不動産投資において、投資対象となる物件はさまざまです。区分マンションや一棟アパートのほか、中古戸建も候補になります。
中古戸建の不動産投資は、物件によって成功度が変わります。長期間貸し出すことを想定し、環境も住宅も住みやすい物件を選ばなければ、失敗に終わるかもしれません。
中古戸建の不動産投資では、間取りや生活のしやすさを考慮したうえで、エリアの賃貸需要と物件がマッチしているかが大切です。
しかし、賃貸需要と物件が合っているか判断するには、専門的な知識と労力が必要となります。そのため、まずは不動産投資のプロに相談し、物件探しのアドバイスをもらうことをおすすめします。
不動産投資会社なら、物件探しはもちろん、購入手続きやその後の維持管理など、不動産投資に関する業務全般をサポート可能です。不動産投資の成功率を高めるために、ぜひ相談してみましょう。
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目次
中古戸建の投資メリット
先述の通り、不動産投資にはさまざまな投資対象があります。マンションや戸建といった物件種別の区分もあれば、新築・中古という築年数の分類もあります。
では、その中から中古戸建を選ぶ理由はあるのでしょうか?中古戸建の主なメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- 価格が安い
- 利回りが高い
- 入居期間が長くなりやすい
- 出口戦略を取りやすい
安価で高利回りの物件を狙えるので、少ない資金でも始められる点が大きな特徴です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
価格が安い
中古戸建は、価格相場が安い傾向にあります。エリアや築年数にもよりますが、数百万円程度の物件も珍しくありません。
価格が安いため、高額なローンを組めない人でも購入できます。物件によっては、現金一括での購入も可能です。
新築のマンションや一棟アパートだと数千万円以上の費用が必要ですが、中古戸建なら少ない資金でも不動産投資を始められます。
利回りが高い
利回りとは、投資した資金に対する収入の割合であり、物件の収益性を測る指標です。いくつか種類はありますが、基本となる「表面利回り」は以下のように計算します。
例えば、物件の購入価格が500万円で、年間家賃収入が50万円なら、表面利回りは「50万÷500万円×100=10%」となります。利回りが高いほど投資資金に対する収益性が高くなり、仮に利回り10%なら投資金の回収には10年かかりますが、20%なら5年、50%なら2年で回収可能です。
中古戸建は高利回りなケースが多いのですが、その理由は物件価格と家賃の下落スピードが異なることにあります。
国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、木造の戸建住宅は、おおむね築10年で約50%、築25年で約90%値下がりします※。一方、総務省の「借家家賃の経年変化について」では、家賃の下落率(経年変化率)は1年で平均0.99%とされています。
※戸建住宅の数値は建物部分の下落率なので、土地の価格を含めたときの下落率とは異なる
参照:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状 中古戸建住宅の価格査定の例」
参照:総務省統計局「借家家賃の経年変化について 表 4-1-5 築年数の回帰係数の推定値による経年変化率」
つまり、物件価格の下落に対して家賃の下落が緩やかなので、結果的に高利回りの物件が多くなります。
ただし、逆にいえば「利回りが高いほど物件の価値が低い」となるので、立地や管理状況に問題を抱えている確率が高くなります。
物件が問題を抱えていると、入居者が見つからなかったり、修繕やリフォームで多額の費用が必要になったりするので、注意が必要です。
入居期間が長くなりやすい
戸建の場合、入居期間が長期化しやすい傾向があります。これは、戸建の入居者がファミリー層や子育て世帯を中心としているからです。
ファミリー層や子育て世帯の場合、学区変更などを避けるため転居が少なくなります。とある調査では、全国の平均居住期間は単身者が約3年であるのに対し、ファミリー層は約5年というデータが出ています。
