アパート経営で持っておくと有利な8つの資格を丁寧に解説!

宅建

不動産売買を仲介する際は宅地建物取引士、マンション管理を行う際は管理業務主任者、賃貸管理を行う際は賃貸不動産経営管理士などの資格が必要です。

このように、不動産に関する業務を行う際は資格を必要とするケースが多く、アパート経営を検討している人の中には、資格が必要なのか気になっている人も多いのではないでしょうか?

この記事では、アパート経営に資格が必要なのか、持っておくべき資格について解説します。

資格がなくてもアパート経営を始められる

投資
アパート経営を始めるにあたって、何らかの資格が必要になるのか気になっている人もいると思いますが、アパート経営は資格がなくても始めることが可能です。

資格は名称独占と業務独占の2種類に分けられます。名称独占とは、資格を持っている人だけがその名称を使用できる資格です。業務独占とは、資格を持っている人のみ独占的にその業務を行える資格です。例えば、宅地建物取引士は業務独占の国家資格です。売買契約を不動産会社が仲介する際に、重要事項説明と重要事項説明書や契約書の記名・押印は、必ず宅地建物取引士が行わなくてはなりません。宅地建物取引士以外が行った場合には、その行為を行った業者に宅地建物取引業法違反による罰則が科されます。

アパート経営には、このような業務独占の資格は必要ありません。株式投資やFXなどと同じ資産運用の1つなので、資格がない人でも資金があればアパート経営を始められます。

アパート経営で資格を持っておくメリット

資格取得
資格がない人もアパート経営を始めることができますが、余裕がある人は資格を取得した上でアパート経営を始めた方が良いと言えます。その理由は、アパート経営で資格を持つことに、以下の3つのメリットがあるためです。

・不動産全体の知識を身につけられる
・経験を知識で補うことができる
・アパート経営のリスクを軽減できる

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

不動産全体の知識を身につけられる

資格を取得または取得に向けて勉強する中で、自然と不動産の知識が身につきます。不動産の知識が全くない人がアパート経営を始めるのはとてもリスクが高いと言えます。知識があればこれらのリスクを抑えることが可能です。アパート経営を始める際に、アパート経営セミナーに参加するまたは不動産会社に足を運んで物件情報を提供してもらおうとしている人もいると思います。

しかし、セミナーを開催している業者や不動産会社の中には、知識のない素人を相手に詐欺を働くところもあります。「業者や不動産会社が提案してくれたので安心」と思っていても、実際にはなかなか買い手が見つからない売れ残りを押しつけられている可能性があるので注意が必要です。

全ての業者や不動産会社が詐欺を働くというわけではありませんが、知識がないという弱点を狙ってくる可能性があります。資格を有して知識を身につけるまたは資格を持っていることを業者や不動産会社に話せば、騙されるリスクを少しは軽減できるでしょう。

経験を知識で補うことができる

アパート経営の経験がない人でも、知識を身につければ不足分の経験を補うことが可能です。アパート経営の経験がない人は、アパート選びや経営中の判断を誤るリスクが高くなります。

例えば、不動産の経験が全くない人の中には、「規模が大きくて安いのでお得」という感覚でアパートを選んでしまう人もいます。そのようなアパートは需要のあまり期待できない地方の物件で、空室が生じて家賃収入が不安定、築年数が経過していて修繕費が多くかかってしまい赤字経営に陥る可能性が高いので注意が必要です。また、空室が生じている状況で、適切な空室対策を行うことができなかった場合も同様です。アパート経営には多額の初期投資が必要なので、失敗した場合の影響が大きいと言えます。

失敗の経験を次に活かしながら再挑戦するということはほとんど不可能なので、失敗を未然に防ぐためにも、経験の代わりにしっかり知識を身につけましょう

アパート経営のリスクを軽減できる

資格を持つことでこれらのリスクに対応できる知識が身につくため、アパート経営のリスクを軽減できます。アパート経営は、預金や国債のように元本が保証されていません。そのため、アパート経営に失敗した場合は、元本割れで資産を減らす可能性があるので注意が必要です。

