不動産売却を高くスムーズに!
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遠方の不動産を相続するときの注意点!売却方法や海外在住中の手続きなども解説

実家の相続などで、住んでいる場所から遠方にある不動産を取得することもあります。

「相続手続きや売却のために現地へいくのが面倒」と思う人も多いでしょう。

しかし、相続不動産を放置しておくと、大きなリスクを抱えてしまうことになります。

不動産は放置せず、速やかに相続を済ませましょう。

また、相続不動産が不要という場合や、相続人同士でトラブルとなっている場合は、弁護士などの士業と連携している不動産会社に相談することで、売却方法(仲介・買取)を含めた現実的な提案を受けられます。

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不動産の相続手続きの流れ

まずは、不動産相続時の手続きを確認しておきましょう。

相続の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 遺産分割をおこなう
  2. 不動産の相続方法を決定する
  3. 相続登記の手続きをおこなう
  4. 不動産にかかる相続税を計算する

相続の方法・手続きは、近くにある物件でも遠方にある物件でも違いはありません。

以下の記事でも不動産相続の基本的な流れを解説しているので、合わせて読んでおくことでより理解が深まるでしょう。

1.遺産分割をおこなう

遺産分割の方法は、相続人の数や遺言書の有無によって異なります。相続人が1人だけで遺言書もなければ、財産はすべてその相続人のものです。

相続人が複数人であり、遺言書がある場合、原則その内容に従います。遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割の内容・方法について話し合う「遺産分割協議」をおこないます。

遺産分割の方法・内容について相続人全員が同意したら、「言った・言わない」のトラブルを避けるために「遺産分割協議書」を作成することが大切です。遺産分割協議書は、相続登記や預貯金の解約手続きにも必要となる書類のため、必ず作成しておきましょう。

実務上、相続人同士が遠方に住んでいるケースや、生前の関係が希薄だったケースでは、遺産分割協議が長期化することも珍しくありません。協議がまとまらなかったり、トラブルに発展してしまったりする場合は、相続問題に精通した弁護士に相談するとよいでしょう。

なお、協議で合意に至らない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることになります。調停でも合意できない場合は審判に移行し、裁判所が分割方法を決定する流れとなります。

2.不動産の相続方法を決定する

不動産を相続する方法には、次の4つがあります。

現物分割・・・不動産をそのまま各相続人に分配する
代償分割・・・不動産を相続する人が他の相続人に代償金を支払う
換価分割・・・不動産を売却して代金を分配する
共有分割・・・不動産を複数の相続人(相続人全員)で共有して相続する

実務上、相続人全員が「不動産は要らないが、現金化して公平に分けたい」と考えるケースで多く選ばれるのが換価分割です。

なお、換価分割を行う場合は、いったん代表者1名の単独名義で相続登記をしたうえで売却し、売却代金を相続人間で分配する手法を取るケースが多いです。この際、遺産分割協議書に換価分割を目的とする旨を明記しておかないと、代表者から他の相続人への金銭の分配が贈与とみなされ、贈与税が発生するリスクがあるため注意が必要です。

共有分割は手続きがシンプルで一見メリットがあるように見えますが、共有不動産の売却や大規模リフォームには共有者全員の同意が必要となり、また日常的な管理行為についても共有者の持分過半数の同意が必要なため、後々のトラブルにつながりやすいというデメリットがあります。実務上は、共有分割を選ぶよりも、代償分割や換価分割を検討するケースが多い印象です。

それぞれの分割方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

3.相続登記の手続きをおこなう

不動産を相続したら「相続登記」の手続きをおこないましょう。

相続登記・・・相続した不動産の名義を、被相続人から相続人に変更するための登記手続きです。

不動産の相続登記は法務局でおこないます。

相続登記の申請には、申請書の他に下記の書類を揃えなくてはいけません。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍を含む)
  • 被相続人の住民票の除票(もしくは戸籍の附票)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • 遺産分割協議書がある場合は相続人全員の印鑑証明書
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産税評価証明書
  • 遺言書もしくは遺産分割協議書

なお、相続人が遠方に分散している場合は、書類の取り寄せや署名・押印のやり取りだけで数ヶ月かかることもあります。海外在住の相続人がいる場合はさらに時間を要するため、相続発生後はできるだけ早めに書類収集を始めることが重要です。

相続登記の必要書類や申請方法については、以下の記事を参考にするとよいでしょう。

4.不動産にかかる相続税を計算する

不動産を相続したら、相続税を税務署に申告・納税する必要があります。不動産にかかる相続税を計算する際は「不動産の評価額」を算出し、あわせて適用できる「控除の特例」を調べましょう。

