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滅失登記をしないとどうなる?自分で申請するやり方や必要書類を解説

自分が所有する建物を取り壊した際、「滅失登記をおこなうのを忘れていた」という人は少なくありません。

滅失登記とは建物を取り壊した事実を登記簿に記録する手続きのことを指し、「建物滅失登記」とも呼ばれます。

滅失登記をしていないと、土地を売却する際に支障が出たり、10万円以下の過料が発生したりするなど、さまざまなリスクがあります。そのため、滅失登記をしていないことに気づいたら、早めに手続きをしなければなりません。

自分で滅失登記するのも可能ですが、複雑な手続きが必要だったり揃える書類が多かったりして手間になります。なるべくスムーズに進めたい場合は、土地家屋調査士に依頼するのがおすすめです。

費用は4~5万円程かかりますが、書類の取得や作成、申請まで任せられるので、忙しい方は過料を科される前に土地家屋調査士に依頼してしまうのがおすすめです。

この記事では、滅失登記について、滅失登記の申請を怠った場合のリスク、滅失登記の具体的なやり方などを解説します。滅失登記に必要な書類などについても解説するので、滅失登記を忘れており不安に感じている人はぜひ参考にしてください。

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滅失登記は「建物の消失を登記簿に記録する」こと

通常、土地や建物といった不動産は、面積や所有者の住所・氏名など現在の状況を登記簿に記録してあります。土地や建物の所有者を調べたい場合や、固定資産税の計算をおこないたい場合などは、登記簿を確認することで必要な情報を取得可能です。

災害や火事、老朽化などで建物が取り壊された(消失した)場合も、その事実を登記簿に記録する必要があります。この手続きが「滅失登記」です。(「建物滅失登記」とも呼ばれます)

滅失登記は不動産登記の一種であり、法務局へ申請しておこないます。

滅失登記をすると、登記簿に記録された登記事項が抹消され、登記簿が閉鎖されます。閉鎖後の登記簿は「閉鎖登記簿」と呼ばれ、新たに情報が更新されることはありませんが、閲覧したり登記事項証明書を取得したりすることは引き続き可能です。

滅失登記の申請ができる人

滅失登記の申請ができるのは、下記に当てはまる人です。

  • 建物の所有者本人
  • 所有者本人の代理人である土地家屋調査士
  • 建物の相続人

ここからは、申請ができる人についてそれぞれ詳しく解説していきます。

建物の所有者本人

滅失登記の申請は、登記簿上に所有者として記載されている本人が行えます。建物を複数人で共有している場合でも、特定の共有者が単独で申請できるため、他の共有者の同意を得る必要はありません。

もし、所有者本人が病気やケガなどで申請に行くのが難しい場合、所有者からの委任状があれば家族に代理申請してもらうのも可能です。ただし、無資格の人が報酬を受け取って代理申請をするのは違法行為に該当するので注意が必要です。

所有者本人の代理人である土地家屋調査士

登記に関する代行業務は司法書士に依頼するのが一般的ですが、滅失登記の代行業務は不動産の調査や測量のプロである土地家屋調査士に限られていますそのため、土地家屋調査士以外の専門家に依頼はできません。

土地家屋調査士に依頼すると費用はかかりますが、自分で手続きを行う手間が省けます。代行費用の相場は4~5万円程度で、所有者本人(もしくは相続人)からの委任状が必要になります。

滅失登記を自分でやる場合はこちら→

建物の相続人

滅失した建物の所有者がすでに亡くなっている場合は、所有者に代わって相続人が滅失登記の申請を行います。相続人が複数いる場合でも、特定の相続人が単独で申請できるため、他の相続人の同意を得る必要はありません。

