底地競売の落札相場は?入札落札手続きや競売代行サービスについても詳しく解説

底地 競売

不動産を扱っている人も、そうでない人も競売という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。オークションと言い換えれば合点のいく人もいるでしょう。

不動産業界では数々の物件が何らかの理由によって日々競売にかけられ、取引がおこなわれています。

底地などの土地や借地権付きの建物なども例外ではなく競売の場に出品されることがあります。

今回は、不動産における競売の手続きや注意点などの概要をわかりやすく説明します。

また、不動産競売における底地の落札相場や競売に参加する人のための競売代行サービスなどについても解説していきます。

一般的な競売と不動産競売は若干異なる

競売

競売(けいばい/きょうばい)とは、物品を販売の場に出品し買い手同士を競わせ、最も良い条件で購入してくれる人に物品を売却する方法のことです。

一般的にオークションともいわれますが、不動産における競売(不動産競売)は少し意味合いが異なります。

不動産競売は債権回収の意味合いが強い

不動産を所持する人が住宅ローンなどを支払うことができないなどの状況に陥ったとき、債権者が債権回収の申立てを裁判所におこなう可能性があります。

その場合、債務者が所持する不動産は、債権者の申立てを受理した裁判所によって競売の場に出品され売却されます。

このことから、不動産業界でよくいわれる競売とは売却方法としての意味よりも「裁判所が債務者の不動産を売却するための手続きのこと」を指す場合が多いです。

裁判所などの公的機関、国家機関が法律に基づいておこなう競売は公売(こうばい)ともいわれます。

また、底地や借地、住宅地などの土地、住宅やビルなどの建物などさまざまな不動産が競売の場に出品されます。これらをまとめて「競売物件」といい、全国の競売物件の情報を掲載しているサイトも存在します。

競売物件のメリット・デメリット

コツ

競売物件にはさまざまなメリット・デメリットがあります。

通常の物件とは少し異なるリスクも含んだ物件でもあるため、これらをよく確認しておく必要があります。

競売物件のメリット

競売にかけられた物件は、さまざまな人が入札し購入することができます。一般の人はもちろん、不動産業者や競売代行業者などが競売に参加することも多いです。

このことから、競売物件は想像以上に需要が高い物件ともいえ、購入するメリットが何かしらあるということがわかります。では、競売物件を購入するメリットとは何なのでしょうか。

市場価格よりも安い

競売物件を購入する一番のメリットは、一般的な市場に流通している物件に比べて価格が安いという点です。

具体的には、市場売買で扱われる物件の価格よりも2~3割程度安くなるとよくいわれています。(比較する物件によって異なる)

競売物件は以下のようなさまざまなリスクを含んでいるため、安くなるといわれます。

  • 売買において物件に付する保証や権利が無い(瑕疵担保責任など)
  • 物件は差し押さえ後の現状のまま渡される
  • 債務者(元々の物件所有者)に明け渡し請求などをする場合がある

物件評価後にこれらのリスクを加味し競売市場修正という名目で減額されます。

安く物件を購入できる反面、さまざまなリスクを含んでいるおそれがあるので、なるべく注意して物件を選ぶことが大事です。

レアな物件が見つかりやすい

不動産競売では、差し押さえられた物件が区別なく競売の場に出品されます。そのため、一般的な市場には流通していないレアな物件を見つけることもできます。

例えば、商業用の施設や工場、駐車場、何に使っているのかわからないような形の土地や建物など、多種多様な物件が競売にかけられています。底地や借地権付き建物など、需要が限定されるような物件もあります。

上記のような少し特殊な競売物件でも、欲しいと思っている人が少なからず存在するのが不動産競売の面白いところです。

レアな物件に興味がある人は一般的な不動産店舗で物件を探すよりも、競売物件の中から探すほうが目的とする物件が見つけやすいでしょう。

所有権移転などの権利関係手続きがスムーズで確実

一般的な不動産取引の場合は、売り手と買い手の間で権利トラブルが起こることも少なくありません。

しかし、競売物件の場合は裁判所が物件を管理しているので、落札後は所有権移転登記や抵当権の抹消などが公正におこなわれます。

また、最初から裁判所とやり取りをすることになるので、手続きに要する手間や時間、登記費用なども削減できる点もメリットです。

競売物件のデメリットとリスク

競売物件にはメリットだけではなく、落札後のリスクや購入時におけるデメリットなどもあります。競売に参加する前に、次で紹介するリスクやデメリットを知っておくことも大事です。

