リースバックとは?利用すべきケースやメリット・デメリットもわかりやすく解説します

「ローンや借金の返済に追われて、持ち家の売却を検討せざるを得ない」といった悩みを抱えている方もいるかと思います。

そのような方におすすめしたい「リースバック」という制度があります。

リースバックとは、持ち家を売却して売却料金を受け取った後も、持ち家に住み続けられる制度です。

この記事では、リースバックの基礎知識やメリット・デメリット、リースバックの効果的な利用の仕方などをわかりやすく説明します。

要点をおさえて、ぜひリースバックの利用を検討してみてください。

目次

リースバックとは住んでいる家を売却した後に賃貸としてそのまま住む制度のこと

リースバックとは「セール・アンド・リースバック」の略語です。

一度持ち家を売却してそのまま、その家に賃貸として住み続ける制度をリースバックといいます。

持ち家を売却するので所有権を手放すことになりますが売却後も自宅に住み続けられ、まとまった金額を手にできます。

そのため、自宅に対する権利は所有権から賃借権に変わります。

また、戸建てだけではなく、マンションの所有権でもリースバックの利用はできます。

リースバックと似た制度にリバースモーゲージというものがある

住宅を活用して資金を得る方法の一つに「リバースモーゲージ」という制度があります。

リバースモーゲージは、持ち家を担保に金融機関からお金を借りる制度です。

また、リバースモーゲージは家の売却をしないため、家の所有権を失わずにまとまった金額を手にできます。

しかし、リバースモーゲージは低収入の高齢者向けに用意された制度なので、収入が多かったり、55歳未満だと融資をうけられない場合がほとんどです。

リースバックとリバースモーゲージとの違いは不動産を売却するかしないか

リースバックは家を一度売却する制度ですが、リバースモーゲージは家を担保にして銀行から融資を受ける制度です。

家を売却するリースバックは調達した資金を自由に利用できますが、リバースモーゲージは金融機関から借金をする制度なので、資金用途が限られることが多いです。

また、リバースモーゲージは不動産のローン返済が残っていると、融資を受けられない場合が多いですが、リースバックはそのような状況でも資金の用意が簡単にできます。

リースバックとリバースモーゲージの違いを詳しくまとめると、下表のようになります。

リースバックとリバースモーゲージの違い
リースバック リバースモーゲージ
対象物件 戸建て・マンションどちらも可 戸建てが多い
対象物件に対する権利 賃借権 所有権
収入 制限なし 制限あり
年齢制限 なし およそ55歳から
資金用途 自由 制限されることがある
住宅ローン残債 利用可 多くの場合利用不可

