埼玉の空き家の買取相場は一概には言えない
買取業者は、買い取った空き家を解体やリフォームしてから売却・活用するため、そのコストを差し引いた買取価格を付けます。よって、不動産買取業者による買取価格は仲介で売るよりも5〜8割程度の金額となるのが一般的です。
ただし、不動産の価値は、さまざまな要素を総合的に考慮して算出されます。もちろん、その他の要素によっては、空き家であっても高値が付く物件もあります。一般的には、下記の要素が買取価格に影響します。
- 築年数
- 物件の状態
- 土地の面積
- 土地の形状
- 建物の構造
- 建物の管理状態
- 駅からの距離
- エリアの需要・将来性
- 周辺の施設 など
同じ築年数・面積の空き家でも、価格が大きく変わる可能性があるため、明確な相場は出せません。自身の所有する空き家の買取価格を知りたい際は、不動産買取業者に実際に調査に来てもらい、査定してもらうのがよいでしょう。
埼玉の不動産仲介における空き家の売却価格
所有している空き家の売却価格は、実際に査定をしないとわかりません。しかし、売るか迷っている場合、まとまったお金になるかだけでも気になるものです。
どうしても査定に出す前に、おおよその価値を知っておきたい時は、仲介での売却価格の5~8割を計算してみましょう。自身の所有する空き家の状態や条件に近い不動産の売買価格が分かれば、その物件が空き家だった場合の参考価格が算出できます。
そこで、埼玉県内で仲介によって成立した取引の金額をみてみましょう。なお、あくまでも空き家だった場合の金額を推計するものであり、実際にはいくらになるかわからないという点には引き続き留意が必要です。
エリア | 取引価格 | 建築年 | 面積(土地) | 構造 |
---|---|---|---|---|
埼玉県さいたま市北土呂町 | 6,300万円 | 2023年 | 100㎡ | 木造 |
埼玉県さいたま市浦和区上木崎 | 4,600万円 | 2001年 | 100㎡ | 木造 |
埼玉県川越市むさし野南 | 1,600万円 | 2010年 | 100㎡ | 木造 |
埼玉県所沢市大字久米 | 3,200万円 | 1988年 | 100㎡ | 木造 |
埼玉で空き家を手放すなら買取がおすすめ!
埼玉県で不動産の売却を考える際には、仲介と買取の選択肢があります。空き家の場合は、仲介よりも買取のほうがおすすめです。
空き家は中古物件市場での需要が低く、仲介では買い手が見つからないことも珍しくありません。一方で、業者による買取なら下記のようなメリットがあります。
- 現状のまま売却できる
- 周囲の人に知られにくい
- 仲介よりも早く現金化しやすい
- 仲介手数料の負担がない
- 契約不適合責任を免責できる
空き家の価値が落ちる大きな原因は、長年放置されたことによる建物の劣化です。多くの空き家は管理が適切にされておらず、そのままでは人が住めない状態になっています。仲介では、買い手となるのは一般の人で、主にそのまま住める、または簡単なリフォームをすれば住める状態の住宅を探しています。そのため、管理状態が悪く劣化が進んでいるような住宅の需要はほぼありません。
一方で、買取業者は解体や大規模リフォームを前提に査定をし、買い取ってくれます。業者が買い手となるため、仲介のように買い手を募集する必要はなく、仲介手数料もかかりません。買取なら仲介で売れないような空き家でも、スピーディーに売却できるのです。
さらに、売主の契約不適合責任が免責になるという点も魅力です。仲介で売却する場合、原則として売主は契約不適合責任を負わなければなりません。
不動産売買における契約不適合責任とは、売却した物件に契約時には伝えられていなかった問題が発覚した場合に、売主が買主に対して負う責任です。例えば、取引後に建物・土地に欠陥や不具合が発覚した場合、売主は補修代金を負担したり、損害を賠償したりする義務が課されます。
買取においては、売主の契約不適合責任を問わない契約が一般的です。業者に売ることで、引き渡し後のトラブルも防止できます。
埼玉の空き家買取業者の選び方
できるだけ高く空き家を売るためには、信頼できる業者選びが欠かせません。需要が低いとはいえ、なかには大きな価値がある空き家も存在します。適正な価格で空き家を売却できるよう、下記のポイントに注目して業者を選びましょう。
- 空き家の買取実績や経験が豊富か
- 地域の空き家事情を熟知しているか
- 営業担当者の対応はどうか
- アフターフォローを受けられるか