住宅ローンの利用が難しい

競売物件を住宅ローンで購入できるかというと、不可能ではないが難しいという解答になります。

まず、住宅ローンを利用するとき、融資実行が決定すると同時に購入物件に対して所有権移転登記と抵当権の設定がおこなわれます。

しかし、競売物件の場合、所有権を移転する数日前に購入代金を支払わなければならなりません。

そのため、競売物件の抵当権設定は「購入代金支払い後の所有権移転時」になってしまい、前もって住宅ローンの融資金で購入代金を支払うということが困難になります。(住宅ローンの利用は物件に抵当権の設定ができる状態でなくてはならない)

ただし、実務の流れ上困難でも、個々の状況を考慮し融資してもらえる可能性が全く無いというわけではありません。

また、法改正により規定の手続きをおこなうことで住宅ローンを利用して競売物件を購入することも可能になりました。

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■法改正により住宅ローンを組むことも可能に

平成10年におこなわれた民事執行法第82条第2項の改正により、競売物件の代金を支払ったタイミングで所有権移転と抵当権設定を連件で申請できるようになりました。

前の項目では、代金支払い後の所有権移転手続きにはある程度の時間を要し、購入してからすぐに抵当権の設定ができないため住宅ローンが組めないという説明をしました。

しかし、現行の法律では物件購入と同時に所有権移転と抵当権設定の事前申請ができるので、代金支払いと所有権移転の間に発生するタイムラグが無くなり、住宅ローンを組むことが実質可能になりました。

このことを「民事執行法82条2項による登記嘱託書交付手続の申出」といいます。詳しい手続きの内容は以下の裁判所ホームページを参考にしてみるとよいでしょう。

参照:裁判所「民事執行法82条2項による登記嘱託書交付手続の申出をされる方へ」

瑕疵担保責任を追及できない

瑕疵担保責任とは、不動産に瑕疵(何らかの不具合や欠陥など)があった場合に売主が負うべき担保責任のことです。

通常の売買取引であれば瑕疵担保責任は有効となっていますが、競売物件の場合は売主が存在しない状態の物件なので無効とされます。

瑕疵担保責任を負う人自体が存在しないともいえるので、競売物件に何か瑕疵があったとしても責任を追及することができません。

入札しても確実に購入できるわけではない

不動産競売もオークションとほぼ同じ仕組みです。そのため、競売物件を入札しても他の入札者の方が高額で入札した場合、当然そちらが優先されます。

物件の下調べなどで時間と手間をかけて入札しても、高額入札で他の人の手に渡ってしまう可能性があるということを心に留めておきましょう。

競売物件の入札と手続きの流れ

入札 不動産

競売物件の入札から引き渡しまで、主に以下のような流れになっています。

  1. 購入したい競売物件の調査と選定
  2. 競売物件を入札
  3. 開札と売却許可決定
  4. 残代金の納付
  5. 所有権移転と抵当権等抹消登記
  6. 競売物件の引渡し

それぞれの手続きについて詳しく説明します。

1.購入したい競売物件の調査と選定

裁判所で閲覧できる競売物件情報不動産競売物件情報サイトなどから購入したい物件を選びます。

紙面広告などにも競売物件の情報が掲載されていることもありますが、現代ではインターネットで不動産競売物件情報サイトを利用するほうが効率的でしょう。

BIT 不動産競売物件情報サイト

全国にある裁判所の物件が公開されている「BIT(不動産競売物件情報サイト)」が便利です。

地域や沿線から物件を探すことができ、物件詳細ページからは「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」の三点セットがダウンロードできるようになっています。この三点セットは物件の状態を知るための重要な情報なので、必ず確認しましょう。

参照:BIT(不動産競売物件情報サイト)

