借地の一部を駐車場として貸し出すときの注意点を解説!収益の税金・確定申告も説明

駐車場

「借地を借りているけど、余っているところがもったいなく感じる」「借地を父親から相続したが広すぎて使いみちに困っている」そう思って、借地の一部を駐車場として貸し出せないだろうかと考えているのではないでしょうか。最初に結論をお伝えすると、借地の一部を駐車場として貸し出すことは可能です。しかし、注意点もあります。もし地主に相談することなく無断で貸し出した場合、借地契約そのものを解除されてしまうかもしれません。そうなれば、駐車場経営どころではなくなります。

この記事では、借地の一部を駐車場として貸し出すときの注意点を詳しく解説します。また、駐車場経営を始めたあとにかかってくる収益に対する税金についても解説しました。これを読めば、借地でも安心して駐車場経営ができるようになるでしょう。

借地の一部を駐車場として貸し出すときは地主の承諾が必要

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借地の一部を駐車場として第三者に貸し出す前に必ずしなければならない手続きが、地主から承諾を得ることです。なぜなら、借地の一部を駐車場として貸し出すことは、借地権の転貸にあたるからです。民法で、土地の賃借権を賃借人(借地人)が賃貸人(地主)の承諾を得ずに無断で第三者に転貸することは禁じられているのです。

そのため、地主の承諾なく借地権を転貸してしまうと、地主から契約解除を申し出される可能性があり、拒否できません。たとえ、すぐに駐車場の賃貸借契約を解約でき、貸していた土地を元に戻せるとしてもです。地主に無断で第三者に借地権を転貸したことが、地主と借主の間の信頼関係を破壊する行為とみなされる可能性が高いからです。

これから借地の一部を駐車場として貸し出そうと思っているときは、忘れずに地主の承諾を得るようにしてください。また住宅用地として土地賃貸借契約を交わしている場合には、その一部を駐車場として利用する用途変更の承諾もあわせて得るようにしましょう。

地主の承諾を得られない場合の対応方法

借地の一部を駐車場として貸し出そうと思っても、地主が認めてくれない場合もあるかもしれません。この場合、借地非訟手続きを取り、裁判所に地主に代わる許可を申請できます。そして、裁判所が転貸を認めることがふさわしいと決定すれば、それを地主の承諾の代わりとして、駐車場として貸し出せるようになります。

借地非訟は、借地権を譲渡するときにも取られる手続きです。譲渡であれば、譲渡先の相手が反社会的勢力であったり、地代も払えないと思えるほど低収入だったりしない限り、代諾許可を得られます。しかし、借地の、それも一部の転貸となると、許可を得ることは難しいでしょう。

借地非訟手続きは手間もお金も時間もかかります自分で手続きできない場合には、弁護士などの専門家に依頼する必要も出てきます。さらに、どういった決定を出されるにしろ、今後の地主との関係が悪化することは間違いありません。そのため、地主の承諾を得られないときには無理せず、諦めた方が無難でしょう。空きスペースが広すぎて持て余しているのであれば、貸主である地主に等価交換を提案するのも1つの方法です。

地主の承諾を得なくても大丈夫な可能性がある例外

原則として、借地の一部を駐車場として第三者に貸し出す場合、地主の承諾が必要です。しかし、借地上の建物の用途によっては特例として、地主の承諾を得ずに駐車場として貸し出しても、借地権の転貸とみなされない場合があります。それは、次の2つの条件を「どちらも」満たしているときです。

(1)借地上に商店・飲食店・劇場などの不特定多数のお客さんが来る建物を所有・管理している
(2)自動車を利用するお客さんが訪れやすくするために、借地の一部を時間貸しの駐車場として利用するときで、建物所有または管理の目的の範囲内と認められるとき

つまり、事務所ではなく、お客さんが訪れるような店舗として土地を借りており、そのお客さんのために駐車場を設置、駐車料金を得る行為は、当初の契約で決めた借地の利用の範囲内にあたる可能性が高いということです。そのため、一部は不特定多数のお客さんのために、一部は月極駐車場として特定の第三者のために駐車場を貸し出すようなことは認められません。月極駐車場として利用させることは、建物の所有・管理とは関係がないものだからです。

