借地権の買取価格相場と高く売るための買取業者選びの5つのポイント

借地権買取

借地権とは、建物を所有する目的で土地を借りることができる権利です。土地は自分の持ち物ではありませんが、実はこの借地権を売却することができます。借地権は買取業者などに売却することが多いですが、ここで気になるのが、借地権の相場価格や、買取業者への依頼の方法でしょう。

ここでは、借地権の買取価格相場や、高く売るための買取業者選びについて解説します。

借地権の買取価格相場と査定ポイント

買取業者

借地権の買取価格に相場はない?

借地権を買取業者に売却する際、気になるのが買取価格です。

買取価格はいくらであれば妥当なのか、相場はいくらなのかといったことが分からないと、安心して売却できないという人も少なくないでしょう。

結論を言うと、多くの人に当てはまる借地権の買取価格に相場はありません

買取業者の中には、借地権割合が目安になるという人もいますが、多くのケースで、その通りにはなりません。

借地権割合とは、相続税路線価などで計算した土地の価値の何%が借地権かを示す割合で、相続税の計算に用います。

例えば、2,000万円の不動産で借地権割合が60%なら、借地権は2,000万円×60%=1,200万円という計算になります。

この計算は、あくまで相続税の計算上の数字なので、借地権の買取価格相場とは異なります。

では、なぜ借地権の買取価格に相場はないのでしょうか

それは、借地権の買取価格はその権利を持つ人や不動産の状況、土地価格などによって大きく金額が変わるからです。

例えば、貸主が承諾しなければ、そもそも借地権を売却できません。

また、売却できたとしても、ローン承諾の可否、譲渡承諾料の金額などによって、大きく買取価格が変わります。

同じような大きさや間取り、近隣の環境であったとしても、借地権については同じような買取価格になることはありません。

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借地権の買取価格査定のポイント

多くの人に当てはまる借地権の買取価格に相場はありません

では、借地権の売却を考えるときには、どうしたらいいのでしょうか

ポイントとなるのは、買取価格を下げないということです。買取価格を下げないためには、次のことに注意する必要があります。

①借地権の更新時期を避ける

借地権の買取価格は、その権利を買いたい人が多いほど高くなります

そこで重要になるのが、更新料の支払いです。

更新料の支払いがある地域の不動産で、借地権の更新時期が間近の場合は、借地権を購入しても、買い手がさらに更新料を支払う必要があるため、需要は低くなります。

借地権を売却しようと考えるときには、借地権の更新時期を避けたほうが良いでしょう。

②ローン承諾許可を得る

借地権を購入しようと考えると、数千万円の資金が必要です。しかし、この資金を自己資金だけで用意することは簡単ではありません。

そこで、買主は銀行などの金融機関のローンを利用することになります。

金融機関は買主が購入した借地権に対して抵当権を設定する際、賃貸人(地主)に承諾を得る必要があり、この承諾を「ローン承諾許可」といいます。

ローン承諾許可がないと現金等でしか購入できなくなり、需要が低くなるので、借地権の買取価格は低くなります。

③承諾料の支払い

借地権の売却には、賃貸人(地主)の承諾が必要です。その際、承諾するかわりに承諾料を求められることがあります。

承諾料は、一般的に借地権価格の10%程度が相場といわれています。

承諾料を支払えば、その分だけ手元に残る金額が少なくなります。

買取価格を交渉する際には、承諾料のことも頭に入れておく必要があります。

借地権の買取業者選び 5つのポイント

買取業者
貸主から借地権売却の許可を得られたら、いよいよ売却先を探します。しかし、所有している不動産を売却するわけではないので、買取先は限られます。

多くは買取業者に売却することになるでしょう。

そこで、ここでは借地権の買取業者選びのポイントを見ていきましょう。

1.複数の業者に査定依頼をする

借地権の買取査定価格は、どこの業者に依頼しても同じということはありません。

実は、業者によって、査定金額がまったく違うということもあります。

より高い金額で売却を望むのであれば、複数の業者に査定依頼することは必須となります。

2.経験・実績がある

買取業者によって買取査定価格は、異なります

なぜなら、借地権や不動産の買取査定価格は、業者の不動産市場での経験や取引実績によって大きく異なるからです。

経験や実績の豊富な業者であれば、同じような地域で同じような条件の場合に、いくらで売却できるかというのをよく理解しています。
その経験を基にして、査定価格を出しているため適正な価格と言えます。

