売れないマンションを放棄したい!処分方法や所有し続けるリスク

売れないマンション放棄

使用用途のないマンションを所有している人のなかには、物件がなかなか売れずに困っている人もいることでしょう。その場合、「マンションを放棄することはできないか」と考えるかもしれません。

残念ながら、マンションを放棄することは法律で認められていません。マンションを処分する場合、売却または譲渡の2つしか方法はないのが現状です。

当記事では、売れないマンションを処分する方法を解説していきます。所有し続けるリスクもあわせて解説するため、マンションを処分したい場合は参考にしてみてください。

マンションが売れない場合でも放棄はできない

売れないマンションを放棄することは、現在の日本の法律で認められていません。そのため、売却や相続などの方法で所有権が移転しない限りは、所有者がマンションを管理しなければなりません。

仮に物理上マンションを放棄したとしても、法律上では所有者のものであると判断されます。マンションが売れない場合、売却や譲渡などの方法で処分するようにしましょう。

なお、マンションを相続する前に相続放棄をすれば、所有権は自分に移りません。この場合は正式にマンションの所有権を放棄できます。

国や自治体に寄付することも難しい

マンションを手放す方法としては、国や自治体への寄付も挙げられます。この場合、マンションの利用価値があると国や自治体から認められれば寄付することが可能です。

とはいえ、国や自治体では土地のみを対象としているケースが多いため、マンションの寄付は認められない可能性が高いです。

また、マンションを所有すると維持管理費などの費用がかかるうえに、解体するための手間や費用もかかります。使用用途にあった不動産であれば寄付できる可能性もありますが、手間や費用がかかることから実際はマンションの寄付は難しいです。

売れないマンションを手放したい場合、寄付ではなく売却や譲渡をするほうが処分しやすいといえるでしょう。

マンションを手放すには所有権移転が必要

売れないマンションを手放すには、所有権を他者へ移転させる必要があります。所有権移転をするには、売却または譲渡の方法を取らなければなりません。

とはいえ、譲渡の成立は現実的に難しいため基本的にはマンションを売却することを選択したほうが得策だといえます。

マンションに限らずアパートや戸建も、築年数が経過すればするほど資産価値が下がるのが一般的です。

さらに、マンションの所有には維持管理費や税金などの費用がかかるため、何かしらの売れない要因があり、年々資産価値が下がるマンションを保有したいと考える人は非常に限定的だと予測されます。

そのため、譲渡できる人を探すために手間や時間を使うよりも、可能な限りマンションの売却活動に注力したほうがよいと言えるのです。譲渡を考えるのは、売却活動に行き詰まってしまい、ほかに手の打ちようがない場合に最終手段として検討するとよいでしょう。

なお、マンションの売却活動をする際は、まず不動産一括査定に出すことを検討してみてください。マンションの売却成立には仲介してもらえる不動産会社の手腕もかかわるため、一括査定をしておくことで、複数の業者を比較して依頼先を選べます。

不動産一括査定をする際は、所要時間2分で無料査定ができる「不動産売却査定」のページから試してみてください。

ずっと売れないマンションを手放すための対処法

マンションが売れない原因には、さまざまなものが考えられます。その原因を特定するためにも、手放したいマンションがずっと売れない場合は、まず売却活動の見直しから始めてみてください。

そして、売却活動を見直してもマンションが売れない場合は、個人への譲渡を検討してみるとよいでしょう。

ここからは、ずっと売れないマンションを手放すための対処法を具体的に解説していきます。

  • 相場価格の見極めとかかる費用を加味した価格設定をする
  • 仲介会社を変えてみる
  • 内見や設備説明を懇切丁寧におこなう
  • 売り出しの時期を見極める
  • 築古や訳ありマンションは専門不動産会社に売る
  • 個人に贈与する

なお、マンションが売れない原因については「不動産が売れないのはなぜ?根本的な3つの原因と売れやすくする方法10選」の記事でも詳しく解説しているため参考にしてみてください。

