隣に暴力団関係者が住んでいる場合は売却価格にほぼ影響しない

隣の部屋に暴力団関係者が住んでいる場合には、同じ建物内にいるので評価額に大きな影響を与えると思っている方も多いのではないでしょうか?

しかし、暴力団関係者が近隣住民との間で特にトラブルを起こしていない場合には、評価額への影響はそこまで大きいとは言えません。

そのため、周辺の相場とほぼ同様の価格で売却できる可能性が高いと言えますが、トラブルを頻繁に起こす暴力団関係者の場合は、周辺の相場と比べて20~25%低くなる可能性もあるでしょう。

暴力団事務所に近い家を売却するデメリット

暴力団事務所

暴力団事務所に近い家は売却価格が低いとわかりましたが、なぜ低くなってしまうのでしょうか?その理由は、暴力団事務所近くであることにデメリットが潜んでいるためです。

例えば、暴力団事務所があるというだけなら問題はありませんが、暴力団事務所付近では発砲事件が生じることもあり、治安が良いとは言えません。

暴力団事務所に近い家にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?暴力団事務所に近い家のデメリットについて見ていきましょう。

買主に対して瑕疵担保責任を負う恐れがある

瑕疵担保責任とは、物件に何らかの瑕疵が潜んでいる状況で、それを告げずに売却した場合に問われる責任のことです。

自殺や殺人が生じた事故物件は心理的瑕疵、建物に潜むシロアリや雨漏りの被害は物理的瑕疵が潜んでいます。物件が暴力団事務所近くに位置している場合には、環境的瑕疵が潜んでいると考えられます。

環境的瑕疵とはどのようなものか詳しく解説します。

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家周辺に嫌悪施設があると環境的瑕疵に該当する

環境的瑕疵・・・売却予定の物件の土地や建物に潜む瑕疵ではなく、物件の周辺環境に対する瑕疵です。

環境的瑕疵に該当する事例として、以下のような事例が挙げられます。

・線路や高速道路の付近で振動や騒音問題を有している
・異臭を放つ施設や建物が存在している
・高層マンションやビルがあって日照や眺望が悪い
・暴力団事務所や宗教団体といった嫌悪施設が存在している

環境的瑕疵を有しているかどうかの判断は、物件を購入する人によってそれぞれ異なります。例えば、電車が好きな人にとっては、線路の近くの居住環境でも環境的瑕疵を有しているとは言えません。

しかし、買主の中には、その環境的瑕疵が存在していることを事前に知っていれば売買契約に至らなかったということで、トラブルに発展する可能性もあるので契約時は注意が必要です。

では、嫌悪施設とはどのような施設を意味するのでしょうか?

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暴力団事務所も嫌悪施設も含まれる

嫌悪施設と言っても、明確な定義が決まっているわけではありません。物件周辺にその施設が存在していることに対して、良い印象を抱かない施設が嫌悪施設に該当すると言えます。

嫌悪施設には、以下のような施設が挙げられます。

・高速道路や線路
・工場やゴミ焼却場
・ガソリンスタンドや暴力団事務所
・墓地や風俗店

高速道路や線路は騒音や振動、工場やゴミ焼却場は煤煙や臭気が発生する可能性があるため、嫌悪施設に該当すると考えられています。

また、ガソリンスタンドは引火による爆発、暴力団事務所は抗争によるトラブルの発生などのように危険性が高いため、同様に嫌悪施設と考えられています。

一方、墓地や風俗店などはそれらが直接的な害を与えるわけではありませんが、心理的に良い印象を与えるものではありません。そのため、これらの施設が近くにある場合も環境的瑕疵を有していると言えるでしょう。