相続人が滅失登記を申請する際には、所有者の正式な相続人であることを証明できる書類の提出が必要になるため、それらの書類を取得するための費用がかかります。

相続人による申請の場合は建物の相続登記を省略可能

通常、建物を相続した場合は、登記簿上の名義人を変更するために法務局で相続登記の申請が必要になります。

しかし、すでに存在しない建物については、相続登記をして名義人を変更したところで意味がないため、相続登記を経ずに滅失登記の申請が可能です。

相続人による申請でも土地の相続登記は省略できない

相続した建物がすでに存在しない場合は、相続登記を経ずに滅失登記の申請が可能ですが、土地の相続登記は省略できません。

2024年4月1日以降、土地の相続を知った日から3年以内に相続登記をすることが義務化されたため、土地を相続した場合は必ず相続登記の申請が必要になります。

正当な理由がないのに期限までに相続登記をしない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があるため、土地を相続したら早めに手続きを行いましょう。

滅失登記をしないとどうなる?リスクはある?

「建物を解体した後に滅失登記をするのをすっかり忘れていた!」
「面倒だからできれば自分で滅失登記をおこなうことは避けたい・・・」

このように考えている人もいるかもしれません。しかし、不動産登記法第57条で「滅失登記は建物を取り壊してから1ヶ月以内に建物所有者または所有権の登記名義人がおこなわなければならない」と定められています。

期間内に滅失登記をしなかった場合、下記のようなリスクがあります。

次の項目から、それぞれのリスクについて詳しく解説します。

参照:不動産登記法第57条 | e-Gov法令検索

登記不備による10万円以下の過料が発生する

前述したように、不動産登記法第57条により、建物を解体してから1ヶ月以内に滅失登記をおこなうことが義務づけられています。

滅失登記の申請を怠った場合は、不動産登記法第164条に定められているとおり、申請義務を負っている人に対して10万円以下の過料が発生する恐れがあるので注意が必要です。

実際には、1ヶ月の期限を過ぎた時点でただちに過料が発生するケースは少ないです。ただし、期限を過ぎても滅失登記をせずに放置していると、いつ過料の支払いを求められてもおかしくないことを留意しておきましょう。

参照:不動産登記法第164条 | e-Gov法令検索

滅失未登記の状態だと売買ができない

建物を解体したにもかかわらず滅失登記をしていないのは、登記簿上の情報と現状が異なっている状態です。

この場合、基本的に滅失登記を完了させてからでないと、土地を売却できません。滅失未登記のまま土地を売却しようとしても、不動産会社から仲介を断られたり、買主から敬遠されたりするなど、売買手続きに支障をきたす恐れがあります。

また、滅失未登記の土地を購入しようとしている人に対して、金融機関が融資をしてくれない可能性も高いです。基本的に金融機関は、融資(住宅ローンを組む)の際に購入対象の不動産を担保にするために抵当権を設定します。

しかし、担保となる不動産の現状と登記簿上の情報が異なっていると、抵当権を実行する際に支障が出る恐れがあるため、融資審査を通さない可能性があるのです。

買主が金融機関から融資を受けられなければ、購入代金を用意できないことが理由で土地の売買自体がキャンセルとなる恐れがあります。

現在、滅失未登記の土地の売却を検討しているなら、まずは「不動産売却一括査定」を受けてみてはいかがでしょうか。

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家の建築許可が下りない

建物を解体した土地に新たに建物を建てたい場合は、自治体へ建築確認申請をおこない、審査を受けて許可を得なければなりません。

しかし、建物を解体した際に滅失登記をおこなっていないと、登記簿上は土地に建物が建っていることになるため、建築許可が下りないこともあります。

建築許可が下りないと新たに家を建てられないため、そのことを理由に買主が売買のキャンセルを申し出てきたり、金融機関から融資を受けられなかったりする恐れもあるのです。