非常に似ている制度ではありますが、どちらもメリット・デメリットがあるので、特徴を理解して自分が損しない制度を選択することが重要です。

リースバックを利用するメリットは5つ

リースバックには通常の不動産売却にないメリットが多くあります。

次の項目では様々なメリットについて具体的に説明していきます。

売却しても自宅に住み続けられる

リースバックの最大のメリットは自宅に住み続けながら家を売却し、まとまった資金を取得できることです。

持ち家から賃貸契約に変わってしまいますが、家はそのままの状態でリースバックの契約を結べます。

リースバックで持ち家を売却したとしても、引っ越しなどをする必要なく今までと変わらない暮らしを続けられるでしょう。

短期間で一度に資金を入手できる

通常の不動産を売却するときは、多くの場合が仲介業者に依頼することになります。

この場合、仲介業者が買い手をみつけるまで不動産を現金化できず、素早く資金を調達したいときに不便です。

しかし、リースバックだと不動産会社が直接買い手になるため、通常の不動産売却よりも素早く売却資金を得られます。

一度売却しても家を買い戻すことが可能

リースバックの契約時に「再売買の予約」をすると、一度売却した持ち家でも購入資金がたまれば再度購入ができます。

再売買の予約とは、一度売却した不動産等を買い戻すための予約のことです。

また、予約上の権利を仮登記しておけば、第三者へ対抗できます。

一時的にまとまった資金が必要な場合や、ローン返済のために一度売却してしまっても、家庭の経済に余裕ができたタイミングで買い戻しできます。

リースバックは人生の再スタートの起点になることでしょう。

参照::e-Govポータル「民法第556条」

ご近所や町内会に知られずに売却できる

通常の不動産売却だとインターネットやチラシなどで、持ち家が売りに出されたことを公開して買い手を募集します。

ですので、ご近所に持ち家の売却を考えていることが広く知れ渡ってしまいます。

一方で、リースバックは買い手としか売買のやり取りをしないので、持ち家の売却を考えていることが公開されません。

リースバックを利用すると、ご近所に内緒で家を売却できます。

物件の所有権を手放すため固定資産税などを納める必要がない

固定資産税は不動産の所有者に対して課せられる税金です。

リースバックをすると、不動産の所有権を手放すので固定資産税が課せられません。

不動産の所有権を買い取った不動産会社に納税義務が課せられます。

また、都市計画税や修繕維持費も物件の所有者が支払う必要があるので、それらの費用を支払う必要もなくなります。

リースバックを利用するデメリットは3つ

リースバックは家の売却を考えている人にとって大変、便利な制度ですが残念ながらデメリットも含まれています。

次の項目から、リースバックの利用で発生するデメリットを解説していきます。

売却価格が相場よりも安くなる

リースバックで持ち家を売却するときは、通常の不動産売却の相場価格よりも安くなる傾向にあります。

リースバックを利用した売却の相場価格は、「対象不動産の相場価格の60~90%」で取引されることがほとんどです。

不動産会社は、買い取り価格を抑えて家賃による収益を多く得ようとするため、相場価格よりも安くなってしまいます。

家賃が相場よりも高くなる

リースバックを利用して賃貸契約を結ぶ場合、通常の家賃相場とは異なった方法で賃料が決められます。

リースバックの一年間の家賃料は「買取価格の10%程度」とされています。

例えば、賃料が買取価格の10%だったとして、自宅の売却価格が1,200万円だった場合、一年間の家賃料は120万円となり、月々10万円の支払いが必要です。

周辺不動産の相場価格や立地などは一切考慮されずに家賃が決定されます。

このことから、リースバックの家賃は同程度の不動産の家賃よりも高くなるといわれています。

家賃を下げようとすると、売却価格もともに下がってしまうので注意が必要です。

契約によって住み続けられる期間が変わる

不動産を借りるときの契約形態には「普通賃貸借契約」と「定期賃貸借契約」があります。

普通賃貸借契約は、自動的に契約が更新される一般的な賃貸借契約ですが、定期賃貸借契約は、契約期間が満了すると契約は終了し原則、更新はできません。

リースバックでは、2年以内の定期賃貸借契約が結ばれることが多いです。

もしも、定期賃貸借契約を結んだ場合定められた契約期間が満了してしまうと、リースバックした不動産であっても住む権利がなくなってしまう場合もあります。

リースバックを利用すべきケースとその一例

この項目では、リースバックを利用した方がよいケースを紹介していきます。

自分の状況に当てはめて、リースバックを利用するべきなのか一度考えてみてください。

借金やローンの返済をしたい

借金やローンの返済が滞ると、持ち家を任意売却や競売で売却しなくてはいけません。

任意売却や競売をしてしまうと、自宅を完全に手放すことになってしまいます。

そこで、リースバックを利用すると月々の家賃は必要ですが、売却料金が手に入った上で住み慣れた家に居住し続けられます。

また、リースバックだと家庭の経済が安定すれば、一度売却した家でも買い戻しが可能です。

短期間でまとまったお金が必要

事業資金や子供の教育費などが急に必要になったときもリースバックは有効です。

リースバックは不動産会社と直接の手続きをして売却するので、通常の不動産を売却するときよりも短い期間で不動産を現金化できます。

また、リースバックで得た資金の用途は限られておらず、自由に扱えるため事業資金や教育費にあてられます。