またここで解説したことは、あくまでも承諾を得なくても問題ない「可能性がある」というだけで、絶対に大丈夫というわけではありません。借地契約の内容や建物・駐車場の利用状況や必要性などによっては、無断での貸し出しが認められない可能性があります。したがって、借地を利用している限り、この例外は1つの参考として、事前に地主へ相談することをおすすめします。

地主の承諾なく、借地の一部を駐車場として使わせて問題ないケース

家族や友人があなたの自宅に車で訪れたとき、借地の空きスペースを駐車場として使わせることは問題ありません。これも厳密には、借地の一部を駐車場として第三者に貸し出す行為です。しかし、駐車場として貸す目的は借地上の建物である住居へ訪れやすくすることであり、契約を交わして継続的に貸し出す駐車場経営とは異なります。そのため、このような場合は地主の承諾を得ずに駐車場として貸し出して大丈夫です。

借地を駐車場として貸し出すときの注意点

駐車場
借地の一部を駐車場として貸し出すときには、地主の承諾を得る以外にもいくつか、気をつけるべき注意点があります。ここでは特に確認しておきたい4つについて解説します。

(1)承諾料が必要になる場合もある
(2)付帯設備について明示する
(3)貸し出す前に整地しなければならない場合がある
(4)車庫証明は原則、地主からもらうことになる

(1)承諾料が必要になる場合もある

借地の一部を駐車場として貸し出す場合、それは借地権の転貸にあたります。このとき、地主から承諾を得る以外に、地主への承諾料の支払いが必要になる場合があります。

借地権を第三者に売却するときに地主の承諾と承諾料を支払うことと同じ仕組みです。相場は借地権価格の10%程度になります。一部を駐車場として貸し出すので、基準となる借地権評価額も貸し出す土地の面積部分のみで算出されることが多いです。ただし、承諾料についての規定はないので、地主との相談になります。

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(2)付帯設備について明示する

時間貸し駐車場として借地の一部を貸し出すときには精算機やロック板などの設備を設置する必要があるでしょう。駐車場として貸し出す承諾を得ると同時に、必要な設備やその形状、配置、数量などを契約書などの書面に残して地主からの合意を得ておきます

借地上に新たな建築物を建てる増改築と解釈されて、「駐車場として貸し出すことは認めたが、設備の設置まで認めてない」と、承諾を取り消されるかもしれないからです。万が一のトラブルを避けるためにも、設置予定の設備についても地主から承諾を得るようにしてください

(3)貸し出す前に整地しなければならない場合がある

駐車場として貸し出そうと思っている空きスペースは、そのまま駐車場として利用できそうでしょうか。すでに自分の駐車場として利用していたり、すぐにでも貸し出せるようなコンクリートや砂利が敷かれていたりすれば、そのまま貸し出せます。しかし、庭として使っていた場合などでは、車の重さに耐えるためにも整地して、地盤を強くしておく必要があります。

5台ほどの車を駐車できるスペースをコンクリート舗装にしようと思うと、整地費用は50万円ほどです。また借地契約を更新せず、終了するときには更地で返還することにもなるので、そのときには解体費用がかかります。どちらも安くない金額なので、借地の一部を駐車場として貸し出そうと考えたときには、費用と収益のシミュレーションも念入りに行いましょう

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(4)車庫証明は地主からもらうことになる

コインパーキングのような時間貸しではなく、月極駐車場として貸し出す場合、月極駐車場を利用したい方から車庫証明を求められますこの車庫証明は土地の所有者に記名・押印してもらう必要があります。つまり、借地の場合、車庫証明を作成するのは借地権者であるあなたではなく、土地所有者である地主です。

ただし、借地の管理を不動産会社や管理会社が行っている場合には、管理会社が代理として車庫証明を作成することは認められています。どちらにしろ、車庫証明の作成は地主または管理会社に依頼する必要があると覚えておいてください。事前に車庫証明を発行するときに必要な手数料も確認しておけば、スムーズに手続きを進められます。

駐車場の貸し出しで得た収益の税金や確定申告

確定申告
最後に、駐車場の貸し出しで得た収益にかかる税金と確定申告の手続きについて解説します。かかる税金は駐車場の規模や設備によって異なりますが、最大で次の4種類です。

(1)所得税
(2)個人事業税
(3)消費税
(4)固定資産税(償却資産)

