
狭小地とは、15~20坪かそれより小さい土地のことです。地価の高い都心部では、狭小地にマイホームを建てるケースも珍しくありません。
しかし、狭小地・狭小住宅は形がいびつであったり、建築にあたって多くの制限があるため、いざ売却しようと思っても需要が低くなります。
さらに、狭小地は都心部に多いことから、通常の不動産に比べて坪単価の価格相場が15~20%ほど高くなります。使い勝手が悪い上に1坪あたりの単価が割高なので、売れにくくなるのです。
狭小地の売却では、複数の不動産会社を比較し、実績豊富でスムーズに売却できる不動産会社を選ぶことが重要です。
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目次
狭小地・狭小住宅とは一般的に「15坪~20坪以下の土地」のこと
ひとくちに「狭小地・狭小住宅」といっても、明確な定義はありません。
ただ、一般的には15坪~20坪(50~60㎡)以下の土地を狭小地、狭小地に建てられた住まいを狭小住宅と呼びます。
地価が高い東京都などの都心部で、狭小住宅が建てられることが多々あります。面積が小さい分、土地代を安く抑えられる点がメリットです。
狭小地・狭小住宅が売れにくい理由
狭小住宅が売れにくい理由は、住宅ローンの審査が通りにくいことにあります。
住宅ローンは不動産を担保設定することで融資されますが、基準として「土地面積が40㎡以上であること」「床面積は70㎡以上であること」というような制限を設定している金融機関がほとんどです。
担保は、債務者が返済不能となったときに差し押さえを実行し、不動産を競売にかけることで融資金を回収するために設定します。
しかし、狭小地を競売にかけても回収できる金額が少ないため、そもそも融資をしないという金融機関が多いのです。
したがって、住宅ローンを利用予定の買主には売却できなくなり、需要が低くなってしまうのです。

狭小地・狭小住宅が生まれる理由
そもそも、狭小地・狭小住宅というものが発生する原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
背景には、大きく分けて以下の2つがあります。
- 不動産会社の販売戦略によるもの
- 都市計画の開発によるもの
1.不動産会社の販売戦略によるもの
地価が高い地域では、広い土地だと価格が高くなり、購入できる人は少なくなってしまいます。
また、1つの土地をまとめて売るよりも、分筆して売る方が不動産会社の利益は大きくなります。
たとえば下図のような場合です。広い土地が1億円で売り出されていたとします。
このような土地は購入できる人も少なく、購入した後の固定資産税・都市計画税のような税金・維持費も莫大です。そこで、次のように分筆して小分けにします。
土地を分けることで買主が見つけやすくなり、個々の土地を少しだけ値上げしても、それほど時間をかけずに売却できます。
買主としても、広大な土地でスペースを余らせることがなく、税金・維持費を節約できます。公共交通機関が整備されている都市部なら駐車場のスペースも不要であり、狭い土地でも不足なく生活できるのです。
2.都市計画の開発によるもの
都市計画によって道路の開発が決まったために、道路上にある土地が収容されて狭小地となることもあります。
下図のように、都市計画道路の開発があったため、道路にかかる部分の土地が狭小地となってしまうケースがあるのです。
狭小地・狭小住宅の価格相場は坪単価が15~20%ほど高くなる
面積が小さくなる分、狭小地・狭小住宅の価格相場は安くなるともいえます。
ですが、坪単価で見たとき、狭小地・狭小住宅の価格相場は高いケースが大半です。
たとえば、品川区内のとある地域において「60㎡未満の土地」と「60㎡以上の土地」を比較してみます。
60㎡未満の狭小地では、物件の希望価格は3,480万円、坪単価は230.4万円となっています。
出典: SUUMO 土地購入情報検索結果
一方、60㎡以上の土地では物件の希望売却価格が4,780万円、坪単価にして204.6万円です。
出典: SUUMO 土地購入情報検索結果
このように、販売価格は狭小地・狭小住宅の方が安いですが、坪単価で考えると割高になっています。
地域や個々の条件によって変わりますが、狭小地の坪単価は、通常不動産より15~20%ほど増えると考えましょう。
狭小地・狭小住宅の査定ポイント一覧
狭小地・狭小住宅の査定ポイントは、通常の不動産と大きく変わりません。
具体的には、以下のリストを総合的に加味して決まります。
- 交通の便や生活の利便性
- 周辺環境や治安の良さ
- 日当たりや間取り
- 建築制限の有無
- 土地の形状や高低差
宅地として売り出すのか、駐車場などの貸地として売り出すのかといった点でも、売却価格に影響があります。
狭小地・狭小住宅を高額かつスピーディーに売る3つのポイント
ここまで解説したように、狭小地・狭小住宅は全体的な売却価格が安く、その割に「坪単価が高い」という理由で売れにくいというデメリットがあります。
しかし、狭小地・狭小住宅でも、なるべく短期間で高く売ることは可能です。
少しでも高く、そしてスピーディーに売るためのポイントを、3つ解説していきます。
1.立地の特徴を理解する
狭小地・狭小住宅の売却で特に重要なのが立地です。狭い土地・住宅であっても、交通の便が良かったり、周辺環境が良ければ高値で売却できます。
そのため、立地の特徴を調べて、購入検討者の内見時に適切な受け答えができるようにしましょう。
物件のメリットをしっかりと説明できれば、成約に繋がりやすくなります。
2.隣接地の所有者に売却を提案する
需要の低い狭小地であっても、隣接地の所有者なら高値で買い取ってもらえるケースがあります。
なぜなら、隣地を購入することで、購入費用を超える大幅な資産価値の向上が期待できるからです。
とくに、間口が狭く接道義務を満たしていない再建築不可物件は、土地の面積が増えることで建物の新築・建て替えが可能になるケースもあります。
不動産業界では、ときに「隣の土地は倍出しても買え」「隣の土地は借金してでも買え」といわれることがあります。
一般の不動産市場では価値の低い狭小地でも、隣接地の所有者にとっては喉から手が出るほど欲しい場合があるのです。

