無償で貸している土地を売る3つの方法!使用貸借契約の解除方法についてもわかりやすく解説

無償で貸している土地 売る

地主のなかには、無償で土地を貸し出している人もいます。

借主が家族や親戚であったり、善意から無償で貸し出しているケースが多いのですが、無償で貸し出している土地でも「使用賃借」という契約が成立しています。

「契約が成立しているなら土地の売却はできないの?」と不安に思う人もいますが、例え使用賃借が成立していても土地は売却可能です。

無償で貸し出している土地を売却したい場合は、使用賃借契約を解除するか、借主に土地を買い取ってもらえないか交渉をもちかけるとよいでしょう。

また、関係性が悪化しているなどで借主との直接交渉が難しい場合は、現状のまま不動産買取業者に買い取ってもらうのもおすすめです。底地専門の買取業者なら、高額かつ最短数日のスピード買取が可能です。

無償で貸している土地は「使用貸借契約」

使用貸借契約

土地を貸し借りする際に、地代または賃料の支払いが発生すると「賃貸借契約」となります。

賃貸借契約では借主へ借地権、貸主に底地権が設定されて、借主の権利が優先的に保護されます。

一方で、土地を無償で貸している場合は「使用貸借契約」になります。

使用貸借契約では、基本的に貸主のほうが権利関係が強いため、貸している土地をすぐに取り戻せるケースもあります。

次の項目では、使用貸借契約を解除して土地を取り戻せるケースや、賃貸借契約に変更する方法について解説します。

使用貸借契約が解除できるケース

使用貸借契約が解除できるケースは主に3つです。

  • 契約期間が満了した場合
  • 使用収益の目的を果たした場合
  • 貸主が返還請求した場合

使用貸借契約において、どのように判断されるのか具体的に説明します。

契約期間が満了した場合

あるものを貸し借りする際に期間を定めているのであれば、その期間までに返還する義務があります。

民法 第597条
1 当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。
2 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
3 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。出典:e-Govポータル「民法第597条」

例えば、本の貸し借りにおいて「1週間後に返す」という内容で両者が合意した場合、1週間後に必ず返還しなければなりません。

このような使用貸借契約において、本を読み終えているかに関係なく、期間が満了した時点で借りたものを返還する義務があるというわけです。

そのため、まずは「土地を無償で貸す際に期間を定めていたか?」を確認しましょう。

もし土地を無償で貸す期間を設定していて、すでに満了しているのであれば、すぐに返還を求めることが可能です。

使用収益の目的を果たした場合

一方で、返還の期限を定めないケースもあり、使用や収益の目的が完了してから返還するという使用貸借契約も考えられます。(民法第597条2項)

例えば「本を読み終えたら返還する」という内容で使用貸借をおこなった場合、本を読み終えたときにのみ返還義務が発生します。

極端ですが、本を読み終えるという使用・収益の目的を果たさない限り、返還する時期は1カ月後でも1年後でも問題ないのです。

土地を居住用として貸している場合、借主が現在も無償で貸している土地に住んでいる状態で使用収益の目的を果たしたと扱うか否かが論点となります。

この判断については裁判所の判決によるため、返還請求が認められて、土地を取り戻せるケースもありますが借主の権利を濫用するとして立退料を支払わなければならないケースもあります。

貸主が返還請求した場合

前の項目で説明したように使用貸借の返還期限または使用収益の目的を定めた際、その契約内容に従って土地が返還されます。

しかし、ケースによっては期限も目的も定めずに使用貸借契約を結ぶケースもあり、このような契約であれば貸主はいつでも返還を請求できます。

民法でも次のように定められています。

民法 第598条
1 貸主は、前条第二項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。
2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
3 借主は、いつでも契約の解除をすることができる出典:e-Govポータル「民法第598条」

無償で土地を貸す際に期限も目的も決定していない場合、貸主から返還請求された借主はどんな事情があっても拒否できません。

つまり、期限も目的も決めずに土地を無償で貸している場合、借主へ返還請求すれば土地を取り戻せます。

賃貸借契約に変更もできる

「地代や賃料を払ってくれるなら、そのまま土地を貸してもいい」という場合、使用貸借契約から賃貸借契約に変更するとよいでしょう。

地代や賃料の決め方については、以下の記事でわかりやすく解説しています。

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ただし、賃貸借契約を結ぶと「借地借家法」が適用されるため、この法律がどのような内容なのか次の項目で確認しておきましょう。

借地法が適用される

借地法は賃借人の権利を保護するための法律であり、賃貸人(地主)は賃借人に対して土地を使用・収益させる義務が生じます。

そのため「正当事由」であることが認められない限り契約更新の拒絶や解約を申し入れることは不可能です。つまり、使用貸借と違って賃貸借契約を結ぶことで容易には返還が認められないというわけです。

一度賃貸借契約を結ぶと最低でも30年間は契約を解除できなくなるため注意が必要です。

賃借人から地代(賃料)がもらえるというメリットがありますが、自由に活用できないというデメリットも踏まえて慎重に判断することが大切です。

「それならやっぱり売却したい」という人は次の項目から売却方法を詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。

