
極端な市街化を抑制するために、開発に制限をかけられる市街化調整区域。
建物の新築や増改築に自治体の許可が必要なため、市街化調整区域の不動産は「売却しづらい」「価格が安くなってしまう」といった問題があります。
市街化調整区域の不動産をスムーズに売却するためには、エリアごとに異なる自治体許可の基準や、売却先の選び方が大切になります。
そのため、開発申請のノウハウや売却ルートが豊富な「訳あり物件専門の買取業者」に相談するのがおすすめです。
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目次
家を建てられるなら市街化調整区域でも売却可能
市街化調整区域は、建物の新築や増改築に自治体の許可が必要です。そのため、売却できるか不安に思うかもしれません。
しかし、市街化調整区域内の土地でも、住宅を新築できるケースや既存の住宅を建て替えられるケースであれば、通常の土地に近い条件で売却できます。
また、以下のような市街化調整区域特有のメリットをアピールできれば、買主を見つけられる可能性は高いでしょう。
- 固定資産税が安い
- 都市計画税がかからない
- 広い土地を確保しやすい
市街化調整区域で家を新築・建て替えするには開発許可が必要
市街化調整区域で新築や増改築をおこなうには、自治体からの許可を得る必要があります。都市計画法の規制があるため、許可がないと自分の土地でも建築ができないのです。
土地計画法第29条
都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(中略)の許可を受けなければならない。(後略)出典:e-Govポータル「土地計画法第29条」
土地の所有者が好き勝手に建物を建てれば、農地や工場用地などを確保できない恐れがあります。
また、住宅地を無秩序に作ってしまうと、下水道などのインフラ整備にも不必要な費用がかかり、自治体などの財政負担も重くなってしまいます。
そこで、都市計画法では「市街化地域」と「市街化調整区域」という区域を作り、土地の利用方法を規制しているのです。
市街化調整区域でも家を建てられる可能性が高い4つのケース
市街化調整区域のエリアにある不動産でも、次の4つのケースに該当するときには、新築・建て替えの許可が下りやすいといえます。
これらのケースでは、住宅の新築・建て替えを認めても不都合の生じる恐れが少ないからです。
- 1.市街化区域に隣接している場合
- 2.市街化調整区域になる前から家が建てられている場合
- 3.事業のために開発された地域の場合
- 4.低層住居専用地域(用途地域)内にある場合
ただし、建築許可が下りる基準は、それぞれの自治体ごとで異なる場合があるため注意しましょう。
1.市街化区域に隣接している場合
市街化調整区域の土地でも、市街化区域との境界付近にある場合は、建築の許可が下りやすいといえます。
すぐ近くまで市街化が進んでいるのであれば、家を新築したり建て替えても「市街化の抑制」という都市計画の邪魔にはなりませんし、インフラ整備が非効率になることもないからです。
都市計画法34条でも、次の条件を満たしている場合には、自治体の条例などに基づいて市街化調整区域における開発行為を許可できると定められています。
・市街化区域部分も含めた周辺地域におおむね50以上の建築物が建築されている
2.市街化調整区域になる前から家が建てられている場合
市街化調整区域にある不動産でも、市街化調整区域に指定される前から建っていた家は、建て替えられるケースがあります。
かつては「既存宅地確認制度」という仕組みがあり、市街化調整区域の指定前から家が建てられている土地では、建築に際する許可が不要とされていました。
既存宅地確認制度は平成13年に廃止されましたが、現在でも自治体が独自に基準を定め「既存宅地確認制度」にならった許可をおこなっているケースが少なくありません。
また、国土交通省は近年、観光振興や地域集落を維持する目的で、既存建築物の用途変更基準を緩和する方針を打ち出しています。
そのため、いわゆる「古民家カフェ」のように、住宅から店舗への用途変更も容易になっています。
3.事業のために開発された地域の場合
市街化調整区域の不動産であっても、すでに他の事業のために開発された土地であれば、家の新築・再建築の許可が取得しやすい傾向にあります。
前例があると、自治体としても許可を出しやすくなります。
事業のために開発の許可が下りているのであれば、その地域は今後も発展する可能性があります。場合によっては、不動産を高額で売却することも可能でしょう。
4.低層住居専用地域(用途地域)内にある場合
市街化調整区域と指定されたエリアであっても、住宅地としての利用が予定されていた地域であれば、家の新築・建て替えも許可が下りやすいといえます。
実際、住宅の供給不足が懸念されていた1970~1980年代には、郊外の宅地開発も少なくありませんでした。
街の中心部から離れたエリアに造成された公営団地や、いわゆるニュータウンと呼ばれる地域などが典型例です。
これらの地域のほとんどは「低層住居専用地域」とよばれる用途地域になっています。
低層住居専用地域では、土地の利用が住宅などの用途に限定されています。つまり、市街化調整区域であっても、市街化地域と同様の取扱いをうけるのです。
市街化調整区域にある不動産の売却先
住宅の建築許可を得られない場合でも不動産売却をあきらめる必要はありません。市街化調整区域にある不動産が「絶対に売却できない」わけではないからです。