業者に経験や実績があるかどうかは、買取業者のホームページなどで確認します。

また、貸主とのトラブルについても解決する方法を過去の経験から習得しているため、スムーズに解決できるメリットがあります。

3.買取価格の査定基準が明確

きちんとした査定をしている買取業者かどうかを見極めるポイントとして、査定基準が明確という点が挙げられます。

査定が終わったら、なぜその金額になったのかを尋ねてみましょう。

自分にとって納得できる回答があれば、その業者が優良である一つの目安になるでしょう。

4.無料相談ができる

無料相談ができるかどうかも、買取業者を選ぶのに重要なポイントです。

なぜなら、担当者の説明や接客態度などから、その業者が信頼できるかどうかを判断することができるからです。

借地権の買取査定依頼を考えている場合は、まず買取業者のホームページなどで、無料相談ができるかどうか確認してみるのが良いでしょう。

5.スケジュールが明確である

査定価格の見積もりから、売却、代金の支払いまで、それぞれがいつぐらいに行われるかというスケジュールが明確であることは、買取業者を選ぶために重要です。

何かの代金の支払いに充てるため、別の良い場所に移転するためなど、借地権を販売する目的は人それぞれですが、スケジュールが明確になることで、次の行動に移りやすくなります。

このことは、時間や費用のロスカットにも繋がります。

買取業者を選ぶ際には、代金の支払いまでのスケジュールも確認しましょう。

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買取業者に依頼してから売却完了までの流れ

上述した通り、買取業者に依頼してから売却完了までのスケジュールを把握しておくことは重要です。

ここでは、一般的な買取業者に依頼してから売却完了までの流れについて見ていきましょう。

①買取業者の決定

借地権を売却するには、まず買取業者を決定する必要があります。

複数の業者に依頼したり、無料相談を受けたりして、信頼できる買取業者を選びます。

②地主との交渉

買取業者を決定すれば、次は地主との交渉です。

まずは、地主に借地権売却の承諾を得る必要があります。

更新料の支払いが遅延している場合など、地主との間の関係が悪化している場合は、関係を修復する必要もあります。

また、借地権の査定が終われば、承諾料の支払いについて地主と交渉することもあるので、地主との交渉は売却完了まで随時行われると考えてください。

③現地調査と借地権の査定

地主から借地権売却の承諾を得れば、次は買取価格を決定します。

借地権の買取価格を査定するためには、現地に行って不動産調査を行う必要があります。

借地権の権利関係は複雑になっていることが多く、正確な査定をするためには詳しい物件状態の確認と契約状況のヒアリングが必要となるためです。現地調査と借地権の査定は、買取業者の経験が問われる局面でもあります。

④借地権買取契約の締結

買取業者が査定した金額に納得できれば、次は借地権買取契約の締結です。

売買契約書を作成し、署名・押印を行います。

契約書をしっかり読んで、重要な事項の確認漏れがないかをチェックします。
不明な点があれば、納得するまで質問しましょう。

⑤引き渡しと代金受け取り

借地権買取契約の締結が終われば代金を受け取り、借地権を引き渡します

これで買い取り終了です。

多くの場合、引き渡しと同時に代金を受け取りますが、そうでない場合もあるので、引き渡しと代金受け取りのスケジュールについては、きちんと確認しておく必要があります。

借地権を売却したときの税金や確定申告

長期譲渡所得

借地権の売却は譲渡所得

個人が借地権を売却して利益が出た場合は、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をして所得税を支払う必要があります。

