
不動産を売却する際に「仲介」と「買取」どちらにするか悩む人も少なくありません。
「少しでも相場に近い価格で売却したいけど、売却期限が決まっている」という場合「買取保証制度」を活用するとよいかもしれません。
この記事では、買取保証制度の基礎知識やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
また、買取保証制度を活用すると良いケースもわかりやすく説明するので、売却手段を選択する判断材料として参考にしてみてください。
目次
買取保証制度とは
仲介と買取における不動産の売却価格を比較すると、仲介の方が高値になる傾向にあります。しかし、仲介は買主が現れないと売却できないため、売れ残ってしまう可能性もゼロではありません。
一方で、買取であれば不動産会社に確実に売却できるため、売り出しから売却までの早さや確実性を考えると買取の方が有利です。
このような仲介と買取両方を利用できるのが、買取保証制度です。この制度を利用することで、まずは仲介で市場の相場価格で販売活動をおこなうことが可能です。
万が一、売れ残ってしまっても不動産会社が買い取ってくれることを保証してくれているので、確実に売却できるというわけです。
買取保証制度の5つのメリット
買取保証制度は仲介と買取のメリット・デメリット補い合えるような制度です。次の項目から、買取保証制度の主なメリットを5つ解説します。
買取保証制度が売却に有利な制度に思えたのであれば、活用することも検討してみるとよいでしょう。
期限までに確実に売却できる
買取保証制度の代表的なメリットの1つが、期限までに確実に売却できるということです。
不動産売却において「資金を必要としている」「使っていない不動産を手放して、不動産にかかる税金や維持費等を削減したい」などのさまざまな理由があるでしょう。
資金づくりやコスト削減などであれば確実に不動産を売却したいと考える人も多いです。
買取保証制度では仲介で売却できなくても、あらかじめ定めた期限に必ず売却できます。
確実に売却できることが決まっているため、売却で得られる資金の使い道についてしっかりと予定を立てることができるほか、売れ残るのではないかという不安を抱えることもないでしょう。
売却前に新居を購入できる可能性がある
引っ越しのために住んでいる家を売却する場合に考えなければならないのが、新居を購入するタイミングです。
もし住んでいる家を売却してから新居の購入までに時間がかかると、その間はウィークリーマンションやホテルなどに仮住まいしなければならないこともあります。
仮住まいすると引っ越し費用や宿泊費などの出費が増えてしまいます。できる限り仮住まいにかかる費用を節約したいのであれば、売却前に新居を購入するか売却したら少しでも早く新居を見つけるとよいかもしれません。
実は買取保証制度を利用することで、売却前に新居を購入できる可能性があります。なぜなら、確実に売却できることが保証されているため「つなぎ融資」の審査が通りやすくなるからです。
不動産会社によっては、買取保証制度とつなぎ融資を合わせて利用できるプランを採用していることもあります。売却前に新居を購入したいのであれば、事前に不動産会社に相談しましょう。
希望価格で売却活動できる
家を売却する場合、売却資金の使い道を考えているケースが多いです。
不動産会社へ買取を依頼すれば必ず家を売却できますが、不動産会社も買い取った不動産を売却・賃貸などをおこなって利益を生み出す必要があります。
そのため、買取価格は相場の8~9割になってしまう傾向にあります。買取保証制度の場合、まずは仲介での売却から始まるため、資金の使い道に応じた希望価格で売りに出すことが可能です。
リフォーム代や仲介手数料などの費用が節約できる
あくまで仲介にこだわらない場合ですが、買取保証制度ではリフォーム代や仲介手数料などの費用が節約できるかもしれません。
家の売却価格を高くしたり売却しやすくするために、リフォームして家の価値を上昇させる方法もあります。
ただし、リフォーム費用は数百万円かかることもあります。また、物件をキレイにリフォームしたからといって、必ずしも買主が見つかるとは限りません。
買取保証制度を利用し、最終的に買取で売却できればよいというケースでは、高いお金を払ってリフォームする必要はないでしょう。
また、仲介で売却した場合には仲介手数料がかかります。仲介手数料は売却価格によって異なりますが、数十万円~百万円ほど支払わなければならないこともあります。
買取の場合は仲介手数料が必要ないため、買取保証制度によって買取で売却した場合は仲介手数料が節約できます。
契約不適合責任に問われない
もし不動産の状態が契約内容と適合していないとしたら、買主は追完請求権を行使して修繕や売却代金の減額を請求できます。
たとえば、雨漏りしているのにも関わらず、雨漏りの有無を説明されないまま取引が完了すると、買主は雨漏りの修繕を売主に請求できるということです。
しかし、契約不適合責任は不動産会社の買取では免除されるのが一般的です。そもそも不動産会社はリフォーム・修繕することを前提で買取価格を提示します。
契約不適合責任に問われてしまうと想像以上の修繕費がかかってしまうこともあり、ケースによっては損害賠償を請求されてしまう恐れもあります。
一方で、買取での売却になった場合、契約不適合責任に問われません。そのため、修繕・リフォームにかかる費用も必要なく、売却後の資金計画や生活設計を予定通り進められるでしょう。

買取保証制度の4つのデメリット
前の項目で解説したように、さまざまなメリットがあるため買取保証制度を利用して売却しようと考えるかもしれません。
ただし、デメリットもいくつかあるため、メリットとデメリット比較した上でこの制度を利用するか慎重に判断することが大切です。
買取保証制度のデメリットは主に4つあります。
買取価格は相場よりも安くなる
