相続した事故物件の相続税と相続放棄や早く売却する2つのコツを解説

事故物件

両親などから相続をした不動産が「事故物件」だったということを、相続税を支払った後に気付くというケースは少なくありません。

ただ、自身が相続をした不動産が事故物件であった場合、

「相続税は一般的なものと同額支払わなくてはいけないのか?」
「相続をしてしまったけど放棄することもできたのか?」
「事故物件を相続したけど使い道がないので売却したい」

上記のような事情から、様々な悩みや疑問が生まれてくるのではないでしょうか。

そこで今回は、事故物件の相続について解説をします。

事故物件を相続した時の相続税はもちろんのこと、相続放棄をしてしまったらどうなるのか、売却するためのコツなどを幅広くご紹介していきますので、ぜひ今後の参考にしてみてください。

相続した事故物件の相続税について

相続税

まず、大前提として「事故物件」とは一体どんなものなのかをご説明します。

「事故物件」とは、心理的瑕疵のある物件のことを指しています。

「心理的瑕疵のある物件」とは、販売や賃貸募集をしている不動産で過去に人が死亡するなどの事件(殺人など)や事故(自殺や自然死、孤独死など)が起こり、心理的に抵抗を感じてしまうような物件のこと

つまり事故物件とは、不動産の契約を完了する前に知っていたならば契約をしていなかったかもしれないという「心理的な瑕疵」が存在している不動産のことです。

ただ、心理的な瑕疵というものに法律的な定義が存在しないため、あくまで所有者の判断に任せられています。

また、仮に心理的な瑕疵が存在する事故物件だと判断した場合、売主である所有者から買主である購入希望者へ事故物件だという情報を伝える告知義務があります。

ちなみに、雨漏りやシロアリ被害などは心理的な瑕疵ではなく、物理的な瑕疵として扱われるので覚えておきましょう。

ここからは、そんな事故物件を相続した時に発生する「相続税」について解説をしていきます。

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事故物件でも通常のように相続税が発生する

まず最初に結論からいうと、事故物件のような特殊な不動産であっても相続税は通常どおり発生します。

そもそも、相続税とは一体どんなものかというと、

相続税は、相続や遺贈によって取得した財産及び相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合にその超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。

出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

上記のようなものになります。

つまり、特殊な不動産である事故物件でも財産に変わりないので、一般的な不動産と同様に相続税が発生するということです。

「相続税還付」で払い過ぎた相続税が戻ってくる

両親などから相続をした不動産の相続税を支払った後、自身が所有しているものが「事故物件」だと気付くパターンは少なくありません。

先程もご説明しましたが、事故物件というのは過去に事件や事故があった心理的な瑕疵が存在する物件のことです。

この心理的な瑕疵が存在する事故物件ですが、ほとんどの人がそれらの理由に抵抗を感じてしまいます。

上記のことから、マイナスなイメージが強い事故物件は人気がなく、一般的な不動産と比べると資産価値が低いだけでなく、それに比例して支払うべき税金(相続税含む)も下がっていきます。

そのため、一般的な不動産と同じように相続税を支払ってしまった場合、申請を行えば現地調査や書類作成、税務署の検討などの期間を経て差額分が戻ってくるという可能性が高いので、必ず一度確認をしてみましょう。

事故物件の責任回避のために相続放棄した場合はどうなるのか?

所有者が遺した遺産を次の世代に受け継いでもらうことを「相続」といいます。

この相続の対象となっているものには、

  • 金銭(預貯金も含む)
  • 不動産
  • 投資信託
  • 貴金属
  • 骨董品

上記のようなものが挙げられます。

ただし、相続の対象となっているのはそれらのプラスの遺産だけではないという注意点があります。

上記のようなプラスの遺産だけでなく、故人の借金などの負債(マイナスの遺産)も同時に相続の対象となってしまいます。

また、それに加えて故人が生前に契約をしていた権利関係も全て相続の対象とされています。

例えば、とある賃貸物件(アパートやマンションなど)の部屋で自殺をして亡くなってしまった入居者がいるとします。

自殺をしてしまった故人の遺産は親族が相続をするということであれば、上記で解説した遺産を全て相続することができます。

もちろん、プラスの遺産だけでなくマイナスの遺産である借金などの負債や各種権利関係も含めてです。

そのため、賃貸物件の権利関係も全て相続人に移動することになるのですが、賃貸契約の内容次第では原状回復に必要な費用はもちろん、賃借人が家賃滞納者だった場合だとそれらの費用や、事故物件となってしまった被害に対しての損害賠償金を支払わなくてはいけない可能性も十分にあります。

故人にプラスの遺産が大量に残っているのであれば問題はありませんが、仮にプラスの遺産が一切ないという場合、借金などの負債や先程ご説明した原状回復に必要な費用や損害賠償などのマイナス要素だけが残ってしまいます。