固定資産税・都市計画税の負担が継続する

滅失登記をおこなっていないと、実際には建物が取り壊されていたとしても、登記簿上は課税対象となる建物が存在していることになります。

この場合、自治体が建物が解体された事実を知るすべがないため、継続して固定資産税や都市計画税の負担が発生する恐れがあります。

つまり、実際には存在しない建物に対して、固定資産税や都市計画税を払い続けなければならないのです。

土地の相続時にトラブルになる

滅失登記は、基本的に建物の所有者かその相続人しか申請できません.。そのため、亡くなった土地の所有者と建物の所有者が異なる場合は手続きが複雑化してしまいます。

土地の所有者と建物の所有者が場合は、相続人が亡くなった所有者との相続関係を証明する戸籍などの書類を用意すれば申請可能です

しかし、土地の所有者と建物の所有者が異なる場合は、建物の所有者(所有者が亡くなっている場合はその相続人)を探して代わりに滅失登記の申請をしてもらうよう依頼する必要があります。

もし、建物の所有者やその相続人にまったく心当たりがなく、連絡先も不明などの事情がある場合は、利害関係人として土地の所有者が「滅失登記の申出」をしなければなりません。

「滅失登記の申出」とは?
法務局に対して「私の所有する土地の上に実際には存在しない他人名義の建物の登記記録が残っているため、滅失登記をしてください」 という申出をおこない、登記官の職権により滅失登記をしてもらう手続きです。
申出をおこなうと、登記官による調査がおこなわれ、実際に建物が存在しない事実が確認できたら、登記簿が閉鎖されます。

この場合、建物の所有者と土地の所有者の関係などを説明する上申書を添付するなどの対応が必要です。

更地として活用できない

滅失登記がされていないと、実際には取り壊されている建物がまだ存在していると判断されます。

そうなると、前述したように土地を担保に金融機関から融資を受けようとしても審査に通らなかったり、更地として売り出そうとしても買い手がつかなかったりする可能性が高いです。

実際の土地は更地になっていても、登記簿上では建物が存在している状態であるため、更地として土地を活用できないのです。

滅失登記の申請に必要な書類

滅失登記の申請に必要な書類で代表的なものは、以下のとおりです。

  • 滅失登記申請書
  • 解体証明書
  • 相続証明書
  • 変更証明書
  • 委任状
  • 滅失した建物が存在した場所の地図
  • 上申書

次の項目から、各書類の入手方法などについて詳しく解説します。

滅失登記申請書

滅失登記申請書は、申請の際に申請書類の1番上に添付する書類で、以下の情報を記入し提出します。

  • 建物の情報(不動産番号・住所・家屋番号・種類(住宅・店舗など)・構造・床面積など)
  • 所有者の情報(電話番号など)
  • 滅失日
  • 滅失した理由

滅失登記申請書には決まった雛形があるので、法務局の窓口へ取りに行くか、法務局のサイトからダウンロードして作成しましょう。また、法務局によっては滅失登記申請書の控えの提出を求められる場合もあるので、必ず控えを複数部取っておいてください。

参照:不動産登記の申請書様式について:法務局

解体証明書

解体証明書とは、建物の解体が完了したことを証明する書類です。「建物取り壊し証明書」「建物滅失証明書」と呼ばれる場合もあります。

建物の解体工事が完了した後、解体業者が署名・捺印して発行します。また、解体証明書を提出する際は、解体業者の印鑑証明書も添付することが通常です。

相続証明書

建物の所有者がすでに亡くなっており相続が発生している場合は、申請人と所有者の相続関係を証明する書類を添付する必要があります。

具体的には、以下のような書類が必要になるので、状況に応じて用意しましょう。

  • 所有者の戸籍謄本・除籍謄本
  • 申請人の戸籍謄本
  • 所有者の住民票の除票または戸籍の附票

上記の書類は、戸籍や住民票がある自治体の窓口に出向くか、自治体のサイトで取得方法や必要書類、費用を確認し、指定された方法で取り寄せが可能です。

変更証明書

変更証明書とは、住所や氏名について登記簿上の情報と現在の情報が異なる場合に添付が必要となる書類です。

登記簿上の住所と現住所が異なる場合は、住所の変更が証明できる書類(住民票や戸籍謄本、戸籍の附票など)が必要になります。また、登記簿上の氏名と現在の氏名が異なる場合も、氏名変更が証明できる書類(戸籍謄本や除籍謄本など)が必要です。