一般社団法人不動産競売流通協会「981.jp」

981.jp」は不動産競売流通協会(FKR)が運営している不動産競売物件のポータルサイトで、BITと同様に全国の競売物件を取り扱っています。

3点セットのダウンロードやバーチャル入札などさまざまなサービスがあります。ただし、これらのサービスを利用するには、会員登録とログインが必要になります。

参照:一般社団法人不動産競売流通協会「981.jp」

2.競売物件を入札

購入する競売物件が決定したら、入札の手続きに進みます。必要書類の準備と入札保証金の振込をおこないます。

入札手続きに必要な書類

入札に必要な書類を準備します。以下の書類を裁判所の執行官室で受け取ります。

  • 入札書
  • 入札用内封筒
  • 入札保証金振込証明書用紙
  • 振込依頼書(兼入金伝票)

裁判所に足を運ぶ時間がない人は、裁判所の執行官室宛に郵便切手を貼った返信用封筒(A4)を送り、返信にて必要書類の郵送をしてもらうこともできます。

入札保証金の振り込み

振込依頼書を利用し、裁判所が定めた金額の入札保証金(買受申出の保証金)を金融機関等で指定の口座に振り込みます。

入札保証金の金額は原則として売却基準価額の約10分の2(20%)とされています。具体的な金額は期間入札の公告に「買受申出の保証の額(買受申出保証額)」として記載されています。

開札後、最高価格の買受申出人(購入できる人)以外の人の入札保証金は返還されます。

裁判所の掲示板や庁舎内の掲示板に、期間入札の公告が掲載されます。また、不動産競売物件情報サイトでも閲覧することができます。

BITの場合は、以下のように記載されています。

期間入札

振り込み後の書類提出

入札保証金を振り込んだ後は、以下の書類を揃えて裁判所の執行官へ提出する必要があります。今回は、個人が競売物件を入札するケースで必要となる書類を説明します。

  • 入札書
  • 入札保証金振込証明書
  • 住民票(発行から3カ月以内のもの)

入札は物件ごとに1人1回に限定されます。複数の代理人を立てるなどは原則認められません。

3.開札と売却許可決定

開札は指定の開札期日に裁判所の不動産競売場でおこなわれます。参集者の面前で入札書を開封していきます。

また、裁判所に足を運ばなくても不動産競売物件情報サイトで開札結果を確認することができます。

開札期日の7日後に売却許可決定が最高価買受申出人に下されます。売却許可決定後に正式な買受人になります。

4.残代金の納付

売却許可決定が確定した場合、原則として約1カ月後に残代金の納付をおこないます。

その間に代金納付期限通知書などが手元に発送されるので、その書類に記載されている期日の前日までに金融機関から指定口座へ残代金を振り込みます。

振込金額が違ったり、期日までに振り込まない場合は競売物件の買受権利を失います。また、振り込んだ入札保証金も戻ってこないので注意が必要です。

5.所有権移転と抵当権等抹消登記

残代金の納付手続きが完了後、所有権移転の手続きを進めることになります。

裁判所が法務局に買受人名義への所有権移転登記を依頼します。また、差押登記や抵当権設定登記などの負担登記の抹消も同時に依頼されます。

その後、買受人宛に「登記識別情報通知」が郵送されます。登記識別情報通知は登記済という証明と権利証の代わりになる重要な書類なので、無くさないようにしっかりと保管しましょう。

6.競売物件の引渡し

競売物件の引き渡しは買受人の責任でおこなうこととされます。物件引渡し以降は裁判所が自ら動くことはないので、さまざまな負担をしなくてはならない場合があります。

例えば、物件に残っている家具などの動産は法に則った正式な手続きで処理しなくてはなりません。勝手に処分するなどの行為はしてはいけません。

また、元々の物件所有者(占有者)が退去せずに住み続けているケースもあります。住宅を競売にかけられた人は引っ越しの費用すら持ち合わせていないことが多く、落札者が引っ越し費用を負担して退去させる手段をとることもあります。最悪の場合、不動産明渡し請求という法的手段をとらなければならないもことあります。

