住宅ローン残債がある訳あり物件でも売却できる方法

住宅ローン

建物になんらかの不具合があったり、不幸な事故や事件が起こったりなどで、住宅がいわゆる「訳あり物件」になってしまうことがあります。

訳あり物件の所有者のなかには、家を処分して住み替えたいと考える人もいると思いますが、住宅ローンの残債が残っていると簡単には売却できません。

・「訳あり物件だから」安く買い叩かれないか心配。そもそも購入希望者は現れるだろうか?
・住宅ローンの残債が残っていても売却できるの?完済するまで待たないとだめ?
・ローンの支払いも苦しく、いますぐ家を手放したい

など、訳あり物件の売却について悩みや疑問を抱えている方も多いでしょう。

この記事では「訳あり物件を売却したい人」のために、不動産専門家の観点から解説し、疑問やお悩みを解決します。

具体的には、

・「訳あり物件」と「通常物件」を売却するときの違い
・住宅ローンが残っている物件の売却方法
・住宅ローンの完済がむずかしいときに検討すべき「任意売却」や「短期賃貸」という方法

などの内容を、重要なポイントに絞って紹介していきます。

この記事を読めば、訳あり物件を売却するために必要な知識が身につき、例え住宅ローンの残債があってもスムーズに売却できるようになるでしょう。

最後まで読んで、ぜひ参考にしてみてください。

「訳あり物件」と「通常物件」を売却する時の違い

訳あり物件
いわゆる訳あり物件とは、物理的、もしくは心理的に瑕疵を持つ物件のことです。

物理的瑕疵のある物件とは、シロアリによる腐食が進んでいる家、屋根や窓が一部破損している家など、住環境に問題のある物件を意味します。

心理的瑕疵のある物件とは、他殺や自殺などの住人に忌み嫌われる事件、病死や孤独死などが発生した部屋や物件を指します。

このような物件の所在を掲載するウェブサイト『大島てる』は非常に有名なサイトで、最近はサイトをチェックしてから物件を選ぶ人も多いです。

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通常物件を売却する時の手順

特に瑕疵のない通常物件の売却手順は、まず不動産会社に仲介を依頼しましょう。

依頼を受けた不動産会社は物件の査定を行いますが、内外装のチェックを経て瑕疵の有無を確認します。

そして、一般媒介契約や専任媒介契約など、複数ある契約形態の中から一つを選び、不動産会社と契約を結びましょう。

特に告知義務のある瑕疵でなければ、物件情報を作成したり、写真を撮影したりして、不動産情報サイトや不動産仲介業者向けの物件流通サイトに物件情報が掲載されます。

物件に興味のある人が現れたら内覧を行い、買主が物件を気に入れば売買契約を締結します。

代金の支払後に鍵の引き渡しなどを行えば、通常物件の売却は完了です。

また、自分で買主を見つけられるのであれば、不動産会社に頼まずとも売買契約を結ぶことは可能です。ただし、買主と売主同席の上、宅地建物取引士が重要事項説明を行う必要があります。