アパート経営には、空室リスク、家賃滞納リスク、自然災害リスク、修繕リスクなど数多くのリスクを伴います。空室リスクは空室が生じたことによって家賃収入が得られなくなるリスク、家賃滞納リスクは入居者がいても滞納によって家賃収入が得られなくなるリスクです。これらのリスクは収支に大きな影響を与えるため、収支バランスの悪化による経営の継続が困難になる可能性が高いと言えます。また、自然災害リスクは火災や地震でアパートに影響があった場合多くの修繕費用がかかる、経営の継続が困難になるリスク、修繕リスクは経年劣化が進行した場合に修繕費が多くかかるリスクです。

安定したアパート経営を行うにはリスク管理が必要不可欠であるため、資格を取得して知識を身につけた方が良いと言えるでしょう。

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アパート経営で持っておくべき8つの資格

宅建士
アパート経営を始める際は資格を持っておいた方が良いと言いましたが、資格であれば何でも良いというわけではありません。アパート経営に関係がある資格でなければ意味がないため、以下の8つのいずれかを取得することをおすすめします。

・宅地建物取引士
・管理業務主任者
・マンション管理士
・不動産実務検定
・賃貸不動産経営管理士
・住宅診断士
・ファイナンシャルプランナー
・簿記

それぞれの資格について詳しく見ていきましょう。

宅地建物取引士

宅地建物取引士とは、買い手や売り手から依頼を受けて、不動産売買を仲介する場合に必要な資格です。業務独占資格であることに加えて、不動産会社に一定人数の設置義務があるため、不動産業界で働く人が取得するのが一般的です。そのため、宅地建物取引士を取得した場合、現在不動産業界で働いていない人は転職を視野に入れることもできます。

売買が中心なのでアパート経営に直接関係のある部分はそこまで多くありませんが、不動産に関連する法的知識が身につくため、法的なトラブルを未然に防ぎやすくなります。

ただし、宅地建物取引士の取得は容易ではありません。合格率が16%程度の国家資格なので、資格取得に臨む場合はしっかりと勉強してから挑戦しましょう

管理業務主任者

管理業務主任者とは、マンションの管理組合から依頼を受けて、マンション管理を行う場合に必要な資格です。業務独占であることに加えて、管理会社に一定人数の設置義務があるため、マンション管理業に従事している人が取得するのが一般的です。そのため、宅地建物取引士と同様に、管理業務主任者を取得すれば、現在マンション管理業に従事していない人は転職を視野に入れることもできます。

管理業務主任者はマンション管理に関する知識が中心ですが、建物の維持管理や会計に関する知識も身につくため、アパート経営に必要な知識を幅広く身につけることが可能です。

ただし、管理業務主任者も取得は容易ではありません。合格率が20%程度の国家試験なので、勉強時間をしっかり確保しながら資格取得にチャレンジしましょう

マンション管理士

マンション管理士とは、マンションの管理や維持に関する相談を管理組合から相談された際にコンサルティングを行う専門家です。宅地建物取引士や管理業務主任者は業務独占である一方、マンション管理士は名称独占なのでマンション管理士でなければできないという業務はありません。

マンション管理士は管理業務主任者と同様、マンション管理に関する知識、建物の維持管理や会計に関する知識が身につくほか、入居者トラブルに関する知識も身につきます。そのため、入居者トラブルが生じた場合でもスムーズに対応できるようになります。

マンション管理士は名称独占なので、業務独占の資格と比べて合格率が低いと思っている人も多いかもしれませんが、そのようなことはありません。マンション管理士の合格率は、10%を下回っています。合格率に差はありますが、管理業務主任者とマンション管理士は出題範囲がほとんど同じで、試験日も1週間違いという特徴があります。どちらか合格すれば、翌年以降は5点免除で受けられるため、両方同時に受けるのも選択肢の1つと言えるでしょう。

不動産実務検定

不動産実務検定とは、「一般財団法人日本不動産コミュニティー」が実施している不動産投資専門の資格です。

これまでに紹介した資格は国家資格ですが、不動産実務検定は民間資格です。国家資格とは、知識や技術が一定水準以上あると国が認める資格です。民間資格とは、国家資格とは異なり、知識や技術が一定水準以上にあると民間団体や企業が認める資格を指します。

不動産実務検定は2級と1級に2つに分かれており、2級は賃貸管理運営、1級は不動産投資や土地活用の知識を身につけられます。2級の認定者しか1級を受けられないわけではないため、1級を受けてから後で2級を取ることも可能です。国家試験は試験日が年1回であることがほとんどですが、不動産実務検定の試験日は毎日なので学習状況や都合に合わせやすいのも魅力と言えるでしょう。

