太陽光発電付きの家を売却したい!手続きや確認するポイントを解説

太陽光発電

エコキュートやIHクッキングヒーターと組み合わせた光熱費の節約や売電目的で、太陽光発電を導入する人が増えています。ずっと住み続ける予定で太陽光発電を設置したものの、転勤などの理由で家を売却することがあります。家を売却するだけなら不動産会社に相談にいくのでしょうが、太陽光発電を設置している家を売却する場合、特別な手続きが必要になるのか気になります。何百万円もの大金をかけて設置した太陽光発電を、引っ越し先に移設したいと考えることもあるでしょう。

この記事では、太陽光発電を設置した家を売却する時に必要な手続きと売却時のポイントについて詳しく解説します。この記事を読めば太陽光発電を設置した家を売却する時に、スムーズに進めることができるでしょう。

太陽光発電を設置した家を売却する時の3つのケース

太陽光発電
太陽光発電を設置した家を売却する時には、「設備を設置したまま売却する」「設備を処分する」「新しい引っ越し先に設備を移設する」の3つのケースがあります。太陽光発電の経過年数によって選択が違うので、それぞれのケースについて確認しましょう。

設備を設置したまま売却する

太陽光発電設備を設置したまま売却する時には、経過年数を意識しましょう。太陽光発電を設置した家を売却するのに最もシンプルな方法は、太陽光発電設備を設置したまま売却することです。太陽光発電設備を設置したままの状態で売却できれば通常の家の売買と同じ手順で売却ができそうですが、太陽光発電を設置した家の売却には特別な手続きが必要になります。

太陽光発電付きの一戸建てはソーラーパネルという付加価値があるので、中古だけどその分高く売れるのか?というと必ずしもそうではありません。太陽光発電を維持するには点検費用・清掃費用・保険料などのメンテナンス費用が必要です。設置してあまり経過していない太陽光発電設備であればメンテナンス費用が発生しないので、購入者側はメリットに感じ売主は高く売却できるでしょう。

しかし設置してかなりの時が経過している場合は、メンテナンス費用が懸念されるので購入者側はデメリットに感じます。購入後は家の維持費用に太陽光発電の維持費用が上乗せされることになるので、太陽光発電があることで売却価格が割安になることがあります。

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設備を処分する

年数が経過してメンテナンス費用が発生する場合は、太陽光発電設備の処分を検討しましょう。家を所有しているだけでも固定資産税などの費用が発生します。維持費用が大変になり売主としては早く家を売却したくても、設置後かなり経過しメンテナンス費用が発生する家の場合はなかなか売れないことがあります。そんな時は、売却するのにマイナス材料になっている太陽光発電の処分が考えられます。

処分費用は、太陽光ソーラーパネルの枚数や設置場所などによって金額は違いますがおよそ20万~30万円です。具体的な金額は業者に査定してもらいましょう。家の固定資産税などの税金が年間15万円、保険料が5万円であれば年間に約20万円の維持費用が必要です。家が売却されなければこの費用が毎年発生し、2年間売れない状況になると太陽光発電の処分費用よりも家の維持費用の方が高くなります。太陽光発電の処分は経過年数や処分費用・家の維持費用を考えて選択し、不動産会社に相談しましょう。また、補助金を受け取っている場合は注意が必要です。

新しい引っ越し先に設備を移設する

太陽光発電を新しい引っ越し先に移設することは可能ですが、あまりオススメはしません。それは年数が経過している場合、新しい場合、どちらもです。オススメしない理由を簡単に説明すると費用がかかり、手続きが面倒だからです。

太陽光発電設備を新しい引っ越し先に移設するには、以下のような費用が発生します。

1.太陽光発電設備の取り外し
2.太陽光設備を引っ越し前の家から引っ越し先の家まで搬送
3.引っ越し前の家の屋根や壁のリフォーム
4.引っ越し先で太陽光発電設備の設置

引っ越し先の距離などにもよりますが、100万円以上の費用が発生するでしょう。住宅用太陽光発電の設置費用は120万~170万円ほどなので、移設費用に比べて金額にそこまで大きな差はありません。引っ越し先にマンションや電柱があるなど、太陽光発電を設置することに適していない物件や立地の場合は移設自体が難しくなります。

