再建築不可物件の売却トラブルと解決方法を詳しく解説!

再建不可 売却 トラブル

再建築不可物件は不動産市場での需要が低く、売却価格が相場の5割程度まで安くなってしまうことも珍しくありません。

しかし、少しでも高く売るために再建築不可物件であることを隠して売却すると、売却後に買主から契約不適合責任を問われ損害賠償を請求されるなど、トラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。

再建築不可物件の売却は、専門買取業者に相談するとよいでしょう。専門買取業者なら、再建築不可物件でも「高値での買取」が可能です。

また、再建築不可物件の売買実績豊富な専門買取業者が売買に関する手続きをサポートしてくれるため、売却後に再建築不可物件を巡って買主とトラブルになる恐れもありません。

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再建築不可物件の売却トラブル

売却トラブル
再建築不可物件の売却においては、主に以下のトラブルがあげられます。

  • 売却価格が相場の5~7割まで下がる
  • 買主がなかなか見つからない
  • 契約不適合責任に問われてしまう

次の項目からそれぞれのトラブルを詳しく解説するので、状況に応じた解決方法を検討してみてください。

売却価格が相場の5~7割まで下がる

再建築不可物件は建て替えや増改築ができないため、宅地としての利用が難しくなります。

例えば「築年数が古く家がボロボロになってしまった」「家族構成の変化によって家を大きくしたい」などの理由があっても、建て替えができません。

また、地震や火災などの災害で家を失ってしまった場合も、建物を建て直せないというリスクがあります。

そのため、通常の物件と比べて人気や需要が低く、売却価格は周辺相場の5~7割になるといわれています。

できるだけ高く売りたいのであれば、建築基準法を満たして建て替え可能にするとよいでしょう。具体的には、以下のような方法があります。

  • 隣接地を買い取る
  • セットバックする
  • リフォーム・リノベーションする

再建築不可物件を建て替え可能にする方法は以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

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【解決方法1】隣接地を購入する

再建築不可となる理由のほとんどが「接道義務を満たしていない」というものです。

接道義務とは?
敷地と道路の接続に関するルール。基本的に「敷地が幅員4mの道路に、間口2m以上接すること」が建築の条件となる。

逆にいえば、再建築不可物件のほとんどは接道義務さえ満たせば建築が可能となります。そこで、隣接地を購入して道路との接続を確保し、建築基準を満たすのです。

例えば、敷地と道路の接する間口が1.5mであれば、0.5mの土地を隣接地から購入することで建機基準を満たせます。

再建築が可能になれば、通常の物件として売却できます。

ただし、隣接地所有者が売買取引に応じてくれるとは限りません。売買自体は承諾してもらっても、価格の折り合いがつかない場合もあるでしょう。

売買交渉をスムーズに進めるためには、隣接地の所有者と日頃からコミュニケーションをとり、誠心誠意の対応を心がけることが大切です。

【解決方法2】セットバックする

敷地の間口が2m以上あったとしても、接している道路そのものが幅員4m未満だと、再建築不可になってしまいます。

このようなケースで建築可能にするためには、セットバックをおこなって道路の幅員を4m以上に広げることが必要です。

セットバックとは?
自分の敷地の境界を後退させて、道路の幅を広げる方法。後退してもその部分の所有権に変更はないが、駐車場利用や擁壁などの建造ができない。ただし、税事務所に申請すれば固定資産税が非課税となるケースもある。

敷地に接する道路を幅員4m以上にできれば、建築が可能となり通常の土地として売却できます。

例えば、接している道路の幅員が3mであれば、セットバックによって土地を1m後退させることで幅員を4mにできます。

ただし、セットバックをおこなうときに舗装整備や後退させる土地面積の測量などに費用がかかるので注意しましょう。

セットバックについて詳しい解説は、下記の記事を参考にしてください。

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【解決方法3】リフォーム・リノベーションする

先に解説した解決方法が難しい場合は、リフォームやリノベーションを検討してみましょう。水回りなどの設備を交換したり、壁紙や床を張り替えることで、建物の価値を上げられます。

