事故物件を相続したとき、取り扱いに困る人は少なくありません。事故物件は市場価格が低く、心理的な嫌悪感もあるため、相続放棄や処分を希望する人も多いでしょう。
相続放棄は期限までに手続きしないと認められなくなる他、処分する場合は、相続を済ませて物件の名義を一時的に変更しなければいけません。
また、すでに相続した事故物件は、賃貸物件として収益化するか、売却するかの選択肢があります。
事故物件を放置しても維持費などがかかるため、活用できない場合はなるべく早めに売却しましょう。
事故物件の売却時は、一般的な仲介業者より高く・早く売却できる「訳あり物件専門の買取業者」に相談するのがおすすめです。
事故物件を相続することになった!おすすめの活用方法5つ
事故物件を相続することになったら、最初に気になるのは「活用方法はあるのか?」でしょう。活用方法さえあれば、相続することで収益化が狙えます。
事故物件を活用するには、いかに事故物件の影響を少なくするかが重要です。
具体的には、以下のような活用方法があります。
- 1.家賃を下げて賃貸物件にする
- 2.レンタルルームにする
- 3.トランクルームにする
- 4.駐車場にする
- 5.コインランドリーにする
1.家賃を下げて賃貸物件にする
事故物件であっても、賃貸需要の高いエリアなら収益が見込めます。
事故物件の賃料は、近隣相場の2割安程度になるケースが大半です。そのため、家賃を2割落としても十分な利回りがあるかどうかを計算しておきましょう。
ただし、事故物件を貸し出すとなると、損傷の修繕やイメージ一新のため、ほとんどの場合リフォームやリノベーションが必要となります。
数百万円の投資が必要になるため、資金にある程度の余裕がなければ難しいでしょう。
また、賃貸運営には入居者や建物、経営収支などの管理業務があります。管理会社や税理士に委託することもできますが、委託費用のせいで収益が減ってしまう可能性にも注意しましょう。
収益が見込めるかは物件があるエリアの不動産会社に相談する
事故物件でも収益が見込めるかどうかは、その地域の賃貸需要が大きく影響します。
そして、賃貸需要をもっとも詳しく把握しているのは、その地域に根ざした不動産会社です。
事故物件の内容や、どの程度の規模でリフォーム・リノベーションするかで、入居者の入りやすさも異なります。
収益物件にするときは、地元の不動産会社と相談して慎重に検討するようにしましょう。
また、下記の記事では「事故物件でも許容できる賃貸物件の条件」について調査データが解説されています。収益物件にするときの判断材料として、参考にしてみましょう。
2.レンタルルームにする
時間貸しのレンタルルームであれば、住居として借りるより心理的な抵抗感が少なくなるため、借り手を集めやすくなります。
内装や設備によって「部屋のテーマ」を決められる点もメリットで、ビジネス街なら会議室や作業用スペース、住宅街ならホームパーティーやカルチャー教室向けにするなど、地域の需要に合わせて運用戦略を立てられます。
ターゲットとなるユーザー層を見極め、それに沿ったテーマのレンタルルームにすれば、どんな立地の物件でも収益を見込めるでしょう。
3.トランクルームにする
収納スペースを貸し出すトランクルームも、事故物件の影響が少ない活用法です。
事故物件を解体できるのであれば更地にして、メンテナンスが簡単な屋外型トランクルームを運営できます。
室内型の場合は、24時間体制の空調設備を整えることで、衣服や人形などデリケートな品物を置きたいユーザーの需要を集められます。
トランクルームはコストが少なく、管理もしやすいため手間をかけずに運用したい人におすすめです。
4.駐車場にする
建物の解体が可能で、車の利用が多い地域なら、駐車場にする方法もあります。
車を停められるスペースさえあればスタートできるので、解体や地面の舗装をしても1ヶ月程度で運用を開始できるでしょう。
事業の撤退・変更をしやすいのもメリットで、ロープなど簡易的な区分けだけして運用すれば、別の用途へ転換するときの費用も抑えられます。
駐車場経営のフランチャイズや管理会社も豊富にあるので、手間をかけずに運用したい場合は相談してみるとよいでしょう。
5.コインランドリーにする
コインランドリーも、事故物件の活用方法としてメジャーな手法の1つです。
利用者は単身者が多いイメージですが、大型洗濯機を設置すればまとめて洗濯したいファミリー層にも利用してもらえるでしょう。