太陽光発電の移設は費用が発生するだけでなく、電力会社との再契約が必要になるなど手続きが面倒です。そして忘れてはいけないのが保証です。新しい太陽光発電であればメーカー保証があり安心ですが、移設した場合にはメーカー保証が受けられなくなります。太陽光発電の移設は費用が発生し、保証などがなくなるリスクがあります。

太陽光発電を設置した家を売却する時に必要な手続き

経済産業省
太陽光発電を設置した家を売却するには「経済産業省に変更届出を提出」「電力会社に契約者と振込口座の変更を連絡」「太陽光発電協会(J-PEA)へ財産処分承認申請を提出し承認を受ける」といった手続きが必要になります。手続きを忘れていると将来不都合が発生、購入者とのトラブルになるかもしれません。なかには太陽光発電を処分する前に必要な手続きもあります。

経済産業省に変更届出を提出

太陽光発電の所有者が変更になると名義変更の手続きが必要で、名義変更をしないと将来問題になることがあります。太陽光発電を固定価格買取制度(FIT)で売電している場合、「事業計画認定」といったものを受けています。事業計画認定には「所有者」「設置場所」「設置容量・規模」の3つが明記されています。太陽光発電付きの家を売却することによって、所有者が変更になるので、経済産業省に名義変更の手続きが必要です。

名義変更は購入者(新たな所有者)に申請する義務がありますが、提出する書類に前所有者の印鑑証明などが必要になります。将来太陽光パネルを取り換えるには変更手続きが必要になりますが、名義変更をせずにその時になって名義変更をしようとしても前所有者の印鑑証明などの書類を準備するのは難しくなります。

電力会社に契約者と振込口座の変更を連絡

電力会社に契約者と振込口座の変更を連絡しないと、購入者に売電が入金されません。太陽光発電のオーナーにとって売電収入は大切です。売電は電力会社から入金されますが、購入後に買い手に電力会社から入金されないとトラブルのもとです。

口座変更には時間がかかるので、何月分の振込から口座が変更になるか確認が必要です。タイミングによっては家を売却した後の売電が売主に入金されることになります。売買契約時に売主と購入者の双方で確認し、入金のタイミングがずれるようであるなら不動産会社に売電金額の受け渡し方法を相談しましょう電力会社によっては、経済産業省に名義変更をした書類の提出を求められることがあるので書類をしっかりと保存しておきましょう。電力会社に連絡する時には、太陽光発電の電気料金の明細書を準備しておくといいです。

太陽光発電協会へ財産処分承認申請を提出し承認を受ける

太陽光発電の設置によって公的な補助金を受け取っている場合は、太陽光発電協会(J-PEA)へ財産処分承認申請を提出して承認を受ける必要があります。補助金を受けた場合、「法で定められた耐用年数(法定耐用年数)の17年間は保守・管理する必要があるので処分したら申請をして下さい」ということです。

太陽光発電を売却した場合も該当するので、申請が必要です。この申請は処分する前にやる必要があるので注意してください。また太陽光発電の補助金を都道府県や市区町村から受けている場合は、各自治体によって違うので事前に確認しておくことをオススメします。

売却時のポイント

太陽光発電を設置した家を売却する時には、太陽光発電を設置しているからこそのポイントがあります。それは「購入時に補助金を受け取っているか」「設置年数はいつか」「売電収入の利回り」です。特に設置年数は補助金、売電収入の利回りにも影響してくる内容です。

購入時に補助金を受け取っているか

購入時に補助金を受け取っている場合は、補助金の返還が必要になるかもしれません。

補助金を受けた場合、法定耐用年数(17年)の期間は補助対象システムを保守・管理する必要があり、補助対象としたシステムに関し、その全部または一部を取り外す、または手放すなどの処分する場合は、申請が必要です。この手続きについては、補助金の一部返還を伴います。

