再建築不可物件を更地にするメリット・デメリットについて

再建築不可物件

再建築不可物件は資産価値が低く、そのままの状態では活用するのが難しい不動産です。建物が建っていれば、リフォームを前提に購入してくれる人もいますし、自分でリフォームを行ってシェアハウスやアパート、店舗などの賃貸物件として活用することもできます。

しかし、再建築不可物件を所有している人の中には、建物が古すぎて使い物にならないけど、リフォームなどに手間をかけたくない方もいるでしょう。そんなときは再建築不可物件を更地にすることも考えてみるべきです。

ここでは再建築不可物件を更地にする際のメリットやデメリット、活用方法について解説します。再建築不可物件の運用を考えるときの参考にしてください。

再建築不可物件を更地にするメリット・デメリット

更地
再建築不可物件の中には、現在の「建築基準法」が施行される前に建てられたものがあります。特に相続で手に入れたケースでは、築年数の古い物件がほとんどでしょう。建築基準法の内容が、数十年前と現在では異なっていたり、自治体の審査が現在よりも緩かったりして、現行の基準では建てられない物件がそのまま建っていることも多々あります。

再建築不可物件の中には、築年数が古く耐震基準を満たしていないもの、老朽化が進んで居住に耐えられないものが多いです。それでは建物を取り壊して更地にし、活用する際のメリットとデメリットを考えてみましょう。

更地にすればメンテナンス費用がかからなくなる

再建築不可物件を取り壊せば、建物を維持するためのメンテナンス費用が不要になります。実家が再建築不可物件で建物が古い場合、周囲に迷惑を掛けないで住み続けるには、住宅の安全性や居住性を維持するための定期的な修繕が必要になります。

躯体(床や壁、梁など建物の構造を支える骨組のこと)の老朽化が進んで屋根や外壁などの塗装が剥がれ落ちた状態では、断熱性や防音性、防湿性などの面で居住に適した機能を保てません。ときには倒壊の恐れすら出てくるでしょう。そのような住宅に無理に住み続けていても、多額の修繕費がかかってしまい非経済的です。こんな時は、高い修繕費をかけ続けるのではなく、思い切って更地にしたほうが修繕費をカットできます。

その後、再建築不可物件を売って別の場所に家を借りたり、新居を購入したりする方が、より充実した日常生活を過ごせるでしょう。

固定資産税で優遇されるため、空き家をそのまま放置している人は都心に多いです。家屋が空き家の場合、インスペクション(住宅診断のこと)を受けずに放置したままですと、今後『特定空き家』として固定資産税の優遇が受けられなくなる可能性があります。

特定空き家の要件に該当しないようにするには、誰かが住み続けるか、メンテナンスを施す必要があります。しかし、再建築不可物件を取り壊せば、空き家のメンテナンスに資金を費やす必要はゼロになります。

駐車場などの活用法が考えられる

再建築不可物件の最も大きなデメリット、それは建物の建て替えができない点です。
しかし、建物を取り壊して更地にし、貸し出して収益を得ることは十分に可能です。

最も多く考えられる活用法は、駐車場やコインパーキングにして貸し出すことでしょう。駐車場やコインパーキングの需要があるエリアであれば、建築物を建てずに収益を上げることができます。ただし、車が進入できる通路幅が確保されているか、きちんと確認しておきましょう。

再建築不可物件は基本的に、

  • 建築基準法上の幅員4メートル以上の道路に対する接道義務を満たしていない
  • 道路への2メートル以上の接道義務を満たしていない

この2つの理由により、再建築不可となっています。

再建築不可物件を更地にする際は、敷地内まで車が進入できるかどうか、道幅を確認しましょう。
間口2メートルの接道義務を満たさない場合、車が進入すること自体が難しく、駐車場などに利用するのは不可能かもしれません。
ただし、私道に面しているものや目の前の道路が暗渠(水路のこと)の上なので再建築ができないなどの条件下では、道路の幅による制限ではありません。