住宅街であれば一定の需要が見込めますし、大型商業施設の近くであれば買い物ついでに利用する人もユーザーもいます。
設備を導入すれば定期的な掃除ぐらいで運用できるので、管理が楽な点もメリットです。
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事故物件を相続するか処分するか迷った場合の判断基準
遺産に事故物件がある場合、無理に相続せず処分する方法もあります。
事故物件の活用にはある程度のコストがかかりますし、100%うまく活用できるわけではないため、相続するか相続放棄をするかで悩んでいる人も多いでしょう。
相続するか処分するか見極めるポイントは、その物件が自分にとって価値を生み出すかどうかです。
具定的には、下記のポイントを考慮して判断しましょう。
- 収益化や売却益を見込める場合は相続
- 誰も住まない、活用できない場合は処分
- 相続によるマイナス面が大きい場合は相続放棄
収益化や売却益を見込める場合は相続でよい
相続したほうがよいケースとしては、下記の3つがあげられます。
- 賃貸物件として収益が見込める
- 事故物件以外にも遺産がある
- 売却すれば利益が得られる
賃貸物件として今後も収益を見込めるのであれば、相続する価値はあります。賃貸管理を請け負う不動産会社に相談して、事故物件であっても収益を得られるか相談してみましょう。
事故物件以外に遺産がある場合も、相続放棄はしないほうがよいでしょう。相続放棄は遺産をすべて放棄する必要があり「特定の財産だけ相続しない」ということはできません。
また、売却することで利益が得られそうな場合は、相続してから売却したほうがお得です。査定だけなら相続前でも可能なので、まずはどれくらいで売却できるか調べてみるとよいでしょう。
「事故物件の相続税評価額」は安くなる?
不動産を相続する場合、その物件の評価額に応じて相続税が課税されます。事故物件であっても課税されることに変わりはありません。
税金の計算では、事故物件であっても税額は変わらないのが原則です。なぜなら、市場価値と税金の計算で使われる評価額は異なるためです。
しかし、土地の場合は税額が下がることもあります。「事故物件であることが取引額に悪影響を与えている」と認められた場合、評価額から10%を控除することが可能です。
評価額の軽減が認められるかどうかは、具体的にどれくらい市場価値が下がっているかや、その状態がどれだけ続いているかなど複数の要因で判断されます。
詳しくは、税理士や税務署に相談してみましょう。
誰も住まない、活用できない場合は処分が適当
事故物件を相続しても、誰も住まず、賃貸用として活用もできないのであれば、相続後すぐに売却したほうがよいでしょう。
不動産をもっていると、固定資産税が発生します。建物の場合、事故物件であっても固定資産税は下がりません。
土地の場合、相続税のときと同様に評価額が10%控除されるケースもあります。しかし、誰も使わない土地であれば、結局のところ無駄な出費に違いはありません。
また、空家のまま放置していると、自治体によって「特定空家」に指定される可能性もあります。
特定空家に指定されると、固定資産税の軽減制度を外され税額が上がったり、強制的に解体されたうえで解体費用を請求される恐れがあります。
「更地にして売却」は固定資産税が上がるかもしれないので注意
「事故物件は建物を解体したほうが売りやすい」と考える人もいます。解体することで心理的抵抗感が薄くなり、買主が付きやすいという考えです。
しかし、住宅地を更地にすると、固定資産税や都市計画税が跳ね上がるかもしれないので注意しましょう。
住宅用地では、下記のように軽減措置が適用されます。しかし、更地にすることでこれらの軽減を受けられなくなるのです。
小規模住宅用地 | 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 | ・固定資産税×1/6 ・都市計画税×1/3 |
---|---|---|
一般住宅用地 | 小規模住宅用地以外の住宅用地 | ・固定資産税×1/3 ・都市計画税×2/3 |
固定資産税や都市計画税は「毎年1月1日時点の不動産所有者」に課せられます。更地にして売却するのであれば、1月1日の時点で自分が所有者とならないように気をつけましょう。
参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋) 2.住宅用地の特例措置」
