自宅を賃貸に出すには?メリット・デメリットや売却との違いも解説

自宅 賃貸

「自宅を賃貸に出すか?売却するべきか?」で悩んだ場合、将来的に自宅へ戻る予定がある人は賃貸物件にする方法がおすすめです。

賃貸物件として貸し出せば、自宅を手放さずに家賃収入が得られる上、入居者に維持管理を任せられるので、空き家にするよりも劣化が防げるメリットもあります。

しかし、賃貸借契約の種類を誤ると自宅に戻れなくなったり、借入先に報告しないと住宅ローンの一括返済を求められたりするなど、自宅を賃貸に出す際はさまざまな点に注意が必要です。

この記事では、自宅を賃貸に出すメリットやデメリット、かかる費用などを解説します。

自宅を貸し出す際の注意点や具体的な流れもわかるので、リスクを抑えて賃貸経営を始めたい人はぜひ参考にしてみてください。

>>【家賃収入をシミュレーションしよう】不動産投資会社の一括比較はこちら!

自宅を賃貸に出すメリット

自宅を賃貸に出すと、以下のメリットが得られます。

自宅を賃貸に出せば、家賃収入が得られるので、家を所有している上で避けられない税金や住宅ローン返済といった金銭的負担を軽減できる可能性が高いです。

また、家の維持管理も入居者に任せられるので一石二鳥です。

この項目では、自宅を賃貸に出すメリットを解説します。

家賃収入を得られる

自宅を賃貸に出す最大のメリットは、家賃収入を得られる点です。

入居者がいる限り継続的に収入が入ってくるメリットは大きいです。

ただし、自宅を賃貸に出すと住宅ローン控除が受けられなくなり、所得税や住民税が年間最大35万円増えてしまうデメリットもあるため注意しましょう。

そのため、自宅を賃貸に出す際は、家賃収入を得られるメリットと税金が増えるデメリットを比較・検討する必要があります。

とはいえ、年間の家賃収入が35万円を下回るケースは少ないので、基本的には自宅を賃貸に出すことで家賃収入を得られるメリットのほうが大きいです。

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参照:国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ」

自宅を手放さなくてよくなる

自宅を売る場合と異なり、賃貸に出せば家を手放さなくて済む点がメリットです。

自宅を賃貸に出せば、家賃収入で税金やローン返済などを相殺できる可能性が高いので、維持コストのせいで自宅を手放す必要がなくなります。

定期借家契約なら契約満了時に家を明け渡してもらえるので、自宅を手放すことなく将来的に自分で利用することが可能です。

まとまったお金が必要な場合は家を売る必要がありますが、使わない家の税金で困っている場合は自宅を手放さず、賃貸に出して家賃収入で相殺する方法がよいでしょう。

室内の維持管理を任せられる

自宅を賃貸に出せば、物件の換気や清掃といった維持管理を入居者に任せられます。

室内の換気や配管への通水、設備の使用や定期的な清掃といった維持管理を実施してくれるので、自宅の経年劣化を防げます。

人が住むことでも家は傷みますが、換気や清掃がおこなわれないとカビや害虫などが発生するため、空き家は人の住んでいる家より劣化が早いです。

また、自宅を空き家のまま放置すると、空き巣や不法投棄、放火や不法占拠といった犯罪の被害を受けるリスクも高まります。

賃貸物件に入居者が住んでいれば、何かあった際に警察へ通報してくれるので、犯罪が発生しにくく、防犯上のメリットも大きいです。

自宅を賃貸に出すデメリット

自宅を賃貸に出す場合、次のデメリットも考慮しましょう。

一般的な賃貸経営と同様、入居者トラブルが発生したり、空室が埋まらないと家賃収入が得られないなどのリスクを考える必要があります。

賃貸借契約の期間は入居者がいるため、自宅に戻れない点もデメリットです。

この項目では、自宅を賃貸に出すデメリットを解説します。

一般的な賃貸経営におけるリスクがある

賃貸経営をおこなう場合、以下のようなリスクがあります。

  • 入居者トラブル
  • 設備の劣化や破損
  • 修繕やリフォームなどのメンテナンス
  • 長期間の空室

デメリットは欠点や短所であるため避けられませんが、上記のリスクはあくまで危険性なので避けられる可能性があります。

つまり、賃貸経営のリスクをゼロにはできませんが、ある程度抑えることは可能です。

この項目では、賃貸経営におけるリスクを1つずつ解説します。

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入居者トラブル

入居者選びを間違うと、以下のようなトラブルを起こす恐れがあります。

  • 家賃を滞納する
  • 深夜に騒音を出す
  • 清掃をせず悪臭を発生させる
  • ペット飼育や喫煙のルールを破る
  • 無断で友人と同居する
  • ゴミ出しのルール違反など