また、築年数の古い木造住宅だとしても「昔ながらの家」特有の風情を好む人も少なくありません。

そのため、古き良き家の面影を残しながらリフォーム・リノベーションすることで、需要の増加が期待できます。

ただし、増改築だとみなされてしまう規模のリフォーム・リノベーションはできないの注意しましょう。

どの程度のリフォーム・リノベーションが許されているかについては、下記の記事を参考にしてください。

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契約不適合責任に問われてしまう

不動産売却において、物件に瑕疵(欠陥・不具合など)が見つかれば、買主に告知する義務があります。

再建築不可物件のほとんどは建築基準法が施行される前(1950年以前)に建てられたものなので、その大半は築古物件です。

築年数が古く、状態の悪い木造住宅だと、雨漏りやシロアリ被害といった瑕疵が発生しているかもしれません。瑕疵は資産価値の低下に繋がり、売却価格にも悪影響を及ぼします。

高く売りたいからといって瑕疵を故意に隠したまま売却してしまうと、瑕疵に気づいた買主から売買契約を解除されたり、損害賠償を請求されるなどのトラブルに発展しかねません。

瑕疵は自分で見つけられない場合も多いため「住宅診断(ホームインスペクション)」をおこなうとよいでしょう。

契約不適合責任は、2020年の法改正前は「瑕疵担保責任」という制度でした。2つの制度は若干違いもありますが、売主の告知義務など実務的な部分に大きな変更はありません。詳しくは、下記の関連記事も参考にしてください。

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【解決方法】住宅診断(ホームインスペクション)をおこなう

住宅診断をおこなえば、専門家から「住宅の劣化状況」「欠陥の有無」「修繕すべき箇所」など、具体的なアドバイスをもらえます。

売却前に物件の瑕疵を修繕するか、あるいは買主に告知したうえで売却すれば、契約不適合責任に関するトラブルを未然に防げます。

住宅診断にかかる費用は、おおよそ5~10万円です。診断の項目や建物の規模、依頼する会社によって変動するため、事前に見積もりをもらうとよいでしょう。

買主がなかなか見つからない

再建築不可物件は、売却価格を下げても売りにくいのが現実です。

どうしても買主が見つからない場合、以下の方法を検討してみましょう。

  • 隣人に売買交渉を持ちかける
  • 再建築不可物件の専門買取業者に売る

適切な相手に売買をもちかければ、スムーズな売却も実現可能です。

【解決方法1】隣人に売買交渉を持ちかける

一般には資産価値の低い再建築不可物件でも、隣接地の所有者にとっては魅力のある物件かもしれません。

例えば「子供が成長したので大きい家に建て替えたい」「2世帯住宅を建てるために土地を広げたい」などの理由で、隣人が土地の買い増しを検討している可能性もあります。

また、隣人の土地も再建築不可物件であり、土地を購入して再建築不可を解消したいと考えているかもしれません。

このように、お互いのニーズが一致すれば、スムーズに交渉が成立するでしょう。隣人に売却することで、第三者への売却よりも高値で取引できるケースは珍しくありません。

【解決方法2】再建築不可物件の専門買取業者に売る

どうしても買主が見つからないのであれば、再建築不可物件の専門買取業者に売却するとよいでしょう。

再建築不可物件のようないわゆる「訳あり物件」は、不動産市場での需要が低いため、価格が下がりやすいうえに買主が見つかるまで時間がかかります。つまり、一つの物件にかかる手間や時間のわりに見込める利益が少ないため、多くの物件を扱う一般的な仲介業者や大手不動産会社などでは取り扱いを断られるケースもあるのです。

しかし、専門の買取業者であれば、例えば提携しているリフォーム会社へ格安で工事を依頼し、再建築不可物件の資産価値を上げたうえで高く売ることも可能です。このように、再建築不可物件の転売で確実に利益を上げる方法を熟知しているため、確実に物件を買い取ってくれます。

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隣接地との境界トラブル

境界トラブル
再建築不可物件は築年数の古いものが多いため、隣接地との境界が曖昧になっている物件も少なくありません。

隣接地との境界が曖昧なまま売却してしまうと、隣人とトラブルになってしまう恐れがあります。

売却前は、隣接地との境界を確認する必要があります。境界がはっきりしない場合は、境界確定測量をしてから売り出しましょう。

境界が曖昧なまま売却すると隣人とトラブルになる

隣接地との境界が曖昧だと、本来であれば隣人の土地である部分も間違えて売却してしまう事態がありえます。

そうのようなことがあれば、隣人が土地の返還を求めたり、損害賠償を請求するなどのトラブルに発展します。

売主である自分と、買主、隣人の三者で揉めることになり、解決には多大な時間と労力がかかるでしょう。

また、反対に自分の土地の一部が、隣人に使われているケースもあります。そのまま売却すると、本来所有している土地より小さい面積で売ることになり、損失となってしまいます。