買取になると売却価格は相場よりも安くなってしまいます。前の項目でも述べた通り、不動産会社は売主から不動産を買い取った後、その不動産を使って利益を生み出す必要があります。
第三者に転売する場合は、買主を探すために広告や宣伝活動などに費用がかかります。また、賃貸として利用する場合も、リフォームをおこなうなどのさまざま費用がかかります。
不動産を買い取りした後に利益を出すためにも、下げなければならないわけです。そのため、買取では仲介に比べて8割~9割程度の売却価格になってしまうのが一般的です。
途中で契約を破棄しにくい
買取保証制度を利用する際に知っておかなければならない点として、途中で買取保証制度の契約を破棄しにくいということです。
買取保証制度では買い取ることを約束しているため専属専任・専任媒介契約になります。専属専任・専任媒介契約は、他の不動産会社と同時に契約できず、契約期間は最長3カ月と決まっています。
そのため、契約期間内に条件の良い他の不動産会社が見つかったとしても、途中で契約を破棄できません。
契約を破棄できたとしても、違約金として売却活動にかかった費用を請求される恐れがあります。そのため、複数の不動産会社に相談し、信頼できそうな会社を選ぶことが大切です。

売却活動を本気でやってもらえない可能性がある
仲介で売却先を見つけることができなくても、必ず不動産会社が買い取ってくれます。
不動産会社の立場からいうと、仲介で売却先が見つからなければ、その物件を安く購入できることになります。
たとえば、買取保証制度の契約で市場よりもかなり安い価格で買取することになっていれば、不動産会社にとってみれば買取してから第三者に売却した方が利益を出すことができます。
悪質な不動産会社であれば仲介での売却活動を本気で取り組むことなく、安価で買い取ろうとするかもしれません。
売却活動をしっかりとおこなってもらうためには、定期的な活動報告をしてもらうことはもちろんのこと、契約前に所有物件の市場価格を算出し、極端に安い価格での買取にならないように注意しましょう。
買取保証制度の対象外の不動産もある
不動産の状態や立地などの条件によっては買取保証制度の対象外とされることがあり、すべての不動産に買取保証制度が適用されるわけではありません。
不動産会社としては買取した不動産を再販・賃貸することなどによって利益を得る必要があります。そのため、買い取っても利益の出ない物件については、買取保証制度の対象外になることが多いです。
たとえば、人があまり住んでいない郊外にある物件や駅からかなり遠い立地にあり人気のない物件などは、買取保証制度の対象外になっている可能性があります。
ただし、その不動産を買取保証制度の対象にするのか対象外にするのかの判断は、不動産会社によって異なります。
買取保証制度の対象としている不動産会社を見つけるためにも、複数の不動産会社に相談するとよいかもしれません。
買取保証制度を活用すると良いケース
買取保証制度のメリットとデメリットを比較しただけでは、活用するかしないかの判断が難しいこともあるでしょう。
次の項目から、買取保証制度を活用すると良いケースを具体的に解説するので、自分の状況も加味した上で判断してみてください。
売却期限が明確に決まっている場合
買取保証制度を活用すると良いケースとしてまず考えられるのが、売却期限が明確に決まっている場合です。
「この日までに売却しないといけない」と売却金額よりも期限を重視するであれば、契約で定めた期限に確実に売却できる買取保証制度を活用した方が安心です。
たとえば、仕事の都合で急な転勤がある場合などは、期限までに引っ越しを完了しておかなければならないでしょう。
また、結婚や子供の学校の転入など、生活環境の変化のために物件を売却し、新居を購入する場合も、期限までに確実に売却したいと考えることもあるかもしれません。
このようなケースでは、買取保証制度を活用することでスムーズに新生活を始められるでしょう。
築古物件や訳あり物件の売却に不安がある場合
売却しようとしている物件が築古物件や訳あり物件の場合も、買取保証制度を活用することで良い結果が得られるかもしれません。
「築古物件や訳あり物件を売り急いでいるわけではないけど、買主が見つからないのではないか」と不安に感じている人も多いです。
もし売れ残ってしまう心配があるなら、買取保証制度の利用を検討してみましょう。
築古物件を訳あり物件などを専門的に扱う不動産会社であれば、一般的には売却が難しいといわれる不動産でも買取保証制度を利用して売却できるかもしれません。
訳あり物件を扱う当社も買取保証制度を活用できます
数ある買取業者の中でも、訳あり物件のエキスパートが勢揃いした「クランピーリアル・エステート」は訳あり物件でも買取保証制度を採用しております。
また、全国800を超える弁護士・司法書士・税理士などの専門家とネットワークを形成しており、売却トラブルや法的な権利などを解消・調整できます。
専門知識と経験を持ち合わせた専門スタッフも多数在籍しているため「高額査定・スピード買取」が可能です。
売却・買取に関して無料相談もおこなっていますので、疑問や不安がある人などはぜひ以下のリンクからお気軽にご相談ください。
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まとめ
買取保証制度は、まず仲介で売却活動をおこないます。万が一、希望の期日までに売れ残ってしまったとしても不動産会社にそのまま買い取ってもらえます。
そのため、期限が明確に決まっているのであれば買取保証制度を活用するとよいかもしれません。
また、築古物件や訳あり物件などは買主がなかなか見つからないこともあります。このような物件も買取保証制度を活用することで安心して売却できるでしょう。
ただし、買取価格は相場の8~9割ほどになってしまう傾向にあり、不動産会社によっては買取保証制度を採用してもらえないこともあります。
買取保証制度を活用した売却を検討しているのであれば、複数の不動産会社に相談して具体的な売却プランを見積もってもらうとよいでしょう。