そうなると、相続人の生活自体が危うくなってしまうのですが、まだ「相続放棄」という選択肢も残されています。

「相続放棄」とは、相続人が故人の権利や義務などを一切受け継がないというものです。

相続を放棄するためには、自分が相続人となることを知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所で「相続放棄申述書」や住民票、戸籍謄本などを準備して、相続登記申述受理通知を受ける必要があります。

また、上記の期間内に申請を行わない場合、自動的に相続人として相続がされたという扱いになりますので注意が必要です。

つまり、故人が有していた遺産を一切受け継がない代わりに、借金などの負債や権利関係等にも関与しなくて済むという方法になります。

相続放棄をすることで、上記でご説明をした責任関係から逃れられることが可能です。

しかし、それらのしわ寄せは全て賃貸物件のオーナーである大家さんに流れてしまいます。

以上の例のように、事故物件の責任回避のために相続放棄という方法を選択することによって、負債などのマイナスな遺産や各種契約に関与しなくて済むというメリットがあります。

ただ、プラスの遺産も受け継ぐことができず、賃貸物件だった場合にはオーナーである大家さんに全てのしわ寄せがいってしまうというデメリットも存在するので覚えておきましょう。

売却しにくい事故物件をできるだけ早く売る2つのコツ

早く売るコツ

ここまで、事故物件の相続についてご説明をしてきました。

ただ、これまで記事を読み進めてきて、自分には事故物件の利用価値がないと感じたため売却したいと考えている方も少なくないはずです。

しかし、世間一般では事故物件に対するイメージがマイナスなものしかないと思うので、ちゃんと売ることができるのだろうかと不安になってしまうのではないでしょうか。

そこ、ここでは売却をしにくい事故物件をできるだけ早く売る2つのコツについてご紹介します。

必ず原状回復を行っておく

事故物件をできるだけ早く売る1つ目のコツは、必ず原状回復を行っておくということです。

事故物件は事件や事故の影響で壁や床などの内装が汚れたり、破損をしてしまっているケースが多くあります。

上記のような状態のままでは売却することは難しいです。

そのため、事故物件を売却したいのであれば、まずは事故物件としての痕跡を綺麗に消す必要があります。

そのため、リフォームやリノベーションするのですが、この作業を丁寧に行うことで事故物件でも一般的な不動産に近い状態と判断がされ、不動産の需要も高まるということです。

したがって、事故物件はリフォームやリノベーションを行って、一般的な不動産のように原状回復をさせることが早く売るためのコツだといえます。

事故物件は仲介ではなく「買取」で売却する

事故物件をできるだけ早く売る2つ目のコツは、仲介ではなく「買取」で売却をするということです。

そもそも、不動産の売却方法は「仲介」と「買取」という2つがあります。

  1. 不動産売却「仲介」・・・不動産会社が仲介業者として購入希望者を探す方法
  2. 不動産売却「買取」・・・不動産会社が直接物件の購入者となる方法

上記がそれぞれの違いとなります。

不動産売却を「仲介」で依頼する場合、不動産会社が売主(依頼者)の代わりに購入希望者である買い手を探すこととなります。

しかし、事件や事故が起こった場所というマイナスな印象が強い事故物件は、契約どころか購入希望者すら現れない可能性もあります。

一方、不動産売却を「買取」で依頼する場合、不動産会社または不動産業者が直接物件の購入者となります。

不動産会社(または業者)が購入をするということで、仲介の時のように購入希望者を探す手間も省け、スムーズにトラブルもなく売却をすることができます。

そのため、不動産会社(または業者)が直接の購入者となる「買取」という方法を選ぶことも、事故物件をできるだけ早く売るコツだといえます。

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相続した事故物件を売却するまでの手順

売却手順

先ほどは、事故物件を「買取」という方法で売却するのが良いとご説明しました。

ここからは、事故物件を買取で売却するまでの手順についてご紹介していきます。

①買取を依頼する業者を探す

最初は事故物件の売却先である買取業者を探すことから始まります。

自宅の近所にある不動産会社へ相談をしてみたり、不動産一括査定サイトなどを利用して自身にピッタリの業者を選びましょう。

「不動産一括査定サイト」とは、自身が売却を検討している不動産の情報をWEB上に入力するだけで、複数社の買取査定を行ってくれるものです。

自身で不動産会社に連絡をして1社ずつ査定依頼をするのに比べると、大幅な時間の短縮が可能となるだけでなく、どこの業者が一番高く買い取ってくれるのかということを一目で確認することができます。

ただ、不動産一括査定サイトの買取査定額はあくまで目安ということで、実際の査定額ではないことを予め理解しておきましょう。

②不動産の買取査定を依頼する

事故物件の買取を依頼する業者を決定したら、実際に不動産会社または業者に買取査定を依頼しましょう。

不動産の査定は、不動産そのものの条件や状態(築年数や間取りなど)はもちろんのこと、建物周辺の近隣環境や事故物件となってしまった要因などを考慮して決定されることとなります。