ただし、個人事業主などの事業所得やサラリーマンの給料などの給与所得とは分けて考える必要があります。

借地権を売却した場合は、不動産売却と同じと考え、譲渡所得に該当します。

譲渡所得は、売却代金から権利金の購入代金や諸費用などを差し引いた利益に、その借地権の所有期間に応じた一定の税率をかけて、税金を計算します。

借地権を売却した場合に納める税金の計算式は、次のようになります。

譲渡所得に対する税金の金額=(売却価額-取得費-譲渡費用)×税率

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取得費と譲渡費用

納める所得税の金額の計算では、取得費と譲渡費用が重要です。

取得費は借地権を取得するために支出した費用譲渡費用は売却するために支出した費用です。

例えば、次のようなものが該当します。

①取得費
・借地権の購入費用、地主などに支払った権利金
・立退料
・埋立て、地盛り、地ならし、切土など土地の改良に要した費用
・借地権の更新や変更のためにかかった登記手続きなどの費用
・家などの建物の建て替えなどのために地主に支払った承諾料
・借地権の取得のために支払った仲介手数料
②譲渡費用
・借地権の売却のために支払った仲介手数料
・売買契約書に使った印紙税
・借地権の売却のためにかかった測量費用
・借地権の売却のために地主に支払った名義書換料

譲渡所得の税率

同じ所得税でも、譲渡所得は、事業所得や給与所得などの他の所得と税率が異なります

譲渡所得の税率は、所有期間に応じて、次のように定められています

国税 地方税 合計
所有期間5年以下 所得税30%、復興特別所得税0.63% 住民税9% 合計39.63%
所有期間5年超 所得税15%、復興特別所得税0.315% 住民税5% 合計20.315%

例えば、売却価額が3,000万円、取得費が2,000万円、譲渡費用が300万円、所有期間が5年超の場合、税額は次のようになります

納める税金の合計額=(売却価額3,000万円-取得費2,000万円-譲渡費用300万円)×税率20.315%=142.2万円

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買取業者以外に借地権を売却する方法

買取業者に借地権を売却する方法について見てきました。ここからは、買取業者以外に借地権を売却する方法を見ていきましょう。

買取業者以外の売却先には、第三者と地主があります。

買取業者以外の第三者への売却

借地権 買取業者以外の第三者への売却

借地権を第三者に売却するといっても、借地権は権利関係が複雑なため、自分ひとりで売却先を見つけることは難しいです。

そこで、不動産会社や不動産仲介業者を通じて、第三者に売却をします。

買取業者以外の第三者への売却は、買取業者に売却するよりも売却価格が高くなりやすいというメリットがあります。

一方で、不動産会社や不動産仲介業者を通じても、買い手が見つかりにくいことや、仲介手数料などの費用がかかるデメリットもあります。

地主への売却

借地権 地主への売却

地主への売却は、交渉がスムーズに進むと売却合意までの時間が短いことや、よく知った間柄であることなどから、ある意味理想的な売却であるといえます。

しかし、地主との関係が悪かったり、売却価格をめぐってトラブルになっていたりする場合は、解決までに時間がかかる可能性もあるので注意が必要です。

また、借地権とは少し異なりますが、賃貸契約期間満了時で、一定の条件に該当する場合であれば、建物買取請求権を行使することも可能です。

建物買取請求権とは、土地所有者に、土地に附属させた物(建物など)を時価で買い取るよう請求できる権利です。

つまり、借りている土地の上にたち、本来は賃借人が取り壊し更地にして返却しないといけない建物を、地主に買い取ってもらうのです。

建物買取請求権は、借地借家法(新法)という法律によって借主に与えられている権利です。

建物買取請求権は、次の要件をすべて、満たす場合に行使できます

・賃貸借契約期間が満了したこと
・契約の更新がないこと
・借地上に建物があること

まとめ

借地権は複雑な権利関係になっていることも多いため、売却する場合は通常、買取業者に依頼します。

しかし、一般的な不動産の売却と違い、売却には地主の承諾が必要なため、さまざまなトラブルが起こることも少なくありません。

また、買取価格についても、業者によって異なることもしばしばあります。

大事なのは、地主とのトラブルが起きたときに相談に乗ってくれたり、適切な買取価格を提示してくれたりする信頼のある買取業者に依頼することです。

買取業者の中には、弁護士などの専門家と連携し、地主とトラブルにならない方法をアドバイスしてくれるところもあります。

借地の売却を考えている場合は、経験のある専門業者の利用を検討してみるのも良いでしょう。

最終更新日:

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