共有不動産のアパートを売却する方法と賃貸収入を独占されている場合の対処

共有不動産 アパート 売却

アパートを共有名義で所有していると、他共有者に賃貸収入を独占されるといった、さまざまなトラブルが起こります。

「トラブルを解消したい」とアパートの売却を検討する人もいますが、共有名義だと売却には共有者全員の同意が必要なため、話合いがうまくいかず途方に暮れるケースが少なくありません。

しかし、自分の共有持分だけを売れば、アパートの権利を現金化できる上、他共有者とのトラブルからも抜け出せます。

共有持分の売却は、一般的な仲介業者だと断られることが多いため、専門の買取業者に相談することをおすすめします。

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共有不動産のアパートを売却する3つの方法

共有不動産とは、複数人が所有している不動産のことです。

共有不動産のイメージ

各共有者の所有権は「共有持分」といって、取得時の費用負担や相続時の遺産分割で決まります。

例えば、取得時の費用負担を2人で半額ずつ負担すれば、それぞれ1/2の共有持分をもちます。

また、1/2の共有持分について相続が発生したとき、3人の相続人で均等に遺産分割するのであれば、それぞれ1/6をもつことになります。

アパートが共有名義の場合、売却する方法は次の3つです。

  • 1.共有者全員の同意の上でアパート全体を売却する
  • 2.自分の共有持分だけを他者に売却する
  • 3.共有者に対して自分の共有持分を売却する

それぞれの方法について、詳しく解説していきます。

1.共有者全員の同意の上でアパート全体を売却する

共有不動産は、共有者全員の合意がないと売却できません。

例えば、夫婦でアパートを所有しているとします。

このようなケースの場合、共有名義の不動産であるアパートを売却するには「夫婦2人の同意」が必要です。

つまり、夫婦どちらか一方でも反対するのであれば、売却できません。

共有不動産を売却する際のイメージ

共有者の数が増えれば利害は対立しやすく、同意を得るのも難しくなります。

共有不動産のアパートを売却するには、共有不動産を所有する全員の同意が必要であると覚えておきましょう。

2.自分の共有持分だけを他者に売却する

共有者から売却の同意を取れない場合、自分の共有持分のみ売却するという方法がおすすめです。

共有持分の売却は、自分の意思のみでおこなえます。

共有持分の売却

他共有者の同意は不要なので、売却にあたって事前に通知する必要もありません。

例えば、友人3人の共同出資でアパートを購入し、それぞれ1/3ずつ共有持分をもっていたとします。

最初は3人で順調にアパート経営をおこなっていましたが、次第に関係が悪化し、トラブルになることも増えてきました。

そして、この状況に嫌気が差した1人の所有者が、自身の共有持分を売却すると決めます。

持分売却なら、他の2人には一切の断りを入れる必要がなく、すぐに共有関係を解消できます。

上記のように、共有者となんらかのトラブルが起きているケースや、所在がわからず連絡も取れないといったケースにおいて、共有持分のみの売却はとくに有効な方法でしょう。

ただし、第三者が共有持分だけ購入してもアパートを自由に活用できないため、需要が低く売れにくいというデメリットがあります。

持分のみを購入しても制限が多い

共有持分のみの売却は専門の買取業者に相談するのがおすすめ

共有持分のみの売却は需要が低く、売却相場は本来の価値の半額程度になります。

なかなか売れないため、一般的な仲介業者は取り扱いを断ることも少なくありません。

そこで、スピード買取と高額買取が可能な「共有持分専門の買取業者」に相談しましょう。

共有持分の活用・収益化ノウハウがあるため、最短数日での買取も可能です。

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3.共有者に対して自分の共有持分を売却する

共有持分のみの売却は、共有者に対してもおこなえます。

買主側にとっても自分の持分割合を増やすのはメリットなので、資金さえあれば買い取ってもらえる確率は高いでしょう。

例えば、親から相続したアパートを兄弟2人で相続したとします。

しかし、兄は急遽まとまった現金が必要となり、弟に自分の共有持分を買い取ってもらいました。

兄は売却代金を得られ、弟はアパートを自分の単独名義にして賃貸収入をすべてもらえるようになります。

買主側のメリットが大きいので、共有持分だけでも高値で売りやすい方法です。

共有者の持分を買い取る・共有者へ持分を売却する

反対に、共有者だからといって相場価格より著しく安い価格で取引した場合、相場価格との差額は「贈与をおこなった」とみなされ、課税されてしまう恐れがあるので注意しましょう。