ちなみに、相続税の申告・納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません。もし期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税がかかってしまうケースもあります。

実務上、海外在住の方や相続人が遠方に分散しているケースでは、戸籍収集や財産調査だけで数ヶ月かかることも珍しくありません。期限ぎりぎりになってから慌てて手続きを始めると、申告期限に間に合わなくなるリスクがあるため、相続発生後はできるだけ早めに動き出すことが重要です。

不動産相続における相続税の計算は複雑です。以下の記事では計算方法をわかりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

遠方の不動産を相続するときの注意点

遠方の不動産を相続するときは、下記の点に注意しなければいけません。

  • 1.放置せず速やかに相続登記をおこなう
  • 2.相続登記は不動産の所在地を管轄する法務局へ申請する
  • 3.空き家の場合は管理を怠らない

次の項目からそれぞれの注意点について解説していきます。

注意点1.放置せず速やかに相続登記をおこなう

2024年4月1日より、相続登記が義務化されました。これにより、相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請を行うことが法律上の義務となっています。正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があるため注意が必要です。

改正前に発生した相続についても義務化の対象となっており、2024年4月1日時点で未登記の不動産は、原則として2027年3月31日までに相続登記を完了させる必要があります。

「不動産がある地方に足を運ぶのが面倒」「相続人が遠方に分散している」などの理由で相続登記を後回しにしている方も少なくありませんが、義務化された現在は、相続登記の放置は法的なリスクにも直結します。

加えて、相続登記をせずに放置すると、次のようなリスクも抱えることになります。

・被相続人名義のままでは不動産を売却できない
・次の相続が発生すると相続人が増え、手続きが複雑になってしまう可能性がある

とくに「数次相続」と呼ばれる、相続登記を行わないまま次の相続が発生してしまうケースは、相続人の特定に時間と労力がかかるため、実務上もトラブルになりやすい論点です。早めに相続登記を済ませることで、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。

注意点2.相続登記は不動産の所在地を管轄する法務局へ申請する

不動産の所在地を管轄している法務局(もしくは登記所)でなければ、登記申請はできません。そのため、窓口申請するのであれば不動産のある法務局まで足を運ぶ必要があります。

ちなみに、管轄地域については法務局のホームページで確認できます。

遠くて現地まで出向くのが難しいという場合、郵送申請やオンラインシステムによる申請も可能です。

参照:法務局「管轄のご案内」
参照:法務省「不動産登記の電子申請(オンライン申請)について」

相続登記は司法書士に依頼するのが便利

現在は登記の郵送申請やオンライン申請が可能なため、遠方の不動産における相続手続きでも、必ずしも現地の法務局まで足を運ぶ必要はありません。

しかし、申請や提出書類などに不備があれば、もう一度同じ手続きをやり直さなければならない可能性があります。

「申請方法がわからない」「書類に不備がないか不安」という人は、登記の専門家である司法書士に相談しましょう。

司法書士なら、必要書類の収集も含めてすべて任せることが可能です。そのため、手間をかけることなく登記を終わらせられます。

注意点3.空き家の場合は管理を怠らない

空き家は、管理を怠ると「老朽化による建物の崩落で近隣住民がケガをした」「放火や空き巣などの被害に遭った」などのトラブルに発展する恐れがあります。

また、自治体から「特定空家」または「管理不全空家」に指定されるリスクもあります。

2023年12月13日に施行された改正空家対策特別措置法では、従来の「特定空家」に加えて、適切な管理が行われていない空き家を「管理不全空家」として位置づけられるようになりました。

特定空家や管理不全空家に指定され、自治体から「勧告」を受けると、住宅用地特例の対象から外れ、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。さらに、命令違反や代執行による解体・修繕費用の請求につながるケースもあります。

実務上、自治体に「管理不全空家・特定空家」として目をつけられる典型的なきっかけは、夏場の悪臭や、ネズミ・害虫の隣家への侵入による近隣住民からの通報です。一度近隣からのクレームが入って自治体に把握されると、その後の対応が後手に回るため、近隣被害が出る前の早期対応が鉄則です。

利用する予定のない不動産を相続したら、トラブルが起こる前に売却や活用方法の検討を始めることをおすすめします。

遠方の不動産を売却する方法

遠方の不動産を売却するときの負担は「現地に行かなければならない」ことです。一般的に、売買契約の締結や決済・引き渡しなどは売主と買主が立ち会いのもとおこなわれます。