参照:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「第27回賃貸住宅市場景況感調査市場データ 日管協短観 8.平均居住期間」
入居期間が長いと、原状回復や入居者募集のコストが減らせます。また、賃貸経営でもっとも避けたい「空室状態」を減らせるため、収益の安定化が可能です。
出口戦略を取りやすい
中古戸建は、出口戦略(投資の終わらせ方)の選択肢が多い点も特徴です。例を挙げると、以下のような出口戦略を取れます。
- 空き家になったタイミングで売却する
- 貸し出した状態のまま売却する(オーナーチェンジ)
- 居住用として自分で利用する
- 解体して更地にしてから売却する
- 解体して他の用途で土地活用をする
区分マンションだと出口戦略の選択肢は「売る」か「自分で住む」かのどちらかになりますが、戸建は更地化もできれば駐車場などへの転用もできるので、投資の終わらせ方で悩むことが少なくなります。
中古戸建の投資デメリット
ここまで中古戸建のメリットを紹介しましたが、当然ながら良いところばかりではありません。中古戸建の投資には、以下のようなデメリットがあります。
- ローン審査で不利になる
- 購入したままでは貸し出せないボロ物件が多い
- 再建築不可など問題を抱えている物件が多い
中古戸建の投資で失敗や期待外れにならないよう、上記のデメリットを押さえておきましょう。それぞれ詳しく解説します。
ローン審査で不利になる
ローンを借りて不動産投資をする場合、中古戸建だと審査に通りにくくなります。これは、中古戸建の担保価値が低いことに原因があります。
担保価値とは、物件を差し押さえたとき融資をどの程度回収できるか評価したものです。担保価値は、将来的な値下がりなども考慮されるため、築年数が古いほど低くなります。
木造戸建住宅の場合、法定耐用年数である22年を超えると融資を受けるのが難しくなります。
固定資産が機能を保ち本来の用途で使用し続けられる期間について、国が定めた年数。あくまで会計上の基準なので、現実の物理的耐久性とは異なるが、ローン審査では融資額や融資期間に影響する。
立地など他の条件にもよりますが、審査落ちしやすくなり、借りられても金利などの条件は悪くなる可能性があります。
購入したままでは貸し出せないボロ物件が多い
中古戸建は、立地や間取りが良くても管理状態の悪い物件が多々あります。クロスの張り替えや水回りの交換など、手を加えないと貸し出せないケースが少なくありません。
DIYで費用を節約する投資家もいますが、労力と時間がかかりますし、素人だと質の低い仕上がりになる可能性もあります。
中古戸建の投資は「修繕やリフォームはほぼ必須」と考え、事前に具体的な見積もりや計画を立てることが重要です。また、表面利回りの高さだけで貸出困難な物件を購入しないことも大切です。
再建築不可など問題を抱えている物件が多い
古くからある物件は、さまざまな問題を抱えている可能性があります。以下はその一例です。
- 法改正などで建て替えや増改築ができなくなった(再建築不可物件)
- 隣地との境界があいまいになっている
- 借地に建てられており使用上の規制がある
- 現行の耐震基準を満たしていない
- 私道に接していて通行料や通行規制がある
これらの問題は、解決に多大な労力を必要とするか、そもそも解決できない場合が大半です。
物件情報や重要事項説明書を良く読み、売却を担当している不動産会社にも話を聞いて、問題の有無を確認しましょう。
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中古戸建の投資物件を選ぶ際に見るポイント
中古戸建の不動産投資を成功させるためには、物件選びが重要です。特に見るべきポイントとして、以下を押さえておきましょう。
- 地域の賃貸需要とのマッチ度
- 賃貸歴・空室率
- 修繕・リフォーム歴
- 土地・建物の価格割合
- 築年数
- 耐震性能
- 瑕疵の有無
- 空き家かオーナーチェンジ物件か
これらのポイントに気をつければ、初心者でも優良物件かどうか判断しやすくなります。
地域の賃貸需要とのマッチ度
戸建は建てた人の考えが反映されやすく、物件ごとの個性が強い傾向にあります。そのため、物件が地域の賃貸需要とマッチしているかどうか確認する必要があります。