入手方法は前項でも解説したとおり、該当する自治体の窓口に出向くか、自治体のサイトで取得方法を確認し、指定された方法で取り寄せられます。

委任状

建物の所有者本人が存命であるものの、自分で滅失登記の申請ができない場合には、土地家屋調査士に依頼して代行してもらうことがあります。

この場合、申請時に添付が必要となる書類が委任状です。「代理権限証書」とも呼ばれます。

委任状は、代理人となる土地家屋調査士が以下のような内容を記載し、作成してくれることが通常です。

  • 登記の目的や原因
  • 建物の情報(所在・家屋番号・種類・構造・床面積など)
  • 代理人の住所・氏名

滅失した建物が存在した場所の地図

登記官が現地を確認する際の案内図として、滅失した建物が存在した場所の地図が必要となるケースが多いです。

使用する地図は、住宅地図のコピーかGoogleマップをプリントアウトしたものでも問題ありません。住宅地図を利用する場合は、できるだけ新しい版のものを図書館などで借りて印刷するとよいでしょう。

地図を用意したら、滅失した建物があった場所がわかるように、印をつけて提出します。

上申書

「解体してから時間が経過していて解体業者がわからない・・・」
「解体証明書を紛失してしまった!」

上記のような理由で解体証明書を取得できない場合、申請人が上申書を作成して申請をおこなうことがあります。

上申書には、建物の情報や建物が存在しない旨などを記載します。土地家屋調査士に依頼している場合は、土地家屋調査士に相談して作成するとよいでしょう。

なお、上申書には作成者の印鑑証明書を添付する必要があります。

その他、必要に応じて用意する書類

前項で紹介した以外にも、状況に応じて以下のような書類が必要となる場合があります。

  • 解体業者の資格証明書
  • 解体前の建物の写真
  • 建物の登記簿や図面
  • 返送用の封筒・切手

解体業者の資格証明書

解体業者が法人の場合、解体証明書や解体業者の印鑑証明書と併せて、法人代表者の資格を証明する書類が解体業者から発行されます。

解体業者の資格証明書は、以下のような名称の書類が発行される場合もあります。

  • 登記事項証明書
  • 代表者事項証明書
  • 現在事項証明書

必ず解体証明書の工事人欄の記載内容と同じことを確認したうえで、提出しましょう。なお、法務局によっては省略可能な場合もあるので、詳しくは管轄の法務局へ問い合わせてください。

解体前の建物の写真

必須ではありませんが、建物を解体した事実の証明として解体前の建物の写真を撮影しておくとよいです。

撮影を忘れていた場合は、解体業者が工事完了後に添付してくれる写真を活用するとよいでしょう。

建物の登記簿や図面

所有者の氏名や住所、抵当権の有無などを確認する際は建物の登記簿、建物の位置関係や形状を確認する際は図面が必要となります。

建物の登記簿や図面は、いずれも管轄の法務局で入手できます。

返送用の封筒・切手

郵送で滅失登記の申請をおこなう場合は、切手を貼った返送用封筒を同封しておきましょう。

登記が完了した際に発行される「登記完了証」の送付に利用されます。

滅失登記を自分で申請する際の流れ

滅失登記は自分で申請することも可能です。

自分で滅失登記を申請する場合の一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 建物所在の地域を管轄する法務局を調べる
  2. 登記の有無を確認する
  3. 登記事項証明書や図面等を取得する
  4. 滅失登記申請書を記入したら管轄の法務局へ申請書類一式を提出する(持参か郵送)
  5. 登記完了証を受け取る