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訳あり物件を売却する時の手順

訳あり物件を売却する手順は、通常物件と変わりません。

物理的に瑕疵のある物件も同様に不動産会社に査定を依頼し、物件の状態をチェックの上、瑕疵の有無を確認します。

心理的瑕疵のある物件は、瑕疵の内容をしっかりと伝えます。

その後に通常物件や物理的瑕疵のある物件同様に売買契約を結びますが、違いは物件情報の備考欄などに『告知義務あり』と表記の上、瑕疵の内容を明確に記載することです。

もし、瑕疵があることを隠して物件を売却しますと、後に大きな問題に発展しかねません。

契約違反を理由に、元オーナーである売主が買主から損害賠償を請求される可能性があります。

たとえリフォームを行ったとしても、説明責任からは免れません。

場合によっては1,000万円以上の高額な損害賠償を請求されたり、売買契約の解除を迫られたりすることもあるのです。

瑕疵を隠す売主はトラブルを起こす恐れがあるので、不動産会社も仲介に入らないことがあります。

瑕疵の存在をしっかりと不動産会社に伝え、物件情報に内容を記載しましょう。

重要事項説明の場では買主に瑕疵の詳細が告知されますが、この際の流れが通常の売買とは異なります。

建物内だけではなく、土地内の駐車場や駐輪場で事件が起きた場合であっても、欠かさず告知するように留意しましょう。

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住宅ローンが残っている物件の売却方法

住宅ローン
住宅ローンの融資を受けて自宅を購入するケースでは、子供の養育を前提にした間取りの家を買うことが多いでしょう。

また、終の住処(ついのすみか)として30年に及ぶ長期ローンを組む家庭も多いはずです。

建物面積も広めで、エリアや沿線、駅までの距離を考慮し家さがしをするでしょう。

しかし、購入してから短期間で家が事故物件になりますと、心痛を感じながら売りたいと思う方が出てきます。

住宅ローンは返済の途中ですから、1,000万円単位でローンが残っていることもあります。

住宅ローンが残っている場合、自宅の売却は出来るのでしょうか。

売却代金でローンを返済する

自宅を売却する場合、自宅に抵当権を設定している金融機関に許可を得る必要があります。

自宅の売却金額が住宅ローン残債を上回っていれば、金融機関は融資金を全額回収できますので売却を許可します。

住宅ローン残債が2,000万円、自宅の売却代金が2,500万円であれば、2,500万円の売却代金から住宅ローンの残債2,000万円を返却しても500万円が手元に残ります。

住宅ローン完済後の売却代金を新居の購入資金、引っ越し費用に充てることも可能です。

この場合、まず不動産会社に査定を依頼し、査定額を確認しましょう。

その後、金融機関に相談します。

自宅の売却代金が残債を上回りそうでしたら、売却活動に入ると良いでしょう。

売却代金がローン残債に足りない場合の対応法

戸建住宅の売却代金がローン残債に足りなければ、売却そのものが難しいでしょう。

例えば、ローン残債が2,500万円であるのに対し、自宅の売却代金が2,000万円にしかならない場合、金融機関は自宅の売却を許可しないケースが多いです。

金融機関からすれば、融資を全額回収できない売却に意味はありません。

自宅を売却したのに500万円も借金が残ってしまっては、回収できる見込みはゼロです。

そんな状態で自宅の抵当権を外す金融機関はまず存在しないでしょう。

そのため、自宅の売却代金以外の何らかの手段で、残債をなくす必要があります。

貯金から残債を返済する

売却代金がローン残債に満たない場合でも、貯金から住宅ローン残債を返済できるのであれば、特に問題はありません。

先の例でも、残債が2,500万円、自宅の売却代金が2,000万円、貯金から500万円を捻出できれば、住宅ローンを完済できます。貯金から完済できる見込みがあれば、金融機関も売却を許可するでしょう。

他の金融機関から融資を受ける

貯金がない場合、他の金融機関から返済資金を調達して、住宅ローンを完済することも検討してみましょう。

『南向きの窓』、『最上階』など、条件の良い物件であれば、融資が下りやすくなります。
ただし、住宅ローンを完済できない状態で住宅を売却しようとする人は、リスクの高い債務者であると他の金融機関から判断される可能性もあります。