貸主と入居者間のトラブルだけでなく、近隣住民から苦情を寄せられるリスクもあり、マンションやアパートなどを貸し出す際は特に注意が必要です。

賃貸経営では家賃滞納トラブルが多いため、連帯保証人をつけるか保証会社に加入することを賃貸借契約の条件で義務化しておくことをおすすめします。

また、賃貸物件の入居者トラブルを防ぐため、入居時の審査を厳しくおこない、賃貸借契約の内容に禁止事項を細かく記載しておきましょう。

もしも入居者トラブルが発生した場合、速やかに口頭や文書で注意をおこない、それでも改善されない際は弁護士や裁判所を介して法的措置を取りましょう。

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設備の劣化や破損

賃貸物件で生活する中で設備が消耗するので、劣化・破損してしまうリスクがあります。

先述した物件の維持管理を任せられるメリットと相反しますが、自宅を賃貸に出すと入居者が暮らすことによる設備の消耗は避けられません。

通常の生活で生じた破損や消耗は経年劣化と判断されるため、修繕費用はオーナー負担となります。

入居者が故意に破損させたり、管理を怠ったりしたせいで生じた劣化・破損でないと、過失があると判断されないため、入居者に修繕費用を請求できません。

「どの設備が劣化・破損しているか?」についての証明は難しいため、自宅を賃貸へ出す前に現況を写真に撮って、書面に記録しておきましょう。

また、設備破損時の費用負担について賃貸借契約の内容で細かく定めておくことで、入居者が賃貸物件を雑に扱うリスクを抑えられます。

  • 原状回復にかかる費用は誰が負担するのか?
  • 原状回復にかかる費用の負担割合をどうするか?
  • どの程度まで原状回復をおこなうのか?

修繕やリフォームなどのメンテナンス

自宅を賃貸に出す際、修繕やリフォームなどのメンテナンスが必要なケースもあります。

なぜなら、賃貸物件の入居者は綺麗な家に住みたいと考えており、自分が住む際は気にならない劣化や故障なども、修繕しないと借り手が見つからない可能性があるからです。

自宅の修繕やリフォームをおこなえば、入居者は集まりやすくなりますが、修繕費用やリフォーム費用の出費によって、賃貸経営が赤字になるリスクもあります。

そのため、自宅の修繕やリフォームは自己判断でおこなわず、仲介を依頼する不動産会社のアドバイスを受けた上で、必要な場合のみ実施しましょう。

自宅の修繕やリフォームが必要な場合でも、複数の業者で相見積もりを取って、費用の安い業者に依頼することで、赤字のリスクを軽減できます。

修繕やリフォームなどに費用をかけたくない場合、賃貸物件の賃料を下げて入居者を集める方法もあるので、自分にあう方法を選ぶとよいでしょう。

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長期間の空室

自宅を賃貸に出しても、空室のままだと家賃収入が得られないリスクもあります。

不動産会社の調査でも、賃貸物件の空室期間は平均4~5ヶ月程度というデータがあるように、自宅を賃貸に出してもすぐに入居者が決まるとは限りません。

自宅を賃貸に出す場合は定期借家契約が多く、借り手が単身赴任者などに絞られるので、普通借家契約よりも入居者が集まりにくいです。

賃貸物件の入居率は、不動産会社の集客力・立地・時期・家賃・間取り・リフォーム歴など、さまざまな要素が影響します。

賃貸物件の空室を防ぐには、周辺にある賃貸物件の需要や家賃相場などを調べておき、集客力のある不動産会社に仲介を依頼しましょう。

>>【空室をなくすには不動産会社選びが大切】不動産投資会社の一括比較はこちら!