地域の賃貸需要を見極めるときは、以下の要素をチェックしましょう。
- 世帯層(ファミリー層が多いと賃貸需要も多い)
- 周辺施設(保育園や学校があればファミリー層への訴求になる)
- 競合物件(ファミリー向け区分マンションが多いとターゲットが被る)
- 駐車場の有無(地方や郊外の場合は車利用が多い)
- 交通アクセス(都市部の場合は公共交通機関の利用者が多い)
調査方法としては、地場の不動産屋に直接聞くのが手っ取り早く、情報の精度も高くなります。また、LIFULL HOME’Sの「見える!賃貸経営」というサイトを使えば、エリアごとのニーズを確認可能です。
賃貸歴・空室率
投資用として運用されていた場合、これまでの賃貸歴・空室率がわかれば今後の収支予測に役立ちます。
例えば、近年の家賃が下落傾向にあれば、近いうちに再び値下げが必要になるかもしれません。また、現在の年間家賃収入が100万円でも、空室率が10%なら実際の収入は90万円になる可能性があります。
入居者がいる状態で購入する場合は、その人に滞納歴があるかどうかもチェックしましょう。
賃貸歴・空室率の確認は、売主や管理会社に問い合わせればわかります。物件によっては、最初から資料として提示される場合もあります。
ただし、自己居住用の物件だった場合はそもそもデータがないため、あくまで「資料があったら確認する」と考えておきましょう。
修繕・リフォーム歴
修繕・リフォーム歴は、購入後にどのくらいのコストや手間がかかるか判断するために必要です。
直近に修繕やリフォームが行われていれば、購入後すぐに貸し出せます。ただし、価格は高めに設定されるケースが多いため、中古戸建のメリットである「安価で高利回り」という旨味は減ってしまいます。
一方、修繕やリフォームが一度も行われていない場合や、行われていても10年以上経っている場合は、購入直後に数十万~数百万円の費用が発生するかもしれません。
「直近で修繕・リフォームは行われているか」「行われているなら価格はどの程度上乗せされているか」をチェックし、購入後のコストや手間を踏まえたうえで妥当な価格か見極めましょう。
土地・建物の価格割合
戸建の場合、資産価値は土地と建物で別々に考える必要があります。それぞれの価格割合がどのような比率になっているかで、将来的な価格下落が変わるからです。
建物は経年劣化によって資産価値が下がりますが、土地は価格変動が少ないため、土地値の割合が高いほど戸建の資産価値は保ちやすくなります。
例えば、1,000万円の中古戸建があったとして、価格割合が「土地3:建物7」のケースと「土地4:建物6」のケースを比較すると、次のような違いが生まれます。
・物件価格が1,000万円で土地3:建物7=土地300万円:建物700万円
・経年劣化で建物価格が50%下がった場合…建物350万円
・経年劣化後の物件価格…土地300万円+建物350万円=650万円
・物件価格が1,000万円で土地4:建物6=土地400万円:建物600万円
・経年劣化で建物価格が50%下がった場合…建物300万円
・経年劣化後の物件価格…土地400万円+建物300万円=700万円
このように、建物の下落率が同じ場合、土地割合が高い物件のほうが資産価値は高くなります。
中古戸建を探すときは、物件全体の価格だけではなく、土地と建物それぞれの価格も確認しましょう。
築年数
木造の戸建住宅は、築年数の経過と比例して価値が下落していきます。先述の通り、築10年ほどで約50%、築25年ほどで約90%の下落です(建物のみの下落率)。
参照:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状 中古戸建住宅の価格査定の例」
ただし、以下のような事情も反映されるため、実際の下落率は物件ごとに違います。
- 建物の解体費用分が差し引かれ、土地値以下で売り出されている
- リフォームされたばかりで、その費用分が上乗せされている
- 高級設備や高機能建材の使用など、付加価値の影響で値下がりが少ない
築年数ごとの下落率と、上記のような事情を考慮して、現時点の妥当な価格を判断しましょう。
耐震性能
耐震性能は、災害時の安全性を測る重要な指標です。築古の中古戸建を買う場合、耐震性能が不十分なケースもあるので注意しましょう。