建物所在の地域を管轄する法務局で登記の有無を確認する

建物所在の地域を管轄する法務局は、法務局のサイトの「管轄のご案内」から調べられます。管轄一覧や地図から該当地域の法務局を調べ、アクセス方法や取扱時間などを確認しましょう。

また、登記の有無を確認するには該当の建物の家屋番号が必要です。家屋番号とは法務局が登記の完了した建物に付する番号のことで、権利証や固定資産税の課税明細書で確認できます。

登記事項証明書や図面等を取得する

登記の有無を確認したら、必要に応じて登記事項証明書や図面などの必要書類を取得します。各法務局によって必要な書類の種類や枚数が異なるため、事前に確認しておきましょう。

なお、登記事項証明書の取得には、事前にオンラインで交付請求をおこない、窓口で受け取る「登記ねっと」が便利です。

滅失登記申請書を記入したら管轄の法務局へ申請書類一式を提出する(持参か郵送)

書類が準備できたら、記入した滅失登記申請書と一緒に管轄の法務局窓口へ提出します。この際、申請書の控えを複数部取っておきましょう。

法務局は基本的に平日のみ開局しているため、直接出向くのが難しい場合は郵送で提出するとよいでしょう。

ただし、書類に不備があった場合は、申請に使用した印鑑を持って法務局へ出向かなければなりません。一方、持参で提出した場合は不備があればその場で教えてもらえるので、可能な人は直接法務局へ行って提出することをおすすめします。

登記完了証を受け取る

申請書類を提出した後は、不備があれば連絡があるのでその都度対応してください。無事に登記が完了したら、登記完了証を受け取り手続きは完了となります。

申請から登記完了までの期間は、通常1週間から10日程度です。

参照:管轄のご案内:法務局

参照:登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと

滅失登記を土地家屋調査士に依頼する際の流れ

「忙しくて法務局に行く時間がない!」
「複雑な手続きを自分でおこなう自信がない・・・」

このような人は、土地家屋調査士に依頼して滅失登記をおこなうのがおすすめです。依頼するには費用がかかりますが、早く正確に滅失登記の申請をおこなえます。

土地家屋調査士に依頼して滅失登記をおこなう場合の一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 土地家屋調査士を探す
  2. 必要書類を用意する
  3. 土地家屋調査士に依頼する
  4. 登記完了証の受け取り

土地家屋調査士は、土地がある地域の土地家屋調査士会に問い合わせて紹介してもらうか、インターネットで検索することで探せます。インターネットで検索する場合は「土地家屋調査士 ○○(土地がある地域)」などのキーワードを入力して検索するか、日本土地家屋調査士会連合会のサイトで検索も可能です。

依頼にかかる費用は建物の状況や地域などによって変動しますが、4~5万円程度と考えておくとよいでしょう。

参照:土地家屋調査士検索・土地家屋調査士法人検索

滅失登記にかかる費用

滅失登記にかかる費用をまとめると、以下のとおりです。

登記手数料 910~1,050円
印鑑証明の手数料 390~450円
滅失登記申請の準備にかかる交通費 1,000~5,000円程度
土地家屋調査士への依頼費用 4~5万円

登記手数料は、必要書類(登記事項証明書と地図等情報)を取得する際にかかる費用です。滅失登記自体の登録免許税はかかりません。ただし、書類の請求方法と受取方法によってかかる費用が異なるため注意してください。

法務局の窓口で交付請求をする場合 1,050円
オンラインで請求をおこない郵送で受け取る場合 950円
オンラインで請求をおこない窓口で交付を受ける場合 910円

必要書類を揃えたり滅失登記の申請をおこなったりする際、窓口に出向く場合は交通費がかかります。住んでいる地域によっては管轄の法務局が区外や市外にあることもあるので、片道0〜1,000円程度の交通費がかかると考えておきましょう。また、郵送で書類の取得や提出をおこなう場合も、1,000円程度の送料がかかるでしょう。