相続によるマイナス面が大きい場合は相続放棄が適切
相続でも処分でもなく、相続放棄が適切なケースもあります。
相続放棄を検討すべきケースは、下記の3点です。
- 被相続人に借金がある
- 被相続人が税金を滞納している
- 被相続人が借金の連帯保証人になっている
遺産相続は、プラスの財産だけでなく、借金や滞納している税金、法律的な立場も受け継ぎます。
「相続するとトータルで赤字となる」「被相続人の抱えていたトラブルに巻き込まれてしまう」といった場合、相続放棄を検討したほうがよいでしょう。
相続をしてしまったら、後から「隠れていたマイナスの財産」が見つかったとき、それらも引き継がなければいけません。
相続が発生したときは、弁護士などの力も借りて「相続財産の確認」をすることが重要といえるでしょう。
事故物件以外の財産も一切相続できない
相続放棄をすることで、事故物件を手放すことが可能ですが、事故物件だけでなく被相続人の全財産を一切相続できません。
つまり、事故物件や借金などのマイナスな遺産を相続せずに済む一方、財産や貯蓄といったプラスの遺産も受け継ぐことができないのです。
ですので、相続放棄をおこなう際は、プラスの遺産とマイナスの遺産を比較して「本当に相続するべきか?」を慎重に検討しましょう。
とはいえ、事故物件に関しては、相続後に訳あり物件専門の買取業者に買い取ってもらえるので、プラスの遺産と考えてよいでしょう。
相続放棄をするなら「3ヶ月以内」が期限
相続放棄は、自分が相続発生を知ってから3ヶ月以内に申請しなければいけません。
相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」とされています。具体的には、被相続人の死亡を知り、かつ自分が相続人であることを知った日が起算日です。
「遠方に住んでいて被相続人の死亡を知らなかった」「被相続人に相続財産がまったくないと思っていた」というケースでは、被相続人の死亡後3ヶ月を経過しても、相続放棄を認められる可能性があります。
詳しくは、弁護士に相談してみましょう。
申請先は、被相続人が最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所です。
そもそも相続人は、相続開始のときに相続放棄を含む下記の3つから、いずれかの手続きを選択できます。
単純承認 | 被相続人の財産や権利、借金などをすべて相続する |
---|---|
相続放棄 | 被相続人の財産や権利、借金などをすべて放棄する |
限定承認 | 被相続人の債務がどの程度あるか不明なとき、相続で得られる財産の限度で債務の負担も受け継ぐ ※「相続で取得した財産に相当する金額だけ債務を受け継ぐ」ため、借金がどれだけ多くてもマイナスにはならない |
相続放棄や限定承認をする場合、裁判所への手続きが必要となります。単純承認の場合のみ、裁判所への申請は不要です。
3ヶ月以内に相続放棄をするか否かの判断材料が得られない場合、期間延長の申し立てをすることも可能です。
相続放棄の申請に必要な書類
相続放棄にあたって必要となる書類は、すべてのケースで共通して必要なものと、放棄する人と被相続人の関係性によって変わるものがあります。
共通して必要な書類は以下の通りです。
- 相続放棄の申述書
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 相続放棄する人の戸籍謄本
その他の書類については、裁判所のホームページで確認しましょう。
相続放棄をしても管理責任は消えないので注意
「相続放棄をすれば事故物件と関わらずに済む」と考える人も多いのですが、実際は相続放棄をしても、必ず管理責任が消えるわけではないので注意しましょう。
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
相続人が複数いる場合、次の順位の相続人に財産を引き渡せば、管理責任もなくなります。
しかし、相続人が自分しかいない場合や、相続人全員が放棄した場合、家庭裁判所で「相続財産管理人」の選任が必要です。
相続財産管理人を選任するまでは、1年以上かかる場合もあります。それまでの間、相続放棄していても事故物件の管理はしなければいけません。
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事故物件を相続するときの手続きと流れ