耐震性能の基準は1981年6月1日に改正され、改正以降に建築確認を受けた物件は安全性が高くなります。ただし、旧耐震基準で建てられた物件も、補強工事によって耐震性能が向上している場合があります。
建築年や補強工事の有無だけでも耐震性能の判断は可能ですが、より確実に現時点の性能を確かめたければ、耐震診断を受けると良いでしょう。
瑕疵の有無
「瑕疵」とは欠点や欠陥を指す言葉で、不動産においては以下の4つに分類されます。
種類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
物理的瑕疵 | 物件の構造や設備に欠陥があること | 屋根の漏水、床下の腐食、水回りの故障など |
心理的瑕疵 | 物件に対して心理的な不安や嫌悪感が生じること | 自殺や殺人などの死亡事故、火災や災害などの被害、犯罪やトラブルの発生など |
環境的瑕疵 | 物件の周辺環境によって、入居者の快適性や安全性が損なわれること | 騒音や振動、臭気や煙、電波障害などの公害、風水や景観の問題など |
法的瑕疵 | 物件に関する法律上の問題や制約があること | 再建築不可、土地の境界が曖昧、借地で土地使用上の規制があるなど |
瑕疵については売主側に告知義務がありますが、自分で確認することも重要です。以下に挙げる方法で、契約前にチェックしておきましょう。
- 現地で屋根や床下を目視確認
- ホームインスペクション(専門家による住宅診断)
- 地域の建築規制や接道状況を確認(役所に問い合わせる)
- 大島てる(事故物件の情報サイト)で調べる
空き家かオーナーチェンジ物件か
中古戸建では、現況が「空き家」か「オーナーチェンジ物件(入居者がいる状態)」かも重要です。
以下のように、それぞれにメリットとデメリットがあります。
現況 | メリット | デメリット |
---|---|---|
空き家 | ・室内に入って物件を直接確認できる ・自分の好みやトレンドに合わせてリフォームできる |
・入居者探しに手間とコストがかかる ・購入後長期的に賃料収入を得られない可能性もある |
オーナーチェンジ物件 | ・購入後すぐに賃料収入を得られる ・入居者探しのコストを削減できる ・現在の家賃で収支計画が立てやすい |
・室内を直接確認できない ・貸主不利な賃貸借契約でも引き継ぐことになる ・いつまで入居者がいるかわからない ・入居者が出ていった後に家賃が減る恐れがある |
空き家物件は、自分で工夫する自由度を重視する人や、建物の状態をしっかり把握したい人におすすめです。
対するオーナーチェンジ物件は、入居者付けが不安な人や確実に賃料収入が欲しい人に向いています。割合としてオーナーチェンジ物件はそれほど多くありませんが、狙って探してみるのも良いでしょう。
オーナチェンジ物件の投資については、関連記事でも詳しく解説しています。
中古戸建の不動産投資で失敗しないコツ
中古戸建は魅力的な投資方法ですが、やり方次第で失敗する可能性も当然あります。失敗を防ぐためには、以下のコツを押さえておきましょう。
- 価格や利回りだけで物件を選ばない
- 出口戦略をシミュレーションする
- 不動産投資会社に物件選びや運用方法を相談する
重要なのは、スタートである「物件選び」とゴールである「出口戦略」でつまずかないことです。そして、この2つの精度を高めるためには不動産投資会社への相談が近道となります。
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価格や利回りだけで物件を選ばない
中古戸建の不動産投資において、価格や利回りだけで物件を選ぶのは危険です。安くて高利回りの物件は、それだけリスクが高いことを意味します。
先述の通り、価格が安く高利回りの物件ほど築年数が経っていたり、何らかの問題を抱えていたりします。そのような物件は、修繕やリフォームなどの追加費用がかかりますし、賃貸需要を得るのも困難です。
また、不動産情報に記載されている利回りは、基本的に表面利回りや想定利回りです。実際の収支を反映していない可能性もあるので、実質利回りも計算する必要があります。
- 表面利回り…現状の賃料収入と物件価格から算出した利回り
- 想定利回り…満室収入と物件価格から算出した利回り
- 実質利回り…表面利回りに維持管理費用や税金を加えた利回り