無償で貸している土地を売る3つの方法

土地 売る
無償で貸している土地の売却方法には主に3つあり、それが以下の通りです。

  • 借主から返還してもらった後に売却する
  • 借主に売り渡すときの手順
  • 法律関係に強い買取業者に売却する

それではそれぞれの売却方法について説明します。

1.借主から返還してもらった後に売却する

使用貸借契約が終了したと認められることで、借主から土地を返還してもらうことができます。返還時に借主は原状回復義務を負う必要があります。

例えば、更地の状態で借りた後に借主が建物を建てたのであれば、建物の解体・撤去をおこない更地に戻してから貸主へと返還しなければなりません。

そのため、貸主はその建物を買い取ったり解体費用を負担することはありません。

返還された後の土地売却については、以下の記事で詳しく解説しているため参考にするとよいでしょう。

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返還請求に応じない場合

無償で土地を貸す際に、相手が親族や親しい間柄のため契約書を作成していないというケースもあります。そのため、契約内容が曖昧になってしまっている恐れなどがあります。

このような場合、貸主が使用貸借の終了を理由に返還請求をおこなっても、借主は「まだ住み続けているのだから、使用貸借は終了していない」と請求に応じない可能性もあります。

また、借主が使用貸借契約と賃貸借契約の違いを理解しておらず「借地権によって借主の権利が優先的に保護されるはずだ」と間違った主張をすることも考えられます。

土地返還の請求・交渉をおこなった結果、ケースによっては立ち退き料を支払うという内容で和解することもあるでしょう。しかし、それでも土地の返還を承諾しないということも考えられます。

返還請求や和解などに応じないというトラブルに発展した場合は、不動産の法律に詳しい弁護士に相談することが大切です。

使用貸借に関する契約内容や法律などを加味して、借主との交渉を有利に進めてくれるでしょう。

2.借主に売却する

借主がどうしてもこのまま住み続けたいとお願いするのであれば、土地を借主に売り渡すことも検討してみましょう。

返還や立ち退きを拒否していたとしても、土地の売買には応じることもあります。もし借主に土地を売却するのであれば、以下の手順で進めましょう。

  1. 土地の売却価格を決定する
  2. 売買契約書を作成する
  3. 引き渡しおよび登記手続きをおこなう

次の項目からそれぞれわかりやすく説明します。

土地の売却価格を決定する

まず、売却価格を決定するために土地の相場を調査しましょう。国土交通省が公表している「不動産取引価格情報検索」を利用することで、実際に成約した価格(実勢価格)を把握することが可能です。

また、複数の不動産会社に査定してもらうことも有効な手段といえるでしょう。

例えば、A社・B社・C社に査定依頼するとします。それぞれの見積もり価格が「3,000万円」「2,700万円」「2,400万円」だとすると土地の平均査定価格(適正価格)は「2,700万円」だと考えられます。

不動産取引価格情報検索で実勢価格を調べて、不動産会社の査定額を照らし合わせることで比較的正確な売却価格を決定できるかもしれません。

参照:国土交通省「土地総合情報システム 不動産取引価格情報検索」

売買契約書を作成する

不動産会社を介さず個人間で土地の売買をおこなうのであれば、自分で「売買契約書」を作成する必要があります。

口約束のみでも売買契約は成立しますが「言った・言わない」のトラブルに発展してしまう可能性が高いため、契約内容は書面に書き起こしておきましょう。

売買契約書を作成する際は「公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合」が売買契約書のひな形(テンプレート)を公表しているため、以下のリンクを参考にするとよいです。

参照:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合「不動産売買契約書」

引き渡しおよび登記手続きをおこなう

無事に売買契約が成立したのであれば、土地の引き渡しと所有権移転の登記手続きをおこないます。

引き渡しは借主と立ち会いのもと、土地の面積や境界など契約内容に誤りがないか確認することが大切です。

所有権移転登記の手続きをおこなう際に「登録免許税」がかかります。登録免許税は高資産税評価額に税率をかけて算出されるため「固定資産税納税通知書」や「課税証明書」などを用意しておきましょう。

これらの書類以外にも土地売却においてさまざまな必要書類があるため、以下の記事で確認するとよいです。

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3.法律関係に強い買取業者に売却する

「土地の返還について借主との話し合いがまとまらない」「借主と大きなトラブルを起こさずに土地を売りたい」などの人もいるでしょう。

そこで注目したいのが「法律関係に強い専門買取業者」です。

当社も法律が関わる物件に強い専門買取業者であるため「無償で貸している土地」のような借主とトラブルを抱えやすい物件なども積極的に買取しております。

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まとめ

土地を無償で貸す場合「使用貸借契約」が結ばれます。この契約は借主よりも貸主の権利が強いため、契約が終了と認められればすぐにでも返還請求をおこなうことが可能です。

ただし、借主が返還請求に応じないということもあるでしょう。ケースによっては借主に立ち退き料を支払わなければならないかもしれません。

このように無償で貸している土地を巡って、借主とトラブルに発展したり法律が複雑に関わってきます。

もし借主と大きなトラブルを起こさずに土地を売却したいのであれば、法律関係に強い専門買取業者に売却するとよいでしょう。

また、無償で貸している土地に関する契約や法律に疑問がある人などは弁護士に相談することが大切です。

最終更新日:
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