参照:株式会社タス「賃貸住宅市場レポート」

自宅に戻りたい時に戻れなくなる

自宅を賃貸に出している間、貸主は家に戻れなくなる点に注意しましょう。

例えば「転勤するので自宅を賃貸に出したが、退職したので家に戻りたい」といった事情があっても、原則として賃貸契約の期間中は入居者を退去させられません。

なぜなら、貸主の都合で一方的に賃貸借契約を途中で解約できてしまうと、借主が住む場所を失う恐れがあるからです。

裁判所の許可がある場合や借主も同意している場合でない限り、貸主であっても賃貸借契約の期間中は家に戻れません。

家賃を長期間滞納していたり、何度注意しても騒音を発生するなど、借主に過失があるケースでないと、賃貸借契約の解約を裁判所が認める可能性は低いです。

一般的に、定期借家契約の期間は2年間が多いので、自宅を賃貸に出すと以降2年間は家に戻れないと認識しておきましょう。

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自宅を賃貸に出す際の注意点

自宅を賃貸に出す場合、以下の点に注意しましょう。

自宅を賃貸物件にするケース特有の注意点として、住宅ローン返済中の場合は金融機関に報告する点と、賃貸借契約を定期借家契約にする点が挙げられます。

なぜなら、住宅ローン返済中の家を金融機関に無断で貸し出すと一括返済を求められたり、普通借家契約で貸し出すと家に戻れなくなったりする恐れがあるからです。

この項目では、自宅を賃貸に出す際の注意点を解説します。

住宅ローンがある場合は金融機関に報告する

住宅ローンが残っている自宅を貸し出す場合、必ず借入先の金融機関に報告しましょう。

なぜなら、住宅ローンは自宅の購入資金として貸付されていますが、無断で家を貸し出すと投資物件の購入と扱われてしまい、契約違反となってしまうからです。

金融機関に無断で自宅を貸し出すと、以下のトラブルに発展する恐れがあります。

  • 住宅ローン残債の一括返済を求められる
  • 抵当権によって自宅を差し押さえられる
  • 詐欺罪として刑事告訴される

原則として、住宅ローン返済中の家を賃貸に出すことは禁止されています。

しかし、金融機関側も住宅ローンの返済が滞る事態は避けたいので、次のような事情があれば、住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出すことを認める可能性があります。

  • 転勤で地方に出向する
  • 親の介護で実家に戻る

住宅ローンが残っている自宅の貸し出しを金融機関が認める場合でも、賃貸住宅向けローンや別の金融機関への借り換えが必要なケースもあります。

基本的に賃貸住宅向けローンの金利は住宅ローンよりも高く、住宅ローン控除も外れてしまうので、自宅を賃貸に出す際は金利を確認しておきましょう。

定期借家契約にする

将来的に自宅に戻りたい場合、契約更新ができない定期借家契約で貸し出しましょう。

普通借家契約で自宅を貸す場合は借主を退去させられないので、家に戻れなくなる恐れがあるからです。

定期借家契約は契約更新ができず、契約期間満了時点で賃貸借契約が終わるので、入居者が退去するタイミングで確実に自宅へ戻れます。

ただし、定期借家契約の借り手は単身赴任者などに絞られるため、普通借家契約に比べて家賃を安くしないと借主が見つかりにくい点に注意しましょう。

確定申告をする

自宅を貸すことで得られる不動産所得は課税対象なので、確定申告が必要です。

具体的には、賃貸経営の不動産所得が20万円以上の場合、所得税と住民税が課税されるので、自宅を貸し出した翌年から確定申告をおこなう必要があります。

不動産所得とは、賃貸経営による1年間の収入から必要経費を差し引いた金額です。

契約の種類 解説
普通借家契約 借主が希望すれば契約更新できる
定期借家契約 契約更新ができない
種類 具体例
収入 家賃
礼金
更新料
共益費
駐車場代
敷金や保証金など
(返還を要しないもの)
必要経費 ローンの利息
固定資産税
管理会社への管理費
広告宣伝費
税理士への報酬
立ち退き料
損害保険料など

確定申告をおこなう手順は、次のとおりです。

  1. 必要書類を用意する
    (源泉徴収票・支払調書など)
  2. 国税庁ホームページ・税務署で確定申告書を入手・作成する
  3. 税務署に確定申告書を提出する
  4. 税務署に税金を納める