まずは、空き家取引の実績が十分にあるかを確認してください。空き家の買取に慣れていない業者だと、購入後にかかるコストを適正に見積もれないため、本来の価値よりも安い金額を付けられる可能性があります。特に、空き家を含めた訳あり物件を専門に取り扱う買取業者に相談するのがおすすめです。
続いて、埼玉県内での取引事例も要チェックです。不動産の価値を算出するためには、エリアの需要や将来性も考慮します。地域の不動産事情に疎い場合も、実際の不動産価値よりも安く見積もられかねません。
他にも、営業担当者の対応やアフターフォローの有無についても確認しましょう。業者の信頼性は判断が難しいところですが、査定額の根拠を丁寧に説明してくれる、そして取引後のアフターフォローまでしっかりと行ってくれるのであれば、誠実な業者である可能性は高いといえます。
契約前に違和感がある業者とは焦って契約せず、複数業者に相談して、対応を比較しながら検討することをおすすめします。
埼玉で空き家を買い取ってもらう流れ
空き家を売る際は、申し込みから所得の申告までの流れを把握しておきましょう。最後の確定申告は売却した翌年に手続きが必要ですが、業者への問い合わせから引き渡しまでは、平均1週間~1ヶ月といわれています。
- 空き家の状態を確認する
- 査定を受ける
- 買取業者と売買契約を結ぶ
- 決済後買取業者に物件を引き渡す
- 司法書士が所有権移転登記を申請する
- 確定申告を行う
気になる買取業者を複数ピックアップしたら、査定を申し込み、空き家の価値を確認してもらいましょう。査定を依頼したら、業者は実際に空き家を調査し、査定額(=買取価格)を提示してくれます。業者の査定額に納得できれば、売買契約を締結します。念のため。契約書で売主の契約不適合責任が免責になっているか確認してください。空き家の売買では相場や平均価格がないため、複数社で相見積もりを取って、より査定額が高い業者と契約するのがおすすめです。
契約から物件の引き渡し、登記手続きまで、すべて不動産業者が主導して進めてくれるため、売主が何をすればよいか分からないということはありません。しかし、自分で手続きする時間がない人や、契約書に不利な条項が記載されていないか心配な人は、司法書士に依頼をしてリーガルチェックや手続きの代行を依頼するとよいでしょう。
なお、空き家を売却した場合は、多くで確定申告が必要となります。売却にかかった費用よりも売却価格が大きくなった場合は、取引の翌年に自分で確定申告をしなければなりません。確定申告をしないと、脱税とみなされることになるため注意してください。確定申告の代行は、税理士に相談しましょう。
埼玉で使っていない空き家をすぐに手放すべき5つの理由とは
今のところ予定はないものの、「いつか使うかも」と空き家を売却するか迷っている場合は、早急に手放すことをおすすめします。
そもそも不動産は築年数が古くなるほど価値は下がる傾向があります。つまり、いくら手入れをしていても、基本的には価値は下がっていくのです。さらに、空き家を放置すると、近隣に迷惑をかけたり、金銭的な負担が大きくなったりする可能性があります。
- 建物が老朽化し周囲に危険がおよぶ
- 害虫・害獣が棲みつく
- 犯罪に利用される
- 過料や行政代執行による強制撤去の対象になる
- 固定資産税が高額になる
不動産は、人が住まなくなると、換気や清掃、メンテナンスが行き届かず、早く老朽化するといわれています。そのため、長く放置された空き家には、屋根・外壁の崩落や害獣・害虫発生のリスクが発生します。
また、不法投棄や不法侵入など、犯罪に使われれば、地域の治安や安全性も損なうことになります。近年では、海外からの違法な商品や特殊詐欺でだまし取ったお金の受取場所として、空き家の住所が不正使用される事件も起きています。
倒壊や火災の危険があったり、衛生面で有害、または著しく周囲の景観を損なっているような場合は、自治体によって「特定空き家」に指定されることもあります。特定空き家に指定されると、固定資産税が最大6倍になり、問題の是正を求める勧告や命令が下されます。
行政の指示に従わないと、過料の支払いが求められ、建物は行政代執行で強制撤去されることになります。行政代執行でかかった費用は、すべて空き家の所有者に請求されます。個人が業者に依頼するよりも高額になるため、どうせ撤去するなら、自分自身で業者を手配したほうが出費を抑えられます。
将来的に使う予定がある場合や、周辺の地価が今後上昇する可能性が高い場合など、特別な事情がない限りは、早めに手放したほうが金銭的な負担も維持管理に使う手間も抑えられるでしょう。