3.狭小地・狭小住宅でも高額で買い取る「専門買取業者」に売却する
一般的には売れにくい狭小地・狭小住宅ですが、それらを専門に取り扱う買取業者に相談すれば、高額かつスピーディーな売却が可能です。
専門買取業者は狭小地・狭小住宅を最大限活用し、収益化するための知識と資金力があるため、査定額も高額となります。
専門買取業者を探す際は、オンラインの一括査定がおすすめです。複数の不動産会社にまとめて査定してもらえるので、より高額で買い取ってもらえる買取業者が見つかります。
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狭小地・狭小住宅が「1年以上売れないとき」にできる5つの対策
「仲介業者に依頼して狭小地・狭小住宅を売り出したものの、1年以上売れ残っている」というケースは、実際にありえます。
そのまま同じような売却活動を続けても、売却は難しいといえるでしょう。何らかの対策を早急に取るべきです。
物件が1年以上売れないときに何をすればよいか、具体的な対策を見ていきましょう。
1.リフォームをする
築年数が古い物件は、そのまま売り出すより、リフォームをしたほうが売れやすくなります。
水回りなどの設備交換や外壁の塗装、屋根の葺き替えをおこなうだけでも、需要を高められます。
ただし、リフォーム費用が高くつき、売却できても赤字になってしまう事態には注意しましょう。
リフォームをおこなう前に不動産会社と相談して、リフォーム後の需要や価格相場を確認することをおすすめします。

2.売却価格を下げる
なかなか売れないときは、売却価格を下げることも大切です。
1年以上売れないということは、売却希望価格が高すぎる可能性があります。
売り出した時点では適正価格だったとしても、市場の動向が変わっている可能性もあります。
改めて周辺不動産の価格相場を調べ、売り出し価格を見直してみましょう。
3.仲介を依頼している不動産会社を変更する
1年以上も売れ残っている場合、不動産会社の実力不足という可能性もありえます。
不動産会社もそれぞれ得意・不得意があり、同じ物件を取り扱っても売却価格や売却期間に違いがあります。
1年経っても売れない場合は、不動産会社との相性が悪いかもしれないので、別の不動産会社に相談してみましょう。

4.収益不動産として運用する
1年以上売却活動をして売れないのであれば、売買の需要そのものがないとも考えられます。
その場合には売却自体を見直して、賃貸物件や駐車場のような収益不動産として活用することを検討しましょう。
狭小住宅の立地や間取りが魅力であれば、賃貸物件として貸し出すことは充分可能です。
また、狭小地であっても、駐車場・駐輪場としてなら需要が高い場合もあります。

まとめ
以上、狭小地・狭小住宅の価格相場と、売却するためのポイントを解説しました。
狭小地・狭小住宅の坪単価は、通常の15~20%増しが目安です。狭くて使い勝手が悪い割に坪単価が高いので、売りにくいといえます。
少しでも高く、そしてスムーズに売りたい場合は、再建築不可物件の専門買取業者に相談しましょう。
1年以上も売れ残っている場合は、売り出し価格や不動産会社の変更など、売却方法を見直すことをおすすめします。
狭小地のよくある質問
狭小地とは、面積が15~20坪かそれより小さい土地のことです。
法律上の制限はないので、狭小地でも売却は可能です。ただし、買主が見つかりにくく、売却価格も安くなりやすいです。
狭小地は形が整っておらず、建築制限を受ける場合もあり、買主からの需要が低く売れにくい傾向にあります。
狭小地は面積が小さいので、価格相場は通常の土地よりも安くなります。ただし、狭小地の坪単価は通常の土地より高くなる傾向にあります。
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