税務署へ確定申告書を提出するには、以下3種類の方法があります。

  • e-Taxで提出する
  • 印刷して郵送する
  • 管轄の税務署に持参する

インターネット上で手続きが完了するため、確定申告書はe-Taxでの提出がおすすめです。

税金や経費の計算は複雑なので、忙しい人やミスを避けたい人は税理士に確定申告を代行してもらうとよいでしょう。

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家賃保証会社を付ける

入居者が家賃を滞納した場合に備えて、家賃保証会社を付けておきましょう。

家賃保証会社を付けておけば、入居者が家賃を滞納しても、代わりに保証会社から支払いが受けられるので、家賃収入が途切れません。

加えて、家賃滞納時は保証会社から入居者に請求をおこなうので、滞納分の家賃を自分で回収せずに済む点もメリットです。

自宅を賃貸に出す際の入居条件に「保証会社への加入必須」と記載しておき、保証会社の加入を拒否する申込者は入居審査に通さないようにしましょう。

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手間と費用のバランスを考慮する

自宅を賃貸に出す場合、利益だけでなく手間と費用のバランスを考慮しましょう。

例えば、賃貸物件を自分で管理すれば管理会社への手数料が浮きますが、普段は会社員をしている人だと、トラブルが発生しても急に対応できないケースもあります。

賃貸経営の管理については、費用をかける場合は手間がかからず時間対効果が高い一方、手間をかける場合は費用が浮くので費用対効果が高くなります。

種類 メリット デメリット
自分で管理 費用を抑えられる 手間や時間がかかる
管理会社に依頼 手間や時間がかからない 費用がかかる

基本的には、自宅を1軒だけ貸す場合は自主管理でも十分ですが、忙しい人や物件が遠方にある人は費用を支払っても管理会社に依頼することをおすすめします。

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家具を残すか決めておく

自宅を賃貸に出す際は、物件内の家具を残すかを決めておきましょう。

入居者が単身赴任者の場合、入居時に購入して退去時に処分する手間が面倒なので、家具や家電を残しておいてほしい人も多いです。

家族連れが入居する場合、人数によって最適な家具や家電のサイズが異なるため、貸し出す前に処分したほうが良いケースもあります。

「家具や家電を残すべきか?」については、入居者の考えによって異なるため、とりあえず残しておき、必要に応じて処分するとよいでしょう。

口約束にせず書面に残す

トラブル防止のため、賃貸借契約の内容は口約束ではなく必ず書面に残しましょう。

借主が親族や友人などの場合、不動産会社を介さずに口約束で自宅を貸してしまい、家賃や期間などを巡って後々トラブルに発展してしまうケースも多いです。

法律上は、口頭で取り交わした賃貸借契約も有効です。

しかし、録音をしていない限り証拠がないので、貸主と借主間で「口約束をした」「言っていない」といったトラブルが生じる恐れがあります。

親族や友人などに自宅を貸す際も、賃貸借契約を口約束で済ませず、トラブル回避のために必ず契約内容を書面に残しておきましょう。

【タイプ別】自宅の賃貸で気を付けること

自宅を賃貸に出す場合、家のタイプに応じて3種類の方法があります。

自宅が一軒家やマンション・アパートであれば家全体を賃貸物件にしますが、2階建てや二世帯住宅の場合は家の一部を賃貸併用住宅として貸し出す方法もあります。

中でも、マンション・アパートや賃貸併用住宅の場合、他の居住者や貸主と入居者の距離感が近く、トラブルが起きやすい点に注意が必要です。

この項目では、賃貸に出す際に気を付けることを自宅のタイプ別に解説します。

一軒家

一軒家は集合住宅より防犯性が低いので、貸し出す際はセキュリティ対策が必要です。

なぜなら、一般的なマンションやアパートはオートロックや防犯カメラが設置されていますが、一軒家だと導入していない物件も多いからです。

警察庁の調査でも、住宅を対象とする侵入窃盗被害の約74%が一軒家というデータがあるように、マンションやアパートよりも防犯性が手薄なことは明白です。

そのため、一軒家を貸し出す場合、貸主の自主管理では防犯性に欠けるため、費用を負担してでもセキュリティ会社や管理会社と契約することをおすすめします。

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マンション・アパート

マンション・アパートを貸す場合、入居者と他の居住者とのトラブルに注意が必要です。

集合住宅では、騒音やゴミ出しのルール違反などに関するトラブルが起きやすく、入居者の生活態度が悪いと、他の居住者からクレームを受ける恐れがあります。

そのため、マンションやアパートを貸し出す際は、入居者が「何をしてはいけないか?」を理解できるように、賃貸借契約で禁止事項を細かく定めておきましょう。

また、分譲マンションを賃貸に出す場合、入居者は管理組合に加入できないため、貸主が組合員としての役割を果たさなければなりません。

具体的には、マンション総会の委任状や決議内容の書類などを受け取ったり、マンションの管理費や修繕積立金などを支払ったりする必要があります。