③不動産の買取価格や売却スケジュールの決定

不動産の査定額に問題がないのであれば、売主(依頼者)と買主(不動産会社または買取業者)双方の同意の上、買取価格が決定します。

また、仲介ではなく買取という方法は、不動産会社(または買取業者)が直接の買主となりますので、価格交渉なども発生する心配がなくスムーズに進みます。

この不動産買取価格を決定するタイミングで、物件の引き渡し条件や日程調整も行います。

④不動産売買契約の締結

最後に不動産の売買に関する契約「不動産売買契約」を結びます。

不動産の売買契約に関する書類(不動産売買契約書など)にサインや押印をすると契約の手続きが完了します。

不動産売買契約が締結すると、契約書に記載された期日に買取金額が入金され契約が締結されます。

以上が不動産の売却を「買取」で依頼した際の流れです。

当社は事故物件の買取に自信があります

当社、株式会社クランピーリアルエステートでは事故物件の買い取りを積極的におこなっています。

事故があった物件の資産価値を大幅に上げるノウハウや実績が多数あるため、不動産として評価額が低くなりがちな事故物件でも、ご依頼を頂ければ直ちに買い取りすることが可能です。

事故物件に詳しいエキスパートが常に在籍しているので、事故物件の売却をご検討中の方や、まずは物件のお値段を知りたいという方はお気軽にご相談ください。

相続した事故物件の売却にかかる税金や諸経費

ここまで、事故物件の相続に関することを幅広くご紹介してきました。

次は、実際に事故物件を売却するのに必要な税金や経費について解説していきます。

事故物件を売却したときの所得税は不動産所有年数で変化する

最初に結論からいうと、事故物件という特殊な不動産の売却でも通常どおりの税金が発生します。

また、事故物件に限らず不動産売却後の所得税は、不動産の所有年数で2つに分けられます。

区分 所得税率 住民税率
短期譲渡所得(所得5年以下) 所得税率30% 住民税率9%
長期譲渡所得(所得5年超) 所得税率15% 住民税率5%

「譲渡所得」とは、資産(土地や家屋など)を譲渡することで得る収入のことです。

上記の表のように、事故物件を所有して5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年超の場合は「長期譲渡所得」となり、支払う税率も変化することとなります。

ただ、これは前の所有者の所得年数もそのまま引き継ぐことになります。

そのため、前の不動産所有者と合わせて5年超所有してから売却する方が節税に繋がるということです。

また、こちらの所得税の申請を行うことで、「住民税」の申請も済ませたという扱いになりますので、住民税だけを単体で計算して申請する必要もありません。

不動産の売却に掛かる諸経費

最後に事故物件に限らず、不動産を売却した際に必要となる諸経費について解説します。

仲介手数料

不動産の売却を「買取」で依頼するのではなく「仲介」で依頼した場合には、仲介手数料が必要となります。

また、仲介手数料は「宅地建物取引業法」で定められており、

  • 200万円以下で売買された物件だと取引額の5%以内
  • 200万円超〜400万円以下で売買された物件だと取引額の4%以内
  • 400万円を超えて売買された物件だと取引額の3%以内

上記のようになっています。

印紙代

先程もご紹介した「不動産売買契約書」に記載されている金額に応じて印紙が必要となります。

売却金額 印紙代
50万円以下 200円
50万円超〜100万円以下 500円
100万円超〜500万円以下 1,000円
500万円超〜1,000万円以下 5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下 10,000円
5,000万円超〜1億円以下 30,000円
1億円超〜5億円以下 60,000円
5億円超〜10億円以下 160,000円
10億円超〜50億円以下 320,000円
50億円超〜 480,000円

上記のように、不動産の売却金額に応じて適切なものを選びましょう。

以上が諸経費となります。

まとめ

事故物件のような特殊な不動産でも通常どおり相続税が発生します。

ただ、一般的な不動産に比べるとマイナスなイメージのある事故物件は資産価値も低く、それに比例をするように支払うべき税金も下がっていきます。

そのため、通常の不動産と同様の金額を支払ってしまう方も多いのですが、「相続税還付」という制度を利用することで、支払い過ぎた税金が手元に返ってきますので、心当たりのある方は申請しましょう。

ちなみに、事故物件のような特殊な不動産を相続する場合、プラスの遺産(金銭や不動産、投資信託など)以外にも、マイナスの遺産(借金などの負債)も相続することが多いです。

そういった場合は、「相続放棄」という方法も選択肢としてあります。

ただし、相続放棄をする場合、そのしわ寄せが必ず第三者にいってしまうということも覚えておきましょう。

また、相続した事故物件を売却したいと考えた場合、

  • 原状回復を行っておく
  • 仲介ではなく「買取」で売却する

上記の2つのポイントを押さえることで、早く売却することができる可能性があります。

もし、事故物件を相続することになってしまったら、今回の記事の情報だけでなく、不動産会社や業者などの専門家に相談をしてみることをおすすめします。

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