車の進入に問題がなくなると、駐車場やコインパーキングとしての活用は容易になります。
駐車場やコインパーキング以外の活用法としては、工場や店などの資材置き場としての利用が考えられます。資材置き場に困っている工場が自宅周辺にあれば、自分で交渉してみましょう。資材置き場として貸し出すことができるかもしれません。

固定資産税が高くなってしまうデメリットがある

次に考えるべきは、更地にすることによるデメリットです。最も大きなデメリットは、固定資産税が高くなってしまう点です。

先ほど挙げたように、住宅用地には固定資産税の優遇措置があり、土地に課せられる固定資産税は住宅用地とそれ以外では、なんと6倍も違うことがあります。仮に空き家が建っている状態で年間3万円の固定資産税だとすると、更地にすることで18万円に上がってしまうことがあるのです。

ただし、再建築不可物件の場合、元々の資産評価額は非常に低いです。固定資産税が6倍になるからと言って、空き家がある状態から一気に10万円以上も出費が増えるケースはごく稀です。

高い修繕費で物件を維持し、居住用地として固定資産税の優遇措置を受けるのか、それとも建物を取り壊してメンテナンス代をなくし、固定資産税の値上がりを受け入れるのか、それぞれにかかる費用を比較して対策を考えていきましょう。

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新しく建物を建て替えようと思っても、建てられない非可逆性

再建築不可物件は原則、更地にすると建物を建てられません。再建築不可物件は、既存の建築物を取り壊すことはできますが、取り壊した後に建て直すことができない、いわば非可逆性(一方向性のこと)が存在するのです。一度取り壊してしまったら、もはや取り返しがつきません。この点に関しては慎重に、活用法を考える必要があります。

駐車場としての使い道がない、資材置き場として役に立てそうな工場がない場合は、賃料の安いバイク置き場や自転車置き場にするか、自分たちで家庭菜園にでもして使い道を模索するしかないでしょう。

活用法が見つからなければ固定資産税だけが値上がりし、支出が増えるだけに終わります。無策で取り壊すのではなく、活用法を見出してから更地にすることをお勧めします。

基本的に更地にしての売却は、非常に困難を伴う

基本的に更地にすると、売却が非常に難しくなってしまいます。建物さえあればリフォームやリノベーションによって賃貸物件として活用でき、立派な収入源となります。たとえ自分で活用法を見いだせなくても、購入する人により様々な活用法が見いだせるでしょう。

しかし、一度更地にしてしまうと、建物を活用できなくなります。購入側の選択肢が少なくなってしまいますし、もともと少ない再建築不可物件の購入者がさらに減ってしまうのです。その点をよく注意しなければ、売りたくても売れない、取り返しのつかない事態に陥るでしょう。

再建築不可物件を更地にする場合の注意点

更地
再建築不可物件の更地化を検討する前に、どういった点に注意すれば、よいのでしょうか。

真剣に活用法を考える

更地の活用法を見いだした後に建物を取り壊すべきです。現行の建築基準法では、更地にした後、建物は建てられません。更地のままで活用法があるのか、もしくは更地にした後、周辺の土地を買い取ることで再建築可能な敷地にまで拡げられるのか、諸々を確認した上で更地にしましょう。

隣地の買い取りや借り受けができるのかを確認する

再建築不可物件を活用する方法として最も多く使われているのが、隣接地の買い取りです。買い取りで土地を合併すれば、接道義務を満たせます。自分の物件を更地にした後、買い取った土地も同様にします。幅員4メートル以上の道路への接道義務を満たせれば、大規模建築が可能な土地となり、資産価値は何倍にも膨れ上がるでしょう。