マンションを賃貸に出す際は、マンション総会の委任状や決議内容の書類などが転勤先に届くように、マンションの管理組合に住居変更届を提出しましょう。

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賃貸併用住宅

賃貸併用住宅を貸し出す場合、貸主と借主間での生活トラブルに注意しましょう。

1階部分を自宅にして2階部分を賃貸物件とするなど、生活スペースを分けていても、1つの建物に貸主と借主が住む以上、プライベートが守られにくいです。

例えば、1階と2階で生活スペースを分ける場合、2階の足音が1階に響きやすいので、遮音性の高い床材やマットを設置するなどの対策が必要です。

トラブルを防ぐには、借主と良好な関係を築くことも大切で、顔を合わせた際は挨拶をするなど、程よい距離感を保つとよいでしょう。

また、同じ建物内に貸主が住んでいることに抵抗がある人も多く、賃貸併用住宅は借り手が見つかりにくい点にも注意が必要です。

賃貸併用住宅ではなく自宅全体を貸すほうがよいケースもあるため、不動産会社と相談しながら、自分にあう方法を選ぶことをおすすめします。

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自宅を賃貸に出す際の費用

自宅を賃貸に出す際に発生する費用は、以下のとおりです。

種類 金額の目安
ローンの残債 金融機関・ローンによる
仲介手数料や広告費 家賃の1ヶ月分+消費税
(仲介手数料)
家賃の1〜2ヶ月分程度
(広告費)
管理委託料 家賃収入の5%程度
修繕やハウスクリーニング費用 内容や業者による
損害保険料 年間20万円程度
(火災保険のみ)
年間60万円程度
(火災保険+地震保険)
税金 固定資産評価額×1.4%
(固定資産税)
課税標準額×0.3%
(都市計画税)
不動産所得×5%〜45%
(所得税)
不動産所得×10%
(住民税)
所得税×2.1%
(復興特別所得税)


※=上記は一例です。条件によって異なります。

上記の費用は、ケースによっては発生しないものもあります。

例えば、手数料無料の不動産会社を利用すれば仲介手数料が発生しませんし、修繕やハウスクリーニングを実施しなければ修繕費も必要ありません。

また、一部の費用は確定申告で経費として計上可能です。

不動産所得から経費を差し引くと課税対象が減るので、所得税と住民税が安くなります。

この項目では、自宅を賃貸に出す際の費用を解説します。

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自宅のローンが残っている場合、賃貸に出した後も支払いが続きます。

先述した通り、住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出すには金融機関の許可が必要ですが、賃貸住宅向けローンや別の金融機関への借り換えを求められるケースもあります。

転勤や介護などのやむを得ない事情があれば、現行の住宅ローンのまま賃貸に出せる可能性がありますが、そうでない場合は賃貸住宅向けローンへの借り換えが必要です。

民間の金融機関で住宅ローンを組んでいる場合、自宅を賃貸にする際はローンの種類を変更するのが一般的です。

住宅ローンの金利は0.5%程度ですが、賃貸住宅ローンに借り換えると金利が3〜4%程度まで上がり、住宅ローン控除も受けられなくなる点に注意しましょう。

仲介手数料や広告費

賃貸物件の入居者を探す際、不動産会社に仲介手数料や広告費を支払います。

賃貸物件の仲介手数料は宅地建物取引業法でルールが定められており「家賃の1ヶ月分+消費税」が上限額です。

貸主と借主が家賃0.5ヶ月分相当の仲介手数料を支払うケースや、借主のみ家賃1ヶ月分の仲介手数料を支払い、貸主は仲介手数料無料のケースもあります。

加えて、借り手が見つからない場合など、広告の追加を依頼すると広告費が発生するケースもあり、不動産会社によりますが金額は家賃の1〜2ヶ月分程度が目安です。

通常の募集活動に対する報酬は仲介手数料に含まれており、広告費が発生する際は不動産会社から必ず事前に確認されます。

不動産会社によっては、仲介手数料や広告費が一切発生しないケースもあります。

参照:e-govポータル「宅地建物取引業法」

管理委託料

賃貸物件の維持管理を管理会社に依頼する場合、管理委託料が必要です。

管理会社に支払う管理手数料は、家賃収入の5%程度が相場とされています。

管理委託料は安いほうがよいとは限らず、金額のみで管理会社を選ぶと業務範囲が狭く、自分で対応しなければならないケースもあります。

管理会社によって管理委託料やサービス内容が異なるので、複数の業者を比較して費用対効果のよいところに依頼しましょう。

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修繕やハウスクリーニング費用

自宅を賃貸に出す際、修繕やハウスクリーニングの費用がかかるケースもあります。

賃貸物件は入居者が自由に修繕やハウスクリーニングをおこなえないので、貸し出す前に貸主側が設備の修繕やハウスクリーニングを実施する場合も多いです。

次の条件を満たす場合、賃貸物件の修繕・クリーニング費用を経費として計上できます。

  • 金額が20万円未満
    (資本的支出)
  • 金額が60万円未満または取得価格の10%以下
    (修繕費または資本的支出)
  • 工事がおよそ3年周期で行われている
  • 明らかに原状回復に必要な工事