仮に、借り換えが出来たとしても、貸付が高金利であったり、返済期間が短いなど、あまり良い条件での融資は受けられないと思っておきましょう。

親族などに借りる

自分の両親や親戚などに事情を説明し、残債をなんとか工面する方法もあります。

身内だからといって常識から外れた低金利で融資を受けてしまうと、贈与扱いになってしまうことがあります。

身内といえどもお金を借りる時は、しっかりと借用書を作成して、法定利息の範囲内で金利を設定しましょう。

返済期日や返済額について取り決めた契約書を別途作成し、証拠が残るように銀行振込で返済するようにします。

ローンの支払いが困難な場合は「任意売却」を検討しよう

任意売却
戸建住宅をなんとか処分したいが、貯金がない。借りられる当てすらない。
このような場合、任意売却という手段を取ることもできます。

任意売却とは、銀行などの金融機関と相談の上、抵当権を外して自宅を売却することです。

借金は残っていますが、残債を分割して毎月少しずつ返済していくことで売却の許可を得るのです。

任意売却とは

任意売却は、住宅ローンの返済が不能になった方の救済手段として利用されます。

毎月の住宅ローンの負担が大きく、返済できなければ、融資が焦げ付いてしまいます。

半年も住宅ローンを滞納しますと、最終的に自宅が競売にかけられますが、売却価格は安くなるケースが多いです。

自宅が競売にかけられれば、財産は残りませんし、退去するしかありません。

しかし、任意売却は、通常と同じ方法で売却可能です。

そのため、競売のように市場価格や相場よりも大幅に安い値段で買い叩かれることはありません。

さらに、引っ越しのスケジュールなども、自分たちで決められます。

自宅が競売にかけられることで多くの人が物件の視察に訪れ、周囲にも事実が伝わるため、同居家族の精神的負担は大きいです。

しかし、任意売却であれば、売却の流れも一般的な住宅の売却と変わらないため、周辺に家の処分を知られず、いままで通りの生活を送りながら家を売却できます。

また、金融機関との相談にもよりますが、住宅を売却した代金から引っ越し代を捻出する交渉も可能です。

任意売却で自宅を売却し、毎月の返済額が少ない安い家に買い換えたり、賃貸物件に住み替えたりします。

そして、売却した自宅の残債を少しずつ返済することで、引っ越し後の負担を減らし、生活の立て直しを図るのです。

訳あり物件の場合、物理的、心理的な瑕疵の存在によって、問題のない物件よりも売却代金が2~3割程度安くなることは想定しておかなければいけません。

そのため、自宅を売却しても住宅ローンの完済が難しく、残債が発生しがちです。
そういった状況では任意売却を行うと良いでしょう。

任意売却は金融機関にとってもメリットがある

任意売却は金融機関にとってもメリットがあり、相談に応じる傾向にあります。

先に挙げたように自宅を競売にかけると、市場価格よりもかなり安値で処分されがちです。

競売では金融機関が融資金の全額を回収できる見込みがなくなってしまうのです。

しかし、任意売却であれば、自宅の売却代金もそこまで下がりませんし、残債の分割返済を続ける契約を結べます。

金融機関としては、融資金を少しでも多く回収できる方が良いはずです。

家を競売にかけて無理やり売却するよりも、任意売却によって適当な値段で自宅を売却し、残債の返済を続けさせた方がありがたいのです。

どうしても訳あり物件を処分したい時は、まず金融機関に任意売却の相談を持ちかけてみると良いでしょう。

売却代金や貯蓄でも完済できないなら「短期賃貸」という手段もある

任意売却は、基本的に自宅を売却するため、どうしても引っ越しをしなくてはいけません。

しかし、お子さんが義務教育期間中であるなどの場合、できるだけ生活拠点を変えずにいたいと考える親御さんも多いのではないでしょうか。

また、通勤や介護の都合上、自宅を売りたくない方もいるはずです。

そういった場合、リロケーションなどの手法で自宅を賃貸に出し、自分達はその付近に住むことを検討しましょう。

自宅をリロケーションに出すメリット

リロケーションとは、自宅を一時的に賃貸に出すことです。

一般的には転勤などの期間が決まっている間に家賃収入を得ること、自宅を維持・管理することを目的に行う場合が多いです。

自宅を売却したいが完済できない時のリロケーションは、毎月のローン返済額よりも家賃が安い場所に一時的に住み、毎月の支出を抑えながら家賃収入で家計を立て直す目的で実施されます。

毎月の返済額を抑えれば貯金ができる上に、毎月少しずつ残債を減らせるので、2~3年も経てば、自宅の売却額が残債を上回ることもあります。

また、2年や4年といった決まった期間の賃貸になり、生活拠点を大幅に変えず、やり方次第では自分たちの家を取り戻すことが可能です。

リロケーションを専門に行う賃貸中心の不動産業者に、自宅を一時的に貸し出せるか相談してみると良いでしょう。

まとめ

訳あり物件になった自宅を売却に出す時は、瑕疵の告知義務が発生するので、どうしても思った通りの値段で売れずに安く売却せざるを得なくなります。

その結果、住宅ローン残債を完済できなくなり、任意売却などの手段を検討するしかありません。

ただし、訳あり物件を多く扱っている業者に売却を依頼すれば、物件の現金化が可能になります。

訳あり物件の取り扱い実績が乏しい業者に売却を依頼すると、どうしても買いたたかれてしまいますが、訳あり物件の扱いに長けた会社であれば、豊富な経験やデータを基に適正な高価格で訳あり物件を引き取ってくれます。

訳あり物件や事故物件の買取を検討した時は、弁護士とネットワークのある不動産会社に問い合わせたり、アドバイスを受けたりするとよいでしょう。

最終更新日:
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