再建築不可物件のリフォームはどこまで可能?リフォーム前に知っておきたい基礎

再建築不可物件

「愛着のある家だから、このままずっと住み続けたい」

「住環境がいいからまた戻ってきたい」

「どうしてもこの場所に住みたい」

再建築不可物件は、あまりおすすめされることがなく、様々なデメリットを聞いていると思いますが、それでも、上記のような理由で再建築不可物件に住みたいと思われていることでしょう。

再建築不可物件は、再建築できなくても、リフォームやリノベーションなら一定の範囲内で認められています。その一定の範囲内というのはどこまでなのか。どのくらいのリフォームなら認められるのか。購入する前、リフォームを依頼する前に知っておきたいと思って、調べられているのではないでしょうか。

そこでこの記事では、再建築不可物件で認められているリフォームの範囲についてだけでなく、リフォーム前に知っておきたい基礎知識について以下の流れで解説します。

  1. 再建築不可物件のリフォームはどこまで可能?
  2. 再建築不可物件をリフォームする際の注意点は?
  3. 再建築不可物件をリフォームする場合、ローンは利用できるのか?

これを読めば再建築不可物件に認められた範囲内で、あなたの希望を実現するリフォームが依頼できるようになるでしょう。

再建築不可物件のリフォームはどこまで可能?

リフォーム

再建築不可物件でも、リフォームやリノベーションは可能ですが、普通の物件のように自由な工事ができるわけではありません。原則として、再建築不可物件でできるリフォームは、「建築確認申請が不要」な範囲までです。

この「建築確認」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、新築や増築、改築、移転などの工事をする前に、その計画が建築基準法を満たしているかの確認を受けることです。

都道府県や市町村の建築主事または指定確認検査機関に確認申請書を提出して、問題ないことが確認されれば「確認済証」が交付されます。そして確認済証の交付を受けて初めて施工会社は工事を始められます。

再建築不可物件が「建築確認申請が不要」な範囲までの理由

新しく家を建てるときには、建築基準法に基づいて、敷地が原則として公道などの幅員4m以上の道路に2m以上接していることが必要です。これを「接道義務」といいます。しかし、再建築不可物件はこの接道義務を満たしていません

そのため、建築基準法上、再建築不可物件は「違法」の状態です。本来であれば取り壊し・撤去の対象となるのですが、建築基準法が成立する前に建築された建物については、新たに増改築できない代わりに、取り壊さなくてもいいことになっています。

そして再建築不可物件は建築基準法に違反しているので、建築確認で許可はおりません。そういうわけで、再建築不可物件がリフォームをするときには、建築確認申請が不要な範囲までとなっています。

増築・改築・建て替えは原則不可

建築確認申請が必要となるのは、次のような工事をするときです。それぞれの定義は、建築基準法で定められたものに従います。

(1)増築(防火・準防火地域外、10平方メートル以内であれば不要)

建て増しをして、物件の延べ床面積(建物面積)を増加させることをいいます。敷地内に新たに建築する場合も建築基準法上の増築に含まれます。

(2)改築(防火・準防火地域外、10平方メートル以内であれば不要)

建築物の全部又は一部を撤去した場合や、災害などによってなくなった場合に、無くなる前と同様の用途・構造・規模のものに建て替えることをいいます。

(3)移転(防火・準防火地域外、10平方メートル以内であれば不要)

同一敷地内で移動させることをいいます。別の敷地へ移す場合は、移転先の敷地に対して新築または増築となります。

(4)大規模修繕

まず修繕は、経年劣化した部分を、今使っているものと概ね同じ位置、同じ材料、同じ形状、同じ寸法のものを使って原状回復させることをいいます。そして大規模な修繕というのは、壁、柱、床、梁、屋根、または階段などの主要構造部の一種以上を、過半(1/2超)以上修繕することです。

(5)大規模模様替え

模様替えは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造することをいいます。修繕との違いは、原状回復を目的とするのではなく、性能の向上を図ることを目的としている点です。間取りの変更も模様替えに含まれます。