しかし、人によっては立ち会える日程を合わせられないケースもあるでしょう。

そのため、遠方の不動産売却を成功させるために何かしらの対策を考える必要があります。遠方の不動産を売却する主な方法は以下の通りです。

  • 1.代理人を立てる
  • 2.仲介業者と持ち回り契約を結ぶ
  • 3.信頼できる買取業者に売却する

方法1.代理人を立てる

契約締結や引き渡しに立ち会えない場合、代理人に依頼するとよいでしょう。

法律上は親族などを代理人にすることも可能ですが、不動産詐欺を警戒する実務においては、無資格の一般人を代理人とすると、買主や金融機関から取引を拒否されるケースも少なくありません。

そのため、遠方で立ち会えない場合は、費用こそかかりますが、資格を持つ弁護士や司法書士に代理を依頼するのが安心です。

ただし、代理人を立てる場合は、不動産売却の代理権を委任する「委任状」の作成と実印の押印、印鑑証明書の添付が必要となります。

方法2.仲介業者と持ち回り契約を結ぶ

持ち回り契約・・・仲介業者が売主と買主の元へ足を運び、契約書に両者の署名・押印をもらって売買手続きを進める契約です。

持ち回り契約を利用することで、現地に行かなくても売買契約の締結や物件の引き渡しをおこなえます。

持ち回り契約の流れは、以下の通りです。

  1. 仲介業者が重要事項説明書や売買契約書などの書面を作成
  2. 売主に契約内容を説明し、署名・押印をもらう
  3. 買主に契約内容を説明し、署名・押印をもらう

※2と3は順不同

ちなみに、手付金の授受については、仲介業者が「預り証」を発行したうえで受け取って売主へ渡す方法のほか、買主から売主へ直接振込で送金する方法もあります。

このように、持ち回り契約は非常に便利な契約のように思えます。しかし、全くリスクがないわけではありません。

持ち回り契約のリスクについては次の項目で解説します。

持ち回り契約のリスク

持ち回り契約ではお互いの顔を一度も見合わせることなく手続きが進んでしまうこともあります。そのため、売主も買主も不安を抱くことが少なくないでしょう。

信頼関係が築けないまま売買を進めたとしても、成約に至らない可能性が考えられます。

また、売主と買主が直接話し合う機会が少ないため、契約内容における認識のズレが生じてしまう恐れもあります。

電話やメールで売買契約に関する意向をうまく伝えられなかったり、細かい売買条件を口頭のみでおこなってしまうと「言った・言わない」のトラブルに発展しかねません。

持ち回り契約を利用する際は些細なことでも書面に書き起こし、仲介業者と綿密にコミュニケーションを取ることが大切です。

方法3.買取業者に売却する

「遠方の不動産売却を任せられる親戚や知人がいない」「手間をかけず早めに売りたい」という場合は、買取業者に売却する方法も検討してみましょう。

とくに、相続案件に詳しい買取業者であれば、必要な手続きも含めてフォローを受けながら進められるため、スムーズな現金化が期待できます。

遺産分割など相続に関する課題がある場合でも、相談しながら売却の進め方を検討できる点がメリットです。

海外在住中に不動産を相続したときの手続き

海外在住中に日本の不動産を相続した場合、相続や売却の手続きは非常に煩雑になります。

時差などの関係で手続きの時間調整が難しいだけでなく、手続きをおこなうための必要書類等を揃えるのも大変でしょう。

海外在住中に不動産を相続したときは、以下の手続きが必要です。

  • 住民票の代わりに在留証明書を発行する
  • 印鑑証明書の代わりに「署名証明」をおこなう
  • 納税管理人を選任する

住民票の代わりに在留証明書を発行する

不動産の相続・売却には、相続人(売主)の住民票が必要です。海外に住んでいる相続人は住民票を発行できないため、住所を証明するための書類として「在留証明書」を発行しましょう。

在留証明書の発行手続きは、現地の日本大使館・領事館で取り扱っています。発行の際は以下の書類および手数料(2026年現在は日本円で1200円相当額、最新の金額は外務省公式サイトで確認)が必要です。

  • 日本国籍を有していること及び本人確認ができる書類(有効なパスポートなど)
  • 住所を確認できる文書(現地の官公署が発行する滞在許可証,運転免許証など)
  • 滞在の開始時期や期間を確認できるもの
  • 本文