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瑕疵のある事実を買主に告知しなければならない

瑕疵のある物件を売却する際は告知義務を伴います。告知義務とは、物件の有している瑕疵の内容を買主に正確に伝える説明義務です。

この説明義務を果たさなかった場合には、告知義務違反(説明義務違反)として瑕疵担保責任を負うことになります。

説明義務を果たすには売買契約書の一部に瑕疵の内容を盛り込むだけでなく、口頭できちんと買主に伝えなければなりません。

説明義務を果たして相手が納得して契約に至った場合は、その瑕疵の内容を理由とする瑕疵担保責任を負わなくて済みます。自分を守るためにも、必ず買主に告知しましょう。

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告知せず売却すると損害賠償を請求される恐れがある

心理的瑕疵や物理的瑕疵を有している物件は、物件そのものに瑕疵が潜んでいるため、物件を購入した目的が達成できない場合には契約解除も認められます。

しかし、環境的瑕疵については物件を購入した目標を達成できないわけではないため、契約解除が認められる可能性はかなり低いです。

ところが、暴力団事務所で過去にヤクザ同士の抗争に一般人が巻き込まれたような場合、契約解除が認められる可能性もあります。

とは言っても、余程の理由がない限りは契約解除が認められる可能性は低いと言えるでしょう。しかし、契約解除が認められない場合でも、損害賠償が認められる可能性は高いと言えます。

東京地方裁判所で行われた平成7年8月29日の裁判例では、付近に暴力団事務所が存在していることを告知せずに土地を売却した場合における瑕疵を認めています。

この際の判決では、周辺地域の相場状況が評価額より評価減割合が20~25%程度だったため、物件代金の2割相当の損害賠償請求を認めました。

このように裁判例でも、環境的瑕疵に対する損害賠償を認められることもあるため、物件付近に暴力団事務所が存在している場合には必ず告知しましょう。

隣人が暴力団関係者という程度では瑕疵担保責任に該当しない

物件の近くに暴力団事務所がある場合、瑕疵担保責任を問われる可能性があります。

では、分譲マンションや賃貸マンションに暴力団事務所の関係者が入居者または賃借人として暮らしていた場合、瑕疵担保責任が問われるのでしょうか?

環境的瑕疵を考える際には「日常生活を送る上で支障があるかどうか」が争点となります。暴力団関係者が1人マンション内に住んでいる程度では、日常生活を送る上で何かしらの支障があるとは言い切れないため、瑕疵担保責任を問われる可能性は低いと言えます。

また、マンション内に住んでいる人が暴力団関係者であることは、外観から判断できるものではありません。そのため、マンション内に暴力団関係者が住んでいることに気付いた買主が、契約解除や損害賠償請求を要求しても認められる可能性が低いです。

ただし、売主がマンション内に暴力団関係者が住んでいることを事前に知っていた場合には、瑕疵担保責任を問われる恐れもあります。もし、暴力団関係者が入居していることを知っていた場合は事前に告知した方がよいでしょう。

買主が見つかりにくいため売却が難しい

物件が暴力団事務所近くにある場合は、トラブルが起こりやすいと言えます。組同士の抗争で発砲事件が生じると、流れ弾に当たった善良な市民が巻き込まれる可能性もあります。

治安に大きな問題を抱えているため、なかなか買主が見つかりにくいと言えるでしょう。

暴力団事務所に近い家を売却する方法

コインランドリー

暴力団事務所に近い家は環境的瑕疵を有しているため、簡単には買主が見つかりにくいと言えます。

また、評価額も周辺より低く設定されているのが一般的であるため「何とかして高く売りたい」と思っている人も多いのではないでしょうか?

暴力団事務所に近い家を売る方法として、以下の4つが挙げられます。

・価格を下げて売却する
・更地にして駐車場に転用して売る
・更地にして賃貸物件を建設してから売る
・更地にしてコインランドリーを経営してから売る

周辺の相場より低い価格で売却する

暴力団事務所に近い家は、現に何らかのトラブルが発生していない場合でも危険性が高いと言えます。そのため、小さな子供を抱える家族から特に敬遠されがちであるため、需要が低く買主はなかなか見つかりません。

しかし、周辺の価格相場よりも下げて売り出した場合には、その地域で他よりも安価な物件を探している人とマッチする可能性があります。

価格を下げるとは言っても、一度下げると元に戻すことはできず、そこからさらに下げて様子を見ることになるので慎重に価格を下げた方が良いと言えるでしょう。

更地にして駐車場の土地として売却する

居住用物件としては環境的瑕疵を有している以上、資産価値が低くなります。

しかし、投資用物件の場合は環境的瑕疵を有していても現に利益が出ているのであれば、それを基準に価値が判断されるので環境的瑕疵の影響を抑えることが可能です。

例えば、建物が建っている場合、建物を壊して更地にしてから駐車場に転用するという方法が挙げられます。駐車場であれば、更地にしてから枠線を引くだけですぐに営業を始めることが可能です。