参照:J-PEA 財産処分承認申請

上記は太陽光発電協会(J-PEA)の補助金を受けた太陽光発電を処分する場合の案内ですが、最後の方にしっかりと「補助金の一部返還を伴います」と明記されています。これは、補助金を受け取ってすぐに太陽光発電を処分することを禁止するためです。財産処分承認申請書を提出し、財産処分報告書受付後に、J-PEAから「補助金返還請求通知」が郵送されます。通知の発送日から20日間以内に、補助金の一部を返還しなくてはいけません法定耐用年数の17年以内に処分する時は注意が必要です。

設置年数はいつか

太陽光発電は設置年数によって補助金返還の有無と残りの保証期間が決まります。補助金の返還についてはさきほどお伝えしたので省略しますが、補助金を受けて17年以内に処分すると補助金の一部返還があります。

保証期間はメーカーによって違いますが、太陽光発電のメーカー保証は最低でも10年の無料保証がJIS基準で決められています。太陽光発電を設置して10年が経過している場合、メンテナンス費用が発生するかもしれないので、購入者はデメリットに感じるでしょう。

売電収入の利回り

太陽光発電オーナーになる魅力は売電で、購入者は売電によってどのくらい収入があるか・どのくらい得するかを知りたいのです。なので売電収入によっては評価がプラスに働き、売却価格が高くなることもあるでしょう。

太陽光発電投資を検討するには、「利回り」が重要なポイントになってきます。利回りとは投資金額に対して、どれだけリターンがあるかの割合で、言い換えれば太陽光発電の費用に対してどれだけ収益(収入-費用)があるかを見極める指標となります。

利回りを計算するためには年間の収入金額、費用が必要になります。収入金額や費用は、直近の実績があるので具体的な金額を提示することができます。売電収入は季節によってバラツキがあるので、売却する1カ月前だけでなく、1年分を準備しておきましょう。
太陽光発電の費用には、以下のものがあります。

・メンテナンス費用
・固定資産税
・保険料
・定期点検費用
・パワーコンディショナーの電気代

年間の売電収入よりも費用の方が高ければ購入者にとって太陽光発電がデメリット、逆に年間の売電収入よりも費用の方が低ければ購入者にとって太陽光発電がメリットになります。

売電価格が下がるかもしれない2019年問題

売電
太陽光発電の売電価格が2019年に下がるかもしれないと言われています。これは太陽光発電を設置している全ての人が対象ではなく、2009年~2015年に設置し10kW未満の人です。

太陽光発電が徐々に普及し、個人の自宅でもソーラーパネルを設置する人が増えました。これは2009年11月に「太陽光発電で作られた電気であまった分を10年間同じ金額(当時の売電価格は48円/kWhと高かった)で買い取る」といった余剰電力買取制度が始まったためです。余剰電力買取制度が開始して10年が経過するので、固定買取期間が満了する人もでてきます。2019年に固定買取期間が満了する太陽光発電が56万件もあるので「2019年問題」とも言われています。

定価格買取制度はFIT制度とも呼ばれています。ここで気になるのはFIT制度が満了した後の売電価格ではないでしょうか。FIT制度が満了した後の売電について、大手電力会社はFIT制度終了後も太陽光発電の電気を買い取る方針を表明していますが、買取価格はとても安いです。例えば九州電力は7円/kWhと48円/kWhの約1/7です。他の大手電力会社も買取を表明していますが買取価格はあまり変わりません。

FIT制度の対象の人はメーカーに売電や自家消費といった選択肢もうまれます。FIT制度は太陽光発電の家を売却しようとしている売主や家を購入しようとしている購入者にも影響します。FIT制度が満了する場合、売電価格や家の売却金額にも影響してきます。

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まとめ

以上、太陽光発電付きの家を売却する手続きや確認するポイントについて解説してきました。

まとめ
・太陽光発電が新しい場合は、購入者にメリットがあるので設置したまま売却する
・太陽光発電が古い場合は、メンテナンス費用が発生するので処分を検討する
・太陽光発電協会(J-PEA)への財産処分承認申請は事前に行う
・経済産業省、電力会社に変更手続きをする
・設置年数を確認し、補助金の返還や売電価格について確認する

太陽光発電付きの家を売却するには手続きなどに時間や手間がかかります家の売却は大きな金額が動きますし、トラブルを円滑にするためにも不動産会社に相談するようにしましょう

最終更新日:

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