事故物件を相続するときの手続きは、下記の3つに分けられます。
- 相続人と相続財産の確定
- 遺産分割協議
- 相続登記
流れに沿って、それぞれの内容を見てみましょう。
1.相続人と相続財産の確定
まずは、相続人と相続財産の確定が重要です。相続が終わった後に新たな相続人や相続財産が見つかるとトラブルとなるため、しっかりと調査しておきましょう。
相続人に関しては、被相続人の戸籍を遡り、子供や兄弟など相続権を持っている血縁者がいないかチェックします。
相続財産に関しては、不動産の権利書や銀行の通帳、宝石や貴金属などもないか探しましょう。不動産の資産価値に関しては、不動産鑑定士に鑑定してもらいます。
弁護士なら、これらの調査も丸ごと請け負ってくれます。「何からすればよいかわからない」という場合は、相続問題を取り扱う法律事務所に相談しましょう。
2.遺産分割協議
相続人と相続財産が確定すれば、遺産分割協議をおこないます。「誰が」「どの財産を」「どれだけ相続するか」を話し合い、相続人全員が同意しなければ遺産分割協議は成立しません。
スムーズに協議が進めばよいのですが、意見が対立して話し合いが進まないケースもあります。とくに、相続財産に事故物件がある場合、管理を押し付けあって揉めることが多くなります。
ちなみに、遺言書がある場合はその内容にしたがって遺産を分割することが原則です。ただし、相続人全員が望めば、遺言書とは異なる内容での分割も可能となります。
いずれにしても、相続人の間で揉めるようであれば、調停や訴訟など裁判所での手続きも必要になるかもしれません。
遺産分割協議の交渉においても、弁護士に依頼して客観的な視点から話し合いを取り持ってもらうことをおすすめします。
3.相続登記
遺産分割協議が終わったら、遺産分割協議書を作成し、相続登記をおこないます。遺産分割協議書は相続登記の添付書類でもあるので、基本的には必ず作成しましょう。
相続登記は法務局でおこないます。相続登記をしなければ財産を利用・処分できないため、事故物件の売却や貸し出しもできません。
登記申請に関しては、司法書士に相談しましょう。登記に必要な書類の準備から申請まで、すべて任せることができます。
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相続した事故物件を売却するときの注意点
いざ事故物件を売ろうと思っても、普通の不動産と同じ感覚で売却に取り掛かると、思わぬトラブルやミスに陥ってしまいます。
事故物件の売却で後悔しないためには、以下の注意点を押さえておくことが大切です。
- 売却時は告知義務を守る必要がある
- 売却価格は通常から2~5割ほど下がる
- スムーズに売りたいなら「訳あり物件専門の買取業者」がおすすめ
それぞれ詳しく解説していきます。
売却時は告知義務を守る必要がある
事故物件は告知義務の対象であり、売買契約を結ぶまでに買主へ「事故物件である事実」やその内容を伝えなければいけません。
告知義務を守らないと、契約不適合責任を問われトラブルになってしまいます。
取引において、契約内容と品物が合致しないとき、売主が取るべき責任について定めたもの。契約不適合責任の該当すると、買主から代金減額や損害賠償、契約解除などを請求される恐れがある。
なお、事故物件といっても「自殺」「他殺」「自然死」など死因はさまざまですが、じつは法的な基準がありません。ただし、国土交通省が作成した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」というものがあり、おおむねこれが基準となります。
ガイドラインによると、告知義務が発生する死因は次の通りです。
- 他殺(殺人)
- 自殺
- 孤独死
- 火災による死亡
- 原因不明の死亡事故
- 長期間にわたって放置された自然死・事故死
売買の場合、告知義務に期限の定めはなく、個々の事案ごとに判断されます。確実にトラブルを避けたいなら、経過年数に拘わらず告知したほうが良いでしょう。
事件・事故の規模や社会的影響度など、複数の要因で判断が変わるので、告知義務があるかどうか迷ったときは不動産会社等の専門家に相談することをおすすめします。
売却価格は通常から2~5割ほど下がる
事故物件は入居に心理的抵抗感があるため、どうしても需要が下がり、価格も落ちてしまいます。
物件にもよりますが、通常よりおおむね2~5割ほど下がるのが相場です。例えば、本来なら2,000万円が相場の物件でも、事故物件になることで1,000万~1,800万円程度まで下がります。