物件の原状回復に必要な費用は「修繕費」と扱われますが、物件の資産価値を高めるための費用は「資本的支出」と見なされます。

原則として、自宅を賃貸に出す際の修繕やハウスクリーニングは資本的支出と扱われるため、経費計上できる修繕費は20万円未満と考えておきましょう。

損害保険料

賃貸物件の火災保険や地震保険などに加入する場合、損害保険料が発生します。

自宅を賃貸に出す際、借主だけでなく貸主も火災保険や地震保険などに加入するのが一般的です。

なぜなら、火事が発生した場合、借主の保険で原状回復できるのは借りている部屋のみで、共有部分や建物本体は貸主が原状回復をおこなう必要があるからです。

火災保険や地震保険などの保険料は、物件の構造や築年数などで変わりますが、火災保険のみで年間20万円前後、地震保険も加えると年間60万円前後かかるケースが多いです。

税金

自宅を賃貸に出す場合、以下の税金を負担しなければなりません。

種類 確定申告での扱い
固定資産税 経費として計上できる
都市計画税
所得税 経費として計上できない
住民税
復興特別所得税(※1)


※1=2013年〜2037年の間のみ課税される

賃貸経営にかかる税金は4種類で、不動産の所有によって発生する税金は経費計上できますが、不動産所得に課される税金は経費になりません。

固定資産税・都市計画税は、確定申告で経費として計上できます。

種類 金額
固定資産税 固定資産評価額×1.4%
都市計画税 課税標準額×0.3%


※=上記は一例です。地域によって異なります。

一方、所得税・住民税・復興特別所得税は、確定申告で経費計上できません。

種類 金額
所得税 不動産所得×5%
(不動産所得が195万円以下)
不動産所得×10%-9万7,500円
(不動産所得が195万円〜330万円)
不動産所得×20%-42万7,500円
(不動産所得が330万円〜695万円)
不動産所得×23%-63万6,000円
(不動産所得が695万円〜900万円)
不動産所得×33%-153万6,000円
(不動産所得が900万円〜1,800万円)
不動産所得×40%-279万6,000円
(不動産所得が1,800万円〜4,000万円)
不動産所得×45%-479万6,000円
(不動産所得が4,000万円超)
住民税 不動産所得×10%
復興特別所得税(※1) 所得税×2.1%


※1=2013年〜2037年の間のみ課税される

不動産所得が年間1,000万円を超えたり事業的規模で賃貸経営をおこなったりすると、消費税や個人事業税もかかります。

とはいえ、自宅を賃貸に出す程度であれば、消費税や個人事業税が発生する可能性は低いです。

賃貸経営にかかる税金は計算が複雑なので、不動産会社に相談して税額を算出してもらい、節税に関するアドバイスも受けるとよいでしょう。

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自宅を貸すか売るかの判断

「自宅を貸すか?売るか?」で迷う場合、以下の基準で判断しましょう。

方法 おすすめのケース
貸す 将来的に自宅に戻る
親族が住む可能性がある
立地的に賃貸物件の需要が高い
どうしても家を手放したくない
売る 将来的に自宅に戻る予定がない
親族が住む予定もない
立地的に借り手が見つかりにくい
維持管理の手間をかけたくない

上記の中でも「自宅を使う予定があるか?」が1番重視するべき判断基準といえます。

将来的に自宅を使う予定があり、立地的に賃貸物件の需要も高い場合、自宅を手放すことなく家賃収入が得られるので、賃貸に出す方法がおすすめです。

一方、将来的に自宅を使う予定のない場合や立地的に借り手が見つかりにくい場合、自宅を所有していても維持コストがかかるだけなので、売却する方法をおすすめします。

この項目では、自宅を貸すか売るかの判断基準を解説します。

貸す

将来的に自宅に戻ったり親族が住んだりする可能性がある場合など、自宅を手放したくない人は一時的に貸し出す方法がおすすめです。

定期借家契約で家を貸し出せば、契約期間が満了したタイミングで借主を退去させられるので、自宅を手放すことなく将来的に戻ることが可能です。

自宅を売却する理由の多くは、所有するメリットよりもローンや税金の負担といったデメリットが上回ることですが、賃貸物件にすれば家賃収入を支払いに充てられます。

ただし、借り手がいなければ家賃収入が得られないので、都心部や住宅地といった賃貸物件の需要が高い立地に自宅があるケースに限定されます。

>>【家賃収入を確認しよう】不動産投資会社の一括比較はこちら!