(1)所得税

駐車場を貸し出したときの利益に対してかかる税金です。月極駐車場として貸し出す場合には不動産所得時間貸しのコインパーキングとして貸し出す場合には事業所得または雑所得に分類されます。ただし、空きスペースでの貸し出しということで、駐車場の規模はそれほど大きなものではないと思いますので、コインパーキングの場合は雑所得になると考えて問題ありません。

判断が難しい場合は、その地域を管轄する税務署に相談するようにしてください。また、所得税は利益に対して課税されるので、駐車場経営のために支払った費用は経費として差し引くことができます。たとえば、地主に支払う土地の賃料や設備の管理費などです。

(2)個人事業税

駐車場の規模によっては、所得税とは別に個人事業税が課税されることがあります。その基準は、駐車可能台数が10台以上あるか、立体駐車場のように建築物・機械式などの駐車場となっているかです。上記基準を満たす場合には個人事業税の課税対象となります。

しかし、実際に課税されることは少ないです。なぜなら事業主控除としての控除額は年間290万円あるからです。年間290万円というのは1カ月で換算すると約242,000円。それだけの収益を空きスペースの駐車場経営で生みだせることはないでしょう。

また、個人事業税は所得税の確定申告をしておけば、申告する必要はありません。納税が必要となれば税務署から納税通知書が送られてきますので、そのときまで忘れていても大丈夫です。

(3)消費税

消費税は駐車場経営の売上に対してかかる税金です。ただし、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であれば、納税の義務は免除されることになっています。

基準期間は個人事業主であれば前々年の課税売上高、法人であれば前々事業年度の課税売上高です。そのため、令和2年に課税事業者となるかどうかは、平成30年の課税売上高が基準となります。たとえば駐車場経営以外に事業をやっていて、平成30年の課税売上高が1,000万円を超えていれば、令和2年以降の駐車場の収益に対しても消費税を納税する必要があります。

(4)固定資産税(償却資産)

固定資産税は土地や建物以外にも事業のために使用する資産で減価償却できるものに課税されます。駐車場経営であれば舗装路面や精算機などの設備などが申告対象です。償却資産の価格は申告と調査に基づいて算出され、その金額が150万円未満だった場合には課税されません。固定資産税(償却資産)の課税対象かどうかは、6月上旬ごろに納税通知書が交付されるかどうかで判断します。

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確定申告の時期と手続き

確定申告は1月1日から12月31日までの収益から所得税・復興特別所得税の課税額を計算して税務署へ申告する手続きです。副業として駐車場経営を行うのであれば、諸々の経費を差し引いた収益が20万円を超えた場合に確定申告します。20万円以下であれば、原則、確定申告する必要はありません。

確定申告する場合、その申告期間は通常2月16日から3月15日までですが、土日が重なる場合は翌営業日となります。そのため、2020年の申告期間は2月17日から3月16日です。また、確定申告に必要な書類は税務署で受け取る以外にも、郵送で取り寄せたり、国税庁のホームページからダウンロードできたりします。使用する確定申告書は「B」です。

申告書の作成でわからないところがあれば、税務署で直接質問できます。ただし、確定申告の期限直前は非常に混むので、余裕を持ったスケジュールで相談へ行くようにしてください。確定申告の手続きに不安があり、十分な収益が出ている場合は、専門家である税理士に依頼することもおすすめです。記帳を含めてまとめて依頼すると、費用は10万円程度になります。

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まとめ

以上、借地の一部を駐車場として貸し出すときの手続きや注意点、税金について解説していきました。

まとめ
・借地の一部を駐車場として貸し出すときには地主の承諾が必要
・自宅の空きスペースを一時的に家族などに駐車場として貸し出す場合は承諾不要
・地主から承諾をもらうときには、承諾料が必要な場合もある
・駐車場経営のために設備を新しくする場合は、そのことを地主に伝え承諾を得る
・駐車場として貸し出したときは、所得税・個人事業税・消費税・固定資産税がかかる

持て余している敷地の空きスペースを駐車場として貸し出すことは、有効な土地活用方法です。しかし、地主に承諾なく行ってしまうと、借地権の無断転貸となって契約を解除される可能性があるので注意してください。

また、駐車場として貸し出す前に整地や必要な設備の設置など想像以上にお金がかかります。そのため、駐車場として貸し出すときの収益性を念入りにシミュレーションしてすすめるようにしましょう

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