そして大規模な模様替えは、壁、柱、床、梁、屋根、または階段などの主要構造部の一種以上を、過半(1/2超)以上修繕することをいいます。

参考:法律上の手続きと補助・融資等の制度

私たちが生活する上で「リフォーム」という言葉を使うときには、「増築して、修繕と模様替えもする」のように、複数の意味が込められていますが、建築基準法では「リフォーム」という言葉はなく、このような5つの分類で区別されます。

このことから、

建築確認申請が不要な範囲となると

  • 防火・準防火地域外での10平方メートル以内の増改築・移転
  • 1/2以内の修繕・模様替え

のみです。

少しくらいなら大丈夫だろうと考えて、建築確認申請することなく増改築し、無事に工事を終えたとしても、それは建築確認がされていない「違法建築物」となります。そのことが行政に見つかると是正命令が出されて取り壊しを迫られることもあるので、対象となるのであれば必ず建築確認申請を出すようにしてください。

大規模な修繕・模様替えは戸建てなら可能

ただ一方で、再建築不可物件のリフォームについて調べると「フルリフォーム」という内容を見かけると思います。「フルリフォーム」ですから、当然、大規模な修繕・模様替えです。

こうしたサービスを提供しているリフォーム業者や工務店は、建築確認申請を出していない違法な工事をしているのでしょうか。それとも、なにか人脈のような特別な理由で、建築確認の許可がおりているのでしょうか。

安心してください。そのようなことはありません。

再建築不可物件となっている一戸建てのほとんどは、建築基準法第6条第1項第4号で定められた建築物です。4号建築物とも呼ばれ、その条件は木造住宅で2階建て以下、延べ面積500平方メートル以下となっています。鉄骨造の住宅でも1階建てで延べ床面積200平方メートル以下であれば、4号建築物です。

そして4号建築物であれば特例として、大規模な修繕・模様替えのときには、建築確認の審査を省略されます。そのため、再建築不可物件でもフルリフォームと言われるような大規模な修繕・模様替えを行えるのです。

決して、違法なことをしているわけではありません。

実は、隣地を借りることができれば再建築も可能

ここまで再建築不可物件で可能なリフォームの範囲は、「4号建築物で、大規模な修繕・模様替えまで」ということをお伝えしました。

ですが、ある方法を取ることによって、4号建築物でなくても大規模な修繕や模様替えだけでなく、増築や改築までできるようになります。その方法が、工事のときに隣地の方から土地を借りるというものです。

そもそも再建築不可になっている理由が接道義務を満たしていないことですから、工事のときだけでも隣地を借りて接道義務を満たした状態になれば、通常の物件のように自由なリフォームができるようになります。

隣地を借りる時は口頭だけでなく、しっかりと土地の一時使用の賃貸契約を交わし、契約書を結ぶことが大切です。建築確認申請のときに合わせて提示することで、許可がおりる可能性は高くなります。

隣地を借りるには隣人との関係性が良好であることは必須ですが、再建築不可物件だからといって増築や改築を諦めることもないので、一つの知識として覚えておきましょう。

土地の一時貸借は専門的な知識も必要になり、トラブルにも発展しやすいので、よっぽど仲がよいということでなければ、隣地の使用許可も含めて不動産会社に仲介してもらうことをおすすめします。

再建築不可物件をリフォームする際の注意点は?

リフォーム注意点

ここまでお伝えしてきたように、再建築不可物件は通常の物件とは状況が大きく異なります。そのため、リフォームのときにも注意するべきポイントは多いです。

そこで次からは、再建築不可物件をリフォームするときに、特に気をつけたいポイントを3つ紹介します。

フルリフォームすると新築購入と同じくらいの費用がかかる

一般的に中古物件を購入してリフォームする費用の合計は、新築を購入するよりも安いです。ただ再建築不可物件のフルリフォームとなると、耐震基準を満たすための耐震補強工事なども必要で、リフォーム費用は1,000万~2,000万円かかることもよくあります。