売る

将来的に自宅へ戻ったり親族が住んだりする予定がない場合、自宅を保有しておくメリットが少ないので、売却する方法をおすすめします。

東日本不動産流通機構の調査によれば、中古マンション・中古一戸建てのどちらも築年数が経過するほど価値が下がり、築20年を超えると価格が大幅に下落してしまいます。

自宅に戻る予定や親族が住む予定がない場合、自宅を所有していても資産価値が下がる一方なので、早い段階で高く売ってまとまったお金に変えるほうがよいでしょう。

また、自宅の立地的に借り手が見つかりにくい場合、賃貸に出しても家賃収入が見込めず、空き家のまま放置しても勿体ないので売ることをおすすめします。

なぜなら、賃貸に出して借主が見つからない場合でも、住宅ローン・固定資産税・都市計画税などの支払いは発生するので、自宅を所有しているほうが損をしてしまうからです。

とはいえ、売却価格を把握できないと「自宅を貸すべきか?売るべきか?」の判断が難しいので、まずは不動産会社の一括査定で査定額の相場を確認しておきましょう。

参照:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」

>>【売却価格をチェック】無料の不動産一括査定はこちら

自宅を賃貸に出す際の流れ

自宅を賃貸に出す際、以下の流れでおこないます。

  1. 賃貸か売却か判断
  2. 不動産会社の選定
  3. 契約方法や家賃の決定
  4. リフォームや修繕
  5. 入居者の募集と審査
  6. 賃貸借契約