買い取りができなくても大丈夫です。借り受けができれば建築許可が下り、資産価値は大きく上昇します。その前提で更地にするのであれば、悪い話ではありません。

セットバックで建築可能になるか確認する

もう一つ、再建築不可物件を再生する方法に「セットバック」があります。前面道路からセットバックすれば、自由に使える敷地面積は狭くなりますが、再建築可能な土地として一般物件と同じように売り出すことができます。そうすれば需要は一気に拡大するでしょう。自らの再建築も可能ですが、不動産会社や土地を希望する人への売却も、極めて容易になるでしょう。

セットバックは特に大きな手間もかからず、簡単に地価を上昇させられます。容積率や建ぺい率の制限で建物はやや小さくなってしまいますが、それでも再建築不可物件よりもはるかに使い勝手が向上します。

自治体ごとのルールを確認する

再建築不可物件でも、実は自治体によって建築可能な場合があります。例えば新宿区では以下のような基準を設けています。

参考 新宿区公式サイト-無接道敷地の建替えに新たな許可基準を整備 

新宿区公式サイト

この新宿区の基準では、接道幅員が1.5メートル以上、2メートル未満でも、避難通路が確保されていれば、建築が可能になるケースもあります。

都内などの人口密度が高いエリアでは、再建築不可物件として活用できない土地の存在を問題視している自治体もあるのです。特例を設けることで再建築不可物件を減らし、住宅用として土地の有効活用を検討しています。その他にも再建築不可物件に関する特例は多数存在します。実際に役所などに確認を取れば、意外な活用法が見つかることもあります。

売りたいのに買い手が見つからない場合、どこで売却できるのか?

不動産屋
再建築不可物件を更地にした土地の売り先は、なかなか見つけることができません。一体どのような所に相談すれば、更地を売却できるのでしょうか。

再建築不可物件専門の不動産会社に相談する

再建築不可物件の売却に関して最も有力な存在が、再建築不可物件を専門に取り扱っている不動産会社です。最近の不動産会社は、様々な分野に特化しています。例えば投資物件専門、一棟物件専門などの不動産会社が該当します。

再建築不可物件を得意とする不動産会社は、不動産投資で再建築不可物件を希望する顧客を多く抱え、再建築不可物件の活用法に熟知しています。

不動産は様々な法律が絡んでくるため、知識の有無で活用性が0にも100にもなります。専門の不動産会社であれば、再建築不可物件がある自治体のルールなども把握していますので、まずは更地にする前に相談してみるのが良いでしょう。

更地にした方が良いのか、建物がある状態で自己活用を考える方が良いのか、もしくは売り出すのが良いのか、いずれも詳細なアドバイスが不動産会社から受けられるでしょう。

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隣地の住人に相談をしてみる

もう一つは、隣地の住人への相談です。かねてから再建築不可物件を手放そうと考えていた時に、隣地の住人が物件の買い取りを申し出てきたケースは多々あります。

隣地の住人が「更地を買い取ることで接道義務を満たし、不動産の資産価値を高めたい」と考えている場合もありますし、他にも「隣の敷地を買い取って庭にしたい」「建物を取り壊して日差しが入るようにしたい」「大きな敷地にして高く売りたい」などと考えている場合もあるのです。

再建築不可物件の取り扱いには、何かと周辺との関係が重要になってきます。日ごろからトラブルを起こさないように心がけ、結果はどうであれ一度相談してみるとよいでしょう。

まとめ

再建築不可物件は、購入側にとっても、売却側にとっても様々な問題を抱える不動産です。法律に関する知識の有無で高く売れる場合もありますし、全く売れない場合もあるのです。

一度更地にしてしまうと、どうしても購入側の再活用の選択肢が狭まってしまう上に、固定資産税が跳ね上がる可能性もあります。

更地にする前に、どのような選択肢が生まれ、どのような収益の可能性があるのかをしっかりと把握します。そして現状と収益性や売りやすさを比較していきましょう。そのためには、再建築不可物件に特化した不動産会社の力を借りることをお勧めします。

最終更新日:

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