相場価格の見極めとかかる費用を加味した価格設定をする

マンションが売れない原因の1つには、価格設定が高すぎることが挙げられます。

たとえば、マンションの売却価格を購入した際の価格を基準として設定しているケースです。マンションの価値は年々下がるため、購入時と現在では相場価格が乖離していることが考えられます。

この場合、現在の相場を適切に把握したうえで、売却価格設定がかけ離れていないかを確かめることが重要です。

とはいえ、マンションの売却にはさまざまな費用がかかるため、適正価格であることだけでなく、損失が出ないような価格設定をすることも大切です。

マンションの売却価格を設定する際には、不動産会社に相談するとよいでしょう。相場や売却にかかる費用などを考慮した価格に設定するためのアドバイスがもらえます。

不動産会社を探す際は、ある程度の相場感の把握と信頼できる業者探しのために、「不動産売却査定」のページで一括査定を行ってみることも検討してみてください。

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仲介会社を変えてみる

不動産会社には、それぞれで得意とする地域や物件種類があります。マンションが売れない原因には、現在仲介してもらっている不動産会社がその物件を得意としていないケースも否定できません。

そのため、現在の依頼先とは別の不動産仲介会社に売却を依頼することも1つの方法です。

所有しているマンションの売却を得意とする不動産仲介会社を探す際には、一括査定の利用も検討してみてください。一括査定で最も高い価格を提示した業者であれば、所有するマンションの売却を得意としている可能性があります。

不動産一括査定をする際は、所要時間2分で無料査定ができる「不動産売却査定」のページから試してみてください。

内見や設備説明を懇切丁寧におこなう

マンションが売れない原因には、所有する物件のよさを伝えきれていないことも考えられます。マンションの購入や所有には多大な費用がかかるため、物件のよさが伝わらなければ買い手がつきづらくなります。

ただし、過度なアピールは買い手を不安にさせてしまう可能性があります。買い手の不安を払拭するためにも、内見や設備説明の際には懇切丁寧にマンションのよさを伝えるようにしてみてください。

売り出しの時期を見極める

マンションの売却の際には、売り時を見極めることも重要です。売り出しの時期を見極める際には、下記を参考にしてみてください。

  • ・所有するマンションの価値相場の確認のため、「地価公示価格」「基準地価」「不動産価格指数」などをチェックしておく
  • 住宅ローンの金利の引き上げがないかを確かめておく
  • 新生活に合わせて新居の購入を考える人が多い1月~3月までに売り出す
  • 築年数がかさまないように可能な限り早く売却する

売り出しの価格を決定する要素として、まずは所有するマンションの価値相場を知ることが大切です。また、「住宅ローンの金利の引き上げがないタイミングで売り出す」「住居購入を考える人が多い1月~3月に売る」といった方法もマンション売却に効果的です。

さらに、築年数がこれ以上かさまないように、可能な限り早期売却することも重要です。さまざまな対処法を実践しつつ、売り出しの時期を見極めてマンションの売却活動を行うとよいでしょう。

築古や訳ありマンションは専門不動産会社に売る

築古や訳ありのマンションだと、一般的な不動産会社から希望の価格で買い取ってもらえない場合があります。取引すらしてもらえないことも考えられるため、専門の不動産買取会社に依頼することも売れないマンションの売却方法といえます。

専門の不動産買取会社は、特定の物件を専門に買取を行っています。査定のノウハウや実績から、築古や訳ありのマンションを買い取ってもらえる可能性があるうえに、一般的な不動産会社よりも高値をつけてくれることも考えられます。

築古や訳ありのマンションを売りたい場合、一般的な業者ではなく専門の不動産買取会社に依頼することを検討してみてください。

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個人に譲渡する

マンションを手放す方法としては、物件を譲渡することも挙げられます。その場合、法務局で所有権移転の登記申請手続きが必要です。

売却活動が行き詰まった場合、個人に譲渡して売れないマンションを手放すことも検討してみるとよいでしょう。

とはいえ、マンションの譲渡には、譲渡所得税などの税金がかかります。また、維持管理のための費用も継続的にかかることから、ある程度管理が行き届いており、受け取り手に価値があると思われるようなマンションでなければ、譲渡は難しいといえます。