実質利回りについては、以下の記事も参考にしてください。
重要なのは、購入後にかかるコストも考慮し、リスクとリターンのバランスを取ることです。一見良さそうな物件を見つけても冷静になり、先に解説した「中古戸建の投資物件を選ぶ際に見るポイント」をチェックしましょう。
出口戦略をシミュレーションする
不動産投資は、月単位や年単位ではなくトータルでの収支が大切です。最終的に損をしないためには、あらかじめ出口戦略をシミュレーションしておきましょう。
物件選びの段階から出口戦略を固めておけば、そのゴールに向かって「いつ・なにをすべきか」が明確になります。更地にするなら解体費用を必要な分だけ積み立てておけますし、売却予定なら累計利益とその時々の価格相場から売り時が判断できます。
また、いくつかの出口を想定しておけば、状況が変わったときも柔軟に対応可能です。
出口戦略については関連記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。
不動産投資会社に物件選びや運用方法を相談する
中古戸建の不動産投資は、物件選びも運用方法も「中古戸建に特化した考え方」が重要となります。しかし、これから不動産投資を始める初心者や、本業で忙しい人にとって、専門的な知識をすぐに身に付けるのは困難です。
そこでおすすめなのが、不動産投資会社(投資専門の不動産会社)に相談しながら投資を進めるやり方です。不動産投資会社なら、個々の予算や投資目的に合わせて的確なアドバイスをしてくれます。
不動産投資会社は、物件選びや仲介・販売業務だけでなく、購入後の管理や運用まで対応しており、仲介業者と管理会社の役割を兼ね備えている業者です。そのため、不動産投資にかかる業務や手続きを一貫してサポートしてもらえます。
ただし、一口に不動産投資会社といってもサービス内容はさまざまで、得意な物件や地域も異なります。まずはなるべく多くの不動産投資会社を比較し、提案内容や担当者との相性を確認しましょう。
下記リンクでは、厳選された不動産投資会社を一括で比較できます。不動産投資について悩みや不安を持っている人は、ぜひ活用してみましょう。
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中古戸建で不動産投資を始めるときの流れ
中古戸建で不動産投資を始める場合、以下の流れで進めていきます。
- 物件探し
- 内覧
- 購入申し込み
- ローン審査・売買契約
- 決済・引き渡し
- リフォーム・運用開始
全体の流れをあらかじめ把握し、スムーズに運用開始まで進めましょう。それぞれ詳しく解説します。
STEP1.物件探し
まずは購入する中古戸建を探します。物件の探し方としては、以下のような方法が挙げられます。
- インターネット(不動産ポータルサイトなど)で探す
- 情報誌や広告で探す
- 不動産会社に相談する
- 競売情報を確認する
インターネットや情報誌を見るのがもっともポピュラーな方法で、費用もかからずマイペースに探せます。物件に目星を付けてから不動産会社に問い合わせたい人は、これらを中心に探すと良いでしょう。
自分で探すより専門家に紹介してもらいたい人は、最初から不動産会社に相談するのがおすすめです。インターネットなどには掲載されていない、未公開の優良物件を紹介してもらえる可能性もあります。
変わったところでは、競売情報を確認するという方法もあります。裁判所やBIT(不動産競売物件情報サイト)で、入札受付中の物件情報を確認可能です。
ローンの滞納などで差し押さえられ、裁判所経由で競売にかけられた物件のこと。市場価格より3~4割ほど安く購入可能だが、書面上でしか物件をチェックできなかったり、なんらかの瑕疵があってもすべて自己責任だったりと、通常の売買とは異なる注意点が多い。
STEP2.内覧
候補となる中古戸建が見つかったら、不動産会社を通して内覧を申し込みます。空室の場合はもちろん、居住中であっても入居者が売主本人であれば内覧可能です(オーナーチェンジ物件は基本的に内覧不可)。
内覧時には、物件だけでなく周辺環境のチェックも行います。実際に住む人の目線で見て、賃貸需要の見込める物件か確認することが大切です。
現地に直接赴くことで、書面上に現れない発見を得られます。よほどの遠方でもない限り、なるべく内覧するようにしましょう。
