
殺傷事件や自殺が起きてしまうと、その物件は心理的瑕疵物件、いわゆる事故物件になってしまいます。事故物件の需要が下がり価格相場が低くなるのは、買主の心理的な抵抗感が原因です。
心理的な抵抗感は、更地にしたり建物を建て替えたりしても消えるわけではありません。
ただし、告知義務が残る期間や、実際にどれくらい価格が下がるかは、個々の事情や条件によって大きく異なります。
そのため、事故物件の売却は訳あリ物件専門の買取業者に相談することをおすすめします。
訳あリ物件専門の買取業者であれば、事故物件でも高額かつ最短数日のスピード買取が可能です。無料査定を利用して、事故物件の具体的な価値や売却に向けたアドバイスを聞いてみましょう。
目次
事故物件の売却時には告知義務がある
殺人事件や自殺の起きた「事故物件」を法律上では「心理的瑕疵物件」といいます。
心理的瑕疵物件では、その物件が抱える心理的瑕疵を買主へ告知しなければなりません。
まずは「心理的瑕疵物件」の定義と、告知しなければならない事項を確認しましょう。
事故物件とは買主への心理的瑕疵のある物件
建物や部屋の中で事件や事故が起きた物件は、宅地建物取引業法において「心理的瑕疵物件」と呼ばれます。
瑕疵とは住宅における欠点や問題などを指す言葉です。
つまり、瑕疵物件とは、なにかしらの欠陥や問題のある物件なのです。
瑕疵は建物の傷や欠陥だけではなく「怖い」「不愉快」など、買主の心理に影響する事項「心理的瑕疵」も含まれます。
事故物件の売主は心理的瑕疵を買主へ告知する義務がある
買主が安心して生活できるように、心理的な不具合を与えるリスクのある心理的瑕疵物件には、宅地建物取引業法上で告知義務が定められています。
告知義務の内容は宅地建物取引業法35条に明記されています。
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC1000000176、e-Govポータル「宅地建物取引業法35条」
なお、宅地建物取引業法35条の13にも以下の記載があります。
当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC1000000176、e-Govポータル「宅地建物取引業法35条の13」
つまり、事故物件の売買時、売主は建物の瑕疵・心理的瑕疵になりうる点を買主へ必ず告知しなければいけません。
心理的瑕疵の適用範囲はケースバイケース
法律上では、通知しなくてはいけない瑕疵の内容は明文化されていません。
物理的瑕疵の場合は「雨漏りがする」「排水が故障している」など、目に見える不具合があるので、明確化されます。
しかし、心理的瑕疵については曖昧で、人によっては「小学校のチャイムがうるさい」と感じる人もいますし、気にならない人もいます。
このように、心理的瑕疵は個人によって解釈が分かれやすいのです。
心理的瑕疵物件の売却時には、心理的瑕疵になりそうな事項をすべて告知しておくのが無難です。
- トラブルによる殺人事件や事故が起きた
- 周辺に暴力団事務所やパチンコ屋などがある
- 物件内で入居者の病死・自然死・火災が発生した
- 霊現象が起きたので入居者の希望でお祓いをした
- 隣人が大声で歌うので夜中うるさい
上記のようなケースは、あらかじめ心理的瑕疵として告知しておいた方がよいでしょう。
買主とトラブルを抱えないためにも、細かい問題まで告知すべきです。
また、あなたが売却を考えている物件が「瑕疵物件かどうかわからない」場合は、不動産に詳しい弁護士に相談してもよいです。
国土交通省のガイドラインにある事項は告知するべき
心理的瑕疵の適用範囲は法律で明文化されておらず、個人差があるため「告知すべきか?しなくてよいか?」の判断基準が難しいです。
なお、国土交通省のガイドラインには、以下の事項を告知すると望ましいとしています。
- 土地関係・・・境界確定の状況、土壌汚染調査等の状況、土壌汚染等の瑕疵の存否又は可能性の有無、過去の所有者と利用状況、周辺の土地の過去及び現在の利用状況
- 建物関係・・・新築時の設計図書等、増改築及び修繕の履歴、石綿の使用の有無の調査の存否、耐震診断の有無、住宅性能評価等の状況、建物の瑕疵の存否又は可能性の有無、過去の所有者と利用状況
- その他・・・従前の所有者から引き継いだ資料、新築・増改築等に関わった建設業者、不動産取得時に関わった不動産流通業者等
義務ではありませんが、これらの事項を買主へ告知しておけば、売却後のトラブルを防げるでしょう。
参照:国土交通省サイト
事故物件を建て替え・更地にしても告知義務はなくならない
事故物件の建て替え実施や、更地にしても、過去の心理的瑕疵になりうる点の告知義務はなくなりません。
建物内で事件が起きた場合は血痕や壁への傷、設備の破損などと物理的に損害が生じているケースも多いです。
そこで、事件や事故があった建物を取り壊して建て替えたり、更地にして売却する人もいます。
事故物件を建て替え・更地にすることで、心理的瑕疵の告知義務もなくなり、早く売れると考えている方も多くいるでしょう。
しかし、実際には建て替えたり、更地にしたとしても、心理的瑕疵物件の告知義務は残り続けるため注意しましょう。