参照:国税庁「著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」

共有者に独占された賃貸収入は取り返せる

ここまで、共有不動産のアパートを売却するための3つの方法についてご紹介してきました。

しかし、共有不動産のアパートは「賃料を一部の共有者が独占している」というケースもあります。

共有不動産の賃貸収入は、持分割合に応じて分割するのが原則です。

一部の共有者が独占しているなら、取り返すことも可能です。

共有不動産や共有持分を処分する前に、本来得られるはずだった賃貸収入を請求しましょう。

賃料の返還は「不当利得返還請求」をおこなう

アパートの賃貸収入を独占されている場合「不当利得返還請求」で過去の分まで返還してもらうことが可能です。

法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。出典:e-Govポータル「第703条」

例えば、アパートを兄弟2人で共有しており、双方の共有持分が1/2ずつだとします。

管理は主に兄がおこなっていましたが、同時に賃貸収入も兄がすべて独占していました。

弟は1円ももらえず、アパートを共有している恩恵を一切受けられない状況です。

上記の例では、弟にも持分割合に応じた賃貸収入をもらう権利があります。

月50万円の賃貸収入なら、1/2の25万円が弟の取り分です。

直接交渉で兄が返還請求に応じない場合、裁判所に申し立て、民事訴訟で争うことになります。

また、不当利得返還請求の時効は10年間であるため、過去10年まではさかのぼって賃貸収入の返還を請求できます。

ただし、共有不動産は「権利」だけでなく「義務」も共有者で分担します。

維持・管理にかかる費用や、固定資産税に関しても持分割合に応じて分担しなければいけない点を覚えておきましょう。

共有不動産のアパートを売却したときの税金と確定申告

不動産を売却したときは、譲渡所得税が課税されます。

譲渡所得税は、不動産を所有していた期間によって変動します。

長期間所有していたほうが税額は抑えられるのが基本です。

次は、実際に共有不動産を売却した後に気になる税金や確定申告などについて解説します。

共有不動産売却時の税金は所有年数で変化する

共有不動産を売却した後の税金の支払い額は、不動産の所有年数によって変化するでしょう。

また、それは「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」という2つに分けられます。

短期譲渡所得・・・共有不動産の持分を所有してから5年以内での売却。この短期譲渡所得では所得税率が30%、住民税率が9%となる。

長期譲渡所得・・・共有不動産の持分を所有してから5年が経過した後での売却。長期譲渡所得では所得税率が15%、住民税率が5%となる。

上記のように、共有不動産やその持分を長く所有していれば税率が下がります。

そのため、共有不動産を売却するのであれば、長期譲渡所得の状態になる「所有期間が5年超での売却」が節税に繋がります。

共有不動産に関する確定申告は個別で行う必要がある

共有者全員で共有不動産を売却した後の確定申告は、各共有者がそれぞれ個別でおこないます。

共有不動産を売却したのであれば、代表者が確定申告するというのではなく、個別に「取得した代金」や「負担した費用」を計算して、申請しなければいけません。

確定申告は、不動産を売却した年の翌年2月16日~3月15日に申請します。

申告手続きや書類作成に不安があれば、税理士に相談するとよいでしょう。

できるだけ早く共有不動産のアパートを売却するコツ

ここまで共有不動産のアパートを売却する方法や、賃貸収入に関するトラブルの解消方法などを紹介してきました。

ここからは、できるだけ早く共有不動産のアパートを売却するコツを解説していきます。

具体的には、次の2点を覚えおきましょう。

  • 売却に関する問題は早めに解決する
  • 共有不動産の買取実績が豊富な不動産会社に依頼する

売却に関する問題は早めに解決する

できるだけ早く売却する1つ目のコツは「売却に関する問題は早く解決する」ということです。

上記の売却に関する問題とは、記事内で紹介した賃貸収入を独占されているようなトラブルのことをいいます。

一応、トラブルを抱えたままでも売却自体は可能です。

しかし、大抵は売却時にトラブルが深刻化し、売却に余計な時間が掛かってしまいます。

そのため、売却に関する問題は早急に解決することが、できるだけ早く共有不動産のアパートを売却するコツだといえるでしょう。

共有不動産の買取実績が豊富な不動産会社に依頼する

共有不動産のように「特殊な不動産」は、購入を希望する第三者が現れるのは稀です。

そのため、共有不動産を買い取ってくれる不動産会社が主な買主となります。

共有不動産のアパートをできるだけ早く売却する2つ目のコツは「共有不動産の買取実績が豊富な不動産会社に買い取ってもらう」ということです。

共有不動産や共有持分の買取実績が少ない不動産会社だと、安く買い叩かれてしまうか、取り扱いを断られるケースもあります。

そのため、共有不動産の買取実績が豊富な不動産会社に買取を依頼することが、できるだけ早く共有不動産のアパートを売却するコツだといえます。

一般不動産と専門買取業者の違い

「共有持分専門の買取業者」のなかでも弁護士と連携したところがおすすめ

共有持分専門の買取業者は、共有持分の運用・収益化に必要な知識を有しているため、最短数日での高額買取も可能です。

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まとめ

共有不動産のアパートをまるごと売却したいなら、共有者との話し合いは必須です。

しかし、共有持分のみの売却であれば、最短数日での現金化も可能です。共有持分専門の買取業者に相談して、売却に向けたアドバイスを聞いてみましょう。

また、共有者に賃貸収入を独占されていた場合、不当利得返還請求が可能です。過去10年間まで請求できるので、物件売却の前に弁護士へ相談してみるとよいでしょう。

共有名義アパートについてよくある質問

共有名義のアパートを売りたいとき、ほかの共有者からの同意は必要ですか?

はい、必要です。アパートに限らず、共有名義の不動産を売却するときは共有者全員の同意が必要であり、1人でも反対していれば売却はできません。

自分の共有持分だけを売却したいのですが可能ですか?

自分の持分だけを売却することは可能です。設定した自分の持分割合分は、共有者の同意がなくても売却できます。

そもそも共有持分とは?共有不動産との違いは?

共有持分とは共有不動産における「共有者ごとの所有権割合」を表したものです。持分の権利割合は1/3などの数字で表記します。ちなみに共有不動産は「他人と共有している不動産そのもの」を指します。

共有持分だけの買取相場っていくらぐらいになりますか?

共有持分の買取価格相場は通常不動産の半額程度、もしくはさらに低い価格となる場合がありますが、売却先によっては相場に関わらず比較的に高い価格で買取していることもあります。そのため、買取相場が明確に決まっているわけではありません。

共有者がアパートの賃貸収入を独占しています。自分にも取り分が欲しいです。

共有名義の不動産によって発生した収益は、それぞれの共有者の持分割合によって分配されるのが原則です。そのため、裁判所に訴え出て「不当利得返還請求」の手続きをするとよいでしょう。

最終更新日:
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