STEP3.購入申し込み
購入する物件を決めたら、売主に購入を申し込みます。この時点ではまだ契約は成立しておらず、他の購入希望者に取られてしまうリスクもあります。
申し込みと併せて、価格などの条件を交渉することも可能です。ただし、交渉が決裂すれば当然購入できなくなるので、不動産会社と相談しつつ常識的な範囲で希望を伝えましょう。
また、申し込み前に購入後の収支をシミュレーションするのも大切です。リフォームにかかる費用や期間、今後の家賃下落も含め、本当に投資する価値がある物件か検討しましょう。
STEP4.ローン審査・売買契約
売主との交渉がまとまれば、ローン審査と売買契約締結に進みます。なお、現金一括で買う場合、ローン審査は当然不要です。
このステップは、さらに細かい段階に分けられます。
- ローンの事前審査を受ける
- 重要事項の説明を受ける
- 売買契約を結び手付金を支払う
- ローンの本審査を受ける
最初のローン事前審査では、簡易的な審査で融資可能額のおおまかな見込みが提示されます。事前審査の期間はおおむね数日~1週間程度です。
重要事項説明の後、売買契約を締結しますが、この際に手付金を支払うのが一般的です。
契約成立の証として、売買代金の一部を先に支払うもの。自己都合による解約や契約違反によるキャンセルの際には放棄する。
手付金の金額は5~10%程度が相場ですが、売主・買主の双方が同意すれば自由に設定できます(売主が不動産会社の場合は売買価格の20%が上限)。
売買契約を結んだ後、実際に融資を受けるための本審査が1週間~1ヶ月かけて行われます。事前審査に通っても、本審査で落ちる場合があるため注意しましょう。
本審査で落ちると手付金を放棄しての解約になるため、売主側には損しかありません。この対応策として、売買契約に「本審査に落ちた場合、解約に手付金放棄は不要」という特約(ローン特約)を盛り込むケースもあります。
ローン・売買契約の必要書類
ローン契約と売買契約には、それぞれ必要書類があります。下記はその一例です。
種類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
本人確認書類 | 貸主の氏名や住所などを確認するための書類 | 運転免許証、パスポート、住民票など |
収入証明書類 | 貸主の収入や勤務先などを確認するための書類 | 源泉徴収票、確定申告書、給与証明書など |
物件関連書類 | 物件の価格や状態などを確認するための書類 | 物件概要書、レントロール、売買契約書、重要事項説明書、登記簿謄本、公図、建築確認済証など |
その他 | その他の必要な書類 | 印鑑登録証明書、職歴書、資格等証明書、賃貸借契約書、既存ローンの返済予定表、団体信用生命保険申込兼告知書など |
種類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
本人確認書類 | 売主と買主の氏名や住所などを確認するための書類 | 運転免許証、パスポート、住民票など |
印鑑関連書類 | 売主と買主の印鑑を確認するための書類 | 実印、印鑑証明書など |
物件関連書類 | 物件の価格や状態などを確認するための書類 | 登記済権利書、登記識別情報、ローン残高証明書、建築確認済証、検査済証、賃貸契約書、入居者情報など |
その他 | その他の必要な書類 | 銀行口座の通帳、カギ、敷金、固定資産税・都市計画税の納税通知書など |
個々のケースで実際に必要なものは変わるため、金融機関や不動産会社に確認しましょう。
なお、以下の関連記事でも詳しく解説しています。
STEP5.決済・引き渡し
決済と引き渡しは、同日に行われるのが一般的です。ローンを組んだ金融機関の店舗へ赴き、以下のような流れで進みます。
- 司法書士による書類の確認
- 融資実行・代金支払い
- カギや権利書などの引き渡し
- 仲介手数料の支払い
カギや権利書を受け取れば引き渡しは完了ですが、正式な所有権の変更には、法務局で所有権移転登記を行う必要があります。引き渡し後、司法書士に申請してもらうのが一般的です。
所有権移転登記は申請からおおむね1週間程度で完了し、これをもって売買手続きは終了となります。
STEP6.リフォーム・運用開始