特に今まで全くメンテナンスされていない状態であれば、新築を購入するよりも多くの費用がかかってしまうかもしれません。通常のリフォームの予算で収まらないことがほとんどなので注意してください。

リフォーム工事できない場合もある

再建築不可物件は接道義務を満たしていないということからもわかるように、立地や周辺の環境が悪い物件がほとんどです。

フルリフォームのために必要な掘削機の搬入ができなかったり、足場が悪くて職人さんでも工事が難しかったりすれば、リフォームできないということも十分にありえます。

リフォーム工事の内容も含めて、工事可能かどうか確認しておくことが大切です。

追加費用がかかることも多い

再建築不可物件は築年数40年を超える物件が多く、外から見ただけでは正確な見積もりを出すことが難しいです。そのため、実際にリフォーム工事を始めて、壁を壊してみると、想定していた状態と違った、ということがよく起こります。

その場合、追加工事や変更工事が必要になり見積もりの金額から追加で費用がかかってしまいます。追加工事・変更工事の費用は、リフォーム工事でトラブルになることが多いものです。

トラブルを避けるためにも、見積もりのときに追加工事の可能性や費用などを確認することをおすすめします。

再建築不可物件をリフォームする場合、ローンは利用できるのか?

リフォームローン

再建築不可物件をリフォームすると新築一戸建てを建てるときと同じくらいの費用がかかります。それだけのお金をキャッシュで持っている方はほとんどいらっしゃらないでしょう。

そこでリフォーム費用はローンを利用しようと考えると思います。まず結論からいえば、通常のリフォームと同じように「リフォームローン」であれば問題なく融資を受けることができます

たとえば、みずほ銀行のリフォームローンであれば最大500万円、最長15年で借りられます。担保や保証人も不要です。

資料:みずほ銀行リフォームローン

そのため、すでに住まいとして使っている再建築不可物件をリフォームしたい、ということであれば、通常のリフォームのときのようにリフォームローンを申請すれば問題ありません。

一方で、これから中古一戸建ての再建築不可物件を購入して、同時にリフォームしたい、と考えている場合は注意が必要です。

購入時にリフォーム一体型の住宅ローンは難しい

中古一戸建てを購入するときには、リフォームも前提に物件の購入価格とリフォーム費用をまとめて借りられるリフォーム一体型の住宅ローンを利用される方が多いです。ただ、再建築不可物件の場合、そもそも住宅ローンを借りられません

通常、住宅ローンを借りるときには担保としてその不動産を入れるのですが、再建築不可物件では資産価値がほとんどないため担保とならないからです。そのため、リフォーム一体型の住宅ローンを利用することは難しくなります

それでも、再建築不可物件とは他に不動産を持っていれば、それを共同担保に入れることで住宅ローンを借りられる可能性もあります。また金利が通常の住宅ローンより高くなりますが、再建築不可物件に対して融資している金融機関もあります。

もし住宅ローンを利用しようと考えている場合は、諦める前に金融機関へ相談してみてください。

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まとめ

以上、再建築不可物件のリフォームについて、可能な範囲と注意点について解説してきました。

まとめると、

  • 再建築不可物件のリフォームは建築確認申請が不要な範囲まで可能
  • 戸建ては特例で大規模な修繕や模様替えが可能な場合もある(4号特例)
  • 再建築不可物件のリフォームは新築と同じくらいの費用がかかることに注意
  • リフォームローンは借りられるが、住宅ローンの利用は難しい

です。

再建築不可物件の魅力は販売価格が安く購入しやすいことと、資産価値が低いことで固定資産税も低いことです。住宅ローンも使えず、増改築できないというデメリットもありますが、適切なリフォームをすることで、あなたの望む自宅をつくることができます。

そして再建築不可物件のリフォームについては、地域によって判断が異なります。立地条件によっては増改築できる場合もあります。そのため、リフォームする前にはリフォーム業者などの専門家だけでなく、都道府県庁などの行政機関にも相談することをおすすめします。

最終更新日:

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