マンションの譲渡は、どうしても物件が売れずにほかの対策を講じるしかないタイミングで検討してみるとよいでしょう。

売れないマンションを所有し続けるリスク

売れないマンションを所有し続ける場合、さまざまなリスクがともないます。その例には、下記が挙げられます。

  • 管理費や修繕積立金がかかり続ける
  • 固定資産税が毎年発生する
  • 築年数の経過によって資産価値が下がり続ける

このようなリスクが発生するため、売れないマンションを所有している場合は可能な限り手放すための対策を講じておきましょう。

管理費や修繕積立金がかかり続ける

マンションを所有する場合、管理費や修繕積立金がかかります。これらは所有している限り毎月かかる費用であるため、マンションを所有すればするほど出費がかさみます。

管理費や修繕積立金は所有するマンションによって異なります。場合によっては毎月数万円かかることもあるため、使用用途がないマンションであれば、売却などによる早期処分を検討するとよいでしょう。

固定資産税が毎年発生する

マンションに限らず、不動産を所有している場合は固定資産税を納めなければなりません。固定資産税は「固定資産税評価額×税率1.4%」の式で算出されます。

固定資産税評価額とは、固定資産税を決定する基準となる評価額のことです。各市区町村が定めており、納税通知書や固定資産税評価証明書から確認できます。

たとえば、固定資産税評価額が3,000万円のマンションを所有している場合、固定資産税は「3,000万円×1.4%=42万円」となります。

固定資産税は毎年納める税金であるため、所有期間が長期化すればするほど納税による負担が大きくなります。

また、固定資産税の軽減措置である「固定資産税軽減措置期間」が過ぎれば、納めるべき固定資産税が減税前の金額に上がります。さらに、建物資材や地価が高騰すれば、建築費や土地の価格が上がり、固定資産税がより増加します。

つまり、長期でマンションを所有すると、さまざまな要因から固定資産税が増加する可能性があるということです。マンションの使用用途がなければ、可能な限り早期の処分を検討するとよいでしょう。

築年数の経過によって資産価値が下がり続ける

マンションのような不動産は、建築年数が新しければ新しいほど資産価値が高いとみなされるのが一般的です。実際に、不動産流通機構が運営するレインズでは、下記のような調査結果が公表されています。


参照元:レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」

グラフを参考にすると、築年数が古ければ古いほど中古マンションの成約価格は落ちているといえます。言い方を変えれば、不動産の資産価値は基本的に所有している今が最も高い状態にあるともいえます。

売れないままマンションを所有し続けると、資産価値が落ちてしまい、現状よりも売れづらい状況にもなりえます。

売れる可能性をこれ以上下げないためにも、使用用途のないマンションは早期処分が得策です。

賃貸として収益化することも検討

マンションを所有している場合、賃貸物件として活用することも1つの手です。賃貸として貸し出すことで、毎月家賃収入が得られます。

毎月の安定した収入を得られれば、維持管理費などのマンション所有にかかる費用の負担を抑えることも可能です。また、住宅ローンの残債がある場合、返済額に充当するのもよいでしょう。

部屋一室のみであっても、賃貸としてマンションを運用することは可能です。マンションを貸し出す場合、まずは不動産会社に相談をしてみてください。

まとめ

現在の日本の法律では、マンションの放棄が認められていません。売れないマンションを処分するには、売却または譲渡をするしかありません。

譲渡は基本的に難しい方法であるため、マンションの処分には売却が得策です。なかなか売れずに困っている状況にあると考えられますが、当記事で解説した手放すための対処法を実施して、マンションの売却活動を続けてみてください。

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