一般的な賃貸物件と異なり、自宅の場合は「賃貸に出すか?売却するか?」の判断が非常に大切で、一度手放すと取り戻すのが困難なので慎重に検討する必要があります。

「賃貸に出すか?売却するか?」を判断するには、不動産会社選びも重要なので、複数の業者に相談して、貸す場合の家賃収入や売る場合の価格を査定してもらいましょう。

この項目では、自宅を賃貸に出す際の流れを解説します。

賃貸か売却か判断

先述した基準を参考にして「自宅を貸すか?売るか?」の判断をしましょう。

将来的に自分や親族が住む可能性があり、立地的に借り手の需要が見込める場合、一時的に自宅を賃貸に出して家賃収入を得る方法がおすすめです。

将来的に自宅も親族も住む予定もなく、立地的に借り手が見つかりにくい場合、資産価値が下がる前に自宅を売却することをおすすめします。

「自宅を賃貸に出すか?売却するか?」の判断は、家賃収入や売却価格の見込みが立たないと難しいため、まずは不動産会社の無料査定を受けてみましょう。

不動産会社の選定

自宅を賃貸に出すことを決めたら、仲介を依頼する不動産会社を選定しましょう。

不動産会社に仲介を依頼すれば、入居者募集の広告掲載や​​入居希望者の内覧対応を代行してもらえるので、賃貸物件の借り手が見つかりやすくなります。

一軒家の集客に強い業者、アパートやマンションの集客が得意な業者など、不動産会社によって得意分野があるので、複数の不動産会社に相談することをおすすめします。

自分で賃貸物件を管理したくない場合、不動産管理会社の選定も必要です。

不動産会社の中には、賃貸物件の仲介だけでなく管理もおこなう業者もあります。

トラブル対応や家賃回収などを任せられるので、業務内容や管理委託料も確認した上で不動産会社を選びましょう。

契約方法や家賃の決定

不動産会社と媒介契約を締結したら、賃貸物件の契約方法や家賃を決めましょう。

  • 家賃・管理費・敷金・礼金
  • 賃貸借契約の種類
  • 火災保険の加入義務
  • タバコやペットなどの禁止事項

注意点として、自宅を賃貸に出す場合は将来的に家へ戻れるように、契約方法は定期賃貸借契約を選択しましょう。

借主が火災保険に加入することを賃貸借契約の条件で義務化しておけば、火災や自然災害などで被害を受けた際に損害補償が受けられます。

床の傷や壁の汚れを防ぎたい場合、タバコやペットを賃貸借契約の禁止事項に加えておくことをおすすめします。

賃料や入居条件などは周辺エリアの需要やターゲットに合わせる必要があるため、不動産会社のアドバイスを受けながら決定することをおすすめします。

リフォームや修繕

入居者を早く確実に見つけたい場合は、自宅のリフォームや修繕を施しましょう。

自宅のリフォームや修繕をおこなえば、入居者が見つかりやすくなったり、家賃を高めに設定できたりする可能性があります。

長年住んでいると自宅が汚れたり傷んだりしており、他人に貸し出せる状態でないケースもあります。

目安としては、自宅の築年数が10年を超えている場合、賃貸へ出す際にリフォームや修繕を検討してもよいでしょう。

ただし、修繕・リフォーム費用で赤字になる恐れもあるため、必ずしもリフォームや修繕をおこなう必要はなく、入居者が見つからない場合は家賃を下げる方法もあります。

自宅にリフォームや修繕を実施する場合も、相見積もりをおこなって費用の安い業者に依頼することをおすすめします。

入居者の募集と審査

賃貸物件の契約方法や家賃を決めたら、入居者の募集と審査をおこないましょう。

とはいえ、物件情報サイトへの掲載や入居希望者の内覧対応は不動産会社がおこなってくれるので、貸主は入居者の問い合わせを待つだけで問題ありません。

入居希望者から申し込みがあった場合、申込者の支払能力や属性などを参考にして、大家自身または不動産会社が入居審査をおこないます。

入居審査では、申込者の支払能力ではなく人柄を理由に入居を断ることも可能です。

賃貸借契約締結後にキャンセルする場合、申込者から損害賠償請求を受ける恐れがあるので、入居審査の段階で申込者をしっかり精査しましょう。

賃貸借契約

入居審査の結果に問題なければ、借主と正式に賃貸借契約を締結しましょう。

具体的には、賃貸借契約の内容を記した契約書を不動産会社が作成してくれるので、貸主は内容を確認して署名・押印するだけで問題ありません。

賃貸借契約書の署名・押印時は、次のような記載内容を確認しましょう。

  • 賃貸借の目的物
  • 契約期間
  • 賃料・支払方法
  • 貸主・管理業者
  • 借主・同居人
  • 保証会社・連帯保証人

親族や知り合いに自宅を貸す場合でも、トラブル防止のために必ず賃貸借契約書を作成して、契約内容を書面に残しておきましょう。

なお、賃貸借契約締結時に貸主が出席する必要はありません。

事前に賃貸借契約書の署名・押印をおこない、不動産会社に自宅の鍵を預けておけば、不動産会社の担当者が借主に鍵を渡してくれます。

まとめ

自宅を賃貸に出そうか検討している場合は「将来的に自分で利用する予定があるか?」を基準に判断するとよいでしょう。

将来的に自分で利用する予定がなければ、所有していても毎年の固定資産税がかかる上、資産価値が落ちる一方なので、早い段階で自宅を売却するほうがよいです。

一方、転勤や親の介護などで一時的に自宅を離れる場合、自宅を賃貸物件にすれば家賃収入を獲得しながら、賃貸借契約の終了後に自宅へ戻れます。

とはいえ「自宅を売るべきか?貸すべきか?」については、家賃収入や売却価格を把握しないと判断が難しいため、不動産会社と相談しながら決めるとよいでしょう。

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自宅を賃貸に出す際のよくある質問

自宅を賃貸に出したら、税金はどうなりますか?

所有者は変わらないので、貸主が固定資産税・都市計画税を支払います。家賃収入に対して所得税・住民税・復興特別所得税も課税されます。

自宅を貸すか売るかの判断基準はどのようなものですか?

将来的に自分や親族が住む可能性があり、立地的に賃貸需要があるなら貸す方法がおすすめです。将来的に自宅へ戻る予定も親族が住む予定もなく、立地的に借り手が見つかりにくい場合は売却するほうが良いです。

入居者の審査基準はどのように設定しますか?

「家賃を滞りなく払えそうか?」と「トラブルを起こさないか?」の2点を重視しましょう。支払能力は申込者の職業・勤務先・収入・連帯保証人の有無で判断します。トラブル発生のリスクは、申込者の人柄・見た目・清潔感などで判断します。

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