発行にかかる日数や開館日、申請受付時間は、現地の事情によって異なります。詳しくは、発行の申請先である在外公館に問い合わせるとよいでしょう。

参照:外務省「在留証明」

印鑑証明書の代わりに「署名証明」をおこなう

不動産の相続・売却においては、印鑑証明書も必要です。

しかし、日本以外のほとんどの国では印鑑証明書という制度がありません。海外在住中に印鑑証明書が必要になったときは「署名証明(サイン証明)」を用いて手続きを進めます。

署名証明の手続きは、サインが必要となる書類や日本国民であることを証明できる書類(有効なパスポートなど)を持参した上で、領事館に直接出向く必要があります。

なお、不動産売却(所有権移転登記)に使用する署名証明は、日本の印鑑証明書と同様に、発行から3ヶ月以内や6カ月以内のものに限るといったルールが設けられている場合があります。海外の領事館の予約待ちや、日本への国際郵送のタイムラグを考慮せずに早めに取得しすぎると、いざ売買決済を行う際に期限切れとなってしまい、再取得を求められる可能性もあります。

売買契約から決済までのスケジュールを逆算して、取得と郵送のタイミングを慎重に見極めましょう。

参照:外務省「署名証明」

納税管理人を選任する

相続によって財産を得た場合や、不動産を売却して利益を得た場合、海外在住中だとしても相続税、もしくは不動産の譲渡所得税を申告しなければいけません。

海外に住みながらだとこれらの申告は困難であるため、納税管理人を選任して、代わりに申告してもらう必要があります。

納税管理人は、個人でも法人でも構いません。一般的には、税の専門家である税理士に依頼します。

納税地を管轄する税務署に、届出書を提出して申請します。届出書を作成する際は国税庁が雛形を公表しているので、参考にするとよいでしょう。

参照:国税庁「海外転勤と納税管理人の選任」
参照:国税庁「所得税・消費税の納税管理人の届出書」

まとめ

利用価値のない遠方の不動産を相続した場合、なかなか現地に出向けないなどの理由で、管理を怠ってしまうこともあるでしょう。

しかし、管理をせずに放置していると、老朽化による建物の崩落で近隣住民にケガをさせたり、放火や空き巣などの被害に遭う恐れもあります。

また、2024年4月1日からの相続登記義務化により、相続不動産の放置は法的なリスクにもつながるため、早めの対応が重要です。

相続不動産が不要であれば、売却も検討するとよいでしょう。代理人や持ち回り契約を利用すれば、売却時の立ち会いも不要です。

また、弁護士や司法書士などの士業と連携している不動産会社に相談すれば、相続手続きから不動産売却まで、必要に応じた専門家のサポートを受けながら総合的に進められます。仲介・買取それぞれの査定を受けたうえで、自分の状況に合った売却方法を選ぶようにしましょう。

不動産の相続についてよくある質問

遠方にある不動産を相続したのですが、どうすればよいですか?

不動産の所在地を管轄する法務局で、相続登記をおこないましょう。窓口に行くのが難しい場合、郵送やオンラインでの申請も可能です。また、司法書士に依頼すれば、申請書の作成や必要書類の準備も代行してもらえます。

遠方の不動産を相続する際の注意点はありますか?

なによりも、相続登記をしないまま放置することは避けましょう。相続登記を済ませなければ、売却などの処分もできません。また、相続不動産が空き家の場合、管理も怠らないよう注意しましょう。空き家を放置するとなんらかの事件・事故に巻き込まれたり、近隣住民に迷惑をかけて損害賠償を請求される恐れがあります。

遠方にある不動産を売却したいのですが、どうすればよいですか?

弁護士などに代理人として売買手続きを委任するか、仲介業者が売主と買主の間を行き来する持ち回り契約を利用しましょう。また、弁護士と連携した買取業者であれば面倒な手続きは不要で、最短数日での現金化が可能です。

海外に住んでいるのですが、日本の不動産を相続するときはなにが必要ですか?

住民票の代わりに在留証明書を発行することと、署名証明(サイン証明)の手続きが必要です。どちらも現地の日本領事館で申請しましょう。また、納税管理人を選任する必要もあります。

遺産分割で揉めているのですが、解決方法はありますか?

相続人の話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所へ調停を申し立てましょう。裁判所の調停委員を挟んで、客観的意見も交えながら和解を目指します。調停による和解も成立しない場合、裁判官が判決によって遺産分割を決定する審判へ移行します。

不動産相続に関するコラムはこちら

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    更新日 : 2025年11月07日
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