新居に住み替えたいが費用が足りない

リースバックは家に住み続けながら、売却資金を手に出来る方法です。

新居の購入を検討している場合、リースバックで得た売却料金を引っ越しの費用にあてることもできます。

また、リースバックした住んでいる家から、新居へそのまま引っ越しが可能なので、住み替えの際の一時的な仮住まいをみつける必要もありません。

相談される予定のない不動産の売却

リースバックをして不動産の所有権を売却することで、相続のトラブルを無くせます。

不動産を相続するためには様々な手続きが必要になりますが、生前に不動産の所有権を手放すと、面倒な手続きを大幅に減らせます。

また、不動産を現金化すると相続のときに不動産が共有状態にならず、相続時のトラブルを回避できます。

売却して手に入れた資金は老後のための資金にしてもよいでしょう。

リースバックを効果的に利用するためにすべきこと

この項目では、リースバックによるトラブルを減らすためにすべきことを紹介します。

リースバックはとても便利な制度なので、メリット・デメリットを理解をし効果的に利用しましょう。

契約書を確認し契約期間と契約形態を確認する

先程の項目でも説明しましたが、賃貸の契約形態には「普通賃貸借契約」と「定期賃貸借契約」があります。

リースバックの契約時に、賃貸として持ち家に長く住み続けたい場合は契約書をよく読み

  • 普通賃貸借契約と定期賃貸借契約どちらか
  • 契約期間は何年か

の2点を確認しましょう。

不動産を長期間、賃貸として利用したい場合は契約の確認が非常に重要です。

もしも、契約の確認をした上で変更をしたい場合は、不動産会社に相談・交渉してみてください。

家の売却価格と賃料を不動産会社ごとに比較する

リースバックで家を売却するとき、もちろん売却価格は高い方がよいでしょう。

しかし、売却価格が高いほど月々の家賃料も高くなるのがリースバックの特徴です。

売却価格と賃料の両方を比較して最も利益がでる売却先を選ぶべきでしょう。

買い戻しを希望する場合、買い戻し価格・期間を明確にする

リースバックの利用を検討している人の中には、将来的に不動産を買い戻したいと考えている方も多いと思います。

その場合、再売買の予約をしましょう。

再売買の予約をすると、不動産会社と相談して「買い戻し価格」と「買い戻し可能な期間」を明確にできます。

これらを明確にしておけば、不動産を買い戻すときに発生するトラブルを防げます。

リースバックの契約の流れは大きく分けて4つ

リースバックの相談・申込などの流れはとてもシンプルです。

金融機関などの申込と比べても、スムーズに契約を締結できるでしょう。

リースバックの流れは大きく分けて4つあります。

  1. 1.物件の査定依頼及び現地査定
  2. 2.買い手による条件の提示
  3. 3.リースバック契約の締結
  4. 4.代金の決済及び不動産所有者の変更

次の項目から具体的な流れを説明していきます。

1.物件の査定依頼及び現地査定

リースバックの利用を考えたら、インターネットや電話で不動産会社に物件のリースバックを考えていることを伝え、査定依頼しましょう。

インターネットや電話で何回かやり取りした後に、具体的な金額を提示するため物件の現地査定をおこないます。

ほとんどの場合、物件の現地査定は一時間ほどで終了します。

不動産会社によって売却価格や賃料などの売却条件が変わるので、一番よい条件の会社と契約できるように複数の不動産会社に査定を依頼し、比較しましょう。

2.買い手による条件の提示

現地査定の結果や、市場価格を基に売却金額や賃料、リースバック契約期間などを不動産会社から提示されます。

前の項目でも説明しましたが、不動産会社によって売却条件が大きく変わる可能性があります。

ですので、複数の不動産会社に査定依頼した場合、自分にあった条件を提示する不動産会社を選びましょう。

3.リースバック契約の締結

不動産会社が提示した売却金額や売却条件で納得したら契約を結びます。

この際に、「普通賃貸借契約」と「定期賃貸借契約」のどちらで契約が結ばれるか、改めて確認してください。

もしも「定期賃貸借契約」であった場合長期的に住みたいとお考えでも、法律によって期間満了と同時に不動産から退却しなければならない可能性があります。

契約書をよく読んで、少しでも不明点や納得のいかない点があれば不動産会社に相談するべきでしょう。

4.代金の決済及び不動産所有者の変更

契約の締結が終了したら、決済をおこないリースバックが完了します。

売却金額はこのタイミングで受け取り可能です。

住宅ローンが残っている場合は、その売却金額からローンを返済し賃貸契約がスタートします。

合わせて、所有権移転の手続きをおこないます。

この手続きには登記識別情報や印鑑証明書など、書類の用意が必要な場合もあるので不明点があれば、契約を結んだ不動産会社と確認してみてください。

リースバックを利用した売却は信用できるプロに査定依頼しよう

借金の返済や医療費などで、すぐにまとまった資金が必要なとき、住み慣れた家を手放す決断を迫られることがあるかもしれません。

そこで、この記事で解説したリースバックを検討してみてください。

リースバックを利用すれば自宅を手放すことなく、まとまった資金を用意できるので金銭の問題を解決できるでしょう。

もしも、リースバックの利用を検討する場合はいくつかの不動産会社に査定依頼し、その中から条件のよい不動産会社を選ぶとよいでしょう。

最終更新日:
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