建ぺい率・容積率オーバーの既存不適格物件を売却する5つの方法

建ぺい率 容積率オーバー 既存不適格物件

古い建物のある土地で、法改正や周辺環境の変化により現代の建築基準に合わなくなった物件を「既存不適格物件」といいます。

とくに、建ぺい率(土地に対する建物の建築面積)や容積率(土地に対する建物の延床面積)をオーバーした既存不適格物件は少なくありません。

既存不適格物件はリフォームや増改築・建て替えに制限があり、物件全体の価値が低いため、売却しにくいケースがほとんどです。

既存不適格物件を売却するには、通常の不動産とは違った工夫が必要です。最も手っ取り早いのは、再建築不可物件の専門買取業者に相談することでしょう。

専門買取業者であれば、既存不適格物件の取り扱いにも豊富なノウハウがあるため、高額かつ最短数日のスピード買取が可能です。

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建ぺい率や容積率は「敷地において利用できる面積」の基準

建ぺい率と容積率の定義は、以下の通りです。

建ぺい率 敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合
容積率 敷地面積に対する延床面積の割合

建ぺい率や容積率は、ある1つの敷地において、どれくらいの広さまで建物を建築できるかを決める基準です。

用途地域ごとに設定され、建ぺい率は30~80%、容積率は50~1300%であることが一般的です。

建ぺい率は「敷地面積に対する建築面積の割合」

建ぺい率は「敷地の内、どれくらいの広さまで建物を建ててよいか」を表します。敷地面積が100㎡で、建ぺい率が70%であれば、建物を建てられるのは70㎡までです。

建築面積は、屋根や柱もしくは壁のある部分を基準に、建物を真上から見た大きさで判断されます。

例えば、屋根と柱がある駐車場は建築面積に含まれますが、いわゆる「青空駐車場」のように屋根・柱がない場合は建築面積に含まれません。

また、ひさしやバルコニーなど上階部分がせり出している部分は、1m以上突き出している場合に限り「先端から1m後退したところ」までを建築面積に含みます。

参照:e-Govポータル「建築基準法第53条」

容積率は「敷地面積に対する延床面積の割合」

容積率は「敷地の内、どれくらいの延床面積まで建物を建ててよいか」を表します。敷地面積が100㎡で、容積率が70%であれば、建物の延床面積は70㎡までです。

延床面積は、建物全体の床面積を合計したものです。例えば、上記の「敷地面積が100㎡で容積率が70%」のときに1階部分が50㎡なら、2階部分は20㎡しか建てられないことになります。

つまり、階数が増えるほど階層ごとの床面積は狭くなり、反対に階数を少なくすれば階層ごとの床面積を増やせるということです。

参照:e-Govポータル「建築基準法第52条」

建ぺい率や容積率をオーバーしている物件は2種類に分けられる

既存不適格物件

実際に建ぺい率・容積率がオーバーしている物件は少なくありません。「なぜオーバーしたのか」という経緯によって、下記2種類に分けられます。

  • 既存不適格物件
  • 違反建築物

物件がどちらにあてはまるかで、売却時の取り扱いも異なります。詳しくは、下記の関連記事で解説しています。

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1.法改正によって基準を満たさなくなった「既存不適格物件」

既存不適格物件は「建築当初の基準を満たしていたが、法改正などによって基準を満たさなくなった建築物」指します。

具体的には、次のような場合に既存不適格物件となる可能性があります。

  • 建築後の法改正で建ぺい率・容積率の制限数値が下げられた
  • 建築後に用途地域の見直しで建ぺい率・容積率の制限が厳しくなった
  • 建築後に都市計画事業の施行により敷地の一部を収容したことで敷地面積が減少した

既存不適格物件の場合、現状のまま使い続けることは可能です。行政から是正を指導されることもありません。

ただし、建築確認申請が必要なリフォームや増改築をする場合は、全体を現行の基準に合うよう工事する必要があります。

2.建築した時点で基準を満たしていない「違反建築物」

違反建築物は「建築時点で基準を満たしていなかった物件」を指します。

具体的には、下記のような経緯で違反建築物が発生します。

  • 新築時に完了検査を受けず、違反建築物であることに気づかなかった
  • 確認申請を提出したあとで計画を大きく変更して建築された
  • 建築確認申請が必要な規模の増改築で申請をおこなわなかった