告知義務を怠ると損害賠償請求される恐れがある
じつは宅地建物取引業法には、心理的瑕疵の告知義務への罰則規定が一切記載されていません。
とはいえ、心理的瑕疵の告知義務を破っても、まったく罰則がないわけではありません。心理的瑕疵の告知を怠ると、損害賠償を請求されることもあります。
損害賠償の請求をされてしまうと、損害金の発生や裁判が必要になるため余計な出費が発生するでしょう。
このような問題が起こらないように、建て替え・更地にしていても、重要事項説明では必ず過去の心理的瑕疵を告知するようにしましょう。

告知義務を怠った時は「告知義務違反」として損害賠償の責任を負う
告知義務を怠った時、具体的にはどのような罰則を受けるのでしょうか。
最悪の場合、損害賠償請求され裁判に発展する恐れがあります。
それでは以下の項目から、実例を確認してみましょう。
事故物件の告知義務を怠った裁判の判例
事故物件の告知義務を怠った場合、以下のような判決が最高裁判所で下されています。
告知義務を怠ると売主側の瑕疵担保責任が認められて、損害賠償を支払うことになります。
この判例から見ても、告知義務不履行のリスクは大きいことがわかります。
売主も知らない心理的瑕疵は免責される
自分も心理的瑕疵を知らずに売却した場合、損害賠償請求が認められる可能性は低いです。
その後、買主から「ここは50年前に殺人事件があったので、やはり手放したい。」と瑕疵担保責任を追及されたとします。
10年前の購入時に、自分も心理的瑕疵を告知されていなければ、責任を問われる可能性は低いです。
事故物件の告知を受けていなかった場合、売主が知り得る範囲ではないため、損害賠償は支払わずに済むでしょう。
ただし、売主も心理的瑕疵を知らない事実を証明するのは難しいため、必ずしも責任追及されないとは限りません。
事故物件を建て替えたり更地にしても売却価格は下がる
事故物件を建て替えたり更地にしても、心理的瑕疵に関する重要事項説明において告知の義務があることはお分かりいただけたでしょう。
たとえ建物を建て替えたり、更地にしたりしても、心理的瑕疵を抱えてしまった事実は変わりません。
ですので、事故物件を建て替えたり更地にしても売却価格は下がってしまいます。
「心理的瑕疵物件の活用が難しい」場合や「早期に処分して現金化したい」場合など、実際に売却する際はどのような方法を取ればよいのでしょうか。
また、一般的な相場に比べ、売却価格はどの程度下がるのでしょうか。
次の項目から詳しく見ていきましょう。
事故物件の売却価格は通常より20~50%値下げされる
じつは「事故物件は〇〇円で取引すべき」といった法律やルールはありません。
購入希望者さえいれば、相場価格通りに売却できます。
ただし、過去に事件・事故があった物件の購入を希望する人は多くいません。
そのため、事故物件を売却する時は、相場から20~50%売却価格を下げなければ難しいです。
購入希望者を少しでも多く募るため、価格を値下げする必要があるのです。

事故物件を高く売りたいなら当社にお任せください!
先ほどもお伝えしましたが、事故物件を建て替えたり更地にしても売却価格は下がってしまいます。
しかし、訳あり物件を専門に扱う不動産会社なら、事故物件でも高く売却できる可能性が高いです。
訳あり物件専門の不動産会社は、事件・事故が発生してしまった物件でも、上手に利用するノウハウを所有しているからです。
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弁護士など、多くの専門家とのネットワークを活かして、事故物件であっても高く買取できます。
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まとめ
事故物件の1つである心理的瑕疵物件を売却する場合、売主から買主へ心理的瑕疵を告知する義務があります。
心理的瑕疵の告知は宅地建物取引業法で義務化されているため、告知せず売却すると多額の損害賠償を負う恐れもあります。
建て替えても、更地にしても、事故物件の心理的瑕疵は必ず買主へ告知しましょう。
なお、事故物件を高く売りたいなら「訳あり不動産専門の買取業者」に依頼することをおすすめします。建て替え実施や更地にするか迷っている場合でも、まずは相談してみるとよいでしょう。
事故物件を建て替え・更地にする際によくある質問
買主が売主に対して「その物件の状態・欠陥を説明する」義務のことです。売買契約時には、必ずおこなわれます。
告知義務を怠った時は「告知義務違反」として損害賠償の責任を負います。過去の判例では2,500万円の支払いが買主に命じられたこともあるため、事故物件であることを隠してはいけません。
事故物件を建て替え・更地にしても告知義務はなくなりません。事故物件となってしまった原因に、心理的瑕疵な瑕疵・欠陥があると考えられるためです。
事故物件を建て替えたり更地にしても売却価格は下がってしまいます。建物を建て替えたり、更地にしたりしても、心理的瑕疵を抱えてしまった事実は変わらないからです。
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