しかし、地面をアスファルトに変更したり、コインパーキングにする場合、時間や費用もかかります。

どのくらいの規模の駐車場にするのかは人によって異なりますが、規模を大きくしてもその費用を回収できない可能性もあるため、不動産業者に相談することをおすすめします。

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更地にして賃貸物件を建設してから売却する

駐車場に転用してから売るといった方法以外にも、賃貸物件を建設してから売るという方法もあります。

また、元々建物が建っている場合は、その建物をリフォームやリノベーションしてそのまま貸し出す、シェアハウスとして運用するという方法も。賃貸物件として運用すれば居住用不動産としての価値ではなく、投資用不動産として評価してもらえるので、利回りが良ければ買主を見つけやすいでしょう。

更地にしてコインランドリーを経営してから売却する

他にも、一度更地にした後にコインランドリー経営を始めてから売るという方法もあります。「洗濯機を設置している家が多いのでほとんど需要がないのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか?

しかし、賃貸住宅の多いエリアでは、わざわざ洗濯機を購入せずにコインランドリーの利用を検討している人や、洗濯機では洗えない大きな洗濯物をコインランドリーで洗濯したい人も少なくありません。

需要が期待できないエリアでは利益化できない可能性もありますが、きちんと市場調査すれば安定して経営できるので、買主を見つけやすいでしょう。

買取業者に売却する

暴力団事務所の多い北九州や神戸などの地域では、暴力団を含む反社会的勢力の排除に警察が力を入れています。暴力団排除条例も都道府県ごとに施行されており、暴力団が活動しにくい状況になっています。

そのため、暴力団であることがバレないように、外観を一般的な住居とわからないようにする暴力団事務所も。このような外観から暴力団事務所と判断できない状況で物件を売却しても、瑕疵担保責任を負わないのが一般的です。

しかし「売主が事前に知っていた・知らなかった」の論争に発展すると、解決までに手間と時間がかかります。

駐車場やコインランドリーに転用してから売る場合、費用も多くかかるだけでなく、確実に収益化できるとは限りません。

これらを踏まえると、不動産業者に物件売却の仲介を依頼するよりも、買取業者に買い取ってもらう方がよいでしょう。

買取業者とは、不動産を買取して転売する専門家です。これらの専門家に相談すれば、なかなか買主が見つかりにくい暴力団事務所に近い物件でも、速やかに買取してもらえる可能性が高いです。

仲介を専門的に扱う不動産業者を介した場合、売買契約が成立すると仲介手数料を支払わなくてはなりません。

しかし、買い取りの場合には買取業者が直接買い取ってくれるため、手数料が発生しません。そのため、少しでも費用を抑えたい人におすすめの売却方法と言えるでしょう。

弁護士と提携している当社は、暴力団事務所から近い物件の取り扱いにも十分な経験があります。

まとめ

売却を検討している居住用の不動産や投資用の不動産付近に暴力団事務所があったとします。心理的瑕疵や物理的瑕疵の場合には、その建物自体に瑕疵が潜んでおり、それが原因で売却を有利に進められない可能性があります。

暴力団事務所といった環境的瑕疵の場合、不動産に直接的な影響はありません。しかし、直接的な影響がない場合でも、暴力団事務所は嫌悪施設として扱われるため、売却に不利になるのが一般的です。

暴力団事務所が近くにある物件には、環境的瑕疵が潜んでいると考えられるため、告知義務(説明義務)があります。

この告知義務(説明義務)を果たさなかった場合は、瑕疵担保責任が問われるので注意が必要です。瑕疵担保責任が問われると言っても、契約解除まで認められることはほぼありません。

裁判例でも、瑕疵担保責任が認められて、損害賠償請求によって物件価格の20%程度の賠償責任を負わされたケースがあります。

最近の暴力団事務所は、暴力団排除条例の影響で以前よりも外観上暴力団事務所であることがわかりにくくなっています。

暴力団事務所であることを知らずに売った場合、瑕疵担保責任が問われる可能性は低いですが、売却後トラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。

瑕疵のある物件の売却は手間も時間もかかる可能性が高いため、それらの物件の売却に強い不動産業者や買取業者に依頼することをおすすめします。

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