2022年度に実施された「土地家屋調査士報酬に関する実態調査」の結果によると、土地家屋調査士に建物滅失登記を依頼する場合、全国的な費用の平均値は48,098円です。建物滅失登記を土地家屋調査士に依頼する場合、4〜5万円程度の費用がかかると考えておいてください。

参照:法務省:登記手数料について

参照:業務報酬統計資料 | 日調連について | 日本土地家屋調査士会連合会
土地家屋調査士報酬に関する実態調査(建物に関する設問)>8.建物滅失登記 (PDF ファイル 0.51MB)

滅失登記をする際の注意点

滅失登記を申請する際には、下記の2点に注意が必要です。

  • 共有不動産の場合は独断で建物の取り壊しはできない
  • 抵当権がある場合は抹消手続きが必要

ここからは、上記の注意点についてそれぞれ詳しく解説していきます。

共有不動産の場合は独断で建物の取り壊しはできない

建物を複数で共有している場合でも、滅失登記は特定の共有者が独断で申請できますが、建物の取り壊しは独断で行えません。共有不動産を取り壊す行為は共有物の変更行為に該当するため、実行するには原則として共有者全員の同意を得る必要があります。

共有者全員の同意を得ず勝手に建物を取り壊すと、他の共有者から損害賠償を請求されたり、建造物損壊罪に問われたりする可能性があります。ただし、倒壊の可能性が極めて高い建物の場合は、他の共有者の同意を得ず単独で取り壊しが可能です。

倒壊の恐れがある建物を取り壊す行為は、変更行為ではなく保存行為に該当するためです。しかし、倒壊の恐れがある場合でも無断で取り壊すとトラブルに発展する可能性があるため、事前に共有者の同意を得てから取り壊しましょう。

抵当権がある場合は抹消手続きが必要

建物に抵当権が設定されている場合、そのままの状態では建物を取り壊せないため、先に抵当権を抹消する手続きが必要になります。抵当権とは、住宅ローンなどでお金を借りる際、金融機関が不動産を担保にできる権利のことです。

抵当権を抹消するには、抵当権者と共同で抵当権の抹消登記を申請する必要があります。抵当権者からの承諾を得た後、法務局で必要書類を提出すれば抵当権を抹消でき、建物を取り壊せるようになります。

ただし、借入金の返済がまだ終わっていない場合は抵当権の抹消に応じてくれないため、先に借入金を完済しなければなりません。

まとめ

滅失登記の申請を怠ると、固定資産税・都市計画税がかかり続けたり、土地の相続時にトラブルになったりするなど、さまざまなリスクがあります。

そのため、滅失登記を忘れていたことに気づいたら、すぐに手続きをおこなうことをおすすめします。滅失登記は自分でもおこなうことが可能ですが、不安な場合は土地家屋調査士に依頼しておこなうとよいでしょう。

なお、滅失未登記の土地を売却したいと考えているなら、まずは「不動産売却一括査定」を受けてみることをおすすめします。

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滅失登記のよくある質問

滅失登記は司法書士にも依頼できるのか?

滅失登記を依頼できるのは土地家屋調査士のみで、司法書士には依頼することはできません。

滅失登記の申請を忘れていたら固定資産税・都市計画税の支払いはどうなるのか?

固定資産税や都市計画税は、毎年1月1日時点で固定資産税課税台帳に登録されている内容を元に課税されます。そのため、滅失登記が済んでいないと本来払わなくてよいはずの固定資産税や都市計画税が発生する恐れがあるのです。

滅失登記にはどれくらい時間がかかるのか?

通常、申請から1周間~10日程度で滅失登記が完了します。

滅失登記をする際、税金はかかるのか?

滅失登記をする際、登録免許税などの税金がかかることはありません。

滅失登記は解体証明書がなくてもできるのか?

解体証明書がない場合、代わりに上申書を添付することで滅失登記が可能となります。

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更新日 : 2024年11月26日
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