【解決方法】境界確定測量をおこなう

境界を確定させるためには、境界確定測量をおこないましょう。境界確定測量は、土地家屋調査士が測量をおこない、隣人立ち会いのもと正確な境界を確定させる手続きです。

確定された境界は登記簿に記載され、公に証明されます。また、現地には境界標を設置し、視覚的にも境界を把握できるようにします。

境界確定測量に必要な費用は、おおよそ30万~80万円です。一般的には3〜4ヶ月ほどかかるので、早めに取り掛かったほうがよいでしょう。

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地震や液状化が起きると、土地の境界がずれてしまう場合があります。 しかし、境界のずれた土地をそのまま売却すると、隣地所有者や買主とトラブルに発展してしまう恐れがあるため注意が必要です。 そのため、土地の境界がずれたら基本的に「境界確定測量」を実施して、新しい境界を確定してから売却することをおすすめします。 とはいえ、土…

私道に関するトラブル

私道トラブル
所有する再建築不可物件が私道にしか面していないケースや、袋地のようにそもそも道路に面していないケースもあります。

もし私道の所有権を有していないのであれば、他人が所有する私道を利用させてもらうことなります。

しかし、私道の利用を巡ってトラブルになることも少なくありません。私道の利用に関する取り決めは、売却前に明確にしておきましょう。

私道の利用権利がないと通行や工事ができない

原則、他人の私道を利用するには、私道所有者の許可が要ります。通行なら「通行地役権」が、インフラ工事などで道路を掘り返すなら「掘削承諾」が必要です。

通行できなければ日常生活に支障がありますし、インフラ工事ができなければ物件の価値も下がります。買主にとって大きなデメリットであり、購入を見送る原因になりかねません。

買主に安心して物件を購入してもらうためには、私道を利用する権利を確保しておく必要があるのです。

ただし、袋地の通行権に関しては、民法によって最低限認められています。

とはいえ、認められるのは最低限の範囲であり、私道所有者にとって損害がもっとも少ない通行方法(徒歩のみで車は通れないなど)に限られます。

民法第210条
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

民法第211条
前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。出典:e-Govポータル「民法第210条、第211条」

【解決方法】売却前に私道の利用権利を確保しておく

売却前に私道の利用権利を確保しておけば、問題なく売却できます。

私道共有者と直接交渉することになりますが、なかなか承諾を得られない場合もあります。そのようなときは、不動産会社や弁護士に相談してみるとよいでしょう。

また、私道の利用権利をもらえたら、後々のトラブルを防ぐためにも承諾書などを作成しましょう。

通行地役権に関しては、登記簿に登記することも可能です。登記すれば、私道の所有者が替わった際も、そのまま地役権を主張できます。

まとめ

再建築不可物件は資産価値が低く、買主もなかなか見つからない物件です。

スムーズに売却するためには、セットバックなどで建て替え可能にするか、リフォーム・リノベーションで資産価値を高める方法が有効です。

また、手間や時間をかけずに再建築不可物件を売却したいなら、専門買取業者に売却するとよいでしょう。

専門の買取業者なら、最短数日での高額買取も可能です。

再建築不可物件のよくある質問

再建築不可物件とは何ですか?

接道義務を守れていないなどの理由で建築基準法を満たしておらず、新しい建物の建築が認められていない土地を再建築不可物件といいます。

再建築不可物件はそのまま売却できますか?

法律上の制限はないので、再建築不可物件であってもそのまま売却できます。ただし、買主が見つかりにくいため、なかなか売れにくいです。再建築不可物件を専門に取り扱う買取業者であれば、スピーディーかつ相場に近い価格で買取してもらえます。→ 【最短12時間の無料査定!】再建築不可物件の専門買取業者はこちら

再建築不可物件の売却価格はどの程度ですか?

再建築不可物件は通常の物件と比べて需要が低いため、売却価格は相場の50~70%まで安くなります。

どうすれば再建築不可物件が建築基準法を満たせますか?

土地をセットバックして、接道義務をクリアするための道路を設ければ、建築基準法を満たすことが可能です。また隣地を買取して、接道義務を満たせば、建築基準法をクリアできます。

再建築不可物件が売れない場合、どうすればよいですか?

建築基準法を満たすために、土地をセットバックしたり隣地を買取すると買主が見つかりやすいです。また専門業者に買取してもらえれば、買主を探す必要がないので早く売却できます。

最終更新日:
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