訴訟費用なども全て負担しなければならないので、ケースによっては不本意な損失を被ることになります。

参照:裁判所「入札方法について」

参照:BIT不動産競売物件情報サイト「入札以降の手続の流れ」

競売物件に落札相場は存在しない

お金 考える
競売物件には落札相場というものはありません。物件によって最終的な落札金額が大きく異なるので、相場を求めることは難しいといえます。

売却基準額(最低入札額)は大体市場価格の7割程度で設定されているといわれます。(明確な根拠はない)その時点では市場よりも安いということになります。

しかし、競売には不動産業者や投資家も参入することがあるので、市場価格よりも高い値段で落札となる場合もあります。

売却基準額の2倍の価格で落札されることもあれば、市場価格と近い金額で落札されることもあります。

このように、物件によって市場価格よりも高い価格で入札する人もいるので個人が競売物件を安く手に入れることが難しくもなっています。

底地においても落札価格がバラバラ

底地であっても、物件ごとに売却基準額も異なり落札金額もさまざまです。

底地の場合、市場性や収益性が劣るといわれる不動産でもあるので、売却基準額から何倍も高い価格で落札されるケースは多くありません。しかし、その土地の状況や周辺環境、需要などさまざまな要因が関わって落札価格もバラバラです。

そのため、明確な相場を求めることはできないといえるでしょう。

ちなみに底地の落札者は、個人よりも不動産業者や底地専門業者が多いと予想できます。個人では扱いに困る底地でも、不動産業者などでは借地権者に売却する等のノウハウが整っているので底地を収益化することは難しくないといえます。

競売物件で出品されている底地を買い漁る業者も少なくありません。

BIT「不動産競売物件情報サイト」にある「過去データ」や「売却結果」では売却基準額と売却額が掲載されているので、参考にしてみると落札価格がどの程度なのかというイメージがしやすいかもしれません。

参照:BIT「不動産競売物件情報サイト」

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初めての競売は競売物件代行サービスを利用するのもよい

握手
自分で競売物件の入札から引き渡しまでおこなうのもよいですが、手続きのための時間や手間、元物件所有者と交渉する際の精神的苦労などがあります。

競売に参加するのが少し面倒だと感じる人は、競売物件代行サービスを利用するのもひとつの手です。

競売物件代行サービスとは

物件の選定から入札、買受後の元所有者との交渉、その他面倒な手続きなどをトータルサポートしてくれるのが競売代行サービスです。

適正な入札額や狙い目の物件選びなど、さまざまなアドバイスを受けることができるので、初めて競売に挑戦する人などは利用して損はないサービスでしょう。

成功報酬型のサービスを選ぶ

競売を詳しく知る専門的なサービス業者があの手この手で頑張ったとしても、結局は入札金額で落札できるか否かが決まります。

極端な例ですが、お金持ちが損得考えずにポンと大金を出し高額入札すれば、プロであっても落札できないこともあります。

その時に落札できなかったけど報酬や手数料は支払ってくださいということになれば、競売代行サービスに依頼した人はマイナスでしかありません。

そのため、確実に落札という結果になった場合のみ報酬を支払う「成功報酬型の競売代行サービス」を利用するのが安心でしょう。

まとめ

不動産競売物件は安価で購入できるなどのメリットがある反面、瑕疵担保責任がないなどのデメリットもあることを忘れてはいけません。

また、競売物件を購入すると決めてから事前にさまざまな準備をしたとしても必ず落札できるとは限らないので、落札できなくても問題ないという心持ちで競売に臨むとよいでしょう。

競売物件の調査・入札方法や手続きの流れを把握しておくことも大事です。入札方法や必要書類、入札保証金の支払期間なども細かく指定されているので事前にしっかりと確認しておきましょう。

競売物件は底地、借地、空き地などの土地、住宅、商業用の建物など多種多様で、それぞれ落札価格も大きく異なります。そのため、競売物件の落札相場を予想することは難しいでしょう。

「競売が初めてで不安を感じる」、「落札相場が分からず適正な入札額がわからない」などの悩みがある場合、競売物件代行サービスを利用するのもひとつの選択肢です。

最終更新日:

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