自殺や他殺といった「ショッキングな死因」であったり、遺体が腐敗して室内が汚染されていたりすると、価格はより大きく下がるのが一般的です。
ただし、高級マンションや都内の一等地など、元々の需要が高い物件だと、それほど値下がりしない可能性もあります。
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どうしても売りにくくなる事故物件ですが、短期間で手間なく売りたい場合は、訳あり物件専門の買取業者に相談する方法があります。
買取業者とは、買主を探すのではなく、物件を自社で直接買い取る不動産会社です。物件を宣伝する手間がないため、仲介手数料がかからず、早ければ数日で支払いが行われます。
その中でも、訳あり物件を専門にしている買取業者は、リフォームなどで事故物件を再生するノウハウが豊富にあるので、高額買取が可能です。
さらに、不動産会社に買い取ってもらう場合、契約不適合責任は免責されます。トラブルなくスピーディーに事故物件を売りたいのであれば、ぜひ一度査定を受けてみましょう。
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収益物件の事故物件は遺族に損害賠償を請求できる?
人に貸し出している物件で人死があり、事故物件になってしまったというケースもあります。清掃などに多額の費用がかかり、得られる収益も減ってしまうため、賃貸経営としては大打撃です。
オーナーの心理としては、損失の穴埋めをするため、どこかで補填したいと思うのが普通でしょう。
では、オーナー側から、亡くなった人の遺族に対して、損害賠償の請求はできるのでしょうか?また、損害賠償の請求権利は、事故物件と一緒に相続することは可能なのでしょうか?
遺族への損害賠償請求は可能
まず、事故物件になったことで生じる金銭的な損害は、遺族に対して損害賠償請求することが可能です。主に、原状回復にかかった費用と、逸失利益を請求できます。
請求できる金銭 | 内容 |
---|---|
原状回復費用 | 特殊清掃や設備交換にかかる費用 ※ただし、浴室で亡くなったのにキッチンをリフォームするなど、関係ない箇所の費用請求はできない |
逸失利益 | 事故物件で生じた空き室期間や家賃減額による損失 |
請求できる金額は個々の事例によりますが、原状回復費用は実費を、逸失利益は「2~3年分の失われた賃料」が相場です。
ただし、全ての事故物件で請求できるわけではなく、死因によって可能かどうかが変わります。
損害賠償請求が可能なケース
遺族に損害賠償請求が可能なのは、自殺によって事故物件になったケースです。
自殺は入居者自身の意思によるものなので、故意に物件を損傷したとみなされ、当人に賠償責任が発生します。
当人がすでに死亡しているので、賠償責任は遺族に引き継がれます。遺族が相続放棄しない限り、オーナーは損害賠償請求が可能です。
損害賠償請求が不可能なケース
他殺や孤独死など、当人の意思とは関係ない死因の場合、遺族への損害賠償請求はできません。当人が故意に物件を損傷したわけではないので、賠償責任がそもそも生じないからです。
損害賠償請求権の相続もできる
「自殺が原因の事故物件は遺族へ損害賠償を請求できる」と解説しましたが、請求中にオーナーが亡くなった場合、相続人が請求権を引き継ぐことができます。
もしも事故物件になった収益物件を相続した場合、損害賠償がどのように処理されたのかチェックしましょう。損害賠償請求権の時効は3年間なので、事故物件になって3年以内であれば、請求できる可能性があります。
不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
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まとめ
事故物件の相続が発生したときは、まず「事故物件を相続する価値があるか」を考えましょう。
相続しても持て余す場合や、収益化や売却益を見込めない場合は、相続放棄をするのも1つの方法です。
しかし、賃貸に出すことで収益化が見込めたり、売却益を得られるのであれば、事故物件でも相続する価値があります。
もしも売却するなら、維持費がかさむ前になるべく早く売却しましょう。訳あり物件専門の買取業者なら、事故物件でもスピード買取が可能なのでおすすめです。