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸マンションやアパートといった賃貸住宅の管理に関する専門家です。2020年7月時点で賃貸不動産経営管理士は民間資格ですが、賃貸住宅管理業の登録を行う場合は賃貸不動産経営管理士が行わなければならないということが2016年の法改正で決まりました。そのため、賃貸不動産経営管理士は近いうちに国家資格になると言われています。

賃貸不動産経営管理士は、マンション経営やアパート経営を行う場合に必要な入居者の管理や建物の管理に関する知識が身につきます。

国家資格化に向けて合格率が低くなっている、問題数も40問から50問に増えるといったように問題の難化が目立っているため、早めに挑戦した方が良いと言えるでしょう。

住宅診断士

住宅診断士とは、ホームインスペクターとも呼ばれる住宅の劣化状況や欠陥の有無を判断する専門家です。日本は中古住宅よりも新築住宅の売買が主体なので、住宅診断はあまり普及していませんが、中古住宅の売買が盛んなアメリカでは住宅診断が普及しています。

住宅診断士も民間資格ですが、資格を取得するまたは取得に向けて勉強すれば、屋根や外壁、室内、小屋裏、床下などの目視を行うことによって改修が必要かどうか判断できます。

改修をいつ行うべきなのか、改修にどのくらいの費用がかかるのか分かるため、修繕リスクを抑えることが可能です。「修繕費用の不足で修繕を行えない」「劣化の進行によって資産価値の低下や入居者の退去が相次いだ」などのトラブルを未然に防げるため、取得しておいた方が良いと言えるでしょう。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとは、人生設計や資産運用、相続といった暮らしとお金に関するアドバイスを行う専門家です。「アパート経営とは関係ないのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、不動産の取得や売却に関する法令上の制限、税金、資金繰りなどの知識などが身につきます。

アパート経営を行うにあたって収支計画をうまく立てることができていないにもかかわらず、無理にアパート経営を行った場合は赤字経営に陥るリスクが高くなるので注意が必要です。

ファイナンシャルプランナーは3級、2級、1級の3つに分類されます。実務経験がある人は2級を受けることが可能ですが、実務経験がない人は3級を取得しなければなりません。3級でも十分アパート経営に役立ちますが、アパート経営に活かすためには2級を取得した方が良いと言えるでしょう。

簿記

簿記とは、企業が行う取引を記録・整理する知識を身につけられる資格です。「不動産関連の資格ではないのでアパート経営と関係ないのでは?」と思った人も多いと思います。しかし、アパート経営では簿記の知識が役立つ場面がいくつかあります。

例えば、確定申告です。源泉徴収を行っているサラリーマンの中には、確定申告の必要がない人もいます。しかし、アパート経営を行う人は、原則確定申告を行う必要があります。また、帳簿づけを行う際も役立ちます。事業規模でアパート経営を行う人は帳簿づけが必要なので、決算書や財務諸表の内容をしっかりと理解しなくてはなりません。

確定申告は税理士に任せることも可能ですが、依頼すると報酬が発生するため、無駄な支出が増えてしまいます。また、決算書や財務諸表の内容が分からないと、どんな経営状況にあるか理解できません。簿記の知識を身につければ、確定申告を自分で行えるので無駄な支出を抑えられる、決算書や財務諸表から経営状況を把握しながら的確な対策を行えるようになります。

簿記は3級、2級、1級の3つに分類されていますが、3級でも十分に確定申告や帳簿づけの知識を身につけることが可能です。試験日は年3回とスケジュールも調整しやすいため、安定したアパート経営を行うために一度挑戦してみるのも良いと思います。

まとめ

不動産に関連する業務の中には、専門的な資格を必要とするものも多いため、アパート経営を行う場合も資格が必要なのか気になっている人も多いのではないでしょうか?アパート経営は資産運用の1つで資格がなくても始めることが可能です。

しかし、資格がなくても始めることができますが、資格を持っておくまたは資格取得に向けて勉強した方がリスクを軽減しながらアパート経営を行えます。

資格ごとに身につく知識や難易度が大幅に異なるため、違いを理解してからどの資格にチャレンジするのか決めましょう

最終更新日:
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