「市街化調整区域の土地が欲しい」と考えている買主も多くいるので、需要があるところにしっかりアピールすれば、高額での売却も可能です。
以下の項目から、市街化調整区域の売却先としてあげられる候補を紹介していきます。
売却先1.農業・林業・漁業を営んでいる人
売却しづらい市街化調整区域の典型例は「農地」です。自分の土地が農地であるかどうかは、不動産登記簿の「地目」を見れば確認できます。
農地の売却が難しいのは、農地法によって農地取得できる人が厳しく制限されているからです。
したがって、物件の地目が農地や山林である場合には、農業・林業などを営んでいる人に売却するとよいでしょう。
売却先2.農産物・水産物の加工業者
農地の多い市街化調整区域では、その地域で生産された農作物・水産物を加工する工場用地の需要もあります。
農産物加工業者や水産物加工業者は、市街化調整区域でも開発許可を容易に取得できるため、とても有力な買主候補といえます。
地産地消を推奨する動きも強まっているため、地元の農産物・水産物加工業者が直営のレストランを営業するケースも増えています。
農産物・水産物の加工業者とうまくマッチングすれば、高額で不動産を買い取ってもらえるかもしれません。
売却先3.市街化調整区域で事業をしようと考えている業者
市街化地域では事業を営もうとしている事業者も、有力な買主候補となります。近年での具体例としては、老人ホームといった介護事業者が挙げられます。
また、主要道路に面した土地であればコンビニエンスストアやレストラン、ガソリンスタンドなどにできるため、住宅を建てられない土地でも需要が高いです。
主要道路に面していない土地であっても「レジャー施設周辺の駐車場」「危険物を取り扱う工場」などといったように、事業用地としての需要があります。
これらの事業者は、市街化調整区域での開発申請のハードルがかなり低いからです。
売却先4.隣地の所有者
隣地の所有者も有力な買主候補です。土地を1つにできれば、買主にとっても資産価値を高められる大きなチャンスとなるからです。
隣地所有者が「子共が結婚した後も自分の近所に住まわせたい」と考えている場合も、買主・売主の双方にメリットがあるでしょう。
また、街の中心部から離れたエリアの市街化調整区域では、世帯人数分の自動車がないと生活に不便ということも珍しくありません。
そのため、駐車場として隣地の購入を検討する人も多くいます。
売却先5.中古住宅を探している人
初期費用を抑えたいという理由などで、中古物件を探している人も有力な買主候補となります。
近年では「広い古民家に住みたい」と考える人も増えているうえに、リフォーム費用に補助金を支給する自治体も増えているため、中古住宅は以前よりも売却しやすくなっています。
ただし、増改築を伴う大規模なリフォームには自治体の許可が必要です。
住宅を残したまま物件を売却する際には、再建築の条件をしっかり確認し、売買契約前に十分な説明をしておきましょう。

売却先6.訳あり物件の専門買取業者
「市街化調整区域であっても売却できる」と解説しましたが、それでも一般的な不動産と比べて、売却しにくいことは確かです。
とくに、建築許可の申請手続きは複雑です。そのため、一般の人はもちろん、不動産業者であっても取り扱いを避けるケースがあります。
「すぐに不動産を手放したい」「急いで現金化したい」ということであれば、訳あり物件専門の買取業者に相談するのがよいでしょう。
訳あり物件専門の買取業者なら、一般的な不動産会社が取り扱えないような物件でも、高額かつスピード買取が可能です。
まとめ
市街化調整区域が売りづらいのは、土地の利用方法に制限がかかってしまうためです。
しかし、完全に用途がない市街化調整区域はありません。
どのような物件であっても販売方法を工夫したり、良い売却先を見つけることで、高額で売却できるケースは少なくありません。
とくに、訳あり物件専門の買取業者なら、条件の悪い物件でも高額買取を期待できます。
市街化調整区域の処分に困っている方は、訳あり物件専門の買取業者へ査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
市街化調整区域についてよくある質問
都市計画法によって、開発を抑制すべき地域に指定されたところです。建築をおこなうためには各自治体の許可が必要です。
条件次第で、家の新築や建て替えも可能です。市街化区域に隣接している土地や、市街化調整区域になる前から家が建てられている土地は、新築や建て替えの許可が下りやすくなります。
建築規制があるため、通常の不動産よりは売りにくいといえます。しかし、農業従事者や、市街化調整区域で事業をおこないたい業者など、需要のあるところにしっかりとアピールすれば買主は見つかるでしょう。
一般的な不動産会社より、訳あり物件専門の買取業者のほうが積極的に買い取ってもらえます。とくに、弁護士と連携した買取業者なら高額査定も可能で、トラブルなくスムーズに買い取ってもらえます。→【最短12時間で価格がわかる!】訳あり物件の無料査定はこちら
他社で買取を断られている物件でも、他の不動産会社なら売却できるケースは少なくありません。市街化調整区域は開発・建築の許可申請が複雑であり、多くのコストもかかるので、買取を積極的におこなっていない会社も多いのです。そういった場合も「訳あり物件専門の買取業者」へ売却すると、よい結果が得られることが多いです。