物件の引き渡し後は、運用に向けて準備を行います。そのままの状態では貸し出せない物件は修繕やリフォームが必要ですが、時間をかけすぎるとその期間分だけ収益が減るため、手を加えるのは最低限に留めておきおきましょう。
入居者募集や運用開始後のメンテナンスなどは、管理会社に一任できます。管理費を節約したい場合は自主管理という選択肢もありますが、手間と労力がかかるので注意が必要です。
また、運用開始後は毎年2月16日~3月15日の期間中に確定申告をする必要があります。下記の関連記事で詳しい方法を解説しているので、忘れずに申告しましょう。
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中古戸建で不動産投資を始める際の注意点
中古戸建で不動産投資を始める際は、下記の2点にも注意が必要です。
- 間取りが特殊な物件を選ばない
- 一棟運用では空室の際に収入がゼロになる
上記の2点を押さえておけば、より投資の成功率を上げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
間取りが特殊な物件を選ばない
戸建は物件ごとに異なる特徴があり、中には特殊な間取りもあります。特殊な間取りは、ニーズがぴったりとハマる人には魅力的ですが、それ以外の大多数には「住みにくい」「使い勝手が悪い」と思われがちです。
戸建てに住む人が求めるのは住みやすさや安心感なので、個性的な間取りだと入居者を見つけにくくなってしまいます。
また、特殊な間取りだと耐震性能が低かったり、メンテナンスコストが高くなったりする可能性もあります。
不動産投資においては、個性や奇抜さではなく「普通であること」を重視したほうがうまくいくでしょう。
一棟運用では空室の際に収入がゼロになる
不動産投資において、空室はもっとも避けるべき事態です。空室が続けば数十万円以上の機会損失になりますし、その間も維持管理費やローンの返済費は発生します。
一棟アパートのように1つに複数戸の物件なら、そのうちのいくつかが空室でも大きな影響はありません。しかし、中古戸建だと空室が収入0に直結します。
空室リスクを抑えるためには、なるべく複数の物件を所有することが大切です。1軒だけの運用で終わらせず、2軒、3軒と拡大していくことをおすすめします。
まとめ
中古戸建ての不動産投資は、物件の選び方や運用方法が重要です。物件の管理状態や地域の賃貸需要、支出と収入のバランスなど、気をつけるべきポイントが多数あります。
物件選びや運用について不安や悩みがあれば、まずは不動産投資の専門家に相談しましょう。不動産投資会社に相談すれば、非公開の優良物件を紹介してもらえる可能性もあります。
中古戸建ての不動産投資は、長期的な安定収入が期待できる方法です。注意点を押さえて、賢く不動産投資を始めましょう。
中古戸建の不動産投資で良くある質問
安価で高利回りの物件が多いことや、入居期間が多いことがメリットとして挙げられます。また、自由度が高く出口戦略を取りやすい点も特徴です。
一方、ローン審査で不利になることや、ボロ物件・法的問題を抱えている物件が多いといったことがデメリットとして挙げられます。
いいえ、戸建投資でも儲けることは可能です。ただし、入居者付けが難しかったり、リフォームやメンテナンスの費用がかさんだりと、運用が難しい点もあります。
物件選びの段階から、運用中の収支や出口戦略を見据えておくことが大切です。
地域や物件の状態など、さまざまな要素があります。高利回りなら50%や100%以上の物件もありますが、利回りが高いほど活用が困難です。
一方、中古戸建でも築浅などの高額物件だと、5%以下の利回りになる可能性もあります。
さまざまなポイントがありますが、代表例としては以下の通りです。
・地域の賃貸需要とのマッチ度
・賃貸歴、空室率
・修繕、リフォーム歴
・土地、建物の価格割合
・築年数
・耐震性能
・瑕疵の有無
・空き家かオーナーチェンジ物件か
より端的にいえば、「賃貸需要があるかどうか」と「運用収支がプラスになるか」の2点が重要です。
不動産投資会社に相談しましょう。物件選びから資金計画、購入後の維持管理まで、あらゆる面で適切なサポートをしてくれます。会社ごとにサービス内容の違いがあるため、なるべく多くの不動産投資会社を比較するのがおすすめです。→【プロが最適な投資をアドバイス!】不動産投資会社の一括比較はこちら