違反建築物は、既存不適格物件のようにそのまま使い続けることは認められません。違反建築物であることがわかれば、行政から是正指導がおこなわれます。

建ぺい率・容積率オーバーであれば、建築面積・延床面積の縮小工事をしなければいけません。所有者の負担で、必要な工事をおこないます。

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「既存不適格物件」と「違反建築物」の見分け方

現在の物件が既存不適格物件か違反建築物かを判別するには、検査済証を確認しましょう。

ただし、検査済証を紛失していた場合、再発行できません。代わりに、役所で台帳記載事項証明書を取得する必要があります。

建築主以外が台帳記載事項証明書を取得するには、建築主の委任状などが必要となります。詳しくは、各自治体の建築課に問い合わせましょう。

既存不適格物件が売れない2つの理由

既存不適格物件の売却は難しく、なかなか売れないケースがほとんどです。

理由は、単に「現在の法令に適合していないから」だけではありません。

法令に適合していない結果、下記2つの事態を引き起こすためといえます。

  • 1.住宅ローンを組みにくい
  • 2.将来の建て替え時に同規模の物件にできない

1.住宅ローンを組みにくい

既存不適格物件は、住宅ローンの審査が通りにくいという問題があります。なぜなら、既存不適格物件の担保評価額が低いからです。

金融機関が住宅ローンを融資するとき、対象の不動産を担保に取り抵当権を設定します。

金融機関は、借主が住宅ローンを返済できなくなったときに抵当権を実行して、競売にかけることで資金を回収します。

しかし、既存不適格物件は建て替えなどが難しい物件です。既存の建物を現行の基準に合わせて建て替えるのはコストがかかるため、競売にかけたとしても落札されにくいのです。

そのため、既存不適格物件の担保評価額は低くなります。金融機関によっては、そもそも既存不適格物件は住宅ローンの対象外としているところもあります。

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住宅ローンにおける建ぺい率・容積率の目安は「超過率20%まで」

既存不適格物件を住宅ローンの対象としているところでも、建ぺい率・容積率の超過率によっては審査に通りません。

基準は金融機関によって異なりますが、一般的には超過率が20%以上の場合、融資を受けられない可能性が高いでしょう。

逆にいえば、超過率が10%~20%程度であれば住宅ローンの審査を通る可能性はあります。売却活動を始める前に、自分の物件がどれくらい建ぺい率・容積率をオーバーしているかも把握するとよいでしょう。

2.将来の建て替え時に同規模の物件にできない

既存不適格物件は、そのまま使い続けるのであれば、建ぺい率・容積率をオーバーしたままでも問題ありません。

しかし、建物が老朽化して建て替えるときには、建築確認申請が必要になります。このとき基準となる法令は、新築当時のものではなく現行のものです。

つまり、既存不適格物件であれば、現行の法令に適合するような建ぺい率・容積率で建て替える必要があります。

そのため、現在の物件と同じ広さの建物は建てられず、ほとんどのケースでは狭くなるのです。

このように、通常の物件に比べて制限が厳しいため、既存不適格物件は売れにくくなっています。

既存不適格物件の5つの売却方法

売却が難しい既存不適格物件ですが、まったく売れないというわけではありません。

次の5つの方法を実施すれば、納得できる価格で売却できる可能性があるでしょう。

  • 1.通常より広い点をアピールする
  • 2.隣地を買い取ったあとで売却する
  • 3.減築リフォームをして売却する
  • 4.古屋付き土地として売却する
  • 5.買取業者へ売却する

1.通常より広い点をアピールする

建ぺい率・容積率がオーバーしていることを逆手に取ったアピールです。既存不適格物件は違反建築物ではないので、行政による是正命令の対象ではありません。

増改築や、建築確認申請が必要な大規模修繕をしない限り、そのまま住み続けられます。

そして、建ぺい率や容積率が規定より超えているということは、本来建築可能な物件よりも広いということです。

そのため、物件の広さを重視している買主であれば、購入を前向きに検討してくれる可能性があります。

2.隣地を買い取ったあとで売却する

建物が基準を超えているのであれば、敷地の方を広げるという方法もあります。

例えば、建ぺい率60%の場合、敷地面積が100㎡であれば建築面積は60㎡までです。しかし、現在の建物が建ぺい率を10%オーバーしていて、66㎡だったとします。
このとき、隣地から10㎡買い取ることができれば、敷地面積は110㎡となります。110㎡の60%は66㎡なので、建物の建ぺい率を基準内にできます。

建ぺい率・容積率はどちらも敷地面積に対する割合なので、隣地を買い取って敷地面積を広げられれば、基準を満たすことが可能です。

隣地の敷地面積に余裕がありそうならば、買取の相談をしてみるとよいでしょう。

3.減築リフォームをする

リフォームといえば増築が一般的ですが、減築は反対に、現在の建物を狭くする工事です。

例えば、2階建ての床の一部を撤去して、吹き抜けにするなどといった工事をおこないます。延床面積が減少するので、容積率がオーバーしている場合に有効なリフォームです。

また、建物の一部を丸ごと撤去すれば、建築面積が減少して建ぺい率を減らせます。

減築によって現行の建ぺい率・容積率の制限内になれば、既存不適格物件ではなくなります。

4.古家付き土地として売る

対象の既存不適格物件が木造で、築年数が古く老朽化が進んでいる場合には「古屋付き土地」として売却する方法もあります。

古屋付き土地というのは、経済的な価値がほとんどない住居(古屋)が建っている土地のことです。

古屋付き土地の買主は「土地の購入」が主な目的となり、購入後に買主負担で解体することを前提としているケースが大半です。

なかには、古屋でも自分の費用負担で建て替えやリフォームを検討している買主もいます。

いずれにせよ、通常の中古物件として売却活動するよりも需要が明確になるので、売れやすくなるでしょう。

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5.専門買取業者を利用する

なるべく短期間で売却したい場合、再建築不可物件の専門買取業者に買い取ってもらう方法もよいでしょう。建ぺい率や容積率がオーバーしている物件でも、買取対応をしています。

専門買取業者は現金一括で物件を買い取るので、既存不適格物件が売れにくい理由の1つである「融資を受けにくい」は関係ありません。専門に取り扱うことで、高額査定も可能です。

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建ぺい率や容積率がオーバーしても再調査で適合となるケース

測量

「昔、建ぺい率がオーバーしていると言われたことがある」「相続時、親戚から建ぺい率オーバーの家と言われた」などの理由から、対象の不動産を既存不適格物件だと考えている人もいるでしょう。

しかし、上記のような場合は再調査をおすすめします。

なぜなら、再調査をしてみると、実際は現行の法令に「適合」している可能性があるからです。

理由としては、次の4つがあげられます。

  • 1.土地測量時にズレがあった
  • 2.建ぺい率に算入しなくていい部分を登記していた
  • 3.法定床面積と混同していた
  • 4.用途地域等の見直しがあった

1.土地測量時にズレがあった

登記した時期が昔の場合、測量に誤差があって実際よりも狭くなっていることがあります。その原因は「測量技術の差」です。

現在の方が格段に測量の精密さは上がっています。そのため、再調査することによって土地面積が広くなる可能性があるのです。

ただし、大幅に広くなることは期待できないでしょう。おおむね、3%程度の差になります。

測量は、土地家屋調査士に依頼しましょう。売却を前提に測量するのであれば、不動産会社に紹介してもらうこともおすすめです。

2.建ぺい率に算入しなくていい部分を登記していた

物件を調査していると、稀に「建築面積に含める必要がない箇所を登記している」ケースがあります。

例えば、出窓や軒、ひさし、バルコニーなどがあてはまります。

一例として出窓の基準をあげると、以下の条件をすべて満たしている場合、建築面積から除外可能です。

  • 床から30cm以上の高さにあること
  • 壁から出ている部分が50cm以下であること
  • 部屋の天井より低いこと

建築当初の登記時に上記のような「建築面積に含める必要がない箇所」を登記していた場合、修正することで建ぺい率が基準内になるかもしれません。

3.法定床面積と混同していた

容積率を算出するときに使われる床面積は「容積対象床面積」と呼ばれます。これは建築確認申請書に記載された床面積とは異なるものです。

なぜなら、法定床面積に算入されても、容積率を算出するときに用いられる延床面積から除外される部分があるからです。

例えば、自動車車庫です。自動車車庫の面積が延床面積の5分の1以内であれば、容積対象床面積には算入されません。

そのほかにも不算入となるものはあります。

再度、物件調査することで、本来は不算入だったところまで容積対象床面積に含めていたことが判明するかもしれません。そうなれば、修正することで基準の適合内となる可能性があります。

4.用途地域等の見直しがあった

建ぺい率、容積率は用途地域ごとに上限が定められています。

しかし、これらの上限は度々見直しがおこなわれており、緩和されることもあります。

例えば、2019年6月25日から施行された改正建築基準法のケースです。

それまで防火地域でのみ「延焼防止機能の高い建築物」に対して建ぺい率が10%緩和されていました。

しかし、改正建築基準法の施行により、緩和対象に準防火地域も含まれるようになったのです。

まとめ

建ぺい率や容積率をオーバーしている物件は、住宅ローンの審査が下りにくいため、需要も著しく低いといえます。

隣地の買取や減築リフォームなどで、建ぺい率や容積率を基準内に抑えると売れやすくなるでしょう。

また、測量技術の向上や用途地域の見直しなどにより、再調査をすると基準に適合している可能性があります。売却前に確認してみるのもおすすめです。

なるべく早期に売却したいのであれば、現状のままでも買取が可能な「再建築不可物件の専門買取業者」に相談するとよいでしょう。早ければ数日程度で、物件の現金化が可能です。

既存不適格物件を売るときのよくある質問

既存不適格物件とは何ですか?

既存不適格物件とは、建築当時は法律で定められた基準を満たしていたものの、法改正などによって現在は基準を満たせていない建築物です。

既存不適格物件に住み続けることは可能ですか?

既存不適格物件でも、違反建築物でなければ現状のまま住み続けることができます。行政からの是正指導の対象にもなりません。

既存不適格物件でも売却できますか?

法律上の制限はないので、既存不適格物件でもそのまま売却できます。ただし、買主が見つかりにくく、売却価格も安くなる場合が多いです。「再建築不可物件の専門買取業者」なら、既存不適格物件でも高額かつスピード買取が可能です。→ 【最短12時間の無料査定!】再建築不可物件の専門買取業者はこちら

なぜ既存不適格物件は売れにくいのですか?

住宅ローンの審査に通らない恐れがあり、買主が購入資金を用意しにくいためです。また、将来的の建て替え時に同規模の物件を建築できないことも、需要を下げる要因となっています。

どうすれば既存不適格物件を売却できますか?

隣地を買取したり、減築リフォームを施すと売却しやすくなります。また、古屋付き土地として売り出したり、買取業